月別アーカイブ: 2005年4月

バードとディズと吹奏楽と

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雑誌「PEN」の表紙に使われたCD。アンディ・ウォーホールにも影響を与えたといわれるデヴィッド・ストーン・マーチンによるデザイン。

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見たとたんにグッときてしまい、欲しくなってしまった。完全にジャケ買い。意外と近くのショップに売れ残っていたのでゲットした。

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伊福部昭の吹奏楽作品である《吉志舞》と、管弦楽作品の代表作である《交響譚詩》、《シンフォニア・タプカーラ》《SF交響ファンタジー第1番》が収録されている。

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邦人作曲家による新作(天野正道、鈴木英史、清水大輔、福島弘和)や、比較的懐かしいレパートリー(スミスの《ルイ・ブルジョワの賛美歌による変奏曲》やチャンスの《呪文と踊り》)などバランスの取れたシリーズ。

昨年は買いそびれていたのだが、今年は買ってみた。

新宿タワーにて(主に電子音楽)

出張。 例によってタワーレコード新宿店に寄る。

音の始源(はじまり)を求めて3〜佐藤茂の仕事

確か「電子音楽 in the lost world」に第3弾が出ることが書かれていたように思える。 今は無きNHK電子音楽スタジオでの作品制作を技師の側から見た仕事としてまとめた好企画盤である。 この調子で電子音楽スタジオで作られた作品がまとめられるといいな。

Legende D’Eer for Multichannel Tape [DVD] [Import]

近年では timpani レーベルのタマヨ/ルクセンブルク・フィルがクセナキスの管弦楽作品を録音していい仕事をしているが、mode レーベルというところはその前からクセナキスの室内楽を中心とした作品集をリリースしている。 高橋アキによるピアノ作品集などもなかなかよい。

今回このレーベルから電子作品集が出るということで「ふーん(食指は動くが予算の関係でちょっと見送ろうかな)」と思ったのであるが、DVD も同時にリリースされたということで買ってみることにした。

パリにあるポンピドウ・センターの落成に際して作曲された《エルの伝説》のサラウンド・リミックスが聞ける。

これを買ったおかげで、キャシー・バーベリアンがビートルズ・ナンバーを歌ったCD(聞いてみたいでしょ?)とか、ジョン・ゾーンが室内楽のために書いたオペラのCD(聞いてみたいでしょ?)を見送ることにした。

今の耳で聞くとエレクロトニカ+アンビエントという感じ。 クセナキスの電子音楽の中では聞きやすい部類に入るのではないかな?

Insen

《vrioon》に続く、坂本龍一とalva noto ことカーステン・ニコライのコラボレーション。 カーステン・ニコライが作ったアンビエントなバックトラックの上に、教授の点描的なピアノが添えられたという感じ。

ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンド・ライヴ・イン・ジャパン

何か怪しそうな DVD だなと思ったのだが、映像を見てみたいという誘惑に負けて買ってしまった。「メイド・イン・EU」で「台湾プレス」である。オールリージョン?

1982年の「オーレックス・ジャズ・フェスティバル」の模様を収録した DVD である。 ビッグバンドといってもホルンやテューバやスティールドラムが入っている変則的な編成。 CD としてはすでにリリースされているし、映像も確か NHK で放送されたはずである。

この DVD もおそらく NHK のソースももとにしているのだろうと思われるが、意外と画質はよい。20年以上前のビデオをキャプチャした海賊盤まがいの代物だったらどうしよう?という不安もあったのだが、とりあえず大丈夫だった。

誰でもきっと聞いたことがあるごきげんなブルース・ナンバー《チキン》や、テューバやエフェクターをバリバリに効かせたエレクトリック・トランペット(若き日のランディ・ブレッカー!)がソロを取るチャーリー・パーカーのナンバー《ドナ・リー》あたりが面白い。

そういった飛び道具満載のステージであるが、やはりジャコのテクニックは確かだしかっこいい。そうそう、《リバティ・シティ》は大江戸ウィンドオーケストラもやってたかな?

The Arc of Apparitions/ジョン・オズワルド

ジョン・オズワルドは、いわゆる「マイクロ・サンプリング」という手法を使う。 ヒット・チューンを1秒以下という細かい単位でサンプリングし、その素材を再構成して「作曲」しているのである。 原曲の雰囲気は留めているが、時として原曲よりもかっこいいグルーヴが生み出されることもある。

こういった行為がマイケル・ジャクソン(彼の《BAD》も切り刻まれ《DAB》という曲が生み出された)の逆鱗に触れ、この《DAB》が収録されたアルバム「プランダーフォニック」は回収→廃棄という憂き目に会う。 まあ、マイケル・ジャクソンの上半身(アルバム「BAD」のジャケット写真)に、女性の裸の下半身をコラージュしたジャケットもどうかと思うが …

… という悪名高き(って自分でジャケットに書いている)ジョン・オズワルドが作った映像インスタレーション作品。

一般人のヌードを披露するというアイデアは「YELLOWS」に近いものを感じるし、恐ろしくゆったりした映像の遷移はジョン&ヨーコの実験的な映像作品を思わせる。

ミラクルシリーズ

妻が友人から借りてきたエッセイがなかなか面白かったらしい。(結局私は全然読まなかったのだが …..)

その作者が高野優という方で育児に関するコミックやエッセイをたくさん出しているらしいことを知った。この4冊はシリーズらしいのでまとめて買って読んでみた。

以前、とある出版社から出版されたいたものを、出版社を変えて書き下ろしエッセイを加えて再出版したもの。ということで、後年書かれたエッセイは手馴れた感じのエッセイらしいエッセイなので、まあよくあるエッセイという感じ。(全然説明になっていないな …)

コミックの方は3人の女の子を育てていく様子が時間を追って描かれている。子供が増えるにつれ、また子供が大きくなるにつれ、ストーリーも絵柄も壊れていくのが面白い。きっと相当なパワーを持っていないと太刀打ちできないのだろう。

ここに描かれているうれしいことや悲しいことに素直に共感できるのは、やっぱり人の親になったからなのかなあ … とふと思う。明らかに涙腺が緩くなっています。

 

スラップ・ハッピー

Acnalbasac Noom

こちらで紹介しているスラップ・ハッピーの「スラップ・ハッピー(邦題:カサブランカ・ムーン)」のオリジナルがこちら。新しくリマスタリングされて再発売された。「アクザルバナック・ヌーム(Acnalbasac Noom)」はこの邦題であり、スラップ・ハッピーの代表曲でもある「カサブランカ・ムーン(Casablanca Moon)」を逆に綴ったものである。

この「アクザルバナック・ヌーム」は 1973 年に録音されながら独ポリドールから発売を拒否された。そこで翌年に再録音されて英ヴァージンからリリースされたのが「スラップ・ハッピー(カサブランカ・ムーン)」である。「アクザルバナック・ヌーム」が正式にリリースされたのは 1980 年。スラップ・ハッピーはとっくに解散していた。

このアルバム自体には発売を拒否されるような要素はまったくない。メンバーがこのレコーディングに参加しているファウストの以前のアルバムのはちゃめちゃさに対する不安(同じようなわけわからんものを作られちゃかなわん)がポリドール首脳部の頭をよぎったのだろうか。スラップ・ハッピーはよく「アヴァンギャルド・ポップ」と称されるが、そんなに恐れおののくような音楽をやっているわけではなく、極めてわかりやすくポップである。

こういうパターンでは「売れ線を狙って再録音されたもの」と「メンバーがもともと意図していた音が入っているオリジナル」のどちらがよいのか?ということになるのだが、私としては音がソリッドにまとまっているオリジナルが好きである。

それにしてもダグマー・クラウゼの歌声のコケティッシュなことよ。

 

ニュー・サウンズ・イン・ブラス2005など(+坂本龍一)

ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2005

ここ数年は CCCD だとか、選曲がよくないとか、演奏がよくないとか、ブチブチ言いながらも、とりあえず毎年ニュー・サウンズ・イン・ブラスは買っていた。この「2005」はここ数年の中では、かなりヒットなのではないかと思う。ちなみに CCCD は無事回避。だからコピーで済ませていた人は買ってあげましょう。

(CCCD の廃止は、ある意味「良識あるユーザーの勝利」と言えるのではないかと。で、良識があるなら「聞きたいなら金出して買え」というのが基本的なスタンスだと思うのです。)

選曲については、《Mr.インクレディブル》や《ハウルの動く城》のような最新のものから、《アメリカン・グラフィティXV(じゅうご!)》や《ディスコ・パーティーIII》のような少し懐かしめの洋楽、超スタンダードナンバーの《チャタヌガ・チュー・チュー》、お年寄りにも喜ばれそうな《時代劇絵巻》とバラエティに富んでいる。

また編曲は原曲を彷彿させるものが多く聞いていて違和感が少ない。私はこういうポップス・レパートリーは「主題をこういう風に処理してみました」「何かちょっと違ってていいでしょ」という編曲よりは、原曲と違和感が少ないストレートな編曲がいいと思っているので歓迎できる。

演奏は … やっぱり「うまい吹奏楽のポップス」という域を出ない。たまには別のバンド/指揮者を使った方が新鮮味が出るのでは?

うちのバンドはさっそく《時代劇絵巻》をやることになりました。

*****

ベターデイズ・レーベルの紙ジャケリリースから坂本龍一関係を5枚。

「千のナイフ」は坂本龍一の初ソロ・アルバム。初めて聞いたのは25年くらい前か。YMOが爆発的な人気を博していたときにソロ・アルバムにも手を出してみようと思って買った覚えがある。シンセサイザーを駆使しているのだが、当時の最先端のテクノ・ポップとは違い、不思議とシンセサイザー臭くないサウンドである。タイトル曲を初めとしてアジア色が強い。ちなみに教授が着ているジャケットはアルマーニ、スタイリストは高橋幸宏。ライナーノートには林光もコメントを寄せている。

「フェイヴァリット・ヴィジョンズ」はベスト盤。オリジナル発売は1983年というからYMO散開の年である。これは貸しレコード店で借りたような気がする。上記の「千のナイフ」や渡辺香津美とのコラボレーションである「KYLYN」からのピックアップは当然として、高橋悠治の「新ウィーン楽派ピアノ作品集」から連弾作品であるシェーンベルクの《四手のための六つの小品》、フリージャズ奏者の井上敬三の「インティメイト」からの作品もピックアップされているのが変わっている。

「KYLYN」「KYLYN LIVE」はYMO第1回ワールドツアーにも参加している渡辺香津美とのコラボレーション。「LIVE」の方はアッコちゃん(矢野顕子)の《在広東少年》も聞ける。

「サラセンの夢」はダンスリーのアルバム。ダンスリー名義である「ジ・エンド・オブ・エイジア」は知っていたのだが、これは聞いたことがなかった。教授の2作品《ぼくのかけら》《ダンス》が収録されている。そういえば「ジ・エンド・オブ・エイジア」の方は紙ジャケ再リリースはないのかなあ …

 

アウトレットで

前日、会社から帰ろうとしたら自転車がパンクしていた。この自転車(プジョーのシティサイクル)はファッション性を優先させるために耐久性がよくないらしく、前回パンクした時に「今度パンクしたらタイヤごと交換しないと」と言われていた。

そういうわけで、てくてく自転車を押しながら購入したショップへ。

待ち時間の間、近くの CD ショップを物色。以前も購入したショップだが、少し在庫が入れ替わったみたいである。

EPIC 25 1980~1985

EPIC レコード25周年を記念してリリースされたコンピレーションの前半。1980年から1985年のヒット曲が収録されている。《ランナウェイ》(シャネルズ)や《そして僕は途方に暮れる》(大沢誉志幸)が収録されているということで即購入を決めたのであるが、他にも《SOMEDAY》(佐野元春)はもちろん、《すみれ September Love》(一風堂)や《シャイニン・オン君が哀しい》(LOOK)なども入っている。

集められた曲を見てみると、このレーベル特有のかっこよさが見えてくるような気がする。《SACHIKO》(ばんばひろふみ)、《約束》(まだ太っていない渡辺徹)などは意外な気がするが。

《そして僕は途方に暮れる》は当時カップヌードルのCMで使われていた。ポリスの《見つめていたい(Evety Breath You Take)》のパクリだとか言われていた(実際その通りなのだが …)が、やはりよい曲である。

どんなものでも君にかないやしない 岡村靖幸トリビュート

はい。ジャケ買いです。江口寿史さんのイラスト。

フォークル・フェアウェル・コンサート 1968

《帰って来たヨッパライ》や《イムジン河》などで知られるフォーク・クルセイダーズのラストコンサート。すでに「さよならコンサート」が出ていたらしいのだが、これはテープで発掘された正真正銘の「最後の日」のライヴだそうな。

 

3枚で1900円。

リンカンシャーの花束

そろそろ解禁してもいいかな?

9月に行なわれる積志ウィンドアンサンブルの演奏会でグレインジャーの《リンカンシャーの花束》を取り上げることになった。

確か、昨年フレデリック・フェネルが亡くなった時には取り上げることが決定していたように思う。ちょっと時期外れになってしまうが、個人的には追悼という意味合いが強い。

私の《リンカンシャー》のスコアにはフェネルの直筆サインが入っている。「フレデリック・フェネルのコンダクターズ・クリニック」に参加したときにサインしてもらったものである。手持ちのスコアの一冊だけにサインをもらおうと思っていて、やはり「これしかない!」と思ったのが《リンカンシャー》である。

サインをもらった時に「実はまだ指揮したことがないんです。」という話をしたら「難しいけど、きっと楽しいと思うよ。」という言葉をいただいたことを覚えている。

今回もまた団員の皆さんにわがままを聞いていただいて、ほぼグレインジャーの指定通りの編成で《リンカンシャー》を演奏できることになりそうである。残念ながらバスサックスは集められなかったが(某有名楽器メーカーにもないらしい。東京ディズニーランドで吹いているアンサンブルはあるんだけどね)、コントラバスーンも使えることになりそうだ。

団員の皆さんにも言ったのであるが、「ウィンドアンサンブル」を標榜するからには避けては通れない曲だと思っている。この先何回もやる機会はないと思うので一期一会のつもりで悔いのない演奏をしたい。

私が中学生や高校生だった頃には、まだこの曲でコンクールに出てくる団体があった。その時はちっとも面白い曲だと思わなかったのだが、この曲を好きになったのはいつだったんだろう?そういうわけで若い団員がこの曲を「よくわからない変な曲」と言ってもあまり責めることはできない(笑)。まだ、少し時間があるので好きになって欲しいと思う。

つづく(かも?)

WASBE会報

一応、WASBE(世界吹奏楽会議)の会員だったりするので、会報が送られてきたりする。

今回はやはり7月にシンガポールで行なわれる会議の紹介が主なのだが、ニュースとして以下のような小ネタがあった。

  • エドワード・グレグソンが東京佼成ウィンドオーケストラからの委嘱を受けてサクソフォン協奏曲を書いているらしい。
  • アダム・ゴーブがアメリカ空軍バンドからの委嘱を受けて2つの作品を書いているらしい。
  • 《ウェールズの歌》や、リヒャルト・シュトラウスの《万霊節》(「まんりょうぶし」と読んだ人がいたなあ …..)の編曲で知られるアルバート・オリヴァー・デイヴィスが2004年10月16日に84歳で亡くなったらしい。

フィッシュ!

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職場の上司からすすめられた本。タイトルや装丁はかわいいが、れっきとしたビジネス書である。

やる気のない職場を活気あふれる職場に変えるにはどうすればいいのか、ということが寓話の形でかなりわかりやすく説明されている。舞台は魚が飛ぶことで有名なシアトルのパイク・プレイス(http://www.os.rim.or.jp/~housetre/index_144.htm)。メグ・ライアンとトム・ハンクスの映画「めぐり逢えたら」にもちらっと登場する。

同じことを手を変え品を変え説明しているハウトゥー本もあるが(それはそれで有効な手段だとは思う)、この本は4つの秘訣をシンプルに披露しているだけである。ページ数も少ないし1時間くらいで読めてしまうのではないかな。

職場だけでなく、人と人とが関わるコミュニティ(例えば身近な例だと社会人吹奏楽団とか)における雰囲気作りには参考になるのではないかと思う。

 

ハンスバーガー編曲作品集

Carmen Fantasia: The Music of Donald Hunsberger

そういえばハンスバーガーが編曲した《カルメン前奏曲》があったなあ ….. とよく確かめもせずに注文してみたら、これは管弦楽伴奏版だった。吹奏楽編曲版は、その後イーストマン・ウィンド・アンサンブルの日本公演のために作られたらしい。

そういうわけで、これはチャールズ・ゲイヤーとバーバラ・バトラーというトランペット奏者夫妻をソリストにフィーチャーしたハンスバーガーの編曲作品集である。オーケストラはこの夫妻が教鞭を取っているノースウェスタン大学の管弦楽団である。

収録されている作品は、その《カルメン前奏曲》、ブラームスやリストなどのハンガリー舞曲(=ジプシー音楽)で構成された《ジプシーの空の下で(アンダー・ジプシー・スカイズ)》、スティーヴン・フォスターの作品を集めた《スティーヴン・フォスター・セット》である。

さすがに息が合っているトランペット・デュオである。特にピッコロ・トランペットのデュオはあまり聴く機会がないので非常に楽しめた。