演奏会」カテゴリーアーカイブ

HAS と書いて YMO

バンドのみなさん、ごめんなさい。 私はこれを聞きに行っていました …..

  1. You’ve got to help yourself
  2. Sports man
  3. Fly me to the river
  4. Mars
  5. Flakes
  6. Everything had a hard year
  7. Riot in Lagos
  8. Ongaku
  9. Resque (新曲)
  10. Turn turn
  11. Supreme secret
  12. Wonderful to me
  13. War and peace
  14. Rydeen 79/07

アンコール 1

  1. Chronograph
  2. Ekot

アンコール 2

  1. Cue

まあ、以前からの使い回しが多いとか、映像がいまいちとか、ケチをつければいくらでもつけられるんだろうけど、まさか「再生」を期待していたわけでもなかろうに。

メディアも「YMO 再結成」とか騒いでいるけど、教授が Sketch Show のライヴに飛び入りで参加したという形では 2002 年に 3 人で同じステージに乗っているし、2004 年にはこの日と同じ Human Audio Sponge 名義でのライヴも行なっている。なぜ今回だけ騒ぐのだろう?しかもライヴが終わってからの盛り上がりの方が大きい。

いい意味で、これは YMO ではなく、Human Audio Sponge でもなく Sketch Show でもなかった。坂本龍一、高橋幸宏、細野晴臣、という、かつて我々を熱くさせてくれた人たちが、我々と同じように熱くなった 3 人のチルドレンをバックに、何の気負いもなく演奏した、ということである。

その場にいられたことを本当に幸福に思いたい。 (だって、この先教授が《Cue》のドラムを叩くなんて考えられます?)

個々の曲でいうと、やはりオープニングの《以心電信》にはやられた。細野さんがコメントで触れていたのでどこかで演奏するとは思っていたのだが、まさかオープニングでやるとは思わなかった。

新曲《Resque》は、詞のメッセージ性が「テクノドン」に通じるのかな?と思った。どういう形で正式発表されるのだろう。

《War and Peace》は、今までのライヴではすっと流す感じの位置付けになることが多かった曲のように思えるのだが、今回は映像とあいまったメッセージが強烈だった。個人的には今回のライヴでいちばん印象に残った曲かも。

アンコール《Chronograph》と《Ekot》の連発はもう言うことないですね。日本人にしか書けない抒情的エレクトロニカ(?)の傑作だと思う。

浜松交響吹奏楽団第34回定期演奏会

第1部

  • ジョン・ウィリアムズ/ニューイングランド讃歌
  • アントニン・ドヴォルザーク(遠藤幸夫編)/スラヴ舞曲第1番
  • 樽谷雅徳/マリアの7つの悲しみ
  • アレクサンドル・ボロディン(遠藤幸夫編)/歌劇「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り

第2部

  • 菅野よう子(遠藤幸夫編)/COWBOY BEBOP より
  • ハンス・ジマー(遠藤幸夫編)/「パイレーツ オブ カリビアン」ハイライト
  • 遠藤幸夫編/「のだめカンタービレ」スペシャル

第3部

  • 天野正道/交響組曲「ガイア」より第4楽章「終曲」

アンコール

  • 新井満/千の風になって
  • カール・キング/バーナムとベイリーの人気者

足かけ5年での《ガイア》の完結。 各楽章を聞いているときにはいまいちピンとこなかったのであるが、第4楽章でうまくまとまったという印象。 第4楽章前半では、それまでの3楽章が回想される。 結果論かもしれないが、この回想というプロセスのためには、数年をかけて各楽章を順々に初演したことが大きな意味を持つのではないか。ひょっとして全曲を通して演奏した場合には、この回想があまり重みを持たないのではないかという危惧も感じた。

その後、コーダらしいコーダが演奏される。 祝祭的な華々しさでもなければ、終末論的な悲観でもない。 プログラムで天野さんはけっこうペシミスティックなことを書かれていたが、この音楽は基本的にオプティミスティックである。

私は、作曲者が作品に対してどんなに立派なプログラムノートを書いても、作品が作品として自立していなければ全く意味をなさないと思っている。そういった意味で、この終楽章は天野さんのメッセージが音楽的に昇華されていると思う。 純粋にいい音楽/いい演奏であったと思う。

このあと、全曲がレコーディングされるらしいが、やはり演奏会で全曲を演奏して欲しい。それは「義務」なのではないかと思うのですが …..

プロムナードコンサート

積志ウィンドアンサンブルのプロムナードコンサート。

例年は浜松駅前で演奏しているのだが、今年は「浜松市政令指定都市移行記念」ということで、旧浜北市の「なゆた浜北」のホールで演奏した。 (まあ、通常のプロムナードコンサートが行なわれる土曜日よりも日曜日の方が参加できる人数が多そうだったという事情もあるのだが …..)

  • ゲバゲバ90分
  • 涙そうそう〜花
  • Love So Sweet
  • シンコペーテッド・クロック
  • ブルー・タンゴ
  • ウィー・アー・オール・アローン
  • 日本民謡メドレー Vol.1
  • サンダーバード(アンコール)

正直、こういう場での演奏は出来不出来はあまり重要ではなくて(下手な演奏でもいいといっているわけではありませんよ、念のため)、聞きに来てくれ ているお客さんにいかに楽しんでいただけるかが問題なのである。(だからといって、むやみやたらに踊れといっているわけではありませんよ、念のため)

極端に言ってしまえば、「曖昧な発音」を排除すればポップスはそこそこ形になるのではないかと思っている。曖昧な発音の排除というのは、全ての音が 「生まれる瞬間」から「消える瞬間」までを考えて、「どういう発音をすべきなのか」「どう持続するべきなのか」「どう音を切るべきなのか」を明確な意志を 持って行なうことなのだと思う。

そういう点では、何となく音を出せば何となく音楽になってしまう(ことが多い)吹奏楽曲よりははるかに意志が大切なのだと思う。

何せ毎回練習時間が少ないので、突貫工事で「萌芽が見えるところ」までは行くのだが、次の演奏機会には忘れてしまって、もとに戻ってしまう ….. という循環からは脱出したいものだなあ。

….. とか、反省点は相変わらず多いが、今回は本番を楽しく振れた。演奏の出来も概ね満足。

何となくプレッシャーを受けていたので、今回は楽譜を見ずに振ってみた。 当日、冗談で言っていたのだが、「暗譜した」のではなく「譜面を見なくても振れるようにした」のである。(このニュアンスの違い、わかるかなあ(笑)?)

その結果わかったこと。

  • やはりスコアがないと自由に振れる。
  • 暗譜しなくても演奏者が何とかしてくれる(笑)。
  • (いつも振りがデカイと言われている私としては)指示が違っていると恥ずかしいので、いきおい振りが小さくなる。結果的に軽く振ることができるのではないか?

定期演奏会も何とか譜面なしで振りたいのだが、今年は曲数も多いし、変拍子の曲も多いし、大変だなあ …..

本番終了後、舞台裏にお邪魔した息子はいろいろな楽器を見せてもらってご満悦 …… というか、ちょっとしたショックを受けていたようだった。(本やテレビで見ているだけだとテューバやバスクラリネットの大きさは実感できなかったようで …..)

これも含めて、演奏者のみなさん、ありがとう&おつかれさま。

栗コーダー

イオン浜松志都呂店で行なわれた栗コーダーカルテットのインストアライブを見に行く。 (浜浜とはお互いを認識。もんすたMINIも行ってたよね?)

30分ほどの短い時間だったが、ポピュラーな曲を中心の演奏。 ピタゴラスイッチのテーマはもちろん演奏されたが、「テレビのジョンが登場するときの音楽」(分かる人には分かる)が個人的にはヒット。 息子はテューバに喜んでいた。

以前から買おうと思っていた10周年記念ライブの DVD を購入してサインをいただく。

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帰りに寄ったヴィレッジヴァンガードでレコスケくんの貯金箱を発見、衝動買い。

浜松ウインドオーケストラ第6回定期演奏会

用事が入っていて最初から聞けるかどうか心配だったが、何とか2分前に会場入り。

第1部

  • 鈴木英史/ファンファーレ “S-E-A”
  • アルフレッド・リード/ジュビラント序曲
  • 西邑由記子/星の船
  • 田中賢/メトセラII

第2部

  • エバー・ラスティング・プレジャー
  • アメイジング・グレース
  • ライオン・キング
  • 時代劇絵巻

第3部

  • ワーグナー(建部知弘編曲)/楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲
  • ディルク・ブロッセ(ヨハン・デ=メエイ編曲)/ミュージカル《タンタン》太陽の神殿

《タンタン》、《ライオン・キング》あたりがよかった。 《タンタン》は CD で聞いたときにはあまりいい印象がなかったけど、実演で聞くと曲想の変化が面白く聞ける。

演奏会のテーマは「熱く!楽しく!エネルギッシュな演奏会を!」ということだったらしいが、演奏から「引き算をする勇気」が必要なのではないかな。 演奏者一人一人が吹けば吹くほど、あるいは叩けば叩くほど聴衆が感動するわけではないのである。旋律と伴奏がごちゃごちゃになってしまったり、和音が決ま らなかったりするのは、全体的なバランスが未整理だからだと思う。ものすごくいい響きがする瞬間が何度もあるのだから、このあたりを克服するともっといい 演奏ができると思う。

引き算をした余りは我が吹奏楽団に下さい(笑)。

クパティーノ日記(その5)

とりあえず業務は無事終了。

周りに何もないクパティーノにいてもやることがないので、その日のうちにサンフランシスコに移動することにした。

5時過ぎにタクシーでクパティーノを出る。 ドライバーはインド人のおじさん。 「私は人々が歩いているのを見るのが好きなので、車ばかりのシリコンバレーは嫌いだ。」と言っていた。

渋滞でなかなか進まなかったが、6時30分くらいにサンフランシスコに到着。 当然サンノゼのドライバーはサンフランシスコのダウンタウンのことはあまり知らない。交差点で隣にいる自動車に道を聞きながら無事ホテルにたどり着いた。 (ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」を思い出す。)

時間が合えば行こうと思っていたサンフランシスコ交響楽団の演奏会(8時開演)に行けそうなので、チェックイン後着替えてすぐに外出。そのために会場であるデイヴィーズ・シンフォニー・ホールの徒歩圏内にホテルを取ったのだ。

7時からのプレトークにぎりぎり間に合った。 副指揮者が曲の断片を流しながら、演目の聞きどころを紹介してくれる。

  • ミリ・バラキエフ/交響詩《ロシア》
  • ケヴィン・ヴォランス/アトランティック・クロッシング(大西洋横断)−ピアノと管弦楽のための(世界初演)
    • マルク・アンドレ・アムラン(ピアノ)
  • ドミトリ・ショスタコーヴィチ/交響曲第5番

席はいわゆる「テラス席」を取った。下手側(ステージに向かって左側)の指揮者のほぼ真横。マイケル・ティルソン・トーマスの振り方も管楽器奏者の演奏する様子もよく見える。

ヴォランスのピアノ協奏曲はソリストとオーケストラの超絶技巧が楽しめた。変拍子の中でパルスが刻まれ、その中でピアノは延々と細かい音符を引き続ける。 CD 出ないかな?場所的にピアノの音が聞こえにくかったので聞き直してみたい。

しかし、オケってこんなに音がでかいんだっけ? 私がオケを聞くのはほとんど浜松アクトシティの大ホールなのだが、ここまで弦の音が固まりとして聞こえてくることはあまりないように思う。 会場によるものなのか、オケによるものなのか。

さて、ショスタコ。 全体的には淡白なテンポ設定なのだが、第1楽章のクライマックスや第4楽章のコーダなどでは思いっきりテンポを落としているのが印象的。特に第4楽章のコーダは金管いじめとしか思えないほど重々しい「強制された歓喜」になっている。

終演後、アムランによるサイン会があった。 ミーハーな私はメトネルの作品集を買ってサインしてもらう。

結局、サンフランシスコではコンサートホール以外のどこにも行けなかったなあ …..

alva noto + ryuichi sakamoto -insen-

「alva noto + ryuichi sakamoto -insen-」を見に東京へ。

まずは同行者のかしくんおすすめの店で昼食を食べようということで神田神保町界隈へ。ちょうど「神田古本まつり」という催し物が行なわれていて、歩道などにも古書を売り出すお店が溢れている。出版社も露店を出していて、多少コンディションが悪い本を格安で売っている。とりあえず「第三帝国と音楽家たち―歪められた音楽 (叢書・20世紀の芸術と文学)」を半額で購入。

それから三省堂の8階で中古レコードフェアをやっていたのでのぞいてみる。ヒカシューの「そばでよければ」というピクチャーレコードを発見して購入。1985年にリリースされたアルバムらしいが存在すら知らなかった。

そのあとかしくんおすすめの某(あえて名を秘す)中古CDショップをのぞいてみる。価格も安いし(しかも最終土曜日は全品200円引き)品揃えも適度にマニアック。YMO 周辺を中心に今まで聞いていなかったものをまとめて購入。(それでも5000円でお釣りがくるんだもんなあ …..)

La pensee

THE SHOW Vol.4 yohji yamamoto collection music

BTTB

非売品プロモ盤

Low Power(非売品プロモ盤)

music for 陰陽師

ブライアン・イーノと雅楽のコラボレーションらしい。リリース当時は躊躇して買わなかった。

ストーカー 逃げきれぬ愛

Sister M(実は娘の坂本美雨ちゃん)が歌った《The Other Side of Love》は教授が作った屈指の名メロディだと思っています。確か買ってなかったよなあ …..

Tin Pan(Tin Pan)

松任谷正隆以外のティン・パン・アレーのメンバー(細野晴臣、林立夫、鈴木茂)で2000年に再結成された「ティン・パン」のアルバム。これも買いそびれていたらあっという間に廃盤になってしまったような気がする。レイドバックな感じとリアルタイムのデジタルな感じが交じり合っている。

その後は原宿へ移動。「ドゥファミリー美術館」で開催されていた「WORKSHOP MU!」の展覧会を見に行った。我々の世代だとやっぱり YMO 第2回ワールドツアーのポスターとか細野晴臣さんのソロアルバム「S・F・X」のポスターとかが印象的である。

一通り見た後で隣の「EX’REALM」でお茶(じゃないなあ ….. みんな酒飲んでたもんなあ …..)をしているところで grok さんと合流することになった。お店に入って来た grok さん曰く「さっき(立花)ハジメさんが(美術館に)入って行ったよ」とのこと。(注:立花ハジメさんは WORKSHOP MU! のアシスタントをしていた)もう一度美術館に戻って師匠らしき人に説明しているハジメさんを遠巻きに眺める。ハジメさんは坊主頭だったので、おそらく普通にいたら気付かなかったと思う。grok さんありがとう。

で、「渋谷公会堂」改め「サントリー C.C. レモンホール」へ。ポスターとパンフレットは当然のことながら購入。昨年のヨーロッパツアーの DVD も売られていたので購入。とりあえずは会場限定での発売。来年くらいに一般発売になるらしい。

コンサートは ….. すみません、4曲目くらいで寝ました …..音も映像もかなりスタティックなので …..(どこかにセットリストがアップされていないかなあ。アルバムで予習していたので「聞いたことがある」とは言えるのだが、どれがどの曲かはさっぱり …..)

映像は教授が弾くピアノの音にリンクしていて、数年前に恵比寿ガーデンプレイスで行なわれた岩井俊雄さんとのコラボレーションに似たような側面もある。アンコールは 3 回やってくれたが、結局教授は一言も喋らず。

アンコールを含めても 1 時間 30 分ほどの長さだった。もっと長い方がいいとか、教授の体調に配慮して短かった?という話もあるが、ああいう雰囲気のライブはこのくらいの長さでいいのではないかな。

河口湖音楽祭2006

吹奏楽団の友人たちと河口湖で行なわれている河口湖音楽祭2006へ。 目当ては最終日のシエナ・ウインド・オーケストラの演奏会。

西富士道路から河口湖へ向かうルートだったので、途中で「まかいの牧場」によって昼食。バイキングは少し割高だけど、牛乳やアイスクリームやチーズなどが食べ放題/飲み放題であることを考えると、意外とお得なのかも。 味も想像以上によかったです。

というわけで、ステラシアターへ。 あまり席もよくなかったし、一触即発の息子を連れて行ったりもしていたので、ちゃんと音楽を聞くというよりは会場の雰囲気を楽しみに行った。 幸い、会場全体がそんなリラックスした雰囲気だった。

第1部

  • 20 世紀 FOX ファンファーレ
  • 高度な技術への指標
  • ツィゴイネルワイゼン
  • リバーダンス

《ツィゴイネルワイゼン》と《リバーダンス》はパーカッショニストの池上英樹さんのソロをフィーチャー。

第2部

  • 音楽のおもちゃ箱〜佐渡裕のトークと音楽
    • ウィリアム・テル序曲
    • 宇宙戦艦ヤマト
    • 歌劇《トゥーランドット》より 誰も寝てはならぬ
  • 《ウェスト・サイド・ストーリー》よりシンフォニック・ダンス

アンコール

  • 今日の日はさようなら 〜 (不明、なんだろこの曲)
  • 星条旗よ永遠なれ

復活の小澤の復活

2006年7月24日 アクトシティ浜松大ホール

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトVII

  • マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」

指揮:小澤征爾
管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
ソプラノ:松田奈緒美
コントラルト:ナタリー・シュトゥッツマン
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団

復活した小澤征爾の「復活」。

息子の手足口病のため妻が行けなくなったので、今日になってもチケットの引き取り手を探す。幸い、近くの職場の anzu さん(でいい?)が行ってくれることになった(感謝感謝)。

合唱も含めて、ただでさえたくさんの演奏者を要する曲なのに、教授陣もステージに載るためステージ上はギチギチ。管楽器はそれぞれ5割り増しくらい の人数になっている。ちなみに教授陣というのは工藤重典(フルート)、宮本文昭(オーボエ)、吉野直子(ハープ)などといったそうそうたる方々である。

演奏には若干不安定なところがあるのだが、それを気にさせないエネルギッシュな指揮と奏者。相変わらず雄弁な小澤の指揮、それに必死に食らい付いていこうとする演奏者。こういう「身を削る」というか「渾身の」演奏はなかなかプロでは聞けないのではないかと思う。

第4楽章「原光」を歌うナタリー・シュトゥッツマンはさすがの貫禄。素晴らしかった。 しかし、この後に拍手を入れちゃいかんでしょう。オペラのアリアじゃないんだから。 (小澤もさすがに手で制していた) アタッカで第5楽章に続くからこその緊張感があるのに。ここはちょっと残念。

積志ウィンドアンサンブル第25回定期演奏会

第1部

  • 伊藤康英/オン・ザ・マーチ
  • 真島俊夫/波の見える風景(改定新版)
    • (指揮:寺田光太郎)
  • ジョセフ・オリヴァドーティ/序曲《バラの謝肉祭》
  • アルフレッド・リード/アルメニアン・ダンス・パートI
    • (指揮:汐澤安彦)

第2部

  • 小長谷宗一/グランド・マーチ
    • (指揮:氏原竜也)
  • ケース・フラク/ロシアン・ダンス組曲
  • ロバート・ジェイガー/吹奏楽のための交響曲(第1番)
    • (指揮:阿部達利)

アンコール

  • ジェリー・ビリク/ブロックM
    • (指揮:汐澤安彦)
  • 中田喜直(藤田玄播)/夏の思い出
  • バリー・グレイ(森田一浩)/サンダーバード
    • (指揮:阿部達利)

汐澤安彦先生を客演指揮にお迎えしての第25回定期演奏会。

良くも悪くも練習通りの本番だったのではないかと思う。 いわゆる「ピーキング」、練習〜本番を通してどこに頂点を持っていくかの難しさを感じた。

直前までうまくまとまらなかった曲、いわば発展途上の曲が本番でがっちり決まってベストの演奏ができるというのはよくある話である。 また、練習である程度できあがっている曲は、そこそこの本番が迎えられる代わりに本番での「奇跡」を期待できないような気もしている。

そういった意味でなかなか自己評価しにくい演奏会であった。 《ロシアン・ダンス》はリラックスしたいい演奏だった。 (そりゃそうだ。汐澤先生の2曲と、団長の「涙の指揮」(笑)という2大イベントを終えたのだから。) 《ジェイガー》はもう少しいい演奏が出来たのではないかと思うのだが「奇跡」を期待してはいけない。直前の演奏でなかなかうまくいっていなかった第1楽章が期待以上の出来だったのでよしとしよう。

よいところはどんどん伸びている反面、改善すべきところもどんどん露呈している。 それは、バンドとして成長段階にあるということなのだろう。 やらなければいけないことはまだたくさんある。

前日、汐澤先生や遠山詠一先生と夕食をご一緒したのだが、その時遠山先生がおっしゃったのが「指揮者も演奏者も暗譜するくらいでないとダメだ。演奏者は指揮者を見て演奏しなければいけないし、指揮者も演奏者を見て指揮しなければいけない。」ということだった。

そう言われたからというわけではないのだが、今年は全て暗譜で振った。 (念のため指揮台の上にスコアは用意していたのだが、結局一度も見なかった。)

演奏会後のレセプションで再び遠山先生とお話ししたのだが「今日は暗譜で振ったね。非常によかった。」というコメントをいただいた。 そこまで見ていただいていたのかと思い、感服するとともにちょっと恐縮。