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細野補完計画(続き)

そういうわけで、中古で購入した細野さんの「Omni Sight Seeing」が届く。

「観光音楽」+「環境音楽」という評価もあったように、1曲の中で世界各地の音楽がヘテロなままで共存しているような感じ。(今風の言葉で言うと「マッシュアップ」?)融合しているわけではなくて、それぞれの素材が自分の境界線を主張しているのであるが、何かの拍子でその境界線がピタッとはまってしまったような不安定さを感じる。のちのソロ作「メディスン・コンピレーション」やYMO再生アルバム「テクノドン」に通じる無機質なビートとあいまって、シニカルな狂気を感じるのである。(顔では笑っているけど、頭の中では何を考えているのかわからない不気味さというか)非常に刺激的。

それから、ついに再発された岡林信康の初期3作。2枚目の「見る前に跳べ」ではっぴいえんどがバックを務めている。

このアルバムに収録されている「私たちの望むものは」を1970年の第2回全日本フォークジャンボリーで演奏した時の映像が残されていて、数少ない「動くはっぴいえんど」の記録として知られている。今でこそ、はっぴいえんどのボックスに収録されているのだが、以前は見たくても見られない状態だった。そこで、何の気なしにNHK-BSの番組(「フォーク大全集」とかそういうやつだったような気がする)にこの映像をリクエストしたら、番組中でメッセージが紹介されてしまい、しかもそれを妻の実家で見ていたという、どうでもいいエピソードあり。ちゃんと映像も放送してもらったし、この時代の証言には欠かせない佐野史郎さんもけっこう熱っぽく語っていたように覚えている。

超A級放送禁止歌と言われていた《手紙》も、まだちゃんと聞いたことがなかったんだよなあ。

レコジャケジャンキー

CDジャーナルムック レコジャケ ジャンキー !

パロディ化されたレコード・ジャケットを集めたムック。内容も面白いが、マッハ55号のデザインによるカバーが凄い。

表紙がパッと見でビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のパロディであることは明白であるが、裏表紙もこのアルバムをパロっていて、しかもオリジナルの裏ジャケに載っている歌詞までパロっているのである。

例えば、タイトル曲が《サージェント・ジャンキーズ・ラヴリー・レコード・ジャケット・ブック》になっていたり、《ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド》が《ルージー・ゴーイング・トゥ・スクール・ウィズ・ドッグ》になっていたり(ちゃんと「LSD」になっている!)、《ア・デイ・イン・ザ・ライフ》が《ア・デイ・ホエン・ファブ・フォード・ゴーン》(ビートルズが解散した日)という替え歌になっている。

それだけでなく、内側もアルバム初回版を模しているし、おまけにポストカードもついてくる。当然「帯」もついている。

ちなみにマッハ55号というデザイン集団は「魁!!クロマティ高校」のDVDカバーデザインでものすごいことをやっている。ご覧あれ。