故郷についての雑感

気がつけば人生の半分以上を「故郷ではない土地」で過ごしていることになる。

「最近の市町村合併で郡が減っている」というニュースを見かけたので、ふと思い立って私が生まれた町のホームページを見てみた。案の定、来年の1月1日をもって近くにある比較的大きな地方都市と合併(というか吸収だよな)されるらしい。

….. と書いていてふと思い出したのだが、そういえば大学に通っている途中で住んでいた「村」がいくつかの町村と合併して「市」になるという経験をしたのだった。 その時には何の感慨もなかったのだが、今回こういうニュースを聞くとやはりちょっと淋しい。次に帰省するときには実家の住所が変っているわけだ。

….. なんてことを考えていると、高野辰之が作詞した唱歌《故郷(ふるさと)》の一節を思い出す。

志(こころざし)を はたして いつの日にか 帰らん

今回、初めて息子を連れて帰ることになるので、この詩の言わんとしていることが少しわかったような気がする。

….. 息子を連れて町の中を車で走るというシチュエーションは、ブルース・スプリングスティーンの《マイ・ホームタウン》(アルバム「ボーン・イン・ザ・USA」所収)で歌われている。

訳詞はこちら:http://dm47.cside.jp/~s47242-1/Masterpieces/Masterpiece4.html

最初のバースでは主人公の父が主人公に「これがお前の生まれた町だ」と語りかける。そして最後のバースでは主人公が息子に「これがお前の生まれた町だ」と語りかける。

この同じようなシチュエーションに全く違う意味を持たせたストーリーテリングの見事さ。大好きな曲である。

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