日別アーカイブ: 2005 年 10 月 5 日

CINEMAGE

Cinemage

海外でのみ発売された教授のアルバム「CINEMAGE」のプロモーション盤。

左が一般発売盤で右が今回入手したプロモ盤である。

内容は大ざっぱに言うと映画音楽「など」のオーケストラ版。「など」と書いたのは、「音楽図鑑」に収録されている《Replica》や、バルセロナオリンピックの開会式のために書かれた《El Mar Mediterrani(地中海)》も収録されているから。

過去の音源からの編集盤であることは間違いないのだが「あれ?こんな音源今までに出ていたっけ?」と思わせる音源が多い。調べてみたら映像作品「PLAYING THE ORCHESTRA 1997 “f”」からの音源借用らしい。《戦メリ(というか Forbidden Colours)》はオーケストラ演奏にデヴィッド・シルヴィアンのヴォーカルをオーバーダブしたものと思われる。(だって、こんなのやったことないはず。)

教授の映画音楽はとても久しぶりに聞いたのだが、《戦メリ》→《ラスト・エンペラー》→《リトル・ブッダ》→《嵐ヶ丘》という流れはやはりよい。メロディといいオーケストレーションといい、いかにも映画音楽というゴージャスさがある。これで《シェルタリング・スカイ》も入っていると個人的には申し分なかったのだが。

故郷についての雑感

気がつけば人生の半分以上を「故郷ではない土地」で過ごしていることになる。

「最近の市町村合併で郡が減っている」というニュースを見かけたので、ふと思い立って私が生まれた町のホームページを見てみた。案の定、来年の1月1日をもって近くにある比較的大きな地方都市と合併(というか吸収だよな)されるらしい。

….. と書いていてふと思い出したのだが、そういえば大学に通っている途中で住んでいた「村」がいくつかの町村と合併して「市」になるという経験をしたのだった。 その時には何の感慨もなかったのだが、今回こういうニュースを聞くとやはりちょっと淋しい。次に帰省するときには実家の住所が変っているわけだ。

….. なんてことを考えていると、高野辰之が作詞した唱歌《故郷(ふるさと)》の一節を思い出す。

志(こころざし)を はたして いつの日にか 帰らん

今回、初めて息子を連れて帰ることになるので、この詩の言わんとしていることが少しわかったような気がする。

….. 息子を連れて町の中を車で走るというシチュエーションは、ブルース・スプリングスティーンの《マイ・ホームタウン》(アルバム「ボーン・イン・ザ・USA」所収)で歌われている。

訳詞はこちら:http://dm47.cside.jp/~s47242-1/Masterpieces/Masterpiece4.html

最初のバースでは主人公の父が主人公に「これがお前の生まれた町だ」と語りかける。そして最後のバースでは主人公が息子に「これがお前の生まれた町だ」と語りかける。

この同じようなシチュエーションに全く違う意味を持たせたストーリーテリングの見事さ。大好きな曲である。