日別アーカイブ: 2005 年 4 月 2 日

浜松西高等学校第29回定期演奏会

基本的に高校の吹奏楽部の演奏会は聞きに行かない主義なのであるが、この演奏会はどうしても聞きに行きたかった。

第1部しか聞かなかったので、とりあえずそのプログラム。

  • 樽屋雅徳/民衆を導く自由の女神
  • デヴィッド・ギリングハム/ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス
  • 伊福部昭(編曲者不明)/シンフォニア・タプカーラより第3楽章
  • フローラン・シュミット/ディオニソスの祭

《タプカーラ》は吹奏楽版も管弦楽版も生で聞いたことはなかったし、《ディオニソスの祭》もなかなか生で聞く機会はない。これはぜひ聞かなければということで。

どの曲も「演奏してみました」という感じ。パート間のバランスとか音楽的に妥当な全体のテンポ設定とか、ほんのちょっと調整するだけでもう少し説得力のある演奏ができると思うのだが。

全体としては中等部(この学校は中高一貫)が演奏した《民衆を導く自由の女神》が人数が少なかった分すっきりして聞こえたように思える。

《タプカーラ》は前半と後半はやはり血が沸き立つのだが、中間部が意外と難しいのかな?ソリストで成り立っているような部分なのでもっと積極的に吹かないと曲が漫然と流れてしまう。最終部でピッコロトランペットに持ち替えたトップの女の子、ブラヴォー。あれがあったおかげで最後が締まった。

《ディオニソスの祭》はノーカットでやっていただけたのがうれしかった。(ひょっとして全曲を生で聞くのは初めてかも)また、サクソルン系の楽器もいろいろ集めてきていたようだ。この曲もサビの部分は何とかなると思うのだが、前奏や中間部のアゴーギクが揺れた中でのアンサンブルが難しい。木管低音はなかなか健闘していた。

スウィング・ガールズなどなど

スウィングガールズ プレミアム・エディション [DVD]

試写会の抽選に外れたので、すっかり見るのを忘れていた。DVD が発売されたところ、かなり評判がいいようなので買ってみることにした。買うとなると、やっぱりいちばん特典映像が収録されているプレミアム・エディション。すでに発売されたあとだったので入手できるかどうか心配だったのだが、行きつけのショップに在庫があったので無事入手できた。

まだ特典映像しか見ていないのだが、ちょっとした感想を。

オーディションで配役が決まったあとに特訓して撮影に望んだと聞いていたので、妙に演奏がうまかったりしたらうそ臭いなあ ….. といらぬ心配をしていたのだが「特訓四ヶ月」相当のサウンドだったので一安心(笑)。

技術的にはいくらでも注文をつけられると思うのだが、スウィングのノリなんかはかなり正統的だし、何よりも演奏者それぞれの自発性が感じられて「楽しさ」がストレートに伝わってくるのが魅力。多くの管楽器奏者にありがちな「吹奏楽部」的な価値観を打破してくれる爽やかさがある。変な先入観(例えばピッチは合わせなきゃいけないとか言われたとおりに演奏しなきゃいけないとか)がないのがかえっていいのかも。

管楽器の経験者にとっては、プレミアム・エディションにしか収録されていない東北地方からニューヨーク、ロサンゼルスにいたる各地でのライヴ演奏の様子が参考になると思う。

黛敏郎:シンフォニック・ムード

NAXOS の日本人作曲家シリーズ第12弾。とりあえず1曲目の《シンフォニック・ムード》しか聞いていないのだが … 黛の吹奏楽曲《トーンプレロマス’55》の解説などを見るとヴァレーズからの影響が大きいとあるが、比較的初期に書かれたこの作品のきらびやかなオーケストレーションはメシアンに近いものを感じる。《舞楽》は秋田南高校がコンクールで取り上げていましたね。

ジャケットは日本のシュルレアリズム画家である古賀春江(ちなみに男性です)の「海」。これも伊福部の時の青木繁「海の幸」のように黛の作風にマッチしているように思う。

戦前日本の名行進曲集~秘蔵名盤篇~

「戦前日本の名行進曲集」シリーズの最後の一枚が遅れて入荷。他の2枚は海軍軍楽隊篇、陸軍軍楽隊篇とそれぞれまとまっていたのだが、このCDは特に収録団体にこだわらずに貴重録音を集めている。どの音源がどのくらい貴重なのかはよくわからないのだが、1935年に録音された、ベルリン・フィルが演奏する《軍艦行進曲》はかなり珍しいのではないか。

What,Me Worry?

これもYMOのメンバーのソロアルバムラッシュから一枚だけ遅れて入荷連絡があったもの。

オセロ/ハムレット

そういえば買ってなかったなあ … ということで。リードの代表作《オセロ》と《ハムレットへの音楽》が収録されたアルバムを2枚まとめて再発したもの。価格もかなり安くなっている。

コンクールで演奏されているこれらの作品しか聞いたことがない人は、全曲を聞くとさぞかし驚くことだろう。《オセロ》の場合、取り上げられるのはだいたい1・3・4楽章だし、《ハムレットへの音楽》にいたっては第1楽章前半から第3楽章に飛んで再び第1楽章に戻ってくるという荒業、通称「天理カット」と呼ばれている構成に慣れてしまっているのではないか。どちらの曲も実は悲劇的な結末で重苦しく終わっているのである。