一時帰国

弟の結婚披露宴のために日本へ一時帰国します。

期間も短いし、目的もはっきりしているし、必要なものはある程度年末年始の帰省で送っているし、ということで荷物のパッキングもかなり大雑把。スーツケースの半分ほどのお土産とちょっとの着替えとその他もろもろという感じです。

9時45分のフライトでアパートを出たのは8時30分近く。スケジュールもだんだんルーズになっている気がします。それでもハンブルク空港に到着したのがほぼ9時ころ、荷物をチェックインして、それほど混んでいないセキュリティチェックを通過して、という感じでぜんぜん問題ありませんでした。

フランクフルトでは機材の再点検が必要だったということで離陸が1時間ほど遅れました。

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帰国前夜

明日から一時帰国します。

大勢が一斉に休む夏休みやクリスマス休暇と違って、自分だけが休むことになるので、必然的にいろいろな人にいろいろなことを頼む必要があります。

なんか今日はそれだけで終わってしまったような気がしますが …

逆立ち

この時期のハンブルクの日の出は午前8時15分前後だそうです。いつもはこのちょっと前くらい、夜が明けきらないうちに会社に向かうのですが、今日は少し遅め、日の出直後くらいにアパートを出ました。

アウトバーンに乗ってしまうとまわりの家はまばらになるので、平原はほとんど雪の白い色が支配し、そこにすっかり葉を落としてしまって雪が積もった黒い樹木が立ち並ぶという、冬枯れのモノクロームの世界。まさにドイツの冬、という感じです。ちょっと出社時間がずれたおかげで幻想的な風景に出合うことができました。

今日の「箱からひとつまみ」はアバド/ウィーンフィルによるブラームスのハンガリー舞曲集。これも「名盤」としての評価が高いですね。

ブラームス:ハンガリー舞曲集

ウィーンフィルの音色は「ハンガリー舞曲」としては洗練されて過ぎているのかも知れませんが、癖のない演奏は作品自体が持つ面白さを引き出しているような気がします。また、ハンブルクの風景とハンガリー舞曲も本来はむすびつかないのですが、上記のような風景を見ながら、ハンガリー舞曲第1番の重厚な弦の響きを聴いていると、ここが日本ではないことをあらためて認識できます。

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夕食は「Asia Lam」。お気に入りのNo.53「タイ風つけ麺 春巻と牛肉のオイスターソース炒めのせ」とジンジャーエールを。

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ふと思い立って、今週から逆立ちをしています。まあ、どのくらい効果があるのか分かりませんが、腰痛/肩こり持ちの私としては、肩や腰への負担を和らげるためにも、たまにアップサイド・ダウンしてみるのもいいかなと思いまして。

実は私が通っていた高校では体育の課題に「逆立ちで9m歩けること」というのがありまして、これができないと単位がもらえないことになっていました。9mというのはバレーボールコートの幅、あるいはセンターラインからエンドラインまでの距離です。

で、最後に逆立ちしたのがいつだったか覚えていないくらい久しぶりにやってみたのですが、自分の体がまったく言うことを聞かないことに驚いてしまいました。床を蹴って逆立ちの体勢になろうとするのですが、いわゆる「肩が入る」(肩の上に上半身を乗せる)状態にならないので頭から壁に突進してしまうことになります。足の蹴りも弱っているんだろうなあ。まあ、何回かチャレンジすればどうにか逆立ちの体勢にはなるのですが、両腕で自分の体重を支えることができず、(さすがに崩れ落ちることはありませんでしたが)10秒くらいしか姿勢を保つことができませんでした。

とはいえ、これでも(たった10秒でも)効果は絶大のようで、慢性的だった肩こりや腰痛が軽減されているような気がします。ちょっと継続してやってみようかなと思っています。

ちなみに平衡感覚をキープするために「立ったまま片足立ちで靴下をはく」というのはずっと続けています。継続は力なり。

気温はそんなに下がっていないのですが、今日は日中ずっと雪が降っていました。ハンブルクの北の地域では大雪のために学校が休校になった、と昼食時に聞きました。帰宅時にも降っており、タイヤがずるずるスリップするのがわかりました。

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今日の「箱から一つまみ」は、ジュリアーノ・カルミニョーラによるヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集。聞いたことがない曲ばかりだと思ったら、全て世界初録音なのだそうです。

ヴィヴァルディ:ヴァイオリンと弦楽、通奏低音のための協奏曲

いわゆる「ピリオド演奏」なのですが、かなりアグレッシヴで鋭角的な印象があります。確かに今までにない斬新な潮流なのだと思いますが、もう少し落ち着いて聞ける演奏の方がいいなあ、というのが第一印象です。聞きこんだら印象は変わるのかも知れませんが。

お家見学

かなり寒かった週の前半に比べて、この週末は少しは暖かいような気がします。まあ、それでも日中は零度をちょっと上回るくらいの気温なのですが。

気温は高いものの、今日は朝から吹雪。そんな中、今日も Halstenbek へ新しい家候補の見学に行きました。

実は最初に紹介された物件(もう2ヶ月くらい前のことですね)は Halstenbek 駅と日本人学校の中間に位置しているという絶好のロケーションだったのですが、私が見に行く前に借り手が見つかってしまい、残念な思いをしていました。今回見に行ったところはこの物件の近くで、前回がテラスハウス(集合住宅)だったのに対して、今回はドイツでポピュラーなドッペルハウス(左右対称の一軒家を2世帯でシェアするような形態)でした。地下室と2フロアというのは一般的な間取りなのですが、この物件は屋根裏部屋がついていて、その屋根裏部屋もかなり天井が高く、普通の部屋として問題なく使えそうです。地下のプレイルーム、1階のLDK、2階の主寝室+子供部屋2部屋、屋根裏部屋の2部屋、と家族3人で使うには十分(というか広過ぎ)です。

今までいろいろな物件を見に行って、どこも多少妥協せざるを得ないところがあったのですが、ここは申し分ありませんでした。決まりかな?

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余談。道中の BGM として、例のグラモフォン55枚組から「えいや」で引っ張り出したのが、カルロス・クライバー/ウィーンフィルによる、ベートーヴェンの交響曲第5番と第7番。「超名盤」として知られる盤です。

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第7番

実は、カルロス・クライバーにはあまり思い入れがなく、数年前に見たウィーンフィルのニューイヤーコンサートでの「くねくね指揮棒」に違和感を感じていたので、積極的に聞きたいと思う指揮者ではありませんでした。しかし、この盤は評判通り、聞いていて爽快です。ちょっと早めのテンポで、各声部の動きがとても明確に聞こえます。

週末のお買い物

年が明けてドイツでの初めての休日なのですが、日本再帰国前の唯一の休日。おみやげを買う最後の機会なので街中へ買い出しに出かけました。

まずは自分に(笑)。SATURN に CD を買いに行きました。今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートの CD がもう店頭に並んでいてびっくり。毎年ちらっと見る程度だったのですが、今年は珍しく自宅で新年を迎えたので比較的長い時間見ていました。85歳とは思えない元気さで、ユーモアを交えて演奏会を進めていたジョルジュ・プレートルはよかったのではないでしょうか。あまりオケをコントロールせずに任せていたような感じだったので、オケの方ものびのび演奏していたような印象です。ま、それはそれとして …

Alfred Schnittke: Film Music, Vol. 4 [Hybrid SACD]

最近はまっているシュニトケの映画音楽。オーストリア(らしい)の CAPRICCIO というレーベルからシュニトケの映画音楽を集めたシリーズが出ていて、これは第4集になります。「スポーツ、スポーツ、スポーツ」「歯医者の冒険(なんじゃそりゃ)」という2つの映画のための音楽から再構成された組曲が収録されています。「スポーツ、スポーツ、スポーツ」の方は例によってジャズからバロック音楽までのアマルガムといった雰囲気で楽しいです。「歯医者の冒険」の方はオーソドックスというか、実用音楽に徹しているという感じです。

Bruckner: Symphonies Nos. 3 & 4

来月に控えたマゼール/ウィーンフィルの演奏会の予習のために。私がすでに持っているブルックナーの交響曲第3番はインバル/フランクフルト放送響の演奏なのですが、これは演奏される機会が少ないノヴァーク版第1稿での録音でした。予習用に購入したスコアはもっともポピュラーなノヴァーク版第3稿なので、この版を使った演奏が欲しかったのです。ブルックナーの交響曲の中ではマイナーな部類に入るのであまり選択肢がありません。ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送響の第3番と、ヤンソンス/コンセルトヘボウによるこの第3番/第4番のカップリングがほとんど同じ価格だったので、収録曲数が多い方を買ってしまいました。

Elgar: Enigma Variations

こちらもエルガーの《エニグマ変奏曲》の予習用に。イギリスのオケによる演奏がいいかなあ?と思っていたのですが、お店の在庫にはほとんど選択肢がなく、このガーディナー/ウィーンフィルの盤を選びました。

For Children

現代音楽のコーナーで見つけた盤。このバウハウスを思わせるジャケット、ほとんどジャケ買いです。内容はというと「子供のために」とあるように、ジェルジ・クルターク、ヘルムート・ラッヘンマン、ソフィア・グバイドゥーリナ、それから演奏者であるシュテファン・シュライアーマッハーによって書かれた子供のためのピアノ作品が収録されています。

昼食はタイ料理店「Sala Thai」へ。ランチメニューのパド・タイ(ライスヌードルの焼きそば)です。

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そのあと、週末用の食材や日本へのお土産をカールシュタットで購入。ほとんど「浜松におけるうなぎパイ」のような位置付けになっていますが、ハンブルクの北にある世界遺産の街リューベックの名物お菓子ニーダーエッガーを相当数買いました。スーツケースに入るんだろうか …

車の見積もり

通勤車は会社がレンタルしたものを割り当てられています。今乗っている車はこちらに赴任するタイミングに合わせるため、それから何かとモノを運ぶ機会が多いだろうから、という理由でフォードのモンデオが選ばれたのでした。

家族が来て大きな家具や家電製品などを買ってしまえばそんなに大きな車は要らなくなるだろう(そもそもモンデオはでか過ぎです)し、せっかくドイツにいるんだからドイツ車に乗りたい、ということで新しい車に代えてもらうことになりました。

とある車の見積もりを依頼していたのが届き、最終チェックせよとの指示が来ました。基本的にはぜいたくは言わずカーナビさえついていればいいと思っていたので、OK なはず、と思っていたのですが、最後の最後に大事なことを忘れていたのに気付きました。

マニュアルミッション …

さっそく再見積もりしてもらうことにしました(あぶねー、あぶねー)。

誕生日

今日は息子の誕生日です。

今回は初めてメールでメッセージを送ってみました。Skype をしながら読み上げてくれたのですが、予想以上になめらかだったのであらためてびっくりしてしまいました。本当に親の予想を超えるペースで成長しています。前にも書いたように最近は「プラレール ハイパーガーディアン」や「仮面ライダーW」に夢中のようで(「シンケンジャー」は半ば卒業気味です)、会話の中に出てくるおびただしい量のカタカナに私は少々ついていけなくなっています。

以前にも増して「内弁慶」度が増加しているような気がするので、ドイツに来たあとでちゃんと幼稚園に馴染むことができるのかがちょっと心配です。

バンド維新2010メモ

昨年末に「バンド維新2010」のラインナップが発表されていたようで、遅ればせながらメモしておきます。

  • 北爪道夫 / Fanfare Rhythmic
  • 後藤洋 / ソングズ ~ウインド・アンサンブルのための~
  • 佐藤允彦 / SIMOON
  • 寺島陸也 / ピカソくんのファンファーレとマーチ
  • 冨田勲(中橋愛生) / 交響詩「ジャングル大帝」~白いライオンの物語~
  • 原田敬子 / ウィンド・アンサンブルのためのタブロー I&II
  • 山下康介 / エピソード ファイブ ~ウインド・アンサンブルのための~
  • 蓬田梓 / “In Shangri-la” for wind ensemble

個人的にはジャズ畑の佐藤允彦さん、林光さん率いるこんにゃく座でピアノを弾いている寺島陸也さんの作品に期待しています。

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寺島陸也さんといえば、このアルバムでピアノを弾いています。林光の合唱組曲《原爆小景》の演奏もいいのですが、アンコールとして歌われた武満徹(林光編曲)の《死んだ男の残したものは》も素晴らしいです。谷川俊太郎による詩もいいのですが、クライマックスで原曲のメロディをあえて崩す林光の大胆な編曲もいいです。多少きれいにまとまっているきらいはありますが、とても感動的です。

原爆小景 合唱作品集

演奏会その26:プラハ・チェコ交響楽団

Monumentalwerke der Klassik
Carmina Burana und 9. Sinfonie

Tue, 08:00 PM / Laeiszhalle / Großer Saal

Tschechische Symphoniker Prag
Coro di Praga
Musikalische Leitung Petr Chromcák

Ludwig van Beethoven: Symphonie Nr. 9 d-moll op. 125
Carl Orff: Carmina Burana / Cantiones profanae für Soli, Chor und Orchester

今年最初の演奏会はベートーヴェンの交響曲第9番《合唱付き》とオルフの《カルミナ・ブラーナ》という、かなり重めのプログラムです。演奏はプラハ・チェコ交響楽団とプラハ合唱団(訳はこれでいいのかな?)、指揮はペトル・フロムツァーク(読み方はこれでいいのかな?)、全然知りません。

今日は会社から直接演奏会へ行こうと考えていたので、午後5時30分に退社して午後6時過ぎくらいにライスハレに到着しました。さすがに開演2時間前くらいだとライスハレ周辺の駐車スペースにも余裕があります。会場入り口まで徒歩2分くらいの場所に駐車することができました。

夕食はライスハレ近くの「am Gänsemarkt」へ。今日はヴァイツェンのアルコールフライ、トマトスープ(あ、昨日もうちでトマトスープ作ったんだった …)、バイエルン風バーガーを注文しました。前回食べたケルン風バーガーはハンバーグに近いハックステーキを使ったハンバーガーだったのですが、バイエルン風バーガーはハックステーキの代わりに南ドイツの名物料理であるレバーケーゼを使っています。レバーケーゼの写真はこちらに。(今回はまたまた iPhone を持って行くのを忘れてしまったので撮影していません)そもそも「ケーゼ(käse)」というのはチーズのことで、メニューにも「何とかケーゼ」と書かれていたのでチーズバーガーの一種かと思ったのですが。

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演奏会ですが、かなり残念な内容でした。率直に言ってしまうと時間とお金の無駄。

指揮者のある程度の視覚的なパフォーマンスは否定しませんが、いちばん重要なのは聞こえてくる音楽であって、それと指揮者のオーバーアクションがあまりにもかけ離れているのは問題だと思います。残念ながらオーケストラの技術にはかなり問題がありましたがもっと音程に気を配るとか、特に合唱と器楽のバランスに気を配るとか、キメになるところや楽想が変わるところでのアインザッツをきちんと合わせるとか、素人の耳にもわかる改善の余地があるにも関わらずそれらをコントロールすることをせずに、おおげさなキュー出しにこだわるのはどうかと思いました。

あと、全般的に早めのテンポ設定だったのですが、オーケストラがついていけていません。《第九》の第2楽章のスケルツォや第4楽章の行進曲はずれまくりでした。また《カルミナ・ブラーナ》においてはリズム・オスティナートを明確に提示することがこの曲の面白さを引き出すポイントだと思うのですが、どちらかというと旋律優先のとらえ方をしていたようで、この作品のごつごつとしたリズム感の面白さが聞こえてきませんでした。まあ、これについては見解の相違かも知れませんが。それにしても各曲の扱いが微視的なために流れがぶつぶつ断ち切られてしまい、それによって後半のクライマックスへの到達感が全然感じられなかったのは問題だと思います。例えば、フレーズには「間」が必要ですが、意図しているものなのかどうかよくわかりませんが、フレーズの終わりがフェルマータになり、それを切る動作が入り、次の予備拍が入り … となるとフレーズとフレーズの間がばっさりと空いてしまうのです。これだと曲の推進力が完全に止まってしまいます。もう少し「間」の長さを自覚的にコントロールする必要があるのでは?と思いました。あ、合唱とソリスト(特にテノール)は素晴らしかったです。先日買ったグラモフォンの55枚組にも名盤の誉れ高いヨッフム/ベルリン・ドイツ・オペラの《カルミナ・ブラーナ》が収録されていて、確かに素晴らしい演奏なのですが、テノールがいまいち好みではありませんでした。今日のテノールは「Olim lacus colueram(昔、私は湖に住んでいた)」での安定感といい、滑稽な歌い回しといい、非常に満足できるものでした。

といったわけで、個人的にはまったくもってつまらない演奏会だったのですが、なぜかお客さんのスタンディング・オヴェーションは私がライスハレで見た中でもっとも盛り上がったものでした。アンコールは《カルミナ・ブラーナ》の第10曲「Were diu werlt alle min(世界中が全て俺の物だとして)」(金管の「たかたかたったっ、たかたかたったっ」のファンファーレで始まるやつ)だったのですが、最後の一拍でなんと指揮者がジャンプしてくるっと客席の方を向きました。これでまた観客は大喝采、私はますますやるせない気分になってしまいました …

表現は内容に対して真摯でなければならないと思います。(生真面目でなければならないとか、パフォーマンスを行うべきではない、と言っているわけではないので念のため)私の見識が狭いのかも知れませんが、こういう表層的なパフォーマンスは受け入れ難いです。