月別アーカイブ: 2010年8月

イマジン・プロジェクト

通勤音楽メモ。

先日購入したハービー・ハンコックの新譜「イマジン・プロジェクト」です。

イマジン・プロジェクト

豪華なゲストを呼んでの一大コラボレーション!というパターンは、ジョニ・ミッチェルへのトリビュートである前作「リヴァー」とか、その前の「ポシビリティーズ」のパターンを踏襲しているようです。

(「リヴァー」はちょっと食指が動いたのですが結局買わずにいたのでした …)

最近の洋楽には疎いので共演者は知らない人が多いのですが、タイトルにもなっているジョン・レノンの《イマジン》、ピーター・ゲイブリエルの《ドント・ギヴ・アップ》、ビートルズの《トゥモロー・ネヴァー・ノウズ》、ボブ・ディランの《時代は変わる》あたりが並んでいると、やはり興味はそそられます。

で、感想ですが、一言で言うと decorative ではあるが creative ではないな、ということ。ゴージャス過ぎて、隙がなさ過ぎて、「こういうもん作れば売れるでしょ?」というセレブ感が少々鼻についてしまいました。結局、上記のレパートリーにしても、それを選択することの必然性や意外性のようなものが感じられなくて、なんかハービーの掌の上で喜ばされているなあ、という感じです。

まあ、心地よいことは心地よいのですが、70歳を過ぎたおじいさんに昔のようなとんがった作品を期待する方が無理なのでしょうか?

おいでませハンブルクへ(特別編その2)

残念ながら朝から雨。ハンブルクの雨はほとんどの場合降ったり止んだりというパターンが多いのですが、今日はずっと止むことなく降り続いていました。

今日は基本的に従弟夫婦と母/叔母は別行動です。行程中ずっと元気なおばさん2人の面倒を見ていたので、せっかくドイツまで来たんだから少しくらいは二人きりで羽を伸ばせた方がいいですよね。街全体が世界遺産に指定されているリューベックや、ハンブルクの中でいちばん再開発が進んでいる港湾地区(ハーフェンシティ Hafencity)へ行ってきたそうです。ずっと雨だったので「ほとんど罰ゲーム」状態だったそうですが(笑)。

母と叔母は、まず息子のお送りがてら日本人学校の見学へ。ちょうど「夏休みの思い出」作品展が開かれていました。息子が描いた絵を見ることができてよかったのではないでしょうか。ちなみに息子はスイスで「シュワシュワのジュース(スイスのアップルジュースは基本的に炭酸入り)が飲めるようになったこと」と「世界で一番急な登山鉄道(ピラトゥス鉄道)に乗ったこと」がうれしかったそうで、大きな山と大きなアップルジュースを描いていました。そのあとは「朝の会」も見学させてもらったそうです。

その後、毎週金曜日にハルステンベックの市庁舎広場で行われているマルクトの見学へ。そうそう、私はといえば電車で街中まで車を取りに行き、マルクトで合流しましたとも。

午後。まだ雨は降り続いています。妻は夜の晩餐というか従弟夫婦も招いてのホームパーティーというかの準備、母と叔母はとにかく息子と遊びたいようでサッカーをしたり昼寝をしたり。あれ?私は何をしていたのだ?

ということで夕飯は我が家で日本食とドイツビールとドイツワインをメインとしたちょっとしたホームパーティー。おいなりさんとか浅漬けといった日本食はやはり喜んでもらえたようでよかったです。

従弟夫婦を駅まで送る時間になって、やっと雨が止みました。

おいでませハンブルクへ(特別編その1)

従弟夫婦が、私の母と叔母(つまり従弟のお母さん)を引き連れてドイツ旅行に来て、その行程の最後でハンブルクに寄ってくれました。フランクフルトに入り、旅程の前半では南ドイツのロマンティック街道やらノイシュヴァンシュタイン城などを回り、最後に北上してハンブルクに来るというスケジュールです。

夕方4時ごろの電車でハンブルク中央駅に到着。さすがにうちには大人4人を泊めるスペースがないので従弟夫婦には中央駅近くのホテルに泊まってもらうことにしました。一旦、チェックインして母と叔母の荷物も部屋に置いて、とりあえず市内見物へ。中央駅からアルスター湖へ向かってぶらぶらと散歩し、その途中でデパート「カールシュタット」に寄って適当なお土産の下調べなどをしました。

夕飯はハンブルクの郷土料理を楽しめる「フリーゼンケラー」へ。やはり南ドイツでは肉料理がメインだったようで、この店で食べられる魚料理は好評でした。

午後9時頃、母と叔母を乗せて自宅へ帰るために近くの電気店の駐車場に停めた車を取りに行ったところ、すでに電気店は閉店で駐車場も完全にクローズ … 重い荷物を引きずりながら電車で帰りましたとさ …

ブログ復帰?

最近、ブログの調子が悪く、アクセスしにくい状況が続いていました。

どうも、とあるプラグインが使っているデータベースが壊れてしまい、そのデータベースにアクセスするプロセスがずっと待ち状態になってしまい、待ち状態のプロセスが一定数以上増えると、それ以降データベースにアクセスできなくなる(=ブログが表示されなくなる)というのが原因のようでした。

あまり関係ないかも知れませんが、とりあえず古いバージョンのまま使っていた WordPress をアップデートして、問題がありそうなプラグインを使わないようにして、とやったら、今のところブログが安定して動くようになったようです。

ビザ再び

自分のための備忘録。

来月頭でビザが切れてしまうということで、会社の人事担当にビザの更新手続きを依頼しました。というか、雇用者に対して「ビザが切れる」という通知が来たので、そのための書類を用意した、と言った方が正確かも知れません。前にも書きましたが、後からドイツに来た家族の分のビザも私のビザの有効期限に合わされていたので、家族3人分まとめて更新手続きをする必要があります。

用意したものは以下の通りです。

  • 息子の分も含めた各人の申請書類(当然、息子は内容を確認して署名する、ということはできないので私が署名を代筆)
  • 前回のビザ申請時から住所が変わっているので、念のため現住所の住民票
  • 各人のパスポート
  • 各人のパスポートサイズの証明写真1枚

通常は2週間程度で更新手続きが完了するということなのですが、10月にまた旅行に出かける予定があるのでちょっと心配です。どうなることやら …

Home again

日本にちょっと帰っていた妻と息子が今日の夕方ハンブルクへ帰ってきました。

妻の荷物はほとんど食品で、なかなかハンブルクで買えないものを仕入れてきたようです。例えば、

  • 錦松梅のふりかけ。ひょっとしてデュッセルドルフあたりに行けば売っているのかなあ?
  • おいしい紅茶。
  • 大量のふりかけ。
  • 大量のおやつ。
  • ゴマすり器。普通のゴマは現地のスーパーマーケットでも売られているのですが、すりゴマはなかなか売っていないのだそうです。こちらのアジア食材店で見つけたゴマすり器がかなり高かったので、日本へ帰ったタイミングで買ってきたとのこと。
  • 残念ながら「桃ラー」は見つけられなかったそうなので、パチモンというか二番煎じの商品を。それから自分で作るキットも売られていたそうなのでそれも買ってきたようです。

息子は息子で、新しい京成スカイライナーのチョロQとか、VooVというシリーズのおもちゃで新幹線が「関空特急 はるか」に変身してしまうやつとかにご満悦でした。

私が持って来てもらったものたち。

  • 「黛敏郎の世界」(本)。氏の作品リスト、評論などがまとめられている。NAPPさん(作曲家の中橋愛生さん)が吹奏楽作品についての評論を書いているらしい。どうでもいい話ですが、若き日の黛さんって「さかなクン」に似ていませんか?
  • 「芥川也寸志―その芸術と行動」(本)。こちらは芥川也寸志さんについて作曲だけではなく音楽教育、著作権保護なども含めた活動をまとめた本です。私のホームページからamazonのアフィリエイトで購入された方がいたのですが、けっこうとんでもない値段がついています(今日現在で39800円)。他の古書サイトで調べてみたらもっと安い値段(0が一つ取れるくらい)で出ていたので後学のために買っておくことにしました。
  • 「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」(DVD-R)。実家に頼んで録画しておいたもらったものをDVD-Rに落として持って来てもらったんですが … 見れないぞ …
  • 「ハイパービートルズ 3 ノルウェーの森」(CD)。その昔、「ハイパービートルズ」というシリーズで4枚のCDが出ていました。ピアニストの高橋アキさんが内外の著名な作曲家にビートルズの作品のピアノアレンジを委嘱し、それをレコーディングするというものでした。2枚は持っていたのですが、まだ持っていないものが2枚あったので、この機にオークションで手に入れておこうと思ったわけです。数年前、確かお茶の水の三省堂の前で中古CDのワゴンセールが行われていて、この「ハイパービートルズ」シリーズ4枚が破格の値段で売られていました。「帰る時に買おう」と思って三省堂に入り、帰る頃にはすっかり忘れていたのは「人生における後悔ベスト10」に入るくらいの悔恨でした。欲しいものは見つけた時に買いましょう。
  • ピタゴラスイッチ うたのCD」なぜ、この番組では「ピタ」と「ゴラ」と「スー」しかいなかったのか、謎がやっと解けました(笑)。おおむね満足ですが、収録時間がちょっと短いようなので「フレーミー」は歌なしのバージョンもあった方がうれしいなあ。まあ、「うたのCD」なのでしょうがないのかも知れませんが。
  • 「大いなる秋田」東京公演のCD/DVD。勢いで買ってしまったのでした。経緯はこちら(http://www.akita-great-tokyo.org/)にありますが、この作品は秋田県が石井歓氏に委嘱した吹奏楽と合唱のための組曲です。

芥川也寸志―その芸術と行動

フェネス/バルトーク

バケーションのシーズンも終わったのか、今週の頭あたりから交通量が増えて、通勤経路で渋滞する箇所が増えてきました。日本ではまだ暑い日々が続いているようですが、こちらでは暑さもやわらいですっかり秋という雰囲気です。

例によってアジア料理店「Asia Lam」へ。

ほとんど定番になっているアルコールフライのビールと最近付き出しとして出てくる春巻きは省略して、メインディッシュは白身魚を揚げたももにオイスターソースベースのちょっと辛いソースをかけて食べるものです。ご飯が進みます。

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今日届いたCDたち。

Black Sea

先日、教授が主催するcommmonsのコンピレーション・アルバムで久しぶりにフェネスを聞いて感動したので、それに含まれていた《Saffron Revolution》という曲が収録されているアルバムを買ってみました。日本盤はcommmonsから出ているのですが、海外盤も収録曲は同じだったので安い海外盤の方です。

電子音くさいエレクトロニカではなく、ときおりギターなども加わって(実際、フェネスはギタリストとして教授のツアーに参加したこともあります)非常に抒情的なサウンドです。

分厚い電子音の重なりがものすごく雄大な世界を感じさせてくれます。

Bartok: Solo Piano Works 1

ちまちま集めているフンガロトン・レーベルの新バルトーク全集。「ピアノ作品集その1」です。amazon.deのマーケットプレイスで新品が3.33ユーロ(今のレートだと400円弱くらい?)で売られていたので、つい買ってしまいました。

カール・クレイグ&モリッツ・フォン・オズワルド/シノーポリ

しかし、家族がいないと思いっきり生活が自堕落になりますなあ。よくこんな生活を10ヶ月も続けていたなあ …

CDの購入メモです。

Recomposed By Carl Craig & Mor

その昔、ブルーノートレーベルの作品をサンプリングして大ヒットしたUS3の「ハンド・オン・ザ・トーチ」というアルバムがありましたが、これは、そのクラシック編あるいはドイツ・グラモフォン編とでも言えましょうか。カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏による《展覧会の絵》(ムソルグスキー/ラヴェル)、《ボレロ》《スペイン狂詩曲》(どちらもラヴェル)を「再作曲(Recomposed)」したものです。

上記に挙げた作品はほとんど原形をとどめないくらい(例を挙げるとThe ORBによるYMOの《東風》のリミックスのように)解体され、普通のテクノチューンに仕上がっています。聞き取れるのは《ボレロ》のスネアドラムのリズムとか、《展覧会の絵》の《サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ》のトランペット(「金貸してくれよ金貸してくれよ」)とか、《スペイン狂詩曲》に繰り返し現れる「F-E-D-Cis」の音形とか、そういったものです。

途中、アナログシンセっぽい音色が活躍するところは全然「Recompose」になっていないのですが、それ以外の部分では上記の素材が繰り返されながらゆったりと遷移していきます。遷移の途中でのリズムのずれなどが面白くて、意外に繰り返して聞いても面白いと思いました。

外観が特徴的なベルリンフィルハーモニーホールの写真を使ったライナーノートやCDを入れる内袋のデザインがなかなか素敵です。

Schoenberg Berg & Webern

ジュゼッペ・シノーポリがシュターツカペレ・ドレスデンを振ったシェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンらの新ウィーン楽派の作品を収めた8枚組ボックス。そもそもはベルクのヴァイオリン協奏曲を聞きたくて購入したのでした。

レビューでは賛否両論だったのですが、そういうレビューの方が面白い演奏に出会える可能性は高そうです。シノーポリの繊細なアプローチ、シュターツカペレ・ドレスデンの美しい音色に賭けて買ってみました。

I can see clues all around me

意外と簡単に謎が解けました。

11PMのYMO特集の映像がYouTubeにあったのですが(合掌、今野雄二さん …)、このビデオの最後の方に上条喬久さんが出演しています。まさに「YMO x SUKITA」にコメントを寄せている方で、フジカセットのために制作したポスターを順に紹介しています。

まとめるとこうなります。「YMO x SUKITA」での上条さんのコメントでは「5作目は300人のYMOであった。」とありますが、おそらく記憶違いでしょうね。

Give me a cue (YMO x SUKITA)

というわけで、辛抱たまらずカッターナイフで切り開いて見てしまいましたよ。

Yellow Magic Orchestra×SUKITA

もう購入された方はご存知でしょうが、この本は段ボール箱に入っていて、その上からステッカーで封印されています。何とかステッカーを切らなくても開封できる方法を探して、段ボール箱のふちを持ち上げてみたりもしましたが、本自体にダメージがあっては元も子もないので、素直にステッカー部分を切り開いて開封してしまいました。

個人的にいちばんインパクトがあったのはユキヒロさん(当時はまだカタカナ表記だった)のソロアルバム「音楽殺人」の加工前の写真でした。それから教授の女装姿が今までになくはっきり見られた「写楽祭」のスナップかなあ。

紙質については賛否両論ありますが、個人的にはどちらでもいいかなと。それよりも「書籍後半の白紙ページは、編集者とデザイナーの意図によるものです。」という注記が何だかなあ、です。言い訳のような注記を入れなければいけないのだとしたら、それは意図として失敗なのでは?

で、本題なのですが、本の中に富士フイルムのカセットテープのデザイナーをやった方のコメントが載っていたのですが、全部で6作あるとのこと。ちょっと思い浮かべてみたのですが、5つしか思い出せません。ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい。以下は作られたポスターなのですが、例のネコが登場するCMもカウントするのかな?これはポスターを見たことがないのですが …

コピー「音楽は増殖を始めた。」

たぶん、これが最初なのではないかと思うのですが、アルバム「SOLID STATE SURVIVOR」のアウトテイクのような写真が使われています。

コピー不明

カセットが浮かぶ宇宙空間をお三方が遊泳しているような写真が使われています。上記の本の中にも掲載されているヤツ。

コピー「音楽は磁性紀に入った。」

おそらく、これがいちばん有名ですね。のちに「∞増殖」のジャケットにも使われたもので、300体のYMO人形が整列しているものです。

コピー「音楽は104番目の元素だ。」

お三方がカセットテープを組み合わせて作られたロボットの中に入っているヤツ。これも本に載っています。

コピー「世紀末か、新世代か。」

お三方の顔のアップ。

当時、私はこれらのポスターが欲しくて富士カセットに手紙を書いてみました。そうしたら筒入りのポスターが送られてきました。記憶が定かではないのですが、上記5枚のポスターのうち上の4枚はまだ実家にあるはずです。