月別アーカイブ: 2008年3月

レ・フレール

息子が風邪をひいたようなので、基本的には家でダラダラ。

この機に、ハードディスクに取り貯めた番組の中から保存しておきたいものを DVD-R に落とす。 昨年の「東京 JAZZ 2007」での、小曽根真さん率いる No Name Horses の演奏とか、年末に BS デジタルで放送された小曽根さんの特集とかをまとめる。

で、東京 JAZZ にレ・フレールの演奏が収録されていた。 兄弟(レ・フレールはフランス語で兄弟という意味らしい。まんまやんけ。)によるピアノ・デュオで、いわゆる「キャトルマン・スタイル」の連弾を行う。 店頭で CD を見かけたことはあったのだが、最近流行りの「お気楽クロスオーヴァー」のような先入観があって、そんなに興味がわかなかった。

《Boogie Back to YOKOSUKA》という曲が演奏されたのだが、これがかっこいい。 コラールっぽい前奏から、一転軽快なブギになる。 普通の連弾って、二人の演奏者の手があまり交差しないと思っていたのであるが、このデュオはほとんど交差しっぱなしである。お互いの左手が基本的な伴奏パターンを演奏し、お互いの右手がアドリブや掛け合いをする。

その後、独りで外出(「おつかい」ともいう)してお買い物。 真昼間、しかも日曜日の「イオンお客様感謝デー」がこんなに混んでいるとは思わなかった。

で、買ったもの。

  • ミュージックマガジン2008年4月号。特集は電気グルーヴ。
  • 村上春樹さん訳の「ティファニーで朝食を」。映画しか見たことない人はぜひ原作を。私は絶対原作の方が面白いと思う。
  • 幻冬舎新書「カラヤン帝国興亡史」
  • 柴田元幸さんの「翻訳教室」。「東大文学部翻訳演習完全収録」だそうで。

あいのてさん(ノイバウテン/大滝詠一/ザ・バンド/ラヴェル/教授)

「ままのて音楽会~ママさんがおくる手作り音楽会~」を見に行く。

浜松市内の、いわゆる「ママさん吹奏楽団」であるアザレア・ママズ・アンサンブルと、あいのてさんたちの共演である。

第1部はアザレアのメンバーによるアンサンブル、第2部があいのてさんによるステージ、最後にアザレアのメンバーとあいのてさんによる共演、という構成。

あいのてさんステージは、NHK 教育で放送されていた(そういえば放送終了からもう一年だ …..)「あいのて」のテーマから始まり、《イシ・テクノ》《ピンポン・マリンバ》《アラビアン・ストロー・ナイト》《カラダ・ディスコ》など番組で 使われた曲、それから各メンバーのソロによる即興などが演奏された。

息子は多少体調が悪かったので、途中から集中力が切れてしまっていたが、まあ一応最後まで人様の迷惑にならずに聞き通すことができた。

CD付 音楽ってどうやるの ミュージシャンが作った音楽の教科書

終演後、各メンバーによるグッズ販売。 野村誠さん(赤のあいのてさん)と片岡祐介さん(黄色のあいのてさん、ちなみに浜松在住)が書いた「音楽ってどうやるの」という本を買った。 今回のコンサート前にメンバーのブログを見ていてところ、発売されたばかりだということだったので、ぜひ欲しかったのである。 お二人にサイン(とセルフ・ポートレート)を書いていただく。

簡単かつそれっぽく音楽のスタイルを取り入れた即興演奏をやる具体的な方法が書かれている。 「なんちゃって雅楽」「なんちゃってアイリッシュ」「なんちゃって伊福部昭」「なんちゃってシェーンベルク」「インスタント・メシアン」とか。

最近、いろいろな音楽に対して閉塞感を感じていて、野村誠さんのアプローチに興味を持っている。 楽譜がなくても、楽譜が読めなくても、音楽はできるのである。 こういった集団即興も音楽の根源的な「ある部分」を具現化しているのだと思う。

そこに楽譜(=一緒に音楽をやる他者との厳密な約束ごと)という要素が入ってきた時に、音楽はどう変わるべきなのだろうか?というのは演奏者としてきちんと考えてみたい。

というわけで、今日買ったもの。

コラプス

アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン(未だにこのグループ名、覚えられないなあ …..)のファーストアルバムが紙ジャケ化されたので。 たぶん50%くらいは気に入るんじゃないかなあ、と思って買ったらだいたいそんな感じ。絶叫系のヴォーカルは好きじゃないんだけど、インダストリアルなビートは好き、みたいな。

ナイアガラ・カレンダー 30th Anniversary Edition

大滝詠一さんのソロについては完全に後追い(かろうじて「A LONG VACATION」「EACH TIME」がリアルタイム体験)なのだが、30周年記念リリースされた「NIAGARA MOON」にしびれてしまったので、以後追いかけているのである。タワーではすごろくのおまけつき。

Music From Big Pink (Remaster) (紙ジャケ)

ボブ・ディランのバックバンドも務めていたザ・バンドのファーストアルバム。 ちなみにジャケットの絵もディランによるもの。まあ、名盤ということなので。

ラヴェル:ピアノ協奏曲

これもアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲同様、「のだめカンタービレ」第20巻に登場した音楽。 恥ずかしながら CD も持っておらず、今までちゃんと聴いたこともなかったので、この機に買っておこうかと。

買うなら「両手」も「左手」も入っている盤が欲しかったし(ラヴェルのピアノ協奏曲はこの2曲のみ)、録音が古過ぎるという問題があることもわかっていたのだが、まあ名盤と言われるクリュイタンスとフランソワのものを。

意外に「両手」の第2楽章がロマンチックで印象に残る。 (そんなにラヴェルっぽくはないのだが …..)

koko

で、教授の新作。

いい意味で裏切って欲しいなあ。 悪くはないんだけど「お仕事」的な内容。

THE LAST SUSHI

3~4年前から水曜日は「お寿司の日」になっていた。

英会話の練習がてら、ドイツ人社員と一緒にお昼にお寿司を食べに行っていたのである。 彼は3月いっぱいで退社して、ハンブルクの(私が最近出張することの多い)会社で働くことになっている。 そういうわけで、今日が最後の「お寿司の日」になった。

当然のことながら「最後なので見送る側がおごってあげよう」ということになっていたのだが、寿司屋のおやじさんに「今日が最後なので …..」みたいな話をしたら、「じゃあ、お代はいいよ」ということになった。 普段よりいいものを食べたのに申し訳ないです …..

ちなみに彼が撮影した写真は以下のような賞をもらったとのこと。 いい写真です。

http://www.med.or.jp/photo/9th/index.html

SENSURROUND

SENSURROUND [DVD]

先日購入したコーネリアスの DVD 「SENSURROUND」を見る。

いままでサラウンド系のオーディオソースというと、ビョークの「ヴェスパタイン」を愛聴していたのだが、この「SENSURROUND」は映像との 相乗効果もあってどっぷりひたることができる。映像も音楽と同期しており、どちらが主でどちらが従ということではなく不可分の存在になっているのであ る。(このあたりはサウンド&レコーディングマガジンのインタビュー記事にあった通り)

このアルバム(CD 版の「SENSUOUS」)で一番のお気に入りトラックである《GUM》の映像は見ていてあまり楽しくなかったのでこのトラックのみに関しては正直いまいちだったのであるが、総じて繰り返し試聴に耐える面白さがある。

アルバムもかなり水準の高い作品だと思っていたのであるが、この DVD を見るとその凄さがより一層分かるというか。

閑話休題。 以前から DVD を見るときに映像が横方向にぶれることがあった。 例えば「戦艦ポチョムキン」の時はそのぶれが目立たなかったのか気にならなかったのか ….. 「その手の映像」(例えば、今回のコーネリアスとか、ちょっと前の Human Audio Sponge とか)を見るときだけ気になっていたのである。 「今はやりのビデオエフェクトなのかなあ …..」と思って漠然と見ていたのであるが、よくよく調べてみると DVD プレーヤーが怪しそうな感じである。….. と思い返してみると、以前から DTS のデコード時に音が途切れることがあったのだ。これは結構心臓に悪い。

というわけで、新しい DVD プレーヤーを物色中。 とりあえず DVD がそこそこの画質で見ることができて、SACD と DVD オーディオを再生できて、できればフリーリージョン化できるとうれしいなあ ….. と思っているのだが、やはり某Y社のがいいのか?

ブーレーズ/コーネリアス

そういや届いたもの。

タワーレコードのヘリテージシリーズから発売される予定だった「日本の電子音楽」が、権利関係がクリアになっていなかったとかで発売中止の連絡が。ついでに頼んだ方だけが届いたのでありました。

Le Domaine Musical Vol. 2/ Boulez,Pierre


ドメーヌ・ミュジカル時代のブーレーズの業績を集めた CD。Vol.1 は現代作品ばかり(ドビュッシーとかもあったけど)だったが、こちらはストラヴィンスキーと新ウィーン楽派3人の作品のみ。こちらの方がいくらかとっつきやすいかも。

で、コーネリアス関係の DVD 2 枚。 2 枚同時購入すると非売品 DVD をくれるというので、おまけに弱い私はタワーから購入するのでありました。クランプス・レーベルの「Nova Musicha」シリーズを模したジャケットデザインがなかなか素敵。

SENSURROUND [DVD]

アルバム「SENSUOUS」の PV 集といったところか。DTS サラウンドミックスあり。

from Nakameguro to Everywhere tour ’02-’04 [DVD]

こちらは「SENSUOUS」のワールドツアーのやつかと思って買ったら「POINT」のやつだった。 アルバム聞いていないからなあ …..

ポチョムキンを見る

ちょっと時間にゆとりができたので、先日買った「戦艦ポチョムキン」の DVD を見る。

(どうでもいい話ではあるが、この休みに大阪に行って来た。梅田の紀伊国屋書店では紀伊国屋書店が制作した DVD が 20% OFF で売られていて、当然この「戦艦ポチョムキン」もあった。ちょっと悔しい …..)

前回見た時はあまり面白いとは思わなかったし、ほとんど印象に残らなかったのであるが、今回はわりと面白く見ることができた。やはり、この映画はストーリーというよりも技巧を見る映画なのだ。それから、音楽が少なからず映画に対する印象に与している。

例えば、寄港しているポチョムキンにオデッサの人々が集まる場面のシーケンスとか、あまりにも有名なオデッサの階段での虐殺場面(階段を転がり落ち る乳母車)のシーケンスとか、確かにモンタージュ技法の祖であるという意味では画期的なのだが、現代の感覚で見るといささか冗長であるようにも思える。も ともと映像に合わせて作られたエドムント・マイゼルの音楽があると、こういうシーケンスも必然的な繰り返しに思えてくるのである。音楽に合わせて映像が作られているようにも思える。このあたりは、今まで決定版とみなされていたショスタコーヴィチの音楽伴奏版だと全く違う印象になるのではないかな。

BCL9 脱稿

何とか「バンド・クラシックス・ライブラリー 9 アトモスフィア」の曲目解説を脱稿。

課題曲公募に入選した作品についてはなかなか資料がないので、今回は小林徹さん(《吹奏楽のための練習曲》)、青木進さん(《フェリスタス》)、鵜澤正晴さん(《イリュージョン》)からお話をうかがい、当時のエピソードをお聞きすることができた。

《アトモスフィア》は、やはり(というか何というか …..)1985 年の市立川口高校の強烈な演奏が頭に刷り込まれている。その後、愛工大名電もコンクールで演奏しているが、こちらもなかなかすごいカットで、この演奏から作品の全貌をうかがうわけにはいかない。

作曲者の名取吾朗さんは藤田玄播さんとの会話で、「今僕の作品が理解されなくても、何年か経てば、いや僕が死んでからでも演奏されるようになればそれでいいんだ。」と語ったらしい。 今回の《アトモスフィア》の全曲初録音が名取吾朗さん再評価のきっかけになれば、と思う。

ポチョムキン/教授/ミャスコフスキー

ま、いろいろと。 届くときには本当に一気に届くなあ …..

戦艦ポチョムキン 復元(2005年ベルリン国際映画祭上映)・マイゼル版 クリティカル・エディション [DVD]

最近、頭の中がロシアづいているもので …..

最後にショスタコーヴィチの交響曲第5番が高らかに鳴り響く「戦艦ポチョムキン」は本来の姿ではないらしい。 散逸していたネガを集めて、エイゼンシュタインがかっていた作曲家エドムンド・マイゼルの音楽をつけたものらしい。

PLAYING THE PIANO/05 [DVD]

怒涛の YMO 関連リリース月間の第3弾。 教授のピアノソロコンサートのDVD。 私が見に行った名古屋公演より曲数が多いんですけど …..

地味で、ステージがやけに暗かったコンサートだったのだが、果たしてDVDでの鑑賞に堪えるのか?

ミャスコフスキー弦楽四重奏曲全集

最近、頭の中がロシアづいているもので …..

先日購入した交響曲全集もまだちゃんと聞いていないのだが、まあ面白い作品は面白い。

で、たまたま見つけた弦楽四重奏曲全集が安かったので ….. (あ、ちなみに「まともな」弦楽四重奏曲全集も持ってますよ。ベートーヴェンとバルトークとショスタコーヴィチ。)

ネリベル作品集

海外からのお買い物。

西イリノイ大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブルが録音したネリベル作品集。 収録曲が不明なまま買ってみたのだが、幸か不幸か聞いたことのない曲ばかり。

とりあえずライナーノートを見てみると …..

  • グランド・イントラーダとタワー・ミュージック

もともと別々に作曲された作品を一つにまとめたものらしい。 グランド・イントラーダは6本のトランペットによって演奏される。 タワー・ミュージックは8本のトロンボーンで演奏される。 最後にグランド・イントラーダが繰り返されるが、これは6本のトランペットに4本のトロンボーンが加わる。

  • アウリエル変奏曲

フルート、オーボエ、イングリッシュホルン、バスーン、2本のBbクラリネット、バスクラリネット、ヴィブラホンという編成。

  • 対位法第5番

ヴァイオリンとトランペットとトロンボーンのための。

  • コンチェルト・スピリチュオーソ第3番

吹奏楽編成とソリスト(エレクトリックヴァイオリン、イングリッシュホルン、ホルン、テューバ、独唱)のための。

….. なんちゅう編成だ …..

  • コンチェルト・スピリチュオーソ第1番

12本のフルート(2本のアルト、12本のピッコロを含む)、ハープシコード(部分的に増幅される)、独唱のための

….. なんちゅう編成だ …..

もうちょっと暇になったら聞きます。

ある天使の思い出に(のだめ第20巻)

のだめカンタービレ第20巻を購入。

のだめカンタービレ #20 (20) (講談社コミックスキス)

これを読んでいたら、久しぶりにアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲を聴きたくなった。 私が持っているのは小澤征爾/ボストン響をバックにイツァーク・パールマンが弾いているもの。 購入したのは20年前だった。

たぶん、パールマンよりも好みの演奏はあると思うのだが、これはストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲がカップリングされているという理由で買ったのではなかったかな。

12音技法で書かれたにしてはロマンチックすぎるベルク作品と、新古典主義時代のストラヴィンスキーの乾いたオーケストレーションが対照的で面白い盤である。

千秋も指摘しているが、曲の後半に登場するバッハのコラール(クラリネットセクションが演奏しているのでオルガンのように聞こえる)以降の音楽は本当に美しいのである。