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ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
復活スルヤ演奏会’97 「スルヤ」といってもお店ではなくサンスクリット語で「太陽神」を意味する。 1927年に諸井三郎を中心に結成されたアマチュア音楽集団の名称である。 中原中也は「スルヤ」のメンバーではなかったが、非常に近しい存在であった。 最近、「昭和の作曲家たち―太平洋戦争と音楽」という本を読んでいるのだが(しかし分厚いなあ、読み終わるのはいつになることやら …..)、この本に「スルヤ」のことが書かれており、中原中也の詩に諸井三郎が詩をつけていたということを知って興味を持った。 このCDは1997年に中也の生誕90年没後60年に際して行われた演奏会の実況録音盤である。中也の詩による歌曲が集められているが必ずしも同時代の作曲家ばかりではない。また、スルヤの第一回発表演奏会で取り上げられた諸井三郎の《ピアノソナタ》も収録されている。 中也の詩というとどこか翳りのあるイメージがあるのだが、《サーカス》(清水脩作曲)あたりは妙に晴れ晴れとしていて違和感がある。やっぱり、あの 秀逸なオノマトペ「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」はほの暗いサーカス小屋の中で聞こえる音でなければいけないと思うのである。高らかに歌い上げてはいけないと思うのである。 中原中也記念館(http://www.chuyakan.jp/)からのみ購入可能。 蛇足ではあるが、諸井三郎は最近話題の西武グループ経営改革委員会委員長である諸井虔の父親である。作曲家諸井誠は諸井虔の弟。
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ラブ・ユー・フォーエバー
ラヴ・ユー・フォーエバー 出産祝いにいただいた絵本。 物語の中で歌われる詩に伊藤康英さんが曲をつけたミニCD付き。 実は以前から買おうと思っていたのだが、まだ買っていなかった。 子供が生まれてきたこのタイミングに読むことができてよかったと思う。 (私のような新米パピーが言うのもなんですが) 子供が生まれたばかりの方はぜひ読んでみて下さい。 子供がいない方は子供ができてから読んでみて下さい。
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フェネルに捧げる本
朝っぱらから宅急便が届く。 Fennell: A Tribute To Frederick Fennell フレデリック・フェネルの写真や手紙などを集めた本である。緻密な資料集といった感じではなく、フェネルの業績を視覚的にとらえるための本と考えた方がいいだろう。 2004年の夏に発行されたようなので「追悼」という雰囲気はない。(結果的にそうなってしまったが …..) フェネルが2000年に来日した際に、ユーフォニアム奏者の三浦徹さんの別荘で開催された「コンダクターズ・クリニック」の集合写真が178ページに載っている。 フェネルはもちろん、三浦徹さん、伊藤康英さん、等身大のフェネルの立て看板(笑)も写っているのだが、私もちゃんと写っている。ちょっと感激。 このときの様子は2000年4月29日の日記にちらっと書かれています。
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本漁りなどなど
今日はル・ショコラティエ・タカギのマロン・ショコラをいただく。主役の栗が非常に繊細。 そういえば、高木康政さんプロデュースのキットカット「パッションフルーツ味」(期間限定版)もなかなかよかった。甘酸っぱさはかなり好みが別れるのではないかと思うが、これだけ個性がはっきりしているのも面白いのではないか。 ちょっと、戦前・戦中の邦人作品について目ぼしい情報がないかとネット上を探し回っていたら軍楽隊関連の面白そうな書籍を発見。さっそく発注してみることにした。(これも届いたらご紹介します。)
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あそこのアッコちゃん
髪の毛を切りに行く。カットされている間に読んだ本。 ふしぎな図書館 ごく初期の短編集「カンガルー日和」に収められていた「図書館奇譚」の改作に村上作品ではおなじみの佐々木マキによるイラストを加えた絵本。図書館、羊男、ドーナツという、これまた村上作品ではおなじみのモチーフが散りばめられている。同じコンビによる「羊男のクリスマス」を思い出す。 (そういえば、「羊男のクリスマス」は1985年のクリスマス・イヴに買ったんだった。懐かしいなあ …..(遠い目)) 「図書館奇譚」は読んだはずなのだが全然覚えていない。読み直すべし。 ***** そのあと、最近浜松にできたらしい「浜松鑑定団」というリサイクルショップをのぞいてみる。こういう新しいものに群がるのは浜松人の特質。やたら人がたくさんいる。 あそこのアッコちゃん CD は基本的にレンタル落ちなどの中古が多いのであるが、こういうデッドストック品もあった。アッコちゃんの初期5アルバムからのピックアップと、CD初収録の《行け柳田》のシングル・ヴァージョンとそのB面を集めたベスト盤。ジャケットは玖保キリコ。 ***** 一足早く、GODIVA のトリュフと、Veuve Clicquot-Ponsardin のイエローラベルをいただく。美味。チョコレートを食べながら飲むにはこのくらいドライな方がよい。
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偶然の音楽
風邪ひいた。英気を養うために医者に行って薬をもらった以外はほとんど寝ていた。 偶然の音楽 (新潮文庫) この機に乗じて(?)、ちびちび読んでいた小説を一気に読む。年末に購入した雑誌「ユリイカ」をきっかけに買ってみたオースター/柴田元幸コンビの小説である。 ちょっとした偶然から人生が二転三転してしまう主人公、その理不尽さはほとんど喜劇である。主人公をめぐる状況の変化が喜劇的であるにもかかわらず、その内面の葛藤には非常にリアルなものを感じる。 近年のアメリカ文学には、ふと同じような匂いを感じることがあるのだが、その中に「諦念」という概念があるのではないかと思う。肯定でも否定でもなく、ある状況をあるがままに受け入れようという虚脱感を感じるのである。 この小説の結末はある意味掟破りなのかもしれないが、何とも言えない余韻が残る。他の作品も読んでみたくなった。
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マイルスとコルトレーンの日々
マイルスとコルトレーンの日々 (植草甚一スクラップ・ブック) かつてのサブカルチャーの担い手 ….. と言っていいのかな、植草甚一さんの著作が晶文社から一気に復刻される。 とりあえず、目に留まった一冊を買ってみた。 まだ「マイルスの日々」の途中なのだが、マイルスの激動の時代(アコースティックからエレクトリックへの移行期)をリアルタイムに聞いていた強み、またその中での批評眼の確かさが非常に興味深い。
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吹奏楽作曲家についての本
Composers on Composing for Band マーク・キャンプハウスによる吹奏楽作曲家についての本。音楽学者である谷口昭弘さんのホームページ「音と音楽を考えるページ」で紹介されていた。その内容が面白そうだったので注文してみた。 キャンプハウス本人も含む11人の吹奏楽作曲家に対して同じ質問をし、その結果をまとめた本である。その11人とは、 ジェームズ・バーンズ ティモシー・ブロージェ マーク・キャンプハウス デヴィッド・ギリングハム デヴィッド・ホルジンガー カレル・フサ ティモシー・マー W.フランシス・マクベス ロバート・シェルドン ジャック・スタンプ フランク・ティケリ である。また、質問については、 創作のプロセス オーケストレーションへのアプローチ バンド指導者が研究すべき10の作品(もちろん吹奏楽作品だけではない) 作曲者と委嘱団体との関係について 吹奏楽の未来について など、かなり具体的に参考になると思われる質問が設定されている。
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今日届いたもの(本)
封印作品の謎 円谷プロ作品「怪奇大作戦」に関するホームページを見ていて見つけた本。面白そうだったので注文してみた。 ちょっとした特撮マニアなら、例えば「ウルトラセブン」の第12話「遊星より愛をこめて」や「怪奇大作戦」の第24話「狂鬼人間」が欠番扱いになっていて、一般的には見ることのできない作品になっていることは知っている。この本ではそういった作品がなぜ欠番になってしまったのかということを細かく検証している。 ちょっと前に読んだ「放送禁止歌」という本でも感じたことであるが、表層的な部分だけをとらえてマスコミを批判する糾弾者と、それを深く考えることなく「臭いものに蓋」式に「自主規制」してしまうマスコミという構図は、実は無自覚的に表現者を抑圧しているのではないかと思う。 (例えば注意深く読んでみると、上記のウルトラセブン第12話が欠番となる発端となった抗議がいかに論理的に捻じ曲がったものであるかわかる。)
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その日に買ったもの(CD・DVD)
ビートルズ アメリカ盤のすべて 探していた本。別の書店でやっと見つけた。近々 CAPITOL BOX がリリースされるのに合わせた発売だろう。いろいろなところで触れられていると思うが、ビートルズのアメリカ編集盤が公式にリリースされるのはやっぱり大事件なのである。 今でこそビートルズのアルバムはイギリス発売盤に統一されているが、その昔は(特に日本では)各国盤が入り乱れての混乱状態であった。おそらくイギ リスではイギリス盤のみが、アメリカではアメリカ盤のみが、オランダではオランダ盤のみが、(以下続く)売られていると思うのだが、日本では日本盤はもち ろん、イギリス盤もアメリカ盤もオランダ盤も「国内盤」として売られていたのである。 私は赤盤・青盤からビートルズに入った非リアルタイム世代なので、その次にどのようなアルバムを買うべきか非常に迷った。赤盤・青盤にはご丁寧にカ ラーで各アルバムのカタログが載っていたのである。いろいろな資料を検討した結果、イギリス盤を揃えようと決めたのは賢明な選択だったのだろう。確か「ア ビー・ロード」を買って、その次に「リボルバー」を買ったように記憶している。 あまり食指が動かなかったのであるが、そろそろなくなりつつあるのでキープ。