月別アーカイブ: 2011年8月

バルセロナ日記(その2) ガウディさんパート1+モンジュイック

バルセロナでの2日目。

前日のクラシコ観戦で2日目の午前中はグダグダになることが予想されたので、十分に睡眠を取ってから遅めに行動を開始しようと思っていたのだが、意外に家族全員すっきりと起きることができた。(多少のグダグダはいつものことだが(笑))

バルセロナといえばガウディ、ということで今日はガウディゆかりの地をたずねることにしていた。まずは比較的近いところに建てられているカサ・ミラとカサ・バトリョから。

その後、(例のごとく)息子が「ケーブルカーに乗りたい」と駄々をこね始めたので、地下鉄→ケーブルカー→ゴンドラを乗り継いでモンジュイック城へ。

バルセロナ日記(その1) エル・クラシコ

そういうわけで、スーペルコパ第2戦のエル・クラシコを観戦するためにバルセロナへ。

もともとは日本人学校が秋休みになる10月あたりにスペインへ旅行しようと考えていたのだが、夏休み中にいわゆる「クラシコ」がバルセロナで開催されることがわかった。つまり昨シーズンのリーグ戦の勝者であるFCバルセロナと、カップ戦の勝者であるレアル・マドリーが、ホーム・アンド・アウェイでスーペルコパ(スペイン版のゼロックス・スーパー・カップといったところか)で対戦する。

リーガ・エスパニョーラの公式戦としてのクラシコは日程的に見に行けそうにないし、そもそもチケットが入手できるかどうかもわからない。今回のスーペルコパの試合は、息子がソシオなのでチケットの優先販売でかなりいい席が買えそうだし、またソシオ本人だけであるがチケット価格も割引になる。

クラシコを見るには絶好の機会だと思い、急きょ休暇を取得してバルセロナへ4泊5日で出かけることにした。

そもそも、どうしてこういう日程が組まれたのか非常に疑問なのであるが、8/16(火)と8/17(水)にはUEFAチャンピオンズリーグの予選が開催される。UEFA 主催の試合が行われている時に公式戦を行うことができないらしいので、このスーペルコパ第2戦はなんと午後11時に試合が開始される。普通に試合が終わっても終了時刻は午前1時である。

午後6時くらいにホテルにチェックインして、とにかく息子はできるだけ寝かせることにした。ちなみに試合終了後の治安や安全のことを考えて、予約したホテルは会場であるFCバルセロナのホームスタジアム、カンプ・ノウから徒歩圏内。午後8時頃から鳴りものや応援の声が鳴り響いてなかなか寝付けない。息子が途中で起きなかったのはありがたかったが。

午後10時過ぎにカンプ・ノウ入り。クラシコだからお客さんのテンションが高いのか、スペインのサッカー観戦マナー(?)がそもそも激しいのかわからないが、試合前のウォーミングアップの段階から相手チームの選手がピッチに姿を現わすと激しいブーイングが浴びせられる。ちなみにドイツと違ってスタジアム内ではアルコール飲料は売られていない。

まあ、試合はいろいろなところでレポートされているので細かく書かないが、まずはメッシのスルーパスからイニエスタが抜け出してのシュートで1-0。エズィルのフリーキックからのこぼれ球をクリスティアーノ・ロナウドが押し込んで(というかセルヒオ・ラモスが押し込んだ球にちょっと触っただけという気もするが)1-1の同点。シャビのコーナーキック→ピケの見事なヒールパスからメッシが押し込んで2-1。カカ(そういえばレアルにいたんだ …)のコーナーキックのこぼれ球(シャビに当たった球がレアルの選手の前に転がってしまった)からベンゼマが入れてまたまた2-2の同点。このまま終わってしまったら延長(=さらに終了時刻が遅くなってしまう)という終了間際にイニエスタ→セスク→メッシと途中出場のアドリアーノのワンツーからメッシが入れて3-2。

メッシの2得点(と1アシスト)はさすがという感じだったし、個人的に好きな選手であるイニエスタの華麗な技も見られたし、最終的にバルサは勝ったし、で大満足の試合内容だった。マルセロによるセスクへの悪質なタックルは何だかな … だったが。

そのセスクであるが、月曜日(つまりスーペルコパ第1戦の翌日)にバルセロナ入団が発表されたばかりだったが、この日はすでにベンチ入り。まあ、ほとんどの選手とはスペイン代表で一緒にプレイしているから連携なども特に問題はないのだろう。ビブス姿でアップを始めた時に場内からどよめきが起こり、ユニフォームに着替えて途中出場する時にまた大きなどよめきが起きた。こういう瞬間に立ち会えたこともうれしい。

息子はと言えば、さすがに途中は眠そうだったが、試合の後半から覚醒してきて、メッシが入れた3点目の場面では他のサポーターと一緒に「メーッシ!メーッシ!」の大コールを叫んでいた。

まあ、ほとんど一方的な試合だったので試合後も大きな混乱はなく、サポーターの集団に混じって無事ホテルまでたどり着くことができた。

 

マニアックな夢

はい。親バカ日記です。

息子「お父さん、あのね、お父さんがサッカー選手になった夢見た。試合で2点取ったの。」

私「へえ、お父さんはどこのチームにいるの?」(バルサとかHSVとかかなあ?)

息子「パーダーボーン。」(注:ドイツ・ブンデスリーガ2部のチームです。)

私「… パダーボーン? …」

息子「パダーボーンじゃなくて、パーダーボーン!」(注:どちらでも合ってます。)

私「ま、それはそれとして、相手はどこ?」(もう何が来ても驚かんぞ)

息子「コットブス。」(注:これもドイツ・ブンデスリーガ2部のチームです。)

 

それはクラシコから始まった

朝、ふだんは寝起きの悪い息子が「ねえねえ、お父さん、昨日のクラシコどうだった?」と起きてきた。

8/15(日)の現地時間22:00から行われた、スーペルコパ・デ・エスパーニャ(スペイン・スーパーカップ)の第1戦、レアル・マドリー対FCバルセロナ。リーガ・エスパニョーラの開幕は今週末なのであるが、昨年のリーガ・エスパニョーラ(リーグ戦)の覇者であるFCバルセロナと、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯、日本でいう天皇杯ですかね、カップ戦)の勝者であるレアル・マドリーが対戦する、いわゆる「エル・クラシコ」がリーガの前哨戦となった。

WOWOW も USTREAM で放送していたらしいが、昨日はワインを飲んでベロベロになってしまったので早めに寝た。朝起きてウェブで結果を確認した。

レアルはエズィル(そういえばドイツ代表のエズィルとケディラはレアルにいる)とシャビ・アロンソのゴール、バルサはビジャとメッシのゴールで2-2で引き分け。

そういうわけでバルセロニスタでもある我々は第2戦をカンプノウで観戦する予定。

カンプノウでのクラシコではむちゃくちゃ分がいいバルサなので気持ちのいい試合が見られることを期待しているのであるが、一方スーペルコパでバルサとレアルが対戦した時には(トータルで)必ずレアルが勝っているというちょっと不安なデータもある。

まあ、どうなりますことやら。

 

ハンブルガーSV対ヘルタ・ベルリン

他国より早く先週開幕した2011/2012シーズンのドイツ・ブンデスリーガ。初戦をアウェイのボルシア・ドルトムント戦で迎えたハンブルガーSVは、この第2戦がホームでの開幕戦となる。

今回はアイスクリームメーカーであるLANGNESE(ランクネーゼ)が提供している「家族ブロック(Familienblock)」で観戦。このブロックは全席禁煙であることと、子供料金が設定されていてかなり安いことがメリットである。

けっこう選手が入れ替わっているので、まだ新加入の選手をあまり把握していない。スターティングメンバーは、まず昨年まで第2キーパーだったドロブニー。フランク・ロストが移籍したために第1キーパーになった。昨年もロストが怪我をして欠場していた時期に出場していたのだが悪くなかった。ディフェンスラインは右からディークマイヤー、ブルマ(新加入)、マンシエン(新加入)、現役ドイツ代表のアオゴ。ディークマイヤーは昨シーズンからポジションに定着した若手有望株である。ボランチはヴェスターマン、その前は右からトーレ(新加入)、韓国人のソン、スクジャルブレッド(新加入)、オランダ代表のエリア、フォワードはペトリッチの1トップ。

しかし、昨年のもっとも悪かった状態を思い出すくらい連携が悪い。近距離のパスでもお互いの意思が疎通せずに相手に奪われてしまう。それから、中盤にゲームをコントロールできる選手がいないのでなかなか攻撃パターンが作れない。これだとゴール前に張っているペトリッチがボールに触る機会が少ない。ペトリッチのポジションを少し下げて彼にもっとボールを回させた方がよかったのではないか。後半、ペトリッチに代わって中盤のヤロリームが入ってからは攻撃の形が作れるようになってきたが、交替するのはペトリッチではなくて2列目の誰かだったのではないか?

結局2-2の同点だったが、試合内容も合わせて、心情的には果てしなく負け試合に近い。ベン=ハティラやゲレーロといった攻撃的な選手が戻ってくるまでは我慢するしかないのかなあ … 次はアウェイでバイエルン・ミュンヘン戦。

 

夏のドーム

北ドイツ最大の移動遊園地「ハンブルガー・ドーム」。春、夏、冬とそれぞれ1ヶ月ずつ開催される。

以前、同僚のStefanが冗談で言っていたのだが、「ドームの業者は1ヶ月かけて準備して、1ヶ月営業して、また1ヶ月かけて解体する。1年のほとんどをあそこで過ごしているんじゃないか?」とのこと。確かに本来ザンクト・パウリの駐車場であるこのスペースが本来の目的に使われていることはあまり多くない。昨年(2010年)のサッカーワールドカップの時にはヒュンダイ(だったかな?)がスポンサーになって多くの試合でパブリックビューイングが行われていたし、毎年「ラヴ・フェスティヴァル」なるヒッピームーヴメントをリヴァイヴァルするようなイヴェントも開催されているようだし。

まあ、それはさておき、今日は家族でこのドームへ行った。別行動で買い物をしていた妻と息子と退社後に落ち合う。ドームは開催されるたびにほぼ毎回来ているのだが、そういえば初めて来たのは2年前の夏のドームだった。その頃、まだ妻と息子はハンブルクに住んでおらず、夏休みを利用して遊びに来ていたのだった。

最近はドームの中での行動パターンもほぼ決まってきている。まず、息子が遊びたいカートに乗る。最近は一人乗りのことが多いが、時々二人乗りのもの(お互いにぶつけあうやつで子供だけだとちょっと無理)に乗ることもある。それから、いつものお店で Schweinsteak(豚のステーキ)とビールを。この店は日本からの出張者と一緒によく「新製品成功に向けての決起集会」を行うところである。私も初めてこの店を訪れたのは現在の赴任先に日本から出張してきた時であった。それから観覧車に乗っておしまい。

息子の寝る時間もあるので、我々は午後8時過ぎくらいには会場をあとにするのであるが、人が増えてきて通路が混みだすのはこのあとである。もっとも、金曜日は午後22時30分くらいから花火が打ち上げられるので(まだこのくらいの時間にならないと十分に暗くならない)その影響もあるのかも知れない。

 

車検/カロ・エメラルド

会社に行くついでに妻の車を車検に出した … のだが、いろいろ手間取って日本とのテレビ会議に間に合わなかった。その顛末。

(この車は、日本人の担当者がいるということでデュッセルドルフで買ってハンブルクまで陸送してもらった。そして車検の予約もこの担当者にお願いした。)

そもそも、予約を入れることができたディーラーはハンブルクの東の端。うちはハンブルクの西側(をちょっとはみ出たところ)にあるので、ほとんどハンブルクを横断することになる。小一時間かかってしまった。

ディーラーについて受付に行くと、「Ein moment, bitte.」と言われて15分ほど待たされる。

車検担当らしき人が来たので、無料で点検を受けられるというクーポン(上記のデュッセルドルフの店で出してもらった)を見せると「これはうちの店のものじゃないから使えない」と言われる。おいおい、そんなはずねーだろ、と思っていたら、目の前でデュッセルドルフのお店に確認してくれて、「必要な費用はここからデュッセルドルフのお店に請求することになったから(推測)。」とのこと。とりあえず一安心。

「で、予約はいつにする?」と言われる。いや、そうじゃなくて今日の9時から予約したから来たんだけど … という話をしたら、書類の山から私の名前を見つけて、「ああ、そうね。」という返事。

代車はちゃんと用意されていたみたいで、とりあえずこれは問題なかった。(ふだんはオートマに乗っているので、ギアが入っているのに気が付かずいきなりエンジンを始動させてエンストしましたが …)この時点で9時55分。会議が始まる5分前。ひとまず会社に電話をして会議の代理進行を依頼する。

… ううん、何だったんだ?この無駄な時間は …

夕方、点検の終わった車を取りに行く。受付のお姉さんはあまり英語が得意ではなかったようで、コミュニケーションに四苦八苦したが何とか自己負担分の支払いは済ませることができた。しかし、ドイツ人に「Alles klar. (= all clear = 万事 OK)」という言葉を使うと受けるのはなぜだろう?

代車に乗ったことでFMラジオを聴くはめになったのだが、こういう時に思いがけず自分にとってグッとくる未知の音楽に出会えることを考えると、「ながら聞き」もいいものだなあ、と思う。カーステの液晶画面に曲名とアーティスト名が表示されるのもありがたい。ちょうど日本からこの「ラジオ放送から文字情報を取得して表示する」仕組みである RDS (Radio Data Service) についての質問を受けたところだった。シンクロニシティか?

ということで、この気に入った音楽というのは Caro Emerald の “A Night Like This” という曲。オランダ出身の女性シンガーで、この曲を含むファーストアルバムがけっこうブレークしているらしい。キャバレー・ソングを現代風の味付けで歌っているような感じで、なかなかよい。このスタイルを「ジャズ・シンガー」と呼ぶのには少し(最近のノラ・ジョーンズをジャズ・シンガーと呼ぶのと同じくらい)抵抗があるけれど。

と、思い出すと、私はこういったキャバレー・ソング(カバレット)っぽい雰囲気を持った曲も好きなのかも知れないなあ。ハンブルク出身の歌姫ダグマー・クラウゼが歌うスラップ・ハッピーの《カサブランカ・ムーン》とか、加藤和彦さんのアルバム「うたかたのオペラ」に収録されている《ルムバ・アメリカン》とか。クルト・ヴァイルの《三文オペラ》もそうかなあ?

 

ドイツ対ブラジル戦

日本対韓国戦のヒーローが香川なら、ドイツ対ブラジル戦のヒーローは同じくボルシア・ドルトムントに籍を置くマリオ・ゲッツェだった。

今までのドイツのフォーメーションとは違い、ボランチをシュヴァインシュタイガー一人にして2列目に4人を置いた。今までは左にポドルスキ、中央にエズィル、右にミュラーだったのだが、今日は左からポドルスキ、クロース、ゲッツェ、ミュラー、1トップは最近定着した(=クローゼからポジションを奪った)感のあるゴメス、最終ラインは左から主将のラーム(最近はバイエルン・ミュンヘンでも左をやっている)、バートステューバー、フンメルス、それから久しぶりのトレシュ、キーパーはノイヤーという布陣。この試合は長年ドイツ代表として活躍した(そして現監督のレーヴに「もう代表には呼ばない」と通告された)ミヒャエル・バラックの代表引退試合になるはずだったのだが、本人が固辞したのかなあ。

息子が見るサッカーはほとんどドイツ・ブンデスリーガか、ヨーロッパの国同士の親善試合である。システマティックに動くヨーロッパサッカーではなく、個人技で局面を突破していく南米サッカーのスタイルはちょっとしたカルチャーショックだったようだ。