今日はバンド維新の初日。 レクチャーコンサートと公開練習である。
ある程度覚悟はしていたが、8団体が公開練習するということで13:00開演で終演予定時間は18:10とのこと。夕方からの合奏の準備もあるし、残念ながら途中で退席することになってしまった。
なので、聞いたのは以下の5団体。
- 北爪道夫/並びゆく友(浜松市立江南中学校)
- 丸山和範/Cubic Dance(浜松市立南部中学校)
- 服部克久/星への誘い Invitation to the stars(浜松市立与進中学校)
- 小六禮次郎/アンゼラスの鐘(浜松市立高台中学校)
- 西村朗/秘儀I 〜管楽合奏のための〜(浜松海の星高等学校)
この中では、バンド維新の趣旨に沿った目的意識で書かれたのは北爪作品と丸山作品だけなのかな、という感じ。
北爪作品は数年前の課題曲である《祈りの旅》を思わせる作風。 楽譜としてはすっきりしているのだが、肝は3拍子と4拍子(3拍4連)が同時進行するところか。指揮者はやはり3拍子の拍子感をなるべく感じさせないように振っていたが、全ての拍でそれをやると合わせるべき1拍目が合わなくなってしまうのではないかなあ。
丸山作品は分数コードを多用した、ビッグバンドのサウンドにも通じる作品。 こういうところを作曲者によるピアノで解説してもらえるのがレクチャーコンサートの面白いところ。
西村作品は全く演奏者に妥協せず自らの語法を貫いている。 「中学生や高校生が演奏する」という前提がある場にこういう複雑な(情け容赦ない)楽譜を書く作曲者もすごいが、それを見事に音にしてしまう浜松海の星高等学校もすごい。 久しぶりに吹奏楽を聞いて鳥肌が立った。 舞台裏から「ブラヴォー」の声が出たが、全くその通りだと思う。 演奏を褒めつつも冷静にアドヴァイスを行い、演奏を修正している西村さんは非常に真摯だなあと思った。また、指揮者からの「ヘテロフォニーとは何か?」という質問に対して、かなりわかりやすく回答されていた。
服部作品、小六作品は過去の自作からの転用。 手持ちのストックを小編成のためにアレンジしてみましたという感じ。 小六禮次郎さんが来られなかったため、《アンゼラスの鐘》は北爪さんと三枝さんがコメントしていたのだが、他人の作品だからこそ好き勝手に言えるのか、面白かった。 三枝さんは、この作品がギリシャの映画監督であるテオ・アンゲロプロスの映画でかかっているようなイメージだと言っていた。なるほどね。
しかし、スコアを販売(それも学生が買えるくらい超リーズナブルな価格で!)して、それを見ながらレクチャーを聞けるという環境はすばらしいと思う。