吹奏楽」カテゴリーアーカイブ

久しぶりにいい曲聞いた

デスクの周りにとっちらかっている CD たちを整理する。

  1. データをファイルメーカー Pro に入力する。
  2. iTunes でリッピングする。
  3. 然るべき棚に収納する。

という手順である。

….. ということで、ほとんど「流し聞き」状態なのでちゃんと聞いていないのであるが、こういう聞き方をした方が「ひっかかる」曲にはちゃんとひっかかるのではないかと思う(一所懸命聞かない言い訳)。

そういう聞き方をしているところで、飯島俊成さんの《祈り〜その時、彼女は何を思ったのか〜ドゥブロフカ劇場(モスクワ)2002.10.26》がひっかかった。

結局、私は(特に吹奏楽に限ったわけではないが)「で、何が言いたいの?」という問いに誠実に答えてくれる曲が好きなのだと思う。だから(特に吹奏楽に限ったわけではないが)何も答えてくれない空虚感に苛立つんだろうなあ。

マーチ「浜松」

前日のビアガーデンで息子が食べすぎで大変なことになったので午前中の予定は全てキャンセル。

午後から浜松市の「政令指定都市移行・市制施行96周年記念式」へ出かける。 林望さんが作詞し、伊藤康英さんが作曲した新しい浜松市歌がお披露目されるのである。うまく説明できないのだが、康英さんらしい大らかで優しい旋律である。

管弦楽版は歌とオーケストラの伴奏、という感じなのだが、吹奏楽版はあえて違う形式にしたという。 康英さんご本人もおっしゃっていたが、エルガーの《威風堂々》のように、前後に行進曲を置き、中間部のメロディに市歌をそのまま使うような構成になってい る。タイトルもずばりマーチ「浜松」。康英さん自身の指揮で、浜松市内の高等学校から選抜されたメンバーによる吹奏楽団で初演された。

終演後、久しぶりに康英さんご夫妻とお会いし、いろいろお話をすることができた。 (浜松市歌とマーチ「浜松」を収録した非売品 CD もしっかりいただくことができた。(小さくガッツポーズ)ちなみに CD ではマーチ「浜松」は浜松交響吹奏楽団が演奏している。) マーチ「浜松」はトランペットきつそうですね、という話をしたら、実はホルンが大変とのこと。ほとんど吹きっぱなしで「おいしい」対旋律を吹いているとのこと。

届いた DVD と買った本たち。

ケン・バーンズJAZZ [DVD]

「奥の細道」をよむ (ちくま新書)

音楽を「考える」 (ちくまプリマー新書)

消える中間管理職 10年後に生き残る働き方 (アスキー新書 013)

打ち上げの打ち上げ

「定期演奏会の打ち上げ」の打ち上げということで、吹奏楽団の面子でビアガーデンへ。

外メシが好きで、しかも久しぶりにお姉さんたちにかまってもらった息子は明らかにハイになる。ポテトや枝豆をボリボリ食べて夜中は大変なことになりましたとさ …..

昼間買った CD たちなど。

オン・ザ・ショア(紙ジャケット仕様)

GOLDEN GRAPEFRUIT(初回限定盤)(DVD付)

日本の吹奏楽の祭典「吹楽IV」

パ-カッション アンサンブル 邦人作品集

ピアノの森 14 (モーニングKC)

積志ウィンドアンサンブル第26回定期演奏会

第1部

  • ジャック・スタンプ/ガヴォーナ・ファンファーレ
  • デヴィッド・ギリングハム/フォスターズ・アメリカ
  • ヴァーツラフ・ネリベル/フェスティーヴォ
  • グスターヴ・ホルスト/第二組曲

第2部

  • レックス・ミッチェル/大草原の歌
  • エリック・ウィテカー/オクトーバー
  • アルフレッド・リード/オセロ

アンコール

  • リロイ・アンダーソン/シンコペーテッド・クロック
  • バリー・グレイ/サンダーバード

演奏会直後に「よくも悪くも練習通り」とコメントしたら、昨年の演奏会でも同じことを書いていた …..


えっと、今だから話せる話。

今年は珍しく暗譜でいけそうだったので、最初から指揮者用の譜面台を出さないことにした。(ひょっとして副指揮者くんには密かにプレッシャーをかけたことになっていないかちょっと心配)

まさか《オクトーバー》を暗譜で振れるようになるとは思っていなかったのだが、曲の構成というか流れが頭に入ると意外と問題なく振れるものだ。この曲は全体にいい感じの流れができたのではないかな。演奏者のお子さんがこの演奏を聞いて涙を流したと聞かされてすごく感動。

実は《大草原の歌》のように拍子もテンポも一緒で曲想がいきなりコロコロ変わる曲の方が暗譜しにくいのではないかと思っていた。これは次の曲想の兆 しとなるモチーフをちゃんと目立たせることによって次の展開への準備とした。テンポの速い部分では、テンポが定まったらそのまま突き進めるように音楽を大 きく取って(基本的には叩き止め+撥ね上げか大きな2拍子)音楽の流れを邪魔しないようにした。 (この日は全体的に少しテンポが前のめりになる傾向があったので、アレグロになった直後はテンポを抑えなければならなかったけど)

《ガヴォーナ・ファンファーレ》は、もうオープニングに置いただけで成功である。 この曲で演奏会を始めることによって、聞いている方々に大きなインパクトを与えることができる。演奏は(やはり)中間部のフーガでテンポがばらついてしまった。

《オセロ》。1楽章と2楽章はなかなかいい出来だったが、だんだん演奏者がばててきているのがわかった。第1楽章で「入れ込み」過ぎたかなあ?後半 楽章はやはりテンポが前のめり気味で少し淡白になってしまったか。汐澤先生の言葉を借りるならば「音楽が熟する前に動いてしまった」ような。

《第二組曲》は、演奏者との「対話」が楽しめた。こういう雰囲気は初めて感じたかも知れない。第4楽章はユーフォニアムのソロとテューバのソロを経 て、テューバとピッコロの掛け合いで終わるのであるが、テューバのソロを振っている間、早く曲が終わって欲しいような、終わって欲しくないような不思議な 高揚感があった。 (実は、あと1秒拍手が長く続いていたらもう一度ステージに戻るつもりだった。拍手が終わったあとにステージに出て行くのも間抜けなので止めてしまったん だけど。)

….. といったあたりが今思い返してみての感想。


終了後、いろいろな人と話をしたが、すっきりした顔の人が多かった。 それなりにうまくいったのかなあ? 誰も泣かなかった演奏会というのは久しぶりではなかろうか(笑)。

それはそれとして、演奏面は依然克服すべき課題がたくさんある。 それを聞きに来てくださった方にズバリと指摘されてしまうのはどうかと思うが、逆に考えると演奏者としての我々が捉えている問題が正しいということも言えるのか。

まあ、また来年がんばりましょう。

huey くんはじめ、聞きに来てくれた(そして、アンケート用紙において打ち上げでの格好のつるし上げネタを提供してくれた(笑))友人たち、本当にありがとう。

そして、朝7時からの町内会の草刈りに私の代わりに行ってくれ、私が家に置き忘れた白シャツを本番前に届けてくれた妻にも感謝。

演奏会直前だってのに …..

演奏会直前だってのに、仕事は佳境だわ、息子は突発性発疹になるわ、風邪をうつされたみたいだわ、どうなるんだろう …..

ところで、演奏会の直前になるといつも頭に浮かぶ曲がある。LOVE PSYCHEDELICO の《裸の王様》という曲(「LOVE PSYCHEDELICO III」所収)である。 表現者としてステージの上にいる自分とそれを見ている聴衆とのズレ、伝えたいことが伝わらないもどかしさについて歌っている曲なのだと思う。(確か、この時期に活動停止を考えたことがあるというインタビューを見たような覚えがある。)

どんなに一所懸命でも伝えようとしていることが100%伝わらないことがわかっているから、彼らは「私達何か叫び足りないの」と歌うのであるが、そ の一方で時にはちょっとしたことで奇跡がもたらされることを知っているから「私達何か取り憑かれたいの」と歌うのである。このアンビバレントな思いは、と てもわかるような気がする。

6/24 には甘美な奇跡が訪れますように …..

今日の積志ウィンドアンサンブル(第2回通し練習)

午後から吹奏楽団の(いわゆる)ゲネプロ。

去年はピーキングに失敗した(演奏会前に集中力のピークが来てしまった)ので、今年は焦らずに作っているつもりなのである。

本格的にやばいところは、これからどう持っていけばいいのかだいたいわかっているのだが、自分でも気付かないところがいろいろ隠れている。

練習後のトレーナー会議で「指揮の仕方に問題がある」と指摘されたところは、自分ではあまり問題意識を持っていなかったのだが、指摘されると心当たりがある。気をつけます。

(ポジティブにとらえると、棒が変わって音楽が変わるのであれば、それはバンドとしてはいい傾向なのでは?)

いろいろ議論すると問題点は集約されてくる。要は、音の立ち上がりのスピードがパート間で異なるのでまとまって聞こえない、ということに尽きるのではないか。

もう少しです。 「やり切った」と思えるところ(別にそれがゴールでなくてもいい)まで行きましょう。

今日の積志ウィンドアンサンブル

最近ご無沙汰の練習日記。

先週の汐澤先生のレッスン(リードの《オセロ》を見ていただいた)をビデオに録画しておいてもらったので、それを見ながら汐澤先生が作り上げた音楽と、自分がそれまで作っていた音楽の折り合いをどうつけるかを考える。

第2楽章はかなり早めにした方が軽く出来そうな感じである。

第3楽章の冒頭のメロディ(すなわち全曲を通して登場する「オセロとデズデモーナの主題」とでも言える旋律)のデュナーミクのつけ方は非常に参考になる。汐澤先生の指導で演奏の仕方が奏者の中で統一されたので、このまま行くことにする。

全楽章のうち半分くらいの時間は第5楽章に費やされたのだが、なかなか汐澤先生の棒についていけなくてまとまらない。少なくともパートで縦(出だ し)横(和音のピッチ)が揃わないと全体が合うわけないのである。やはり pp だと苦しいのか。もう少し余裕を持って演奏できるようなテンポ設定/デュナーミク設定にしないと。

という目論見で夜からの合奏に望んだのだが、予想以上にいい感じで鳴っていた。 5楽章の課題は予想通りだったので、目論見は間違っていないのだろう。

定演に向けて

一ヵ月後に迫った定期演奏会に向けてトランペットパートの総決起集会で沖縄料理屋へ。

私は夕飯を食べてから参加したので、泡盛を飲みながら豆腐よう(「よう」ってどういう漢字?)をチビチビ食べる。「泡盛は次の日に残らないからいい」とか言いながらグビグビ飲んでいたら結構まわった。

帰りは、いわゆる「代行デビュー」でした。

浜松交響吹奏楽団第34回定期演奏会

第1部

  • ジョン・ウィリアムズ/ニューイングランド讃歌
  • アントニン・ドヴォルザーク(遠藤幸夫編)/スラヴ舞曲第1番
  • 樽谷雅徳/マリアの7つの悲しみ
  • アレクサンドル・ボロディン(遠藤幸夫編)/歌劇「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り

第2部

  • 菅野よう子(遠藤幸夫編)/COWBOY BEBOP より
  • ハンス・ジマー(遠藤幸夫編)/「パイレーツ オブ カリビアン」ハイライト
  • 遠藤幸夫編/「のだめカンタービレ」スペシャル

第3部

  • 天野正道/交響組曲「ガイア」より第4楽章「終曲」

アンコール

  • 新井満/千の風になって
  • カール・キング/バーナムとベイリーの人気者

足かけ5年での《ガイア》の完結。 各楽章を聞いているときにはいまいちピンとこなかったのであるが、第4楽章でうまくまとまったという印象。 第4楽章前半では、それまでの3楽章が回想される。 結果論かもしれないが、この回想というプロセスのためには、数年をかけて各楽章を順々に初演したことが大きな意味を持つのではないか。ひょっとして全曲を通して演奏した場合には、この回想があまり重みを持たないのではないかという危惧も感じた。

その後、コーダらしいコーダが演奏される。 祝祭的な華々しさでもなければ、終末論的な悲観でもない。 プログラムで天野さんはけっこうペシミスティックなことを書かれていたが、この音楽は基本的にオプティミスティックである。

私は、作曲者が作品に対してどんなに立派なプログラムノートを書いても、作品が作品として自立していなければ全く意味をなさないと思っている。そういった意味で、この終楽章は天野さんのメッセージが音楽的に昇華されていると思う。 純粋にいい音楽/いい演奏であったと思う。

このあと、全曲がレコーディングされるらしいが、やはり演奏会で全曲を演奏して欲しい。それは「義務」なのではないかと思うのですが …..

プロムナードコンサート

積志ウィンドアンサンブルのプロムナードコンサート。

例年は浜松駅前で演奏しているのだが、今年は「浜松市政令指定都市移行記念」ということで、旧浜北市の「なゆた浜北」のホールで演奏した。 (まあ、通常のプロムナードコンサートが行なわれる土曜日よりも日曜日の方が参加できる人数が多そうだったという事情もあるのだが …..)

  • ゲバゲバ90分
  • 涙そうそう〜花
  • Love So Sweet
  • シンコペーテッド・クロック
  • ブルー・タンゴ
  • ウィー・アー・オール・アローン
  • 日本民謡メドレー Vol.1
  • サンダーバード(アンコール)

正直、こういう場での演奏は出来不出来はあまり重要ではなくて(下手な演奏でもいいといっているわけではありませんよ、念のため)、聞きに来てくれ ているお客さんにいかに楽しんでいただけるかが問題なのである。(だからといって、むやみやたらに踊れといっているわけではありませんよ、念のため)

極端に言ってしまえば、「曖昧な発音」を排除すればポップスはそこそこ形になるのではないかと思っている。曖昧な発音の排除というのは、全ての音が 「生まれる瞬間」から「消える瞬間」までを考えて、「どういう発音をすべきなのか」「どう持続するべきなのか」「どう音を切るべきなのか」を明確な意志を 持って行なうことなのだと思う。

そういう点では、何となく音を出せば何となく音楽になってしまう(ことが多い)吹奏楽曲よりははるかに意志が大切なのだと思う。

何せ毎回練習時間が少ないので、突貫工事で「萌芽が見えるところ」までは行くのだが、次の演奏機会には忘れてしまって、もとに戻ってしまう ….. という循環からは脱出したいものだなあ。

….. とか、反省点は相変わらず多いが、今回は本番を楽しく振れた。演奏の出来も概ね満足。

何となくプレッシャーを受けていたので、今回は楽譜を見ずに振ってみた。 当日、冗談で言っていたのだが、「暗譜した」のではなく「譜面を見なくても振れるようにした」のである。(このニュアンスの違い、わかるかなあ(笑)?)

その結果わかったこと。

  • やはりスコアがないと自由に振れる。
  • 暗譜しなくても演奏者が何とかしてくれる(笑)。
  • (いつも振りがデカイと言われている私としては)指示が違っていると恥ずかしいので、いきおい振りが小さくなる。結果的に軽く振ることができるのではないか?

定期演奏会も何とか譜面なしで振りたいのだが、今年は曲数も多いし、変拍子の曲も多いし、大変だなあ …..

本番終了後、舞台裏にお邪魔した息子はいろいろな楽器を見せてもらってご満悦 …… というか、ちょっとしたショックを受けていたようだった。(本やテレビで見ているだけだとテューバやバスクラリネットの大きさは実感できなかったようで …..)

これも含めて、演奏者のみなさん、ありがとう&おつかれさま。