そういうわけで今年も「響宴」を聞きに行って来た。
http://www.asahi-net.or.jp/%7EMJ2T-IIJM/test/8th.html
「Early Birds Get the Worm」というわけで早めに入場。まずは一般発売されていない(よね?)中央大学の定期演奏会のCDを購入。
「響宴」の過去の演奏会のビデオも売っていたので、ちょっと考えた末に第5回(陸上自衛隊の《三つのジャポニスム》(真島俊夫)を見てみたかった。)と、昨年の第7回(神奈川大学の《[コリアン・ダンス》(高昌帥)を見てみたかった。確か最終曲で小澤俊朗さんは両手で違う拍子を振っていたような気がする)を購入。
ビムス・エディションズでは、キングから出る伊福部昭作品集(交響譚詩、シンフォニア・タプカーラ(全曲)、吉志舞、SF交響ファンタジー第1番)に続いて、團伊玖磨作品集や齋藤高順作品集も出るという情報を入手。
また旧知の方々とも久しぶりに会うことができ、いろいろ近況を話し合った。
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で、響宴。
全般的な感想としては私が聞きに行った回の中ではいちばん面白く、初めて「聞きに行ってよかった」と思えるような内容だった。
今年は例年に比べて、いわゆる「現代的な」作品が多かった。例えば《Thread for Wind Orchestra》(寺井尚行)、《枯木のある風景》(飯島俊成)、《Secret Song》(北爪道夫)、《残酷メアリー》(田村文生)などである。アンケートにも書かせていただいたのであるが、いわゆる「コマーシャルな作品」と「アカデミックな作品」のバランスはこのくらいでいいのではないだろうか。
以下は気に入った作品。
《枯木のある風景》はかなりシリアルな作風なのであるが、川越奏和奏友会吹奏楽団の演奏からは「愉しみ」すら感じ取ることができた。
同じく川越奏和の演奏した《Salty Music》(三浦秀秋)もジャジーな雰囲気に個性があってよかった。こういうハードな雰囲気の曲(例えるならグランサムの《バムズ・ラッシュ》のような感じ)は邦人作品ではあまりなかったのでは?作曲者はオーネット・コールマンのオーケストラ曲に触発されてこの曲を作ったらしいのだが、コールマンの曲ってどんな感じなんだろう。聞いてみたい。
神奈川大学の《残酷メアリー》はさすがと思わせる緻密さ。開演前にスコアを見たのだが「田村作品の中では」比較的難易度は低いように思える。田村さんが寄せたプログラムノートが面白い。曲のことなんか全然書いていなくて作曲姿勢の表明のような文章である。ご自身のホームページに書かれている「響宴」を聞いての感想(http://www.kobe-u.ac.jp/bunsay/critic.HTM)とあわせて読むと、「響宴」に対する警鐘というか宣戦布告のように思えてくる。