予習復習

前にも書きましたが、基本的にドイツに住み始める時にはCDを持って来ないという方針を立てました。そもそも全部持って行けるわけがないので、「仕分けが面倒くさい」「仕分けたところで持ってきて聞かないCDもあるし、持って来なくて聞きたくなるCDもあるだろう」ということで、頭に浮かんだものからできるだけMacに取り込んで日本を離れたわけです。今のところ持って来るのを忘れた(Macに取り込む時に思いつかなかった)もので激しく後悔しているのはバルトークの管弦楽作品(《管弦楽のための協奏曲》、《中国の不思議な役人》、《弦チェレ》、《かかし王子》など)くらいなので、何とかなっているのかなと。

で、ドイツに来てからも「CD買うならコンサートへ行こう」という方針で、なるべくCDは買わないようにしていたのですが、やはり予習と復習(特に予習)はしっかりやっておいた方が楽しいわけで、少しずつCD購入枚数が増えつつある今日この頃です。まあ、以前のように「所有したいCD」を買うのではなくて「聞きたいCD」を買っているので、いわゆる「未聴の山」が少ないのはいいことです。(余談ですが、読書で言うところの「積読(つんどく)」に対応する言葉ってないんですかね?)

ということで、当面予習したいと思っているのはベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン協奏曲です。前者は意外と入手できる演奏が限られているんですね。個人的好みからクレーメルの演奏にしてみました。

Violinkonzert/Violinromanze Nr

ネヴィル・マリナーとの共演による1980年の録音。amazon.deだと5.95ユーロで買えました。例の奇天烈作曲家アルフレート・シュニトケが書いたカデンツァを弾いているということで気になっています。

111 Years of Deutsche Grammophon/Various (Coll)

ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、この55枚組に含まれているアンネ=ゾフィー・ムターとカラヤン/ベルリン・フィルのものにしました。ドイツ・グラモフォンレーベルの創立111周年を記念して作成されたボックスです。74.95ユーロだったので今のレートだとちょうど10000円くらいですね。このレーベルのベストセラーを俯瞰できることを考えれば安い買い物なのかなと。アッバード/ウィーンフィルによるブラームスのハンガリー舞曲集とか、クライバー/ウィーンフィルによる《運命》とか、ヨッフム/ベルリン・ドイツ・オペラの《カルミナ・ブラーナ》とか、気にはなっていたものの長い間手を出しあぐねていたものをまとめて聞けるのも魅力です。幸いというか、やはりというか、手持ちのCDとのダブりはありませんでした。微妙にかすったものはありました(笑)。ミケランジェリによるドビュッシーの前奏曲集。私は同じピアニストの《映像》《子供の領分》は持っていたので。

演奏会その22: フレットワーク

Di, 08.12.2009 | 20:00
Hamburg, Rolf-Liebermann-Studio

Fretwork
Solistin Clare Wilkinson, Mezzosopran

John Joubert „The Fellowship of the Stretched String“
Peter Sculthorpe „Djililie“
Elvis Costello „Put away forbidden playthings“
Henry Purcell Fantazia No. 8
Tan Dun „A Sinking Love“
Orlando Gough „Birds on Fire II“
Michael Nyman „If“
Henry Purcell Fantazy upon one note
Barry Guy „Buzz“
Stephen Wilkinson „The Garden“,  „At the Manger“
Henry Purcell „In Nomine“ in 6 parts
Gavin Bryars „In Nomine“ after Purcell
Duncan Druce „Three Poems of Henry Vaughn“

encore:

Benjamin Britten „O Waly, Waly“

北ドイツ放送(NDR)はいろいろなジャンルの演奏会を企画しています。お抱えオーケストラである北ドイツ放送交響楽団の演奏会はもちろん、ジャズ・バンド、合唱、室内楽、家族向け(つまりは子供も聞ける)演奏会などがあります。それらの中でも異色というか独自色を出しているのが、古楽を演奏する Das Alte Werk (古い作品という意味です)シリーズと、逆に新しい作品ばかりを演奏する das neue werk(新しい作品という意味です)シリーズです。先日聞きに行ったソフィア・グヴァイドゥリーナの個展も、実は後者に属する演奏会でした。

今日行ったのは、そのどちらにも属している演奏会です。今年はヘンリー・パーセルの生誕350周年だそうで、それにちなんだ演奏会なのですが、演奏曲目をみていただくとわかるように、マイケル・ナイマンあり、タン・ドゥンあり、ギャヴィン・ブライアーズあり、エルヴィス・コステロ(!)ありということで新旧入り混じった多彩さがあります。というか、パーセルの作品以外は20世紀~21世紀の作品ばかりだったのですが …演奏は教授の最新アルバム「out of noise」に参加し、その教授が主宰するcommmonsレーベルからアルバム「The Silken Tent」もリリースしたイギリスのヴィオール演奏グループのフレットワーク、ソリストはこの「The Silken Tent」でも共演しているメゾソプラノのクレア・ウィルキンソンというメンバーです。ヴィオールはヴァイオリンの兄弟というか従兄弟というか、の古楽器で、現在ではヴィオラ・ダ・ガンバがいちばん知名度があるのかな?大小さまざまな音域のヴィオールによるアンサンブルです。

チューニングがずれやすいのか、あるいは過度のヴィブラートを使わないのでヴァイオリン属の演奏に比べてピッチのずれが目立ちやすいのか、曲間でも頻繁にチューニングをしていました。ヴァイオリン属とは違っていちばん低音の楽器が基準音を出します。(関係ないけど、「リュート奏者は人生の半分をチューニングに費やし、残りの半分をピッチの狂った演奏に費やす」というジョークを思い出してしまいました。)

さて、作品ですが、近現代のものについては、この楽器属が活躍していた時代、つまり16世紀~18世紀の作風の換骨奪胎を意図したもの、それからあくまでも自分の作風をこの編成で表出しようと意図したもの、の2種類に大別されるように思いました。マイケル・ナイマンやタン・ドゥンの作品は明らかに後者に属する作品で、どこから聞いても彼らの作品に聞こえます。ナイマンの、四分音符による和声進行に朗々とした旋律がのるところとか、タン・ドゥンの平均律にとらわれない民族楽器風の扱いとか、お得意の叫び声(笑)とか。

気にいったのはピーター・スカルソープの《Djililie》(なんて読むんだ?《ジリリエ》?)とオーランド・ガフの《バーズ・オン・ファイアII》です。前者は「換骨奪胎」の部類に入る作品で、アルヴォ・ペルトの諸作品や吉松隆さんの《朱鷺によせる哀歌》のような静謐な響きが気に入りました。後者はそれとは対照的にビートの効いたリズミカルな音楽。ときおりブルーノートを使ったメロディも聞こえます。

あとはアンコールの《O Waly, Waly》。イギリスの古い民謡を編曲したものらしいです。想像できるように、とても親しみやすいメロディなのですが、繰り返されると全く違う和声がつくのが面白かったです。

他の作品はあまりピンときませんでした。ヴィオールのアンサンブルならではの響きがあまりいかされていないというか、この編成である必然性がないというか。これらの楽器が活躍した同時代の作品をもっと聞きたかったかな、という気がします。

I SAW THE LIGHT

来るはずなのになかなか届かなかった郵便2通が届きました。

一通目は「ドイツの運転免許証ができたよ~ん」という通知。9月末に申請に行ったのですが、通常なら4週間くらいで来ると言われた通知が11月になっても届きませんでした。心配になってMonikaに問い合わせてもらったところ「今、印刷に出したところです」とのこと。ソバ屋の出前か?「12月6日になっても通知が届かないようだったら再度通知するように」とのことだったのですが、ギリギリの12月4日に届いていました。

それからもう一通は交通違反の通知書。日本ではひっかかったことがなかったオービスにひっかかってしまいました。運転者が特定されたのではなく、車のナンバーで特定されたので、車の所有者(というか借りている主体)である会社に通知が来てしまいました … 制限速度60km/hのところを18km/hオーバー、罰金35ユーロだそうです。

いや、言い訳するわけはないのですが … コンサートの帰りに道を間違えて(道路に書かれている矢印は夜になると本当に見えにくくなってしまうのです)アウトバーンに乗ってしまい、ずいぶん遠くまで行ってから引き返す羽目になってしまいました。アウトバーンは基本的に制限速度は120km/hくらいなのですが、市内に入るあたりではかなり速度制限があります。場所によってはかなり急激に減速しないといけない場合もあるようです。それにしてもアウトバーンが制限速度60km/hになるというのは考えにくいので、いつの間にか一般道路に入っていたのかも知れません。アウトバーンは、もちろん日本でいうインターチェンジみたいな感じで合流路がついている場合が多いのですが、角を曲がったらそこからアウトバーンとか、車線が変わったらそこから一般道路、みたいなパターンもあります。

今回の違反では減点はないので、罰金を必要事項(違反の照会番号など)と一緒に銀行に振り込めばそれで終わりとのことです。今後は気をつけます。

演奏会その21: ハンブルク交響楽団(その3)

Sonntag, 06. Dezember 2009
4. Symphoniekonzert     19.00     Laeiszhalle, Großer Saal
Dirigent: Philippe Jordan

Der Eroberer

Bartók Divertimento für Streichorchester
Schubert 5. Symphonie B-Dur
Bartók Konzert für Orchester

Der Eroberer(征服者)と題されたハンブルク交響楽団の今シーズン第4回目の定期公演です。第1回目は行かなかったので私自身はこのオケを聞くのは3回目ということになります。

指揮者のフィリップ・ジョルダンは、スイス・ロマンド管弦楽団を率いたアルミン・ジョルダンの息子だそうで、まだ35歳ですが主にオペラで活躍しており、今年からパリ国立オペラの音楽監督に就任しているそうです。けっこう癖のある振り方をします。

指揮者がオケをコントロールできなかったのか、オケが指揮者についていけなかったのか、非常に不満の残る演奏会でした。全般的に残念だったのが弦の合奏能力で、ヴァイオリンの高音のピッチの不安定さとか、アレグロなどのテンポの速い部分での発音の「荒れ」のようなものがどの曲でも気になってしまいました。テイトが振ったハイドンではとてもクリアな響きが聞けたのですが。

もっとも緩徐楽章でのヴィオラやチェロを中心とした響きはときおり美しいものがあって、バルトークの《弦楽のためのディヴェルティメント》第2楽章とかシューベルトの交響曲第5番の第2楽章とかはよかったと思います。

バルトークの《管弦楽のための協奏曲》は、なんか曲が漫然と流れていっただけのような印象です。この曲に限った話ではありませんが、指揮者はある意図を持って演奏者をコントロールしながら、演奏者と聴衆をある方向へ導いていく必要がある、というのが私の持論なので、この曲における近視眼的な曲の作り方はどうにも受け入れ難いです。(余談ですが、指揮者(Conductor)は「共に(con)」「導く(ducere)」人という意味です。半導体(semi-conductor)やツアーコンダクター(tour conductor)の意味もこの語源から説明できますね。)

ただ、第4楽章「中断された間奏曲」のような、曲の展開の切り替わり自体が音楽の面白さになっている場合にはこのアプローチは有効のようで、楽しめました。

フィリップ・ジョルダンはオペラなどで「スコアの深い読み」が評価されているようですが、少なくとも今日の演奏会を聞く限りでは「本当かよ?」と言いたくなるような出来でした。まあ、最初に書いたように(曲との相性も含めて)指揮者の問題なのか、オケの問題なのか、はよくわかりませんが …

クリスマス・ウォッチング

午前中に日本と Skype。今日は息子の通う保育園の「生活発表会」でした。合奏では大太鼓を担当したそうです。大太鼓が暴走すると合奏は簡単に破綻してしまうので人様に迷惑をかけなければいいが … と心配していたのですが、うまくテンポキープして、無事その役割を果たしたようで安心しました。そこで緊張の糸が切れたようで、そのあとの歌や劇はグダグダだったらしいのですが(笑)、まあ「その他大勢」が暴走してもさほど大勢には影響ないのかなと。

さて、原稿は書かなければいけませんが、買い出しもしなければいけません。クリスマスやなんやかやで中心部に車で行くとはまると思ったので、電車で出かけることにしました。そうなると、ある程度いろいろなところに行けるわけで、中心部から少し外れたところにあるコーヒー屋に行って、久しぶりにそこのコーヒーを買いました。日本にいる頃から自家焙煎のお店の浅煎りを好んで飲んでいたので、市販のものよりこういうお店で売られているものの方がしっくりきます。

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このコーヒー屋があるエッペンドルフ地区からはバスで中央駅まで行けます。このバスに乗って中心部のショッピングエリアまで行こうと思ったのですが、やはり目抜き通りはクリスマスマルクトのために車両進入禁止になっていて、バスも通常とは違う迂回路で運行されていました。その目抜き通りであるメンケベルク通り(Mönkebergstraße)はこんな感じになっています。クリスマスマルクトものぞいてみたかったのですが、人も多いし、雨も降っているし、原稿も書かなければいけないし、でまた来週かな?ちなみに右側の画像に書かれている「Weihnacht(ヴァイナハト)」というのがドイツ語の「クリスマス」なのだそうです。

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さて、このメンケベルク通りから一本裏に入った通りでバスを降りました。近くにスペイン料理店「Picasso」があるのを思い出して、久しぶりにここで昼食をとってみることにしました。前に来た時にも感じましたが日本人客が多いようで、日本人向けのタウン紙は置いてあるし、給仕のおじさんも「コンニチハ、トウキョウ(から来た)?オオサカ(から来た)?」とか話しかけてきます。こういう場合は「浜松を知っていますか?浜松はだいたい東京と大阪の中間にあります。近くには富士山があります。でも今はハンブルクに住んでいます。」みたいな感じで答えることにしています。するとおじさんは「俺も同じだ。スペインから来て、今はハンブルクに住んでいるよ。」とのこと。

どう考えてもワインを飲みたい状況なのですが(笑)、あとあとのことを考えてアプフェルショーレで我慢しておきます。野菜スープとタパス(前菜盛り合わせ)を注文しました。付け合わせのパンも含めて昼食には理想的な量です。

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ガーリックを効かせたマッシュルームのオイルフォンデュ、魚介類(特にイカ、タコ)、少量多種類のディッシュ、素晴らしいです。ドイツ料理の「ある食材をドカン、次の食材をドカン」という大胆さに比べると、こういう繊細さが日本人とも相性がいいのかなあ?とか思います。

エスプレッソを飲んでお勘定。例によって食後酒もすすめられましたが(これも勘定後だったのでサービスなのかなあ?)、あとの予定があるので丁重にお断りしました。合掌して「サヨウナラ」と言われたので、「スペイン語で Auf wiedersehen って何て言うの?」と聞いたところ「Hasta la vista(アスタ・ラ・ヴィスタ)だよ。ターミネーター(映画)で見ただろ?」と言われました。あとでウェブで調べてみたところ、「Adios(アディオス)」と違って「Hasta la vista」には「また会おう」という意味合いも含まれるのだそうです。ということで、また来たいと思います。

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例によってカールシュタットの食材売り場で買い出しをしたのですが、Mönkebergstraßeのカールシュタットにはシュニッツェル用の薄切り肉が(すくなくともこの日は)売られていないことがわかりました。やはり近所のWandsbekで買う方が確実かな?

帰りは市庁舎広場近辺のクリスマスマルクトを見ながら Jungfernsteig 駅まで歩き、そこからSバーンに乗りました。

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こちらがJungfernsteig駅周辺のマルクト。立ち並ぶテントの向こう側にアルスター湖があります。画像の右隅に小さく写っていますが、アルスター湖の中にもクリスマスツリーが立てられています。ここから左を向くと …

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市庁舎広場と、その前に立てられたクリスマスツリーです。市庁舎広場にもたくさんのマルクトがあるようですが、まだ足を踏み入れていません。来週こそはもっと本格的にブラブラしてみたいので晴れてほしいものです。

夕食は、さすがにワインが飲みたくなったので前に買っておいたままだったリースリンクを開けてみました。

マニュアル/ガチョウ

詳細はよくわからないのですが「社用車を点検する必要があるので、12/4の出社時に車をディーラーに預けてくるように。」と言われていました。ドイツ語がわからない私のために庶務のMonikaがちゃんと書類を用意してくれたので、基本的にはその書類を受付に見せて → 然るべき場所に車を移動して → ディーラーが用意した代車に乗って会社へ来る、という手はずだったので全然問題ないと思っていたのですが、用意してもらった代車が … マニュアル車でした。

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日本でもずっとマニュアル車に乗っていたのですが、ドイツに来てから半年くらいはずっとオートマを乗っていたので、やはり勝手が違います。以下の状況(今日の実話)を想像してみて下さい。

(その1)加速しながら、ハンドルから左手を離してシフトノブを探してしまう

言うまでもありませんが、シフトノブは右手側です。

(その2)バックで駐車スペースから出る時に右足でクラッチを踏んでいた

バックはギア比が低いので、オートマならブレーキペダルのコントロール(当然右足)、マニュアルならクラッチペダルのコントロール(当然左足)だけで何とかなります。これを混同してしまいました。右足でハーフクラッチをしながら、

あ、これだとブレーキ踏めないじゃん → でも、このまま右足をクラッチペダルからブレーキペダルに移動するとエンストするしなあ …

と考え(この間0.2秒)、とっさにサイドブレーキを引きました。

ディーラーでの点検が終わった車を取りに行く際「慣れれば楽勝じゃん」と思っていたところ、最後の最後で坂道発進をするはめになり、また緊張。常にいろいろな手順を意識しながら運転しないといけないので、脳の老化防止にはいいかも知れませんが、そう頻繁には乗りたくないものです。

*****

お昼は毎週金曜日の恒例、Dwenger でカリーブルストでした。このお店でカリーブルストを食べたのは久しぶりかもしれません。

週末だし、夕食はグビッといきたかったので久しぶりの「Conrad’s」へ。今日も挨拶早々「ヘフェヴァイツェン?」と聞かれるいつものパターン(はい、その通りです)。この店は「季節限定メニュー」で旬の伝統的なドイツ料理を出してくれるのが楽しいです。料理はゲンゼコイレ(Gänsekeule)を頼んでみることにしました。ゲンゼはガチョウ、コイレは足という意味で、文字通りガチョウの足を香辛料などと一緒に赤ワインに漬け込み、それをオーブンで蒸し焼きにしたものだそうです。それにオレンジソースがかかっています。

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付け合わせは赤キャベツの煮込み(こんなにいらんだろ …)とジャガイモの蒸し団子。ガチョウはもともと脂肪分が少ないらしいので、かなりさっぱりした食感です。クリスマス直前のこの時期は鳥を素材にした料理が多いようです。

ヤマ・ヤマ・ヤマ

今週はバンドジャーナル誌の原稿のヤマです。(まだ書いているのか、とか言わないように …)なるべく早く帰宅して(とは言っても仕事は仕事で詰んでいるのですが …)粛々と原稿書きやデータの最終チェック&整理をやっています。

このヤマを越えないと、

  • 来週からの第?次コンサートラッシュ(2週間で5つの演奏会へ行く予定です)
  • 日本から持ってきてもらったヴィム・ヴェンダースの未視聴DVD
  • 日本から送ってもらった胃にもたれそうな重厚な文学作品群

のヤマに取り組めないので、早く片付けたいと思います。

昼食時にもクリスマスマルクトの話も出たのですが、私はまだ行けていません。これは会社へ行く途中に通るWandsbek駅付近のクリスマスツリーです。

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新・秘密兵器

やっと日常に戻ってきました。(というか、やっとブログが現実に追いついてきました)

ロンドンでは多少節制した食生活でしたが(それでも2泊3日でビールを5パイント飲んだのかな?)、やはり慢性的にカロリーオーバーに陥っているような気がします。なので、お昼は会社の食堂で適度な量の肉と野菜をバランスよく食べ、夜はできるだけ簡素に済ませる、ということにしようと考えました。(少しずつでも胃を小さくしていかないと …)

というわけで、とりあえずご飯を炊いて、あとはみそ汁とサラダにしてみようかなと。そこで登場するのが、先週のお土産にいただいた「桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油」。(すみません、しばらく自宅でご飯を食べていなかったので、やっと試すことができました。)

http://www.momoya.co.jp/products/detail/rayu_sukoshikarai.php

商品説明にも書かれていますが、ラー油の中に炒めてカリカリになったガーリックと玉ねぎが入っています。ひょっとして、これもかなりのカロリーかも知れませんが、炊きたての白いご飯にかけて食べるとおいしいです。サラダのアクセントなどにもいいです。

ありがとうございます。年末まではこれで survive することにします(笑)。

ロンドン日記(その3)見つめる絵はターナー

昨日はシステムがよくわからずに頼みそびれたイングリッシュ・ブレックファストですが、今日はちゃんと注文できました。やはり、イギリスに来たらこれを食べないと。

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ロンドンを初めて訪れたのはおよそ10年前の年末年始。香港経由のキャセイパシフィックという、今なら絶対に利用しない超遠回りの格安チケットで行ったのでした。しかもロンドンでは体調を崩し(雨で冷え切った体で食べた生牡蠣が悪かったのではないかという説あり)妻は3日間ほど寝たきり、私はその時に初公開された「ジョン・レノンとポール・マッカートニーが初めて会った日のクォリーメン(ジョンが在籍していたグループ)の演奏」を聞くために文字通り這うような状態でこの展覧会まで行ったりとあまりいい思い出はないのですが、いまだに覚えている情景があります。

地下鉄の中で日本人の父親と男の子がいました。幼稚園くらいの子供はリュックサックを背負って、わくわくしているのが見てとれます。椅子に座っているのもじれったい感じでそわそわしながらお父さんと思しき男性に話しかけています。男性の方は何も言わずに軽く微笑んで子供の方を見ています。その時、自分にもこんなシチュエーションがやってくるのだろうかと漠然と考えました。

また地下鉄に乗りながら、本当に息子を連れてロンドンに来る日があるんだなあ、と思ったのでした。

息子と一緒では美術館に来てもゆっくり絵を見ることはできないと思ったので、この機会にげっぷが出るほどターナーを見てみたいと思い、ターナー・コレクションを有するテート・ギャラリーへ行ってみることにしました。ちなみにテート・ギャラリーはイギリス各地に点在する美術館群の総称で、ロンドンには古典から現代までのイギリス美術を俯瞰する「テート・ブリテン」と、現代美術を専門に扱う「テート・モダン」があります。

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テート・ブリテンでは、ちょうど「Turner and The Masters」という特別展示が開催されていました。ターナーの絵というと、モネなどの印象主義に通じる、あるいは抽象の先駆ともいうべき、にじんだ色彩やフォルムでよく知られていますが、実は先達の画家たちの構図や色彩から多くのものを学び取り、それを自分の作風として咀嚼していったという一面もあります。この特別展示では、そうした先達とターナー自身の作品が併置されて展示されていて、ターナーが誰から何を学んだのかわかるようになっています。レンブラントから学んだ光と闇(というか闇と光と言った方がいいですかね)とか、プーサンから学んだ風景画の構図とかです。他の美術館で展示されているターナーの絵も、この特別展示のためにテート・ブリテンに移されてきました。

それから、ターナー・コレクションへ。全般的な傾向は特別展示と同じような感じでした。私が好きな後期の抽象的な作品はナショナル・ギャラリーに行った方がいいのかなあ?(山下達郎さんの《ターナーの汽罐車》の題材になった「雨、蒸気、速力」はナショナル・ギャラリーにあります)

全然予習もせずに回っているので、どこに何の絵があるのかさっぱりわかりません。ちなみにターナーの絵はターナー・コレクション以外の一般展示でも見ることができますのでお忘れなく。とりあえずロセッティの「プロセルピナ」があるのを発見しました。

ちなみに美術館のカフェで軽い昼食を。モカ・マキアートとツナ・サンドウィッチです。

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その後、テート・モダンへ。テート・ブリテンからテート・モダンへは水上バスを使って行くことができます。

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こちらは「ポップ・ライフ」という特別展示が開催されていました。ロンドンに着いて早々に乗った地下鉄の構内に貼られていたジェフ・クーンズのうさぎのポスターにやられてしまったので、ぜひ行きたいと思っていました。まさにポップ・アートの総決算という展示で、アンディ・ウォーホール、ジェフ・クーンズ、ロイ・リキテンシュタイン、最近のものでは村上隆さんの作品も展示されていました。アキバ系の歌手が歌っているビデオが流されていて、それに合わせて踊っている子供、それを微笑ましく見ている展示係員、そこに立ちすくむ日本人の立場は微妙です(笑)。

ホテルに預けておいた荷物を引き取って空港へ。無事チェックインしたのは離陸スケジュールの50分前でした。微妙なタイミングですが、今回の旅行で食べられなかったフィッシュ・アンド・チップスを食べておこうと思い、レストランへ。(まあ、往々にして搭乗時刻は遅れるしね。)運よく早めにサーヴされたので、急いでかっ込んで搭乗口へ。案の定、まだ搭乗は始まっていませんでした。よかったよかった。

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機内食はハム・サンドウィッチとオレンジジュースでした。

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19時30分のフライトで22時頃ハンブルク到着(1時間の時差があります)。例によって旅行に行くと普段とは比べ物にならないくらい歩くので下半身はガタガタですが(明日以降もっと痛くなるんだろうなあ)、本当に浜松から東京へ行くような感覚でハンブルクからロンドンへ行けるのでした。まだまだ見たいけど見ていないものがたくさんあるので、ドイツにいる間にまた何回か行ってみたいと思います。