CD/DVD」カテゴリーアーカイブ

完結

楽劇《神々の黄昏》第3幕を見る。これでメトロポリタン歌劇場の新しい《ニーベルンクの指環》も最後まで到達ということになる。

4時間30分のオペラを約1分にまとめた(笑)トレーラーはこちら。

まず主役の2人がよかった。すなわちデボラ・ヴォイトが演じるブリュンヒルデの「姉御」っぷり、ジェイ・ハンター・モリスが演じるジークフリートの天真爛漫さというか、「何も考えていなさそう」な雰囲気というか、が個人的にしっくりときた。

それに比べると悪役たち(ハーゲン、グンター、グートルーネ)の毒が少なかったのがいまいち。ハーゲン役のハンス=ペーター・ケーニヒは《ヴァルキューレ》でも敵役であるフンディンクを演じていたのであるが、へたに気品があるのであまり憎まれ役には向いていないのかも知れない。

しかし、歌手としての全体的なラインアップはいわゆる「ヴァレンシア・リング」よりは格段に上。また、《ジークフリート》と《神々の黄昏》はレヴァインではなくファビオ・ルイージに替わっているのであるが、予想通りかなり堅実な音楽を作っていた。レヴァインに比べると派手さがないのだが、まあもともとこういうキャラクターの音楽を作る人だし。

あらためて思ったのだが、ワーグナーの意図に忠実な演出となるとどうしても最終場面に無理があると思った。最終場面は「ジークフリートの亡骸を包む炎にブリュンヒルデとその愛馬グラーネが飛び込む」 → 「ライン河畔にあるギービヒ家が崩れ、ブリュンヒルデが持っていた指環は無事ラインの乙女たちのもとに戻る(ハーゲンは指環を追いかけて行って溺れてしまう)」 → 「そして神々の住むヴァルハラが崩壊する」という流れになっている。これをそのままシーケンスとしてつなぐとどうしても不自然になるし、ヴァルハラの崩壊は突然規模の大きな話になるのでそれまでの流れに比べてどうしても安っぽく感じてしまうことになる。

全般的には違和感なく見てくることができたのだが、最後の最後で原作に忠実であるがゆえの不自然さを感じてしまった。というわけで最終部分だけ「ヴァレンシア・リング」を見直した。上記の全てのエピソードを強引に一つの舞台で見せているのであるが、これはこれでヴィジュアルなインパクトがあるのでとても好きな場面なのである。

しかし、この「新メト・リング」(もう愛称はあるんですかね?草津の湯もみ板リング?)を見たあとで「ヴァレンシア・リング」を見ると、その衣装やメイクの奇天烈さに笑ってしまう。

カーテンコール。「ヴァレンシア・リング」ではオーケストラの演奏者も全員ステージに上がってカーテンコールを受けるのがかっこよかったのであるが、「新メト・リング」では最後のカーテンコールが終わったあとのカーテン裏の歌手たちの表情がとらえられているのがよかった。

しかし《指環》全曲が綺麗な画質で安く見られるようになったのはいいことですなあ。「新メト・リング」のセットは100ユーロ弱だから日本円で10000円しないくらい。私が初めて買った《指環》全曲はサバリッシュ指揮のバイエルン国立歌劇場のレーザーディスクで当時は80000円した。

 

11/11の徒然

今日は珍しくガブリエルが遊びに来なかった。息子が先週もらったピザの台(木製の皿)を返しに行ったら不在だったそうだ。

ということで、比較的まったりと過ごす。

今日は珍しく朝から天気がよかったので、思い立って妻の車のタイヤ交換をすることにした。以前からいろいろ書いているが、ドイツでは冬の間いわゆる「冬タイヤ」を履いて走らなければいけない。おそらく11月中に雪が降ることはないと思うのだが、先延ばしにしているとどんどん寒くなってタイヤ交換のモチベーションが下がってしまうので、暖かい日に替えることにした。

そのあとは、久しぶりに息子とサッカー。ちょっとトリックプレーをしたりするとすぐに息が上がってしまう。日々少しずつでも体を動かしておかないといけないなあ … と思う。

例によって、バンドジャーナル2月号の特集「コンクール自由曲集計」の記事を書かせていただけることになったので、いろいろと資料をまとめている。前年まで Excel を使って手作業でやっていたものを、今年からはなるべく自動化してチェックする手間を少なくしようと思い、吹奏楽コンクールデータベースをもとにしてスペシャルプログラムをちまちまいじる。考察の裏付けとなる資料をいろいろ添付しようとするとページが足りなくなりそうなのでちょっと心配 …

今日は夕食も早く、息子も疲れたらしく早く寝付いたので、なかなか先へ進めなかった《ニーベルンクの指環》のブルーレイを見ることにした。(ブログには全然途中経過を書いていないが)今日は《神々の黄昏》の第2幕。ジークフリートに騙されて嫉妬に駆られた(キレた)ブリュンヒルデがうっかりジークフリートの弱点を口走ってしまう … というあたりのお話である。

ジークフリートやブリュンヒルデの熱演に比べると、悪役としてのハーゲンやグンターなどがちょっと淡白なのが気になる。あと第2幕は舞台がギービヒ家(ハーゲンやグンターの居宅)だけなので、注目の舞台セットもあまり印象的ではない。

ということで残り1幕なのだが、いつ見ることができるかな …

 

 

上原ひろみ in ハンブルク

急きょ、ハンブルクで行われる上原ひろみのライブを見に行けることになったので行って来た。

場所はアルトナにある「FABRIK」というライブハウスである。もともと何かの工場だった建物にいろいろなテナントが入っている施設らしい。

というわけで、ステージはこんな配置。ステージにある2本の柱に邪魔されてドラムしか見えない。

さて、実は上原ひろみさんが弾くジャズをちゃんと聞くのは初めてである。矢野顕子さんとやったピアノデュオコンサートの CD があまりによかったので期待していた。

オープニングの《Move》という曲がニューアルバムのタイトルチューンらしい。変拍子だらけのフュージョン寄りのジャズという感じ。終演後に一緒に行ったメンバーで話が出たのだが、この曲はキャッチーでとてもかっこいい。

時々パット・メセニーを思わせる曲想があったり、プログラムの中ほどに置かれたソロコーナー(ちなみにかなり脱臼した《I Got Rhythm》(かな?)をやっていた)ではアッコちゃんを思わせたり。

最初に座った位置がほとんどドラムしか見えない場所だったので、やはりバランス的にドラムが大きく聞こえる。そのせいか、ちょっと一本調子に聞こえてしまうところがあったが、CD ではもっと繊細なアンサンブルが期待できるのだろう。というわけで、会場で売られていた CD を買った。(あとで調べたら、やはり日本盤は初回限定 DVD 付きでしたぜ > U 氏)

[rakute_item id=”guruguru2:10951512″]

アンコールの1曲目が終わって、客電がついて、お客さんが少しはけた状態からでも出てきてくれて、2曲目のアンコールをやってくれた。中央付近に空いた席があったので、そちらに移動して、やっと上原さんが演奏する姿を見ることができた。

ジャケット写真などで見る姿はかなり大人びて見える。ステージでの身のこなしは、いわゆる「浮遊系女子」っぽい。ピアノをハードタッチで弾いている時でも、かなり軽やかに見える。

生演奏を聴くのはすごく久しぶりのような気がするのだが、やっぱりいい音楽を生で聴くのはかなり大事なことなのではないか、とあらためて認識したしだいである。

メトロポリタン歌劇場/ヴァルキューレ

先日買ったメトロポリタン歌劇場の《ニーベルンクの指環》(新しい方)を粛々と見続けている。

本日、第2作の《ヴァルキューレ》を見終わった。

《ラインの黄金》に比べると登場人物が極端に減り、二者による対話の部分が多くなる。それだけに冗長に感じる部分も多い作品である。以前から、第1幕のジームムントとジークリンデの会話、あるいは第2幕のヴォータンとフリッカの会話あたりでつまずいてなかなか先へ進めなかった … ということに気付いてから、初心者はこのあたりはあまり集中せずに流した方がいいと思うようになった。

で、重要なところは第3幕。ヴォータンの意思(ジークムントとフンディンクの決闘においてフンディンクを勝たせる)に背いてジークムントを助けてしまったブリュンヒルデが、ヴォータンの怒りによって神格を奪われ、炎で包まれた山の中で永い眠りにつくところである。

最初、ヴォータンは怒りに駆られているし、ブリュンヒルデはヴォータンの主張の矛盾をつく(ヴォータンは最初ジークムントを勝たせることにしていたのだが、妻であるフリッカに押し切られてこの意思を翻したのだった。ブリュンヒルデの主張はもっともである)。この感情がだんだん変化してくる。ヴォータンは娘であるブリュンヒルデに「もう二度と会えなくなる」ことに後ろ髪を引かれるし、ブリュンヒルデも神格を奪われることを承諾し、もうすぐ生まれてくるであろう英雄ジークフリート(この時点ではまだ生まれていない)に見いだされることを願って、自分の回りを勇者でなければ越えられない炎で包んでもらうようにヴォータンに懇願する。このあたりの二人の会話が感動的である。

先日見た、メータ指揮ヴァレンシア歌劇場に比べると、総じて歌手も管弦楽も優秀なので、そちらに比べると音楽そのものにのめりこめる。《ラインの黄金》でも書いたが、ロベール・ルパージュの演出は効果的であるが、舞台の進行を邪魔しないのがよい。

*****

このブルーレイのボーナスコンテンツとして「メトロポリタン歌劇場金管セクションによるラートモティーフ集」というショートフィルムがついている。ふだんなかなかじっくり見ることができないバストランペットやワーグナーテューバの楽器そのものや音色を楽しむことができる。

10/20 の徒然

昨日あたりからかなり気温が上がっている。最高気温が20℃近い。この時期のハンブルクとしては異例の暖かさなのだとか。来週からは一気に冷え込んで最高気温が10℃以下にまで下がってしまうようだが。

私は午前中から歯医者。基本的にドイツの病院/医院は土日が休みなのであるが、日本びいきの歯医者さんが土曜日は日本人のために開けてくれているのである。

日本にいる時はほとんど(新規の)虫歯はなかったのであるが、いくつか虫歯が見つかったので治療している。やはり、日本にいた頃に比べると甘いものを飲み食いする機会が増えているのかなあ …

それから、歯ぎしりが原因で肩こりや偏頭痛があるのではないかと言われた。何かとストレスの多い海外駐在員にはありがちの症状なのだそうだ。これを改善するためにマウスピースを作ってもらった。プラスチックで作られた「上だけの総入れ歯」のような形状のもので、寝る時に装着して寝る。上の歯と下の歯が直接接触するのを防いで、大きな力がかからないようにするものらしい。

*****

妻と息子は息子の同級生の家に遊びに行く約束をしていたそうで、私は午後からのんびりと自分の時間を堪能することにした。一人でないと見られない(家族は一緒に見てくれない)オペラを見ることにする。先日購入したメトロポリタンオペラの《ニーベルンクの指環》から序夜《ラインの黄金》である。

[rakute_item id=”book:16130531″]

シルク・ドゥ・ソレイユのロベール・ルパージュによる演出。舞台に設置された20枚以上の大きな鉄板が呼び物。これからが自由に動いて、壁になったり床になったり階段になったり天井になったり、と変化する。

例えば、冒頭ではこれらが川底を模し(泡沫が投影される)、そこでワイヤーに吊るされたラインの乙女たちが泳ぐ。ヴァルハラへの入城の場面では虹の橋となって神々を高みへ運ぶ。などなど。

とはいえ、舞台上での見た目は非常にシンプルで、視覚が音楽の邪魔をしていない。これは非常にいいと思う。

歌手は概ね良好。ちょっと前に購入したいわゆる「ヴァレンシア・リング」に比べると歌唱が明瞭に聞き取れる。歌手の力量かも知れないが。

ひとまず、非常に満足。

 

present for me

かなり早いのだが、自分に誕生日プレゼント(笑)。

[rakute_item id=”hmvjapan:11954811″]

結局買ってしまった … 《指環》全曲を買うのはこれで4セット目。

[rakute_item id=”hmvjapan:11956947″]

最近、デラックス・エディションには食指が動かないのでいちばんシンプルなエディションを。せめて紙ケースをつけて「イエロー・サブマリン」と並べた時の統一感を考えて欲しかった。

[rakute_item id=”joshin-cddvd:10362330″]

さて、教授のニューアルバム。

 

愉しきかな古楽器演奏

昨日の水曜日が祝日ということで、木曜日と金曜日に有休を取って5連休にする人が多い。

火曜日に帰る時に上司の Ralf に「私は木曜日と金曜日に休むので会うのは月曜日ということになるな。Schönes Wochenende!(よい週末を)」と言われたのであるが、自分がそれとは入れ替わりに来週の前半に(日本人学校の秋休みに合わせて)休暇を取ることを忘れていた …

それはさておき、最近いわゆる「ピリオド演奏」にはまっている。

ちょっと前にシューマンの交響曲を聞いて意外にも気に入ってしまったので、同世代のメンデルスゾーンの交響曲も聞いてみるか、と思ったのである。Naxos Music Library から探すのであるが、まずは BIS レーベルから出ているアンドリュー・リットン指揮ベルゲン・フィルの演奏を聴いてみた。すっきりしていい感じなのだが、ちょっと物足りない。

[rakute_item id=”hmvjapan:10003441″]

それから、いろいろなウェブページを眺めたりしてたどり着いたのが、Hänssler というレーベルから出ている、トーマス・ファイ指揮ハイデルベルク交響楽団による演奏。

[rakute_item id=”hmvjapan:10012435″]

管楽器こそ古楽器を使っているが、弦楽器は現代の楽器を使ってピリオドアプローチ(ノンヴィブラートとか)をしている、いわば折衷的な演奏様式なのであるが、これがなかなかよい。あまりにオーセンティックに過ぎるピリオドアプローチにありがちなどぎつい音色は緩和され、しかもピリオドアプローチの面白さである、管楽器と弦楽器の絶妙なバランスの妙も聞ける。

というわけで、このコンビによるメンデルスゾーンの交響曲全集(管弦楽のために書かれた5曲だけでなく、その前に書かれた弦楽のための交響曲も収録されている)にすっかりはまってしまったわけだが、このコンビはハイドンの交響曲全集も進行中とのこと。確かピリオドアプローチでのハイドン交響曲全集はまだ成し遂げられていないはずなので(残念ながらホグウッドなども中断したまま)、この演奏様式で聞けるとさぞ楽しかろう。やはり、ドラティの全集にはなじめないので、この新しい全集に期待したい。

それから、これを探している時に見つけた、フォルテピアノによるベートーヴェンのピアノソナタ。ロナルド・ブラウティハムによる全集が BIS レーベルから出ている。

[rakute_item id=”hmvjapan:10135167″]

モダンピアノのようなブリリアントな響きは期待できないが、その反面それぞれの音の粒立ちがはっきり聞こえ、引き締まった音楽が聞ける。これはこれでありだと思う。ジャケットには(おそらく)ヨーロッパ各地のベートーヴェンにちなんだ地名の標識が使われているのも面白い。

 

ボブ・ディラン/テンペスト

2009年の「Together Through Life」以来となるボブ・ディランのニューアルバム。その前作である「Modern Times」から続くアメリカン・ルーツ・ミュージックを下敷きとした音楽であることはあらかじめ予想できた。

… とか偉そうに言っているが、そういえば「Together Through Life」はドイツへの引っ越し直前にリリースされたので買ったはいいがまともに聞いていないことを思い出した …「Modern Times」はその絶妙にブレンドされたバッキングに惚れ惚れしていた。(あ、ブートレッグシリーズとかの発掘ものは買っていません。)

今回の「Tempest」も、これらと同じような系列なんだけどやはり「Modern Times」の奇跡のような仕上がりは越えられないようなあ … とつらつら思いながら聞き進む。

会社への電車の中で iPod で聞いているので、もちろん歌詞は完全には聞き取れないのだが、いわゆる「バラッド」(バラードではなく)系の作品が多いような気がする。そんなことを考えていると、実はディランがやっていることは根本的に50年近く変わっていないんだなあ、と妙に感慨深くなってしまい、そんなタイミングで大作(実に14分近い)「Tempest」が流れてくると本当にしみじみしてしまった。

 

2つの指環

ショルティの生誕100年、ワーグナーの生誕200年(来年)を記念してショルティ/ウィーンフィルによるワーグナーの《ニーベルンクの指環》のボックスセットが出るというニュースを聞いたのは数ヶ月前。

価格も高いし、場所も取るし、音だけならもっと安く買えるし、と思って逡巡していたら、メトロポリタン歌劇場の《ニーベルンクの指環》のブルーレイディスクが出るというニュースも入ってきた。

シルク・ドゥ・ソレイユの演出家ロベール・ルパージュが手がけているというところも気になる。また、いわゆる「読み替え」をやっていない演出というのもよさそうだ。ショルティの CD ボックスセットよりもこっちの方が安いし …

 

今日届いたもの(from UK)

amazon.co.uk からお買いもの。

プラネットアース」あたりからBBCドキュメンタリーにはまっている。

今回、帰省(帰国)した時にNHKを見ていたら「プラネットアース」の続編ともいえる「フローズンプラネット」が放送されるそうで、探してみたらあった。

それから同じシリーズで「Earthflight」というBDも。10年ほど前に制作された映画「WATARIDORI」と同じような趣向の映像のようだ。もちろん10年の歳月が経っているので、内容とか撮影方法とかの進化に期待している。

イギリスといえばアードマン・アニメーションズ。先日買った「ウォレスとグルミット」が(英語にもかかわらず)息子に大好評だったので、調子に乗って「ひつじのショーン」を買ってみた。(たぶん覚えていないだろうけど)息子が小さい時に NHK で放送されたものを見せていた記憶があるし、飛行機の機内放送で何度か見たこともある。「ウォレスとグルミット」以上に日本語がなくても大丈夫だろう。

好評につき売切れです