前にも書きましたが、基本的にドイツに住み始める時にはCDを持って来ないという方針を立てました。そもそも全部持って行けるわけがないので、「仕分けが面倒くさい」「仕分けたところで持ってきて聞かないCDもあるし、持って来なくて聞きたくなるCDもあるだろう」ということで、頭に浮かんだものからできるだけMacに取り込んで日本を離れたわけです。今のところ持って来るのを忘れた(Macに取り込む時に思いつかなかった)もので激しく後悔しているのはバルトークの管弦楽作品(《管弦楽のための協奏曲》、《中国の不思議な役人》、《弦チェレ》、《かかし王子》など)くらいなので、何とかなっているのかなと。
で、ドイツに来てからも「CD買うならコンサートへ行こう」という方針で、なるべくCDは買わないようにしていたのですが、やはり予習と復習(特に予習)はしっかりやっておいた方が楽しいわけで、少しずつCD購入枚数が増えつつある今日この頃です。まあ、以前のように「所有したいCD」を買うのではなくて「聞きたいCD」を買っているので、いわゆる「未聴の山」が少ないのはいいことです。(余談ですが、読書で言うところの「積読(つんどく)」に対応する言葉ってないんですかね?)
ということで、当面予習したいと思っているのはベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン協奏曲です。前者は意外と入手できる演奏が限られているんですね。個人的好みからクレーメルの演奏にしてみました。
Violinkonzert/Violinromanze Nr
ネヴィル・マリナーとの共演による1980年の録音。amazon.deだと5.95ユーロで買えました。例の奇天烈作曲家アルフレート・シュニトケが書いたカデンツァを弾いているということで気になっています。
111 Years of Deutsche Grammophon/Various (Coll)
ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、この55枚組に含まれているアンネ=ゾフィー・ムターとカラヤン/ベルリン・フィルのものにしました。ドイツ・グラモフォンレーベルの創立111周年を記念して作成されたボックスです。74.95ユーロだったので今のレートだとちょうど10000円くらいですね。このレーベルのベストセラーを俯瞰できることを考えれば安い買い物なのかなと。アッバード/ウィーンフィルによるブラームスのハンガリー舞曲集とか、クライバー/ウィーンフィルによる《運命》とか、ヨッフム/ベルリン・ドイツ・オペラの《カルミナ・ブラーナ》とか、気にはなっていたものの長い間手を出しあぐねていたものをまとめて聞けるのも魅力です。幸いというか、やはりというか、手持ちのCDとのダブりはありませんでした。微妙にかすったものはありました(笑)。ミケランジェリによるドビュッシーの前奏曲集。私は同じピアニストの《映像》《子供の領分》は持っていたので。
すごいボックスですね。
ブラームスのコンチェルトは、オーボエ吹きなら、第2楽章のソロが、よだれが出てきます。ムターとカラヤンの演奏だったら、1985年前後ですね。ベルリンフィルのオーボエ吹きは、シェレンベルガーかな?
ついでですが、バルトーク大好き、特に昔はオケコン大好きで、レコード・カセット、15種類ぐらい持っていました。
ながぐつ様:
録音は1982年、ムターが19歳の時だそうです。
やはり第2楽章のオーボエソロはいいですね。サラサーテは「オーボエが聴衆を魅了している間、ソリストが突っ立っているだけ」なのが嫌で、この協奏曲を演奏しなかったらしいですね。
前回、五嶋みどりさんのソロで聞いた時は曲をよく知らずに楽しめなかったので、次回のシュターツカペレ・ドレスデンとフランク・ペーター・ツィンマーマンまでは万全の体勢で臨みたいと思っています。
実は《オケコン》は明る過ぎてバルトークっぽくないなあ、と思っています。《弦チェレ》とか《弦楽四重奏曲第5番》のようなハンガリー民謡を素材に使いながらもドロドロとした音楽が好きです。