日別アーカイブ: 2006 年 8 月 3 日

サンディエゴ日記(その4)

仕事は午前中で終わったので、午後からダウンタウンへ行く。 「ホートン・プラザ」というショッピング・モール。 まずはTシャツが足りなくなったので補充。 フードコートがあって、ここにはいろいろなアジアン・キュイジーヌがあるので、昼飯はここで食べようと思って探すことにした。 さすがにアメリカ飯にも辟易してきたので、もうちょっとさっぱりしたものを食べたい。

モンゴリアン・バーベキューの店を見つけた。 以前シアトルに行ったときに友人に教えてもらった料理(?)だ。 これにすることにした。 モンゴリアン・バーベキューは、いわば「モンゴル風焼きそば、またはチャーハン」である。 お金を払うとどんぶりをくれる。 好きな具(牛肉、鶏肉、羊肉、いろいろな野菜)を自分の食べたい分だけどんぶりに盛っていき、最後にソースをかける。 それを店の調理人に渡すと、最終的に麺かご飯を追加して大きな円形の鉄板の上で焼いてくれるのである。

そのあとは、ふと考えてメキシコに行ってみることにした。 サンディエゴからはバスで1時間、トロリー(路面電車)で30分ほどでメキシコとの国境まで行ける。 実は前々から検討はしていたのだが、メキシコ側の国境の町ティファナはけっこう物騒だと聞くし、出張で来ている手前あまりリスキーな行動も取れないし、と思って前日は断念していたのだった。

とはいえ、時間を持て余しているし、国境を歩いて越えるという魅力もあるし、ティファナまで行かずに国境を越えてすぐに戻ってくればいいだろう、と思い、やはり行ってみることにした。最悪、国境を越えずに帰ってくるという手もある。

というわけでアメリカ側の国境の町サン・イシドロへ。 人の波について行くと、ディズニーランドのアトラクションのような通路を延々と歩かされて国境まで行く。 国境には検問はない。回転式のゲートがあるだけである。

060803_175352060803_175439

国境を越えるとまったく雰囲気が変わるのがわかる。 人々は隙のない顔をしているし、かなり小さな子供も紙コップを持って物乞いをしている。

アメリカに戻ってきて、再度バルボア・パークへ。 月曜日に休館だった美術館に行ってアンディ・ウォーホール展を見る。 マリリン・モンローやミック・ジャガーや毛沢東などのポートレート、キャンベル・スープなど、かなり有名どころはもちろん並んでいる。 ケネディ暗殺に関する連作は意外。

常設展示で面白かったのはアメリカができた頃(およそ200年くらい前)の風景画。 もちろん、これらの作家はヨーロッパ諸国から移住してきたわけであるが、当時の技法でアメリカの原風景が書かれているという事実にあらためて気付かされた。 (例えば、江戸時代にオランダ人がオランダの技法で描いた日本の風景というがあったら見てみたいと思いませんか?あるのかも知れないけど …..) 絵画史全体から見れば存在意義はそんなに高くないのだろうが、文化の交錯という意味では面白い。 ひょっとして日本における西洋音楽の黎明期とオーバーラップするものがあるのではないかと思ったしだい。

そういえば、こんなコンピレーションを買った。

contemp

JOHN CAGE TO DAVID BYRNE: Four Decades of Contemporary Music

コンテンポラリー・アートの展覧会のために作られた CD らしい。 表ジャケはジャスパー・ジョーンズとジェフ・クーンズ、裏ジャケはロイ・リキテンシュタイン、ブックレットにはバスキアなども載せられている。

そういった時代に流れていた音楽を集めたもので、デヴィッド・ボウイあり、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドあり、ジャニス・ジョプリンあり。 なかなか凄いのは、後半でフィリップ・グラスとスティーヴ・ライヒの間にディジー・ガレスピーのビバップを挟んでしまうところ。

夕食もさっぱりしたものが食べたくて、何となく見つけたペルシャ料理屋に入ってみる。 ハーブの効いたベジタリアン・スープと、羊肉のケバブを頼む。 期待通り、ゴテゴテしておらず、香辛料を効かせた味付けはほっとする。 (ヨーロッパではそんなことはないのだが、アメリカに来ると絶対胃もたれするなあ …..)