新宿タワーにて(主に電子音楽)

出張。 例によってタワーレコード新宿店に寄る。

音の始源(はじまり)を求めて3〜佐藤茂の仕事

確か「電子音楽 in the lost world」に第3弾が出ることが書かれていたように思える。 今は無きNHK電子音楽スタジオでの作品制作を技師の側から見た仕事としてまとめた好企画盤である。 この調子で電子音楽スタジオで作られた作品がまとめられるといいな。

Legende D’Eer for Multichannel Tape [DVD] [Import]

近年では timpani レーベルのタマヨ/ルクセンブルク・フィルがクセナキスの管弦楽作品を録音していい仕事をしているが、mode レーベルというところはその前からクセナキスの室内楽を中心とした作品集をリリースしている。 高橋アキによるピアノ作品集などもなかなかよい。

今回このレーベルから電子作品集が出るということで「ふーん(食指は動くが予算の関係でちょっと見送ろうかな)」と思ったのであるが、DVD も同時にリリースされたということで買ってみることにした。

パリにあるポンピドウ・センターの落成に際して作曲された《エルの伝説》のサラウンド・リミックスが聞ける。

これを買ったおかげで、キャシー・バーベリアンがビートルズ・ナンバーを歌ったCD(聞いてみたいでしょ?)とか、ジョン・ゾーンが室内楽のために書いたオペラのCD(聞いてみたいでしょ?)を見送ることにした。

今の耳で聞くとエレクロトニカ+アンビエントという感じ。 クセナキスの電子音楽の中では聞きやすい部類に入るのではないかな?

Insen

《vrioon》に続く、坂本龍一とalva noto ことカーステン・ニコライのコラボレーション。 カーステン・ニコライが作ったアンビエントなバックトラックの上に、教授の点描的なピアノが添えられたという感じ。

ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンド・ライヴ・イン・ジャパン

何か怪しそうな DVD だなと思ったのだが、映像を見てみたいという誘惑に負けて買ってしまった。「メイド・イン・EU」で「台湾プレス」である。オールリージョン?

1982年の「オーレックス・ジャズ・フェスティバル」の模様を収録した DVD である。 ビッグバンドといってもホルンやテューバやスティールドラムが入っている変則的な編成。 CD としてはすでにリリースされているし、映像も確か NHK で放送されたはずである。

この DVD もおそらく NHK のソースももとにしているのだろうと思われるが、意外と画質はよい。20年以上前のビデオをキャプチャした海賊盤まがいの代物だったらどうしよう?という不安もあったのだが、とりあえず大丈夫だった。

誰でもきっと聞いたことがあるごきげんなブルース・ナンバー《チキン》や、テューバやエフェクターをバリバリに効かせたエレクトリック・トランペット(若き日のランディ・ブレッカー!)がソロを取るチャーリー・パーカーのナンバー《ドナ・リー》あたりが面白い。

そういった飛び道具満載のステージであるが、やはりジャコのテクニックは確かだしかっこいい。そうそう、《リバティ・シティ》は大江戸ウィンドオーケストラもやってたかな?

The Arc of Apparitions/ジョン・オズワルド

ジョン・オズワルドは、いわゆる「マイクロ・サンプリング」という手法を使う。 ヒット・チューンを1秒以下という細かい単位でサンプリングし、その素材を再構成して「作曲」しているのである。 原曲の雰囲気は留めているが、時として原曲よりもかっこいいグルーヴが生み出されることもある。

こういった行為がマイケル・ジャクソン(彼の《BAD》も切り刻まれ《DAB》という曲が生み出された)の逆鱗に触れ、この《DAB》が収録されたアルバム「プランダーフォニック」は回収→廃棄という憂き目に会う。 まあ、マイケル・ジャクソンの上半身(アルバム「BAD」のジャケット写真)に、女性の裸の下半身をコラージュしたジャケットもどうかと思うが …

… という悪名高き(って自分でジャケットに書いている)ジョン・オズワルドが作った映像インスタレーション作品。

一般人のヌードを披露するというアイデアは「YELLOWS」に近いものを感じるし、恐ろしくゆったりした映像の遷移はジョン&ヨーコの実験的な映像作品を思わせる。

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