月別アーカイブ: 2006年8月

夏休みの宿題

小学生のように、この土壇場になって泣きながら夏休みの宿題をやっています。

そもそも夏休み前に、サンディエゴで買ってきたコンピレーションアルバムを音楽班で回覧したのがきっかけで、「じゃあ、それぞれのお気に入りのプレイリストを公開してみよう」ということになったのでした。

というわけで今日時点で宿題をやっていないのは言い出しっぺの二人(そのうちの一人は私)。

あんまり取りとめがなくなるのも何なので、一応「ボーカルなし」という制限をつけて選曲してみた。それからいろいろ探してみたのだが、「ボーカルなし」となるとどうしてもジャズやクラシックが多くなる。そうなると1曲の演奏時間が長いものばかりになってしまうのである。

もうちょっとしたらリストと簡単なコメントを載せてみよう。 (よく考えたらピックアップしたクラシックの某曲は思いっきりボーカル入ってるじゃん ….. まあ、いいか。)

歌えなかった桐の葉

1月に亡くなった大学の先輩を追悼する「先輩と語る会」が新宿で開催された。 息子と妻と一緒に出かける。

最近は大学の吹奏楽団の OB 会が開催されていないので、先輩/後輩に会うのは久しぶり。 中には10年以上、ひょっとして大学卒業以来会っていなかった先輩もいらっしゃった。 「俺のおかげでお前らが会えたんだ。感謝しろよ。がはははは。」と天国で先輩がおっしゃっている声が聞こえるような気がする。

我々が行きつけだった(というか吹奏楽団の溜まり場だった)食堂のおじさんとおばさんも出席されて、故人のエピソードを披露してくれた。「鶏肉が好きだった」という話で思い出したエピソードがある。

我が吹奏楽団には年末恒例の「24時間麻雀大会」という催し物があった。 まあ、全然堅苦しいルールはなくて、24時間麻雀をして最後にもっとも点数が高かった人が優勝、というただそれだけの大会である。 (今から考えると、金曜日は吹奏楽団の練習が終わった後にその先輩の部屋でほぼ毎週徹夜麻雀が行なわれていた。何も年末に改まって大会を開催する必要もなかったと思うのだが …..)

私は大学3年生になる時にその先輩のアパートの隣の棟に引っ越したので、その年の24時間麻雀大会では私の部屋が「第2会場」になってしまった。私 の部屋で麻雀を打っていたら、その食堂でバイトをしていた同学年の女の子が差し入れということで鶏の唐揚げをたくさん持ってきてくれたことを覚えている。

ちなみにその年はその先輩が優勝してウイスキーをもらい、私は2位でお地蔵さんの貯金箱をもらった。(何なんだ、この差は。)

うちの大学の吹奏楽団では、演奏会の打ち上げなどで「桐の葉」という歌を歌って場を締めている。あらためて調べてみると大学の「宣揚歌」という位置付けらしい。 今回も出席者みんなで肩を組んでこの歌を歌った。 歌っている間、この歌を歌ったシチュエーションをいろいろと思い出していた。 変わったもの/変わっていないもの/失ったもの/手に入れたものを思い返すとこみ上げて来るものがあるなあ …..

そうやって人は年をとっていくのだ。

パリ、テキサス

祝・(やっと)リマスターで単独発売記念! ….. ということで、ちょっと前に NHK-BS から録画したものを見た。

パリ、テキサス デジタルニューマスター版 [DVD]

主人公トラヴィスのとことん不器用な生き方にはとても共感できないし、現実味も感じないのでラストシーンでの感動というのはあまりない。

しかし、この映画には、映画というメディアのみが提示することができる素晴らしい瞬間がいくつもある。前にも似たようなことを書いたけど、単なるス トーリーテリングは映画ではない。例えばカメラワークであったり、音楽であったり、セリフであったり、そういう技巧があるからこそ映画なのではないか。

例えば、久しぶりに会ったぎこちない父子がお互いに道路の両側の歩道を歩きながら家まで帰るシーンとか、切々と復縁を訴える男を捉えずに、それを聞いて変わっていく女の表情のみを捉えているシーンとか、さすがだと思う。(他にもいっぱいあるけど。)

主人公の決断によって、映画の途中で何となく(ハッピーエンドではない)ラストシーンが想像できてしまう。その通りに終わって欲しくないと願いつつも、その通りに終わってしまう無常感。深い映画です。

しかし、ナスターシャ・キンスキーは美しい。

今日買ったもの(ボストン/アッコちゃん/糸井重里/小曽根真)

ま、いろいろと。ええ、聞きますよ、聞きますとも。

幻想飛行(紙ジャケット仕様)

ドント・ルック・バック(紙ジャケット仕様)

いままでのやのあきこ (DVD付)

ペンギニズム

ファースト・ディケイド

アッコちゃんは、そろそろ MIDI レーベル時代のアルバムを紙ジャケで出して欲しいなあ ….. アッコちゃんのベスト盤と同じ日に糸井重里の迷盤「ペンギニズム」がリリース。名曲《SUPER FOLK SONG》のオリジナルはこのアルバムで糸井重里氏が歌っているのです。

WOWOW で今年の FUJI ROCK FESTIVAL を放送。こちらにも偶然アッコちゃんが出ていた。《ひとつだけ》1曲のみ。 ハリー・ホソノ・クインテットは《PomPom蒸気》1曲のみ。 何か海外組の方が放送される曲数多いなあ …..

上々颱風とかマッドネスはとても懐かしい。

UA + 菊地成孔が目当てだったんだけど、残念ながらまだ見ていない。

日本の電子音楽

日本の電子音楽

今日 amazon から届いた本。

作曲者や関係者へのインタビュー、ディスコグラフィや作品リストといった内容。 どちらかといえば資料的な側面が強いのかな?

電子音楽in JAPAN」とあわせて読めば完全無欠かも。

で、この本をパラパラめくっていたら、例の「音の始原を求めて」シリーズの第4集が昨年発売されてすぐに回収になったらしいことが書かれていた。

で、ちょっと調べたらこの第4集は9月に再発されるらしい。 曲目を見ると小杉武久の《Catch Wave ’71》がマイケル・ランタの作品に差し替わっているようだ。このへんが回収の原因?

噂の《東京1969》(一柳慧)が聞けるのが楽しみ。

河口湖音楽祭2006

吹奏楽団の友人たちと河口湖で行なわれている河口湖音楽祭2006へ。 目当ては最終日のシエナ・ウインド・オーケストラの演奏会。

西富士道路から河口湖へ向かうルートだったので、途中で「まかいの牧場」によって昼食。バイキングは少し割高だけど、牛乳やアイスクリームやチーズなどが食べ放題/飲み放題であることを考えると、意外とお得なのかも。 味も想像以上によかったです。

というわけで、ステラシアターへ。 あまり席もよくなかったし、一触即発の息子を連れて行ったりもしていたので、ちゃんと音楽を聞くというよりは会場の雰囲気を楽しみに行った。 幸い、会場全体がそんなリラックスした雰囲気だった。

第1部

  • 20 世紀 FOX ファンファーレ
  • 高度な技術への指標
  • ツィゴイネルワイゼン
  • リバーダンス

《ツィゴイネルワイゼン》と《リバーダンス》はパーカッショニストの池上英樹さんのソロをフィーチャー。

第2部

  • 音楽のおもちゃ箱〜佐渡裕のトークと音楽
    • ウィリアム・テル序曲
    • 宇宙戦艦ヤマト
    • 歌劇《トゥーランドット》より 誰も寝てはならぬ
  • 《ウェスト・サイド・ストーリー》よりシンフォニック・ダンス

アンコール

  • 今日の日はさようなら 〜 (不明、なんだろこの曲)
  • 星条旗よ永遠なれ

豊橋へ

豊橋市美術博物館で開催されている「造形集団 海洋堂の軌跡 〜サブカルチャーと現代〜」を見に行く。

食玩があれだけ密度高く展示されているのは圧巻。 私がいちばん心動かされたのは仮面ライダーやロボット刑事Kやアクマイザー3などに代表される、いわゆる東映特撮ヒーローもの、息子がいちばん心動かされたのはゴジラでした。

(しかし、ゴジラが作品ごとに少しずつ造形が違うのは知っていたのだが「初ゴジ」「逆ゴジ」「総ゴジ」「ビオゴジ」などは一般的な呼び方なのでしょうか?そりゃ、私もわかるが …..)

この美術館は公園の中にあるので木陰で草上の昼食。 ううん、久しぶりに光合成している気分だ。

その後、通り道で動植物公園なるものを見つけたので行ってみることにした。

さすがにこの炎天下で歩き回るのは親子ともども辛い。 まずは元気なうちに象を見に行く。 前回、天王寺動物園へ行ったときにはちゃんと見れなかったからなあ …..

その後はペンギンやシロクマがいる屋内の展示スペースへ避難。 屋根があるわ、冷房が効いているわ、で大勢の人が休んでいる。 息子も息を吹き返したようで、ペンギンの水槽の前で妙にハイになっている。

他にも植物園や博物館も併設されているので、屋外でも過ごしやすい時期に来れば丸一日楽しめそうな施設である。

以上。

21年前

いろいろなものを抱えながらの夏休み第一日目。 夏休みのテーマは「買ったら聞け!買ったら読め!」。

21年前(1985年)の今日、日航機が御巣鷹山(実際には違うらしいが)に墜落し、520名が亡くなった。この日のことはとてもよく覚えている。

前日、所属していた大学の吹奏楽団のコンクールがあった。 打ち上げの二日酔いの頭で、この日は大学の先輩と一緒に自動車の運転免許を取りに行った。 そんなわけで、昼間はほとんどニュースに接することがなかった。

確か、夜には映画「東京裁判」が放映される予定だったと思う。 家(というか当時は大学の寮に住んでいた)に帰ってこの映画を見ようと思ったのだが、なぜか放映されていなくて、ニュースがひっきりなしに流されていた。 その様子を見て、やっと何が起こっていたのか知ったわけだ。

(ちなみに妻は筑波万博を見に来ていて、そこのオーロラビジョンでこのニュースを知ったらしい。)

それに合わせて「クライマーズ・ハイ」が NHK で放送される。 大友良英さんが音楽を担当しているということで録画してみたのだが、ドラマ自体もなかなか面白そうだ。休み中に見ることにしよう。

サンディエゴ日記(その4)

仕事は午前中で終わったので、午後からダウンタウンへ行く。 「ホートン・プラザ」というショッピング・モール。 まずはTシャツが足りなくなったので補充。 フードコートがあって、ここにはいろいろなアジアン・キュイジーヌがあるので、昼飯はここで食べようと思って探すことにした。 さすがにアメリカ飯にも辟易してきたので、もうちょっとさっぱりしたものを食べたい。

モンゴリアン・バーベキューの店を見つけた。 以前シアトルに行ったときに友人に教えてもらった料理(?)だ。 これにすることにした。 モンゴリアン・バーベキューは、いわば「モンゴル風焼きそば、またはチャーハン」である。 お金を払うとどんぶりをくれる。 好きな具(牛肉、鶏肉、羊肉、いろいろな野菜)を自分の食べたい分だけどんぶりに盛っていき、最後にソースをかける。 それを店の調理人に渡すと、最終的に麺かご飯を追加して大きな円形の鉄板の上で焼いてくれるのである。

そのあとは、ふと考えてメキシコに行ってみることにした。 サンディエゴからはバスで1時間、トロリー(路面電車)で30分ほどでメキシコとの国境まで行ける。 実は前々から検討はしていたのだが、メキシコ側の国境の町ティファナはけっこう物騒だと聞くし、出張で来ている手前あまりリスキーな行動も取れないし、と思って前日は断念していたのだった。

とはいえ、時間を持て余しているし、国境を歩いて越えるという魅力もあるし、ティファナまで行かずに国境を越えてすぐに戻ってくればいいだろう、と思い、やはり行ってみることにした。最悪、国境を越えずに帰ってくるという手もある。

というわけでアメリカ側の国境の町サン・イシドロへ。 人の波について行くと、ディズニーランドのアトラクションのような通路を延々と歩かされて国境まで行く。 国境には検問はない。回転式のゲートがあるだけである。

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国境を越えるとまったく雰囲気が変わるのがわかる。 人々は隙のない顔をしているし、かなり小さな子供も紙コップを持って物乞いをしている。

アメリカに戻ってきて、再度バルボア・パークへ。 月曜日に休館だった美術館に行ってアンディ・ウォーホール展を見る。 マリリン・モンローやミック・ジャガーや毛沢東などのポートレート、キャンベル・スープなど、かなり有名どころはもちろん並んでいる。 ケネディ暗殺に関する連作は意外。

常設展示で面白かったのはアメリカができた頃(およそ200年くらい前)の風景画。 もちろん、これらの作家はヨーロッパ諸国から移住してきたわけであるが、当時の技法でアメリカの原風景が書かれているという事実にあらためて気付かされた。 (例えば、江戸時代にオランダ人がオランダの技法で描いた日本の風景というがあったら見てみたいと思いませんか?あるのかも知れないけど …..) 絵画史全体から見れば存在意義はそんなに高くないのだろうが、文化の交錯という意味では面白い。 ひょっとして日本における西洋音楽の黎明期とオーバーラップするものがあるのではないかと思ったしだい。

そういえば、こんなコンピレーションを買った。

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JOHN CAGE TO DAVID BYRNE: Four Decades of Contemporary Music

コンテンポラリー・アートの展覧会のために作られた CD らしい。 表ジャケはジャスパー・ジョーンズとジェフ・クーンズ、裏ジャケはロイ・リキテンシュタイン、ブックレットにはバスキアなども載せられている。

そういった時代に流れていた音楽を集めたもので、デヴィッド・ボウイあり、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドあり、ジャニス・ジョプリンあり。 なかなか凄いのは、後半でフィリップ・グラスとスティーヴ・ライヒの間にディジー・ガレスピーのビバップを挟んでしまうところ。

夕食もさっぱりしたものが食べたくて、何となく見つけたペルシャ料理屋に入ってみる。 ハーブの効いたベジタリアン・スープと、羊肉のケバブを頼む。 期待通り、ゴテゴテしておらず、香辛料を効かせた味付けはほっとする。 (ヨーロッパではそんなことはないのだが、アメリカに来ると絶対胃もたれするなあ …..)