日別アーカイブ: 2005 年 3 月 11 日

久しぶりにカンタベリーバカ

もはやカンタベリー・ミュージックの範疇をはみ出ているような気がするが …

Ca Va

1998年にリリースされたスラップ・ハッピーの最新オリジナル・アルバム。1974年にヘンリー・カウとの共同名義で発表された「Desperate Straights」の直後にグループは解散したわけなので、アルバムとしては24年ぶりに作られたことになる。

(この間、1982年に一回だけライヴを行ったことがあるらしい。)

1970年代のアルバムはまだ入手可能だというのに(とか言っているくせにまだ私は買っていないのだが)このアルバムは廃盤。インターネット上の中古CDショップで探して入手した。

「Desperate Straights」以前のスラップ・ハッピーはまだ聞いたことがないのでよく知らないのであるが、その「Desperate Straights」の先鋭さに比べると、この「ca va」ではとんがったところが全然ない。1998年時点の同時代の音楽と比較してもオールド・スタイルな感じがする。

そのため、バックトラックのスタイルに多少のチープさを感じなくはないが、ダグマー・クラウゼのヴォーカルは「円熟」という他ない。全盛期のあの先鋭さがあるからこそ、この円熟味を感じられるのであろう。

そういうわけで年代順に聞くのがいいと思う。

 

日本の行進曲

キングレコードから「The Best Collection of March」と題された行進曲シリーズが10枚リリースされた。とりあえず上記の4枚を購入した。

基本的には以前のシリーズを再編集したものなのであるが、何曲かはこのシリーズのために新録されたものもある。(どの作品が新録なのかちゃんと明記されているのが親切)中橋愛生さん(ネット上では NAPP さんという呼び方の方がわかりやすいか?)や福田滋さんが選曲に携わっているということもあって、旧シリーズの隙間にピンポイントで収まる秘曲を選んだという感じ。《行進曲「新潟」》(湯浅譲二)、《行進曲「信濃路」》(小山清茂)、近作では《行進曲「海辺の道」》(酒井格)、《コンセルト・マーチ「シンタックス・エラー」》(中橋愛生)など。

「コンサート・マーチ」と題されたCDは全日本吹奏楽コンクールの課題曲を中心に選ばれているが、課題曲からのセレクションとしては納得のいく選曲。吹奏楽コンクールでのある意味「歪な」演奏が残っていくよりは、こういう実直な演奏が残っていく方がいいと思う。

「戦前編」は各曲に個性が乏しい(と感じるのは私の修行が足りないから?)ので鑑賞するには少々辛いのであるが、この4枚はセットで聞いた方がいいと思う。歴史的にもスタイル的にも日本の作曲家による行進曲を俯瞰できる。

 

テクノフィーバー

2月末からYMO関連の怒涛のリリースが始まる。2月はとりあえず周辺の作品群なのだが …

3月はメンバーの代表的なソロアルバムの紙ジャケ化がある。幻の「ディスアポイントメント・ハテルマ」(坂本龍一)、YMO 結成のきっかけとなったセッションが収録された「はらいそ」(細野晴臣)、YMO 絶頂期に制作された名盤「音楽殺人」(高橋幸宏)など。

4月は坂本龍一のコロンビア時代のソロアルバムの紙ジャケ化がある。初ソロアルバム「千のナイフ」や、渡辺香津美と組んでいた頃の「KYLYN」「KYLYN LIVE」など。(あれ半年前にコンプリート出したばっかりじゃん …)

YMO 全盛期(1980年かな?)に NHK-FM の「サウンド・オブ・ポップス」という番組が1週間(5日間)YMO の特集を組んだ。司会は糸井重里。初日と最終日が YMO の話で、火曜日から木曜日は各メンバーにスポットを当てるという構成だった。(全部カセットテープに録音したんだけど確か消しちゃったんだよなあ …..)

その中で YMO の周辺作品ということで紹介された曲の多くが、この「イエローマジック歌謡曲」に収録されている。《ユー・メイ・ドリーム》(シーナ&ザ・ロケッツ)とか《アイドル・エラ》(サンディー)とか《CARNAVAL》(大貫妙子)とか。
他の曲もベースラインやアレンジなんかを聞くと YMO の作品に似ていたりしてニヤリ。

当時も好きだったのだが、ラジの《ラジオと二人》という曲が妙に気に入っている。哀愁のあるメロディと歌詞がいかにも「歌謡曲」という感じがする。最近こういう「歌謡曲」っぽい曲って少なくなりましたね。

文献ではたびたび名前が挙がるテクノアイドル歌謡の傑作(といわれている)《ハートブレイク太陽族》(スターボー)は初めて聞いたが、眩暈がした(笑)。

姉妹品の「テクノマジック歌謡曲」は YMO のメンバーが直接絡んでいない歌謡曲のコンピレーションということだったのでとりあえず保留している。「電子音楽・イン・ジャパン」の著者でもある田中雄二さんのライナーノートを読んでみたい気もする。

3枚組55曲で4200円というのはかなりがんばった価格設定である。

 

航空自衛隊中部音楽隊第28回定期演奏会

航空自衛隊中部音楽隊第28回定期演奏会を見に行った。

2005年3月11日(金) PM7:00 アクトシティ浜松大ホール

第1部

  • アーロン・コープランド/エンブレムス
  • 渡部哲哉/行進曲「風の音に乗って」
  • 高橋伸哉/ライト・フライヤー(中部航空音楽隊委嘱作品 本邦初演)
  • I will…/清水大輔(中部航空音楽隊委嘱作品 本邦初演)
  • ロン・ネルソン/ロッキー・ポイント・ホリデー

第2部

  • ジョン・フィリップ・スーザ(日下部徳一郎)/士官候補生
  • ホセ・ラカーリェ(中村春彦)/アマポーラ
  • スティーブン・フォスター(前田憲男)/草競馬
  • 大野雄二(三浦秀秋)/ルパン三世
  • 清水大輔/ネクスト・エンジェルス(吹奏楽版 本邦初演)
  • (渡部哲哉)/エルヴィス・ライブス

アンコール

  • 矢部政男/航空自衛隊行進曲《空の精鋭》

私には演奏会をコープランドの《エンブレムス》で始める勇気はない。 あの有名な《アメイジング・グレース》が引用されているとはいえかなり晦渋な作品だし、情け容赦なく不協和音が続く。聞き手を惹き付けるのは難しい曲である。 しかし、鳴りのよいサウンドで聞かせたという感じ。

ネルソンの《ロッキー・ポイント・ホリデイ》もメカニカルで難しい曲である。 かなり速めのテンポでもしっかり曲になっていた。サウンドはちょっと荒くなってしまった気がしたが、勢いのある曲なのであのくらいでもいいのかも知れない。 マレット・パーカッションが密かに超絶技巧。

第2部は特に後半でピッチの乱れが気になった。各曲のリズムもちょっとタメがなくて流れてしまっているように思えた。

個人的には清水大輔さんの2曲を聞けたのが収穫。