演奏会その26:プラハ・チェコ交響楽団

Monumentalwerke der Klassik
Carmina Burana und 9. Sinfonie

Tue, 08:00 PM / Laeiszhalle / Großer Saal

Tschechische Symphoniker Prag
Coro di Praga
Musikalische Leitung Petr Chromcák

Ludwig van Beethoven: Symphonie Nr. 9 d-moll op. 125
Carl Orff: Carmina Burana / Cantiones profanae für Soli, Chor und Orchester

今年最初の演奏会はベートーヴェンの交響曲第9番《合唱付き》とオルフの《カルミナ・ブラーナ》という、かなり重めのプログラムです。演奏はプラハ・チェコ交響楽団とプラハ合唱団(訳はこれでいいのかな?)、指揮はペトル・フロムツァーク(読み方はこれでいいのかな?)、全然知りません。

今日は会社から直接演奏会へ行こうと考えていたので、午後5時30分に退社して午後6時過ぎくらいにライスハレに到着しました。さすがに開演2時間前くらいだとライスハレ周辺の駐車スペースにも余裕があります。会場入り口まで徒歩2分くらいの場所に駐車することができました。

夕食はライスハレ近くの「am Gänsemarkt」へ。今日はヴァイツェンのアルコールフライ、トマトスープ(あ、昨日もうちでトマトスープ作ったんだった …)、バイエルン風バーガーを注文しました。前回食べたケルン風バーガーはハンバーグに近いハックステーキを使ったハンバーガーだったのですが、バイエルン風バーガーはハックステーキの代わりに南ドイツの名物料理であるレバーケーゼを使っています。レバーケーゼの写真はこちらに。(今回はまたまた iPhone を持って行くのを忘れてしまったので撮影していません)そもそも「ケーゼ(käse)」というのはチーズのことで、メニューにも「何とかケーゼ」と書かれていたのでチーズバーガーの一種かと思ったのですが。

*****

演奏会ですが、かなり残念な内容でした。率直に言ってしまうと時間とお金の無駄。

指揮者のある程度の視覚的なパフォーマンスは否定しませんが、いちばん重要なのは聞こえてくる音楽であって、それと指揮者のオーバーアクションがあまりにもかけ離れているのは問題だと思います。残念ながらオーケストラの技術にはかなり問題がありましたがもっと音程に気を配るとか、特に合唱と器楽のバランスに気を配るとか、キメになるところや楽想が変わるところでのアインザッツをきちんと合わせるとか、素人の耳にもわかる改善の余地があるにも関わらずそれらをコントロールすることをせずに、おおげさなキュー出しにこだわるのはどうかと思いました。

あと、全般的に早めのテンポ設定だったのですが、オーケストラがついていけていません。《第九》の第2楽章のスケルツォや第4楽章の行進曲はずれまくりでした。また《カルミナ・ブラーナ》においてはリズム・オスティナートを明確に提示することがこの曲の面白さを引き出すポイントだと思うのですが、どちらかというと旋律優先のとらえ方をしていたようで、この作品のごつごつとしたリズム感の面白さが聞こえてきませんでした。まあ、これについては見解の相違かも知れませんが。それにしても各曲の扱いが微視的なために流れがぶつぶつ断ち切られてしまい、それによって後半のクライマックスへの到達感が全然感じられなかったのは問題だと思います。例えば、フレーズには「間」が必要ですが、意図しているものなのかどうかよくわかりませんが、フレーズの終わりがフェルマータになり、それを切る動作が入り、次の予備拍が入り … となるとフレーズとフレーズの間がばっさりと空いてしまうのです。これだと曲の推進力が完全に止まってしまいます。もう少し「間」の長さを自覚的にコントロールする必要があるのでは?と思いました。あ、合唱とソリスト(特にテノール)は素晴らしかったです。先日買ったグラモフォンの55枚組にも名盤の誉れ高いヨッフム/ベルリン・ドイツ・オペラの《カルミナ・ブラーナ》が収録されていて、確かに素晴らしい演奏なのですが、テノールがいまいち好みではありませんでした。今日のテノールは「Olim lacus colueram(昔、私は湖に住んでいた)」での安定感といい、滑稽な歌い回しといい、非常に満足できるものでした。

といったわけで、個人的にはまったくもってつまらない演奏会だったのですが、なぜかお客さんのスタンディング・オヴェーションは私がライスハレで見た中でもっとも盛り上がったものでした。アンコールは《カルミナ・ブラーナ》の第10曲「Were diu werlt alle min(世界中が全て俺の物だとして)」(金管の「たかたかたったっ、たかたかたったっ」のファンファーレで始まるやつ)だったのですが、最後の一拍でなんと指揮者がジャンプしてくるっと客席の方を向きました。これでまた観客は大喝采、私はますますやるせない気分になってしまいました …

表現は内容に対して真摯でなければならないと思います。(生真面目でなければならないとか、パフォーマンスを行うべきではない、と言っているわけではないので念のため)私の見識が狭いのかも知れませんが、こういう表層的なパフォーマンスは受け入れ難いです。

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