クラシック」カテゴリーアーカイブ

フェネス/バルトーク

バケーションのシーズンも終わったのか、今週の頭あたりから交通量が増えて、通勤経路で渋滞する箇所が増えてきました。日本ではまだ暑い日々が続いているようですが、こちらでは暑さもやわらいですっかり秋という雰囲気です。

例によってアジア料理店「Asia Lam」へ。

ほとんど定番になっているアルコールフライのビールと最近付き出しとして出てくる春巻きは省略して、メインディッシュは白身魚を揚げたももにオイスターソースベースのちょっと辛いソースをかけて食べるものです。ご飯が進みます。

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今日届いたCDたち。

Black Sea

先日、教授が主催するcommmonsのコンピレーション・アルバムで久しぶりにフェネスを聞いて感動したので、それに含まれていた《Saffron Revolution》という曲が収録されているアルバムを買ってみました。日本盤はcommmonsから出ているのですが、海外盤も収録曲は同じだったので安い海外盤の方です。

電子音くさいエレクトロニカではなく、ときおりギターなども加わって(実際、フェネスはギタリストとして教授のツアーに参加したこともあります)非常に抒情的なサウンドです。

分厚い電子音の重なりがものすごく雄大な世界を感じさせてくれます。

Bartok: Solo Piano Works 1

ちまちま集めているフンガロトン・レーベルの新バルトーク全集。「ピアノ作品集その1」です。amazon.deのマーケットプレイスで新品が3.33ユーロ(今のレートだと400円弱くらい?)で売られていたので、つい買ってしまいました。

演奏会その39: ハンブルク・バレエ

(演奏会その38 が欠番になってしまっていますが、これはウィーン国立歌劇場の《ラインの黄金》(ワーグナー)になります。いつ書けるんだろう …)

オーケストラの演奏会が行われるライスハレよりも、オペラやバレエが行われるハンブルク歌劇場の方が少しドレスコードが高いような気がするので、歌劇場に行く時はいつも一旦アパートに戻って着替えてから電車で行っていました。これからはさすがにそういうわけにもいかないので会社から直接車で。そんなわけで歌劇場近くの駐車スペースをよく知らないのでライスハレ近くの中央分離帯に車を停めました。

Ballette von John Neumeier
Daphnis und Chloë / Der Nachmittag eines Fauns / Le Sacre

6. April 2010 19:30 Uhr

MUSIK:
Maurice Ravel (Daphnis et Chloé)
Claude Debussy (Prélude à l’Apres-midi d’un faune)
Igor Strawinsky (Le Sacre du Printemps)

ということで「独身生活」最後のコンサートになってしまいました。ハンブルク・バレエの公演で、《ダフニスとクロエ》(ラヴェル)、《牧神の午後への前奏曲》(ドビュッシー)、《春の祭典》(ストラヴィンスキー)という、20世紀初頭の重要作品ばかりを集めたプロダクションです。

実は、ジョン・ノイマイヤーの振り付けによるこれらのプロダクションは、ちょうど4年前にドレスデンに出張した時にドレスデン・バレエで見ることができました。

《ダフニスとクロエ》は前回見た時の印象とは大きく変わりません。ただ、吹奏楽的な観点だと「夜明け」と「全員の踊り」にはさまれて、いまいち地味な印象のある「パントマイム(無言劇)」が実はこのバレエのクライマックスであることを再認識しました。

《春の祭典》は1970年代に作られたというノイマイヤーの初期のプロダクション。バレエの柔らかい動きの美しさとは対極にある踊りで、誰もが人間工学的に無理があるようなぎこちない動きをします。舞台セットは何もなし、ダンサーの衣装も最小限のものです。例えばベジャールの振り付けは人間としての原初的/根源的な動き(まあ、ありていに言ってしまうとセックスなんでしょうなあ …)を示していてわかりやすかったのですが、ノイマイヤーの振り付けはさらに突き進んで、ひたすら非人間的な、無機的なものを志向しているように思えました。まあ、「こういうのもありかなあ?」と思いつつ見ていたのですが、面白いかと言われると …

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備忘。

息子のための「こどもちゃれんじ」(なんと海外でも受講できるんですねえ)と、日本語衛星放送 JSTV の申込書を送付。

申込書が PDF ファイルで送られてきたので、それをプリントアウトして、必要事項を記入して、スキャンして再度 PDF にして、それをメールに添付して返送するというパターン。前に住んでいた方が置いていって下さった多機能プリンターが大活躍でした。

来シーズンのハンブルク・フィル

引っ越し作業中の逃避行動 …

昨日、ハンブルク・フィルの来シーズンのプログラムを紹介する冊子が届きました。ご覧いただいてわかるようにグスタフ・マーラーのいろいろな作品にスポットを当てています。今年はマーラーの生誕150年のアニヴァーサリー・イヤーですし、1891年から1897年までハンブルク歌劇場の音楽監督を務めていたこともありました。

交響曲のみならず、第2番《復活》第1楽章の原型である交響詩《葬礼》、先達の作品のオーケストレーションを変更した編曲作品、交響曲以前に書かれていた若書きのカンタータ《嘆きの歌》などです。

そういえば、毎年レコーディングが続けられていたブルックナーの交響曲は次回シーズンでは一休みのようですね。

さすがに今シーズンのようにバカバカ聞きに行くわけにはいかなくなりそうですが、ベルクのヴァイオリン協奏曲や武満徹のブラスアンサンブル作品《シグナルズ・フロム・ヘヴン》はぜひ聞いてみたいです。

第1回(指揮:シモーネ・ヤング)

  • ベルク/ヴァイオリン協奏曲
  • マーラー/交響曲第1番《巨人》

第2回(指揮:シモーネ・ヤング)

  • シューベルト/水上の精霊の歌
  • マーラー/交響曲第2番《復活》

第3回

  • ベートーヴェン/交響曲第4番
  • ペーター・ルジツカ/… 島、孤立 …(訳は適当です …)
  • マーラー/交響詩《葬礼》

第4回(指揮:シモーネ・ヤング)

  • 武満徹/シグナルズ・フロム・ヘヴン
  • マーラー/交響曲第3番

第5回

  • オルガ・ノイヴィルト/Clinaman/Nodus(何語だ?これ?)
  • ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番
  • シューマン(マーラー編曲)/交響曲第3番《ライン》

第6回

  • ニールセン/パンとシリンクス
  • モーツァルト/交響曲第41番《ジュピター》
  • シベリウス/交響曲第1番

第7回(ピアノはバレンボイム、指揮はシモーネ・ヤング)

  • リスト/メフィスト・ワルツ第1番《村の居酒屋での踊り》
  • リスト/ピアノ協奏曲第2番
  • リスト/ピアノ協奏曲第1番
  • リスト/交響詩《マゼッパ》

第8回(指揮:シモーネ・ヤング)

  • ヘンツェ/夢の中のセバスチャン
  • マーラー/交響曲第7番

第9回(指揮:クリストファー・ホグウッド)

  • ウェーバー(マーラー編曲)/歌劇《3人のピント》間奏曲
  • シューベルト(マーラー編曲)/弦楽四重奏曲《死と乙女》(弦楽合奏版)
  • メンデルスゾーン/交響曲第5番《宗教改革》

第10回(指揮:シモーネ・ヤング)

  • グバイドゥーリナ/メルヘン・ポエム
  • マーラー/嘆きの歌

新しいミッテンヴァルトへ

《響宴》で池袋へ行くので、やっぱりミッテンヴァルト(http://www7a.biglobe.ne.jp/~mittenwald/)へ行くことにした。念のため、迷ったときのために住所を控えておこうと出発前にホームページを見たら、何と移転したというお知らせ。あわてて地図をプリントアウトして出発。

営業時間が 13:00〜20:00 ということだったので、《響宴》を聞いてから行くことにした。以前から商売っ気のないショップだと思っていたが、この営業時間もなかなかすごい。さらに移転した住所は普通のマンションの一室。玄関で靴を脱いで、スリッパを履いて、部屋の中にぎっしりと並べられている CD 棚を物色するのである。「趣味人」色がいっそう強くなっている。

とはいえ、東京コンサートが出している「日本の作曲・21世紀へのあゆみ」シリーズは限られた店でしか買えないので、やはりここに来るしかないのである。一通り CD 棚を物色したところ、どうもなさそうなので店員さん(というかどう見ても客を招きいれた家人(笑))に聞いてみる。そうすると「すみません。引っ越したばかりなのでまだ全部整理していないんですよ」と言われて、もう一室へ案内される。そこは、もっと CD やビデオが詰まっている部屋。「こちらにあると思いますのでご覧になってください。」と言われた。

邦人作品の CD はほとんどこちらにあるようなので探すことにする。第一希望の CD がなかったので、第二希望の「No.9 新しい合唱の息吹」(ECJC 009)を買うことにする。吉田隆子が与謝野晶子の「君死にたもうことなかれ」に曲をつけた歌曲を聞いてみたかったのである。

けっこう珍しい CD があるなあ、と思いつつ棚を眺めていると、「清瀬保二生誕100年記念演奏会」の4枚組CDを見つけてびっくり。これは確か関係者にしか配布されなかった非売品ではないか。それからクリティーク80が制作してフォンテックがプレスした「清瀬保二作品集」(FPCD1604)も珍しい。

あとはミッテンヴァルトが制作したCDから「伊福部昭ギター作品集」(MTWD-99019)と「和」チェロ〜近代日本・チェロ名曲選(MTWD-99010)を購入する。

クラウド・ナイン

望月京さんの《クラウド・ナイン》が本年度の尾高賞を受賞した。

昨年の「ミュージック・トゥモロー 2004」で NHK 交響楽団の委嘱作品として初演された作品。今年の「ミュージック・トゥモロー」でも聞けることになるわけだ。

タケミツ・メモリアル・ホールでの演奏を想定しており、客席にも演奏者を配置した立体的な音響を指向した作品。生で聞けばさぞ面白いと思う。

それまでに BS デジタルのアンテナを立てる(この間買ったテレビにチューナーはついているのだがアンテナがないのでまだ見れない)ので、ぜひサラウンドで放送してくれないかなあ …

 

吹奏楽・電子音楽・坂本龍一・などなど

出張。例によってTOWER新宿店へ。

Journey

グレインジャーの《リンカンシャーの花束》が入っていたので。近年の録音では珍しく第3楽章はバージョンA(ソプラノサックスではなくフリューゲルホルンがソロを吹くバージョン)だった。

マルティヌーの管楽合奏とチェロのための《コンチェルティーノ》は久しぶりに聞いたらなかなか面白かった。

Phantasticke Spirites

表題作はドナルド・グランサムの作品で、このCDの演奏が世界初演。他にもスティーヴン・シュミットの《スピン》、ラン・ゲイラーの《サマラ》も世界初演。他にもグランサムの《ケンタッキー・ハーモニー》(これは《サザン・ハーモニー》の続編のようなもの?)、ティケリの《アメリカン・エレジー》、ウィテカーの《オクトバー》など近年の注目作が多く収録されている。演奏は今一なのだが …

Dances with winds(Royal Northan College of Music Wind Orchestra)

RNCM ウィンドオーケストラのおそらく最新盤。舞曲を題材にした吹奏楽作品を幅広く集めている。近作ではともにイギリスの作曲家であるケネス・ヘスケスの《ダンスリーズ》、アダム・ゴーブの《イディッシュ・ダンス》(この作品だけ「初録音」と銘打たれているのがちょっと違和感あるが …)、他にはギリシャの作曲家ニコス・スカルコッタスの《9つのギリシャ舞曲》とアメリカの作曲家ジョン・コリリアーノの《ガゼボ・ダンス》が収録されている。

スカルコッタスのギリシャ舞曲はもともと管弦楽のために書かれた36曲の中から作曲者自身がギリシャの軍楽隊のために編曲したものなのであるが、これこそ全曲録音されるのは初めてなんじゃないのかなあ?ちなみに管弦楽版全曲は BIS から出ている模様。これも聞いてみたい。

French Ballet Music of the 1920’s

1920年代にフランスの作曲家の合作で作られた2つのバレエ音楽《ジャンヌの扇》と《エッフェル塔の花嫁花婿》が収録されている。

前者はラヴェル、フェルー、イベール、ロラン=マニュエル、ドゥラノワ、ルーセル、ミヨー、プーランク、オーリック、フローラン・シュミットの10人、後者はいわゆる「六人組」のオーリック、ミヨー、プーランク、タイユフェール、オネゲルの5人(デュレは「六人組」を脱退していたため参加しなかった)による合作である。

雲井雅人によるシューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」あふれる歌へのオマージュ

シューベルトの歌曲である《冬の旅》を、アルトサクソフォンとピアノと歌&ナレーションに編曲したものが収録されている。ピアノと編曲は伊藤康英さん、ナレーションのテキストはリンボウ先生こと林望さん、舞台演出は松本重孝さん。

康英さんとリンボウ先生のコラボレーションは歌曲《あんこまパン》に始まり、数々の歌曲や交響詩《時の逝く》なども生み出しているし、松本重孝さんは康英さん初のオペラ《ミスター・シンデレラ》の演出も手がけている。そういった多方面の人脈がここに結集したという感じか。ぜひ舞台で見てみたいものだ。

貴志康一 バレエ音楽「天の岩戸」

28才で夭折した作曲家・貴志康一の60分にもおよぶ大作、バレエ音楽《天の岩戸》の世界初演(2004年9月)を収めたCD。作曲されたのは1932年から1935年の間というから、およそ70年の間眠っていたわけだ。

貴志康一の名前は以前から知っていた。戦前にベルリンに留学して、25歳でベルリン・フィルの演奏で自作を指揮したらしい。どんな音楽を書いていたんだろう?

葵の上|湯浅譲二

OMEGA POINT からリリースされた湯浅譲二の電子音楽作品集。http://www.web-cri.com/ でいろいろ批評されていたので聞いてみたくなった。

Microphone

デヴィッド・チュードアが制作した電子音楽の古典的作品。TOWERによると今回なくなったら入荷未定とのことなのでとりあえず確保。ちなみにチュードアはジョン・ケージの《4分33秒》の初演者(笑)である。

Moog

シンセサイザーの生みの親であるロバート・モーグ博士のドキュメンタリー映画「MOOG」のサントラ盤。1枚目の方のメンツは STEREOLAB くらいしか知らないのだが、MOOG の旗の下に集まってきた人たちなのだから、きっと面白いのだろう。「CLASSIC TRACKS」と題されたボーナス・ディスクでは ELP とか、DEVO とか YES とかが並んでいる。

Replay Debussy

ドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》を材料にしたリミックスのコンピレーション・アルバム。CCCD だったのだが涙を呑んで購入した。

坂本龍一やピエール・アンリなども参加。

物語のようにふるさとは遠い

まだ芸大大学院在学中だった教授(作曲・編曲)と、現代詩人である富岡多恵子(唄・作詞)のコラボレーションの初CD化。バックを務めているのは吉田健とか斉藤伸雄(って斉藤ノブ?)とか茂木由多加といった実力派。

 

Astor Piazzolla 10 CD-Set [Box Set]

得体が知れないブツだが、ピアソラのCDが10枚で1460円だったので思わず買ってしまった。クラシックの演奏家が演奏するピアソラとか、ムード音楽みたいなバッハとか、変に別のジャンルに持って行かれてソフィスティケイトされた音楽はあまり好きではない。とりあえずはオリジナルに当たらないと。

WHO IS AFRAID OF 20TH CENTURY MUSIC? (Complete Edition + Bonus CD)

指揮者インゴ・メッツマッハーがハンブルク国立フィルと組んで毎年大晦日のジルベスターで行っていた「20世紀音楽は怖くない」が、全部まとめて、ぐっと安くなって、ボーナス・ディスクもついて再発売された。

ボーナス・ディスクはメッツマッハーのインタビューと、コンサートでの演奏前の曲目紹介などが収録されている。当然どちらもドイツ語である。曲目紹介のあとに拍手があって曲が始まるのだが、ほとんどがフェードアウトしてしまう ….. というかなり微妙なボーナスである。パッケージからはボーナス・ディスクの内容がわからないので、半分ギャンブルのつもりで買ったのであるが、すでに持っている人は注意すべし。
まだ1枚も持っていない人は、過去のCDは入手しにくくなっているし、値段もかなり安くなっているのでチャンスかなと。

 

ミュージック・トゥモロー2004

金曜に録画しておいた「N響演奏会 ミュージック・トゥモロー2004」を見る。毎年、尾高賞受賞作品を披露するのにあわせて現代作品のみで構成された演奏会である。

とりあえずは、お目当ての望月京さんの《クラウド・ナイン》を見てみる。N響が望月さんへ委嘱した作品の世界初演。「クラウド・ナイン」というのはバックミンスター・フラーという建築家が提唱した球形の空間浮遊都市だとか。もっともスラングで「天にも昇る心地」という意味もあるらしいので、ウェブで検索すると精力増進剤などがよくヒットする。私が真っ先に思いついたのはジョージ・ハリソンのアルバム・タイトルだったのだが …

この作品はタケミツ・メモリアル・ホールでの演奏を前提にしたということで、ステージ上に小編成の管弦楽がおり、その他さまざまな楽器がステージを取り囲むように配置されている。ホールで聞けばさぞ面白かったのだろう。

長さはおよそ20分ほど。多少冗長に思える部分もあるのだがユニゾンを中心とする音色の作り方が面白い。特に冒頭のヴァイオリンのユニゾンが徐々に全体に波及していくあたりや、エンディングのかなり延々と同一音が点描的に演奏されるあたりが面白かった。

浜松交響楽団演奏会など

浜松交響楽団の定期演奏会を聞きに行く。

前日の早起きがたたって、午後2時30分開演なのに起きたのは午後1時30分(^_^;)。何とかギリギリのタイミングでたどり着くことができた。プログラムは以下の通り。

  • J.S.バッハ(シェーンベルク編)/前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552
  • パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 op.6
  • ブラームス/交響曲第1番 ハ短調 op.68

吹奏楽的ネタについて触れておくと、オープニングのバッハは通称「聖アン」、田村文生さんが《バッハナール》なるタイトルで吹奏楽編成のために編曲している。このシェーンベルクの編曲は管楽器が活躍する硬質なオーケストレーションが特徴的である。アンサンブルが難しいからか、かなり慎重というか小さくまとまってしまった演奏だった。最後の和音にたどりついてやっと一安心という感じ。

ブラームスは演奏者の熱気が伝わってくる好演だった。アマオケ事情はよく知らないのであるが、きっと演奏者の誰もが演奏したことのあるレパートリーだと思われるし、演奏していてきっと楽しいのだと思う。

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ジョージ・ハリソンのボックス「Dark Horse Years」を買う。ジョージ自身が立ち上げたレーベル「ダーク・ホース」からリリースされたアルバム6タイトル(7枚)と、特典DVDがセットになったボックスである。2枚組CD「Live In Japan」は、おそらくビートルズ関係初のSACDでのリリースとなる。

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  • 日本盤:CCCDの分売のみ。ボックスの発売はなし。
  • US盤:非CCCD。レーベルはキャピトル。DVDはオールリージョンのNTSC。日本語字幕つき?日本への入荷量が極端に少ないらしい。日本語版解説が付くの付かないのという話の顛末は 2ch の「ビートルズ・オールディーズ」板に詳しい。
  • EU盤:CCCD。
  • UK盤:非CCCD。レーベルはダークホース。DVDはPAL。

ということで、いろいろ迷ったあげくにUK盤を買うことにした。私の環境だとDVDのフォーマットは問題にならないし、出遅れた今となってはUK盤がおそらくもっとも早く入手できるのだろう。(もちろんCCCDは論外)

「ジョージ好きだったっけ?」という妻の突っ込みもあったが、少なくともポールよりは好きな気がする(笑)。

このレーベルからの第1弾である「33&1/3」は、LPレコードの1分間の回転数と当時のジョージの年齢をひっかけたもの。中学生くらいの時に近所のレコード屋で新品が1000円で叩き売られていたのを買った。当時の私はビートルズ(正確に言うとジョン・レノンとその周辺)を聞き始めた頃で、例えばジョンの「マザー」とかに比べるとえらくあっさりしたアルバムという印象があった。まあ、当時はテクノポップ全盛期だったし、Up-to-date な音楽は過激な音作りをしていたように思えるから、ジョージのようなアコースティック主体の音楽はかなり風通しのいい音楽に聞こえたのだろう。

時代はめぐって、最近はアコースティックな音楽が割とメインストリームであるし、このアルバムもリマスターされていたりして、とてもみずみずしく感じる。この手の音楽を聞いてほっとするのは、やはり年をとったせい?

 

楽譜乱れ買い

期末ということで、ヤマハミュージック浜松店では輸入楽譜の半額セールをやっていた。メシアンの《世の終わりのための四重奏曲》と、ヒンデミットの《画家マチス》を買う。

《世の終わりのための四重奏曲》はヴァイオリン、クラリネット、チェロ、ピアノという編成による四重奏曲。第二次大戦中にメシアンが囚われていた収 容所の中で作曲・初演された作品である。この作品がこのような編成になっているのは、メシアン(ピアノ)が収容所で出会った演奏家が演奏する楽器だったからだそうである。ピーター・ゼルキン(ピアノ)やリチャード・ストルツマン(クラリネット)らが結成した「アンサンブル・タッシ」はこの作品の編成と同じ メンバー構成で、もちろんこの作品の録音も残している(が、私はまだ聴いたことがない)。また、武満徹はこのアンサンブル・タッシのために「カトレーン」 という作品を書いている。

この《世の終わりのための四重奏曲》はタイトルから想像されるほど悲観的な音楽ではない。むしろ宗教的な救済を希求しているような穏やかな曲調であ る。例えば《トゥランガリラ交響曲》のような色彩感があるわけではないので「感覚的に」とても長く感じるのであるが、それを除けばそれほど難解な音楽ではないと思う。(まあ、私も耳だけでは長さを克服できないのでスコアを買ったわけなのですが …..)「鳥の声」とか「移調の限られた旋法」とか「不可逆リズム(でしたっけ?)」などメシアンを語る上での重要な語法がかなりわかりやすい形で提 示されている。

《画家マチス》も聞いただけではよく分からなかったのでスコアを買ってみたしだい。

あわせて、クイーンの紙ジャケ第2弾の6枚と、LOVE PSYCHEDELICO の新譜「III」と、坂本龍一の新譜「chasm」を。