投稿者「musicabella」のアーカイブ

船便到着

家族の渡独時に日本から発送した船便がほぼ3ヶ月かかってやっと我が家に到着しました。

「やったあ、これで日本で買ったメシアンの32枚組ボックスとか、松平敬さんのソロアルバムとか、school food panishment とか、シンクロニシティーンとか聞けるぞー。」と言っていたら、妻から「息子と同じレベルで喜ばないように!」と釘を刺されてしまいました。息子はプラレールやレゴやチョロQが届いたのでご機嫌です。

来週から日本人学校は夏休み。でかけたり、来客があったり、1ヶ月間のわたってかなり予定が入っているのですが、果たして無事に片付くのでしょうか?

地下サッカークラブ

先日、息子がおともだちの家に遊びに行ったのですが、柔らかい生地で作られたサッカーボールを使って地下室でサッカーをしたんだとか。

ドイツの家には地下室があるのが一般的で、ちなみにうちにも地下スペースに3部屋あります。一つは洗濯場、一つは貯蔵庫。貯蔵庫にはスーツケースや、ケース買いしたビールや、まだ捨てきれていない引っ越し時の段ボールなどが置かれています。そしてもう一つはリビングと同じくらいの広さのフリースペース。我々の前に住んでいた方はここに卓球台を置いていました。

そのおともだちによるとボールはIKEAに売っていたそうで(確かに本格的なスポーツ用品店には売っていませんでした)、昨日IKEAでボールを買い、今日そのボールを使ってうちの地下室でサッカーをやってみました。

1対1なのでルールも何もなく、ほとんど蹴り合いという感じなのですが、一応15分ハーフで前半後半に分けて試合をしてみました。

普通のボールよりは浮き玉を蹴りやすいようで、近くからシュートされるとさすがに止められません。ゴールが決まった時にはワールドカップで見た選手のように部屋の中を走り回って喜んでいます。まあ、最初はこういう喜びを楽しんでもらえればいいのかな、と思っています。

(今は年度区切りなので)9月頃からおともだちと一緒にサッカー教室に行くような話をしていますが、さて、どうなることやら。

おいでませハンブルクへ(第1日目)

すっかり恒例となった「おいでませハンブルクへ」シリーズですが、今回は何回も来ている同期入社の友人たち2名、私の元上司、それからロンドンからも1名、計4名の出張者のサポートを1週間することになりました。

ということで、日本から持ってきてもらったDVDとCDと雑誌たち。(あ、1Q84 BOOK3 まだ読んでないや …)

それから、普段は会社に缶詰めでミーティングを行うことが多いのですが、今回はわりと外回りが多い日程です。朝9時に会社に集まって事前ミーティング、そのあと社外に出て、また午後に帰って来る … というパターンでした。

*****

それから、アメリカの Mosaic Records に注文していた、生産中止になったブルーノートの1500/4000番台のCDが届きました。これらはルディ・ヴァン・ゲルダーのリマスタリングというわけではないんですね。だんだん、どうでもよくなってきています …

最近は、いわゆるハードバップ期から新主流派期までのクロスオーバーが特徴である4000番台よりも、素直でストレートアヘッドなジャズが聴ける1500番台の方が気に入っています。(4000番台は個性的なアルバムが多い分、全てが全て気に入るわけではないので …)例えば、今回買ったジャズ・ギタリスト、ケニー・バレルのアルバムあたりは約50年前に録音されたアルバムなのですが、そのサウンドはとてもコンテンポラリーです。

決勝戦:オランダースペイン

参議院選挙があったり、大相撲名古屋場所の中継を NHK が行わなかったり、積志ウィンドアンサンブルの定期演奏会を地元ケーブルテレビが生中継したりと、それなりにエポックメイキングな日曜日ですが …

ワールドカップ決勝戦はオランダ対スペイン。見応えのあるいい試合でした。

ドイツ戦同様、確実なパス回しで自分たちのペースを作るスペイン。オランダはドイツとは違って、その ペースに多少なりとも抗うことができたのかなあ。そしてドイツ戦同様、スペインが自分たちのペースで試合を進めていれば、いつかは点が入ってしまうわけで す。

ベテラン・ゴールキーパー、カシージャスの涙が印象的でした。

ヨーロッパでは8月から新しい年のリーグが開幕しますし、 2年後のEURO2012の予選も始まります。ブンデスリーガもEURO予選も今までより面白く見ることができそうです。

3位決定戦:ドイツーウルグアイ戦

何となく審判がウルグアイよりだったり(ちなみに主審はメキシコ人)、監督のレーヴとキャプテンのラームあたりが風邪とかインフルエンザとかいう噂もあって必ずしもベストメンバーでなかったりしましたが、何とか3-2で勝てました。

雨も降っているし、それまでの試合に比べてモチベーションも低いだろうし、大味な試合でしたが、ヤンセン、ケディラなど今までのゲームで点を取れなかった選手が点を取れたのがうれしいです。

しかし、ウルグアイのフォルランもいい選手です。

途中、一人で状況を打開しようと奮闘していたシュヴァインシュタイガーを見た息子が一言。

「一人でやんなよ」

親子ビザ

今日、妻と息子のビザが無事発給されました。

発給されないということはないはずなのですが、発給されるまでの間はパスポートが当局預かりになってしまうので、今月末から予定している(そしてすっかり予約が済んでしまっている)スイス旅行に間に合わなかったらどうしよう?という心配をしていたのでした。私の時よりずいぶん早く発給されたなあ …

そして、合理的というか、融通が利かないというか、家族のビザの有効期限は私のビザの有効期限に合わせて今年の9月初旬となっています。8月末には私の分とあわせて更新手続きを開始しないといけません。

サッカー徒然

街全体が少しずつクールダウンしつつある感じですが、ちょっとサッカーネタをまとめて。

前にも書きましたが、うちの裏庭の生け垣の向こうは教会の敷地になっていて地元の子供たちがよくサッカーをしています。ときどきコントロールを失ったボールがうちの庭にも飛び込んでくることがあって、子供が取りに来たりします。

昨日、息子が独りで庭でサッカーをしていたら、そんな子供がうちの庭にやってきました。で、経緯はよくわかりませんし、どうやってコミュニケーションを取ったのかもよくわかりませんが、二人でサッカーをして遊んだそうです。最終的には「Vielen Dank!」「Bitte Schoen!」ということで別れたらしいのですが、引っ込み思案というか内弁慶だった息子も変わったものだなあ、と思います。先日も「あのね、お父さん。ドイツ語もっと勉強したい。」と言われた時にはちょっとびっくりしたと同時に頼もしく思いました。

*****

もう一つ。出勤時には車の中で主に CD や iPod を聞いているのですが、ラジオで交通情報が流れる時には自動的にラジオに切り替わるような設定にしてあります。というか、デフォルトがこの設定になっていて、まだ解除する方法が見つかっていないのが本当のところなのですが。まあ、毎日同じようなことをしゃべるのでドイツ語のヒアリング向上のために聞いているというのもあります。で、この交通情報が日本のように無機的に情報を読むだけでなくて、時々おふざけのようなアナウンスもあります。

ワールドカップのグループリーグ初戦でドイツがオーストラリアに勝った翌日は、ブブゼラの効果音が鳴り響く中、サッカーの実況風に交通情報を読み上げました。「(アウトバーン)A7号フレンスブルクからハンブルク方面、シュテリンゲンで3kmの渋滞!!!」みたいな感じで。(文字で書くとこの面白さは伝わらないかも知れませんが …)一方、スペインに負けてしまった準決勝の翌日は深い深いため息から交通情報が始まったりしました。

準決勝:ドイツースペイン戦

会社からの帰り道、パブリックビューイングへ向かうとおぼしき人たちを多く見かけました。

… で試合ですが … ほとんどスペインペースでしたね。まあ完敗かな …

今日がドイツ最後の試合になってしまいましたが、「REWE」で配布されていたドイツ代表チームのトレーディングカードも今日コンプリートしました。息子の友人と交換したおかげで残りあと1枚になったので、大人げない手段を使いました。息子には「お父さんの会社の人からもらった」ということにしてあります。

RVG from the USA

廃盤になったRVGリマスター盤を集めておりますが、amazon.de になかったので amazon.com から買った一枚が届きました。

Smoke Stack

ピアノトリオ(ピアノ、ベース、ドラム)にベースをもう一本加えた編成です。

ボウイングでソロを取るベースのメリスマがちゃんとしたスケールになっていなくて、この気持ち悪さが癖になりそうです。微分音好きなので。(単に音を外しているという可能性もなくはないですが …)

演奏会その43: ハンブルク・フィル特別コンサート「Viva la France!」

Summertime: “Vive la France!”
Sonntag 4. Juli 2010, 11:00 Uhr

Dirigentin: Simone Young
Klavier: Di Wu

PROGRAMM

Paul Dukas: Der Zauberlehrling
Darius Milhaud: aus »Suite française«
Hector Berlioz: Königliche Jagd und Sturm aus »Les Troyens«
Camille Saint-Saëns: »Africa«, Fantasie für Klavier und Orchester op. 89
Camille Saint-Saëns: Danse macabre
Gabriel Fauré: aus »Pelleas et Mélisande«
Henri Duparc: Aux Étoiles
Claude Debussy: L’Isle joyeuse
Erik Satie: Nr. 3 aus »Trois Gymnopédies«
Jacques Offenbach: Ouvertüre zu »Pariser Leben«
Emmanuel Chabrier: España

und Encores…
ジュール・マスネ/タイスの瞑想曲
コール・ポーター(?)/I love Paris(?)

ハンブルク・フィルの2010/2011シーズン終了後の特別コンサートです。昨年は「黄金の20世紀」ということで20世紀に書かれた作品を集めたコンサートだったのですが、今年のテーマは「フランス万歳!」、フランスの作曲家の作品を集めたコンサートになりました。

比較的有名な作品が集められるだろうし、比較的演奏時間の短い作品が多いので息子の集中力も続くだろうと思い、妻や息子の分のチケットも予約しておきました。妻と息子にとってはハンブルクでの演奏会デビューでした … が、私自身も今まで体験したことがないくらいの過酷な条件でした。とにかく暑い。ドアは完全に締め切られるので空気はこもるし、天井の擦りガラスからは日光が差し込むし、指揮兼進行役のヤングはスコアでパタパタあおぎながら次に演奏する曲の紹介をするし、男性演奏者は途中からみんな上着を脱ぎ出すし、で大変でした。というわけで演奏者も聴衆も集中力を保つのがきつかった演奏会でした。

以下、各曲ごとの簡単な感想など。

デュカスの《魔法使いの弟子》は映画「ファンタジア」でミッキーマウスが文字通り魔法使いの弟子に扮したショートフィルムでも有名な作品です。息子にもかろうじてこの作品だけ予習させていました。いみじくも「全然違う曲だった」と息子が指摘したように、ヤングが振るとずいぶん腰が重い音楽になってしまいます。

ミヨーの《フランス組曲》は最初に吹奏楽編成で書かれ、後に作曲者自身によって管弦楽編曲が行われた作品なのですが、一般のクラシックファンにはどのくらい認知度があるんでしょうね?演奏会では全5曲中、最初の3曲が演奏されました。吹奏楽編成での演奏に比べるとオーケストレーションは全体的にすっきりしているように思います。吹奏楽だとまとまった楽器群で演奏されているフレーズが、例えば管楽器のソロと弦楽器のテュッティの対比など置き換えられていました。第3曲「イル・ド・フランス」は何かの間違いではないかと思われるくらい早めのテンポ指定がある(スコアは日本に置いたままなので具体的な数値は忘れてしまいましたが …)のですが、果敢にそのテンポに挑戦していました。で、崩壊しました …

ベルリオーズの歌劇《トロイの人々》より「王の狩りと嵐」は初めて聞きました。今回のプログラムの中に混じるとベルリオーズの音楽はかなり古典的な響きに聞こえます。今回のプログラムの中ではいちばんヤングの個性に合っていた作品かも知れません。堂々とした金管の鳴らしっぷりが印象的でした。

サン=サーンスのピアノと管弦楽のための幻想曲《アフリカ》ではソリストにディー・ウーが登場しました。後で調べてわかったのですが、ディー・ウーは日本で開催された「のだめ」関連のコンサートでショパンのピアノ協奏曲を弾いたらしいですね。ジャズ(あくまでもクラシックの範疇でいうところのジャズ)っぽいリズムとエキゾチックな旋律が印象に残っています。同じくサン=サーンスが書いた歌劇《サムソンとデリラ》の「バッカナール」を思わせるような曲想も登場します。

ピアニストのアンコールは何だったんだろう?曲目不明。ほぼ全編に渡ってトリルが演奏される、いささか暑苦しい曲でした(笑)。

休憩をはさんでサン=サーンスの《死の舞踏》。私はこの作品がパロディ的に引用されている《動物の謝肉祭》の方ばかり聞いていたので、この作品の方がパロディに聞こえてしまいます。休憩明けで少しすっきりしたのか、のれるリズムだったのか、息子はこの曲も気に入ったようでした。

フォーレの組曲《ペレアスとメリザンド》からは有名な「前奏曲」とフルートソロで有名な「シシリアーノ」が演奏されました。あまり印象に残っていません。フルート奏者である妻は「プロでもあんなところでブレスするんだ」とか言っていましたが、詳細は不明。

デュパルクの《星たちへ》は作曲者も作品も初めて聞いた作品です。ドビュッシーにつながる印象主義的な作品で、とても繊細なオーケストレーションが印象に残りました。この作品は CD を買ってまた聞いてみたいです。

ドビュッシーの《喜びの島》。最近、近所でこの曲を練習している音が聞こえてきていたのは微妙にシンクロニシティ?もともとはピアノ曲で、これはドビュッシーに指示によってイタリア人指揮者のベルナルディオ・モリナーリが管弦楽編曲したものらしいのですが、まあ、派手な編曲はこの作品には向かないですね。確かに作品自体にもラテン的な雰囲気はあるのですが、私は原曲のまどろむような色彩感が好きです。(確か、マルティノンのドビュッシー管弦楽全集にも収録されていなかったような …)次に演奏されたドビュッシー編曲によるサティの《ジムノペディ第3番》のミニマムなオーケストレーションの方にセンスを感じます。

このあたりで集中力もほぼ限界 … オッフェンバックの《パリの喜び》から「序曲」、シャブリエの狂詩曲《スペイン》あたりはいい意味で力が抜けていてよかったのではないかと思います。