日別アーカイブ: 2005 年 5 月 28 日

ヤマハ吹奏楽団第40回定期演奏会

2005年5月28日(土) PM6:00 アクトシティ浜松大ホール

第1部

  • 長生淳/幸いの龍(2005年度委嘱作品・初演)
  • アラム・ハチャトゥリアン/フルート協奏曲より第1楽章(フルート独奏:工藤重典)

第2部

  • クロード・ドビュッシー/3つの交響的素描「海」

アンコール

  • ケネス・アルフォード/ナイルの守り(指揮:原田元吉)

《幸いの龍》は長生氏らしい作品。 私は氏の作品からリヒャルト・シュトラウスのような匂い立つロマンティックな響きを感じる。初演だと曲全体の展開がわからずにちょっと冗長に思える部分もあったのだが、全体的には面白かったと思う。

ハチャトゥリアンの《フルート協奏曲》(もともとはヴァイオリン協奏曲であった)はソリストである工藤重典氏の師であるランパルによって初演された。 初めて聞く曲だったが、とてもわかりやすい曲想。 第一主題はいかにもハチャトゥリアンらしいリズミカルな旋律(何かに似ているなあと思ったら映画「サイコ」のテーマに似ているような気がする)、第二主題は《ガイーヌ》のアダージョのような歌謡的な旋律。 工藤氏のソロはもちろん楽しめたのであるが、カデンツァのソロのバックで掛け合いをやっていたクラリネットのソロもよかった。

工藤氏のアンコールはバッハの《無伴奏フルートのためのパルティータ》からサラバンド(だったかな?)。

ドビュッシーの《海》はいまいち。 そもそも、この作品を吹奏楽でやるとかなり響きが重くなってしまう。 その上かなりゆったりとしたテンポ設定なので、安定感は出るかもしれないが、きらびやかさが出なくなってしまう。

また、弱音部でオーケストレーションが薄くなったときのちょっとしたミスや、強奏時のコントロールされていない荒い音がちょっと気になった。

とかく厚化粧になりがちな(また、そういうサウンドがもてはやされてしまう)吹奏楽において、河原氏の作ろうとしている正統的な「音楽」を私は支持しているのであるが、ヤマハ吹奏楽団をもってしてもまだ道半ばなのかなという気がする。

ヤマハ吹奏楽団創立45周年ということで、アンコールは初代指揮者である原田元吉さんの指揮でOBも交えた《ナイルの守り》が演奏されたのだが、ちょっと企画としては中途半端。

その日に買ったもの(ブルーノート)

少し前にテレビ東京「開運!何でも鑑定団」を見ていたら、ブルーノートの全オリジナル盤598枚というのが依頼品として登場し、1200万円という価格がつけられた。これを見てクラクラしてしまったので、ちょっとブルーノートでも聞いてみるかと思い、紹介するのも恥ずかしいような超名盤を購入した。

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私が就職した15年ほど前はバブル真っ只中で、毎年夏になると山中湖のほとりでジャズ・フェスティヴァルが行なわれていた。ジャズ・ファンの友人や単にビールが飲みたい友人らと聞きに行ったものである。そのジャズ・フェスティヴァルの最終日の最終ステージはだいたい出演者総登場のセッションが行なわれて、なぜか毎回のように《モーニン》が演奏されるのだった。

そういうセッションは「お祭り騒ぎ」なので、構成も何もあったもんじゃないソロの垂れ流しになってしまう。ほとんどそういう場でしか《モーニン》を聞いたことがない私は、はっきり言ってこの作品にはそんなにいい印象がなかった。

このアルバムは意外にももっとシャープにまとまっていて、なかなかよい。やはり「名盤」と言われているだけのことはあるのだ。

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こちらはタイトル曲を聞いたときに、ジャズというにはあまりにもお洒落過ぎるサウンドに軽い違和感を覚えた。さあ、他の曲はどうなんだろう?マイルスのバンドで演奏した《リトル・ワン》も入っている。