積志ウィンドアンサンブル」カテゴリーアーカイブ

近況とシガー・ロス

ブログを引っ越したはいいが、(本来メインであるはずの)吹奏楽ネタが全然ないのでそっち関係の近況をば。

  • 9/28 にアクトシティ浜松で開催される「吹奏楽トップコンサート」に、私が所属する積志ウィンドアンサンブルが推薦によって出演できることになった。(演奏曲目はとりあえず伏せておいた方がいいのかな?)訳あって、この演奏会以降しばらく休団することになるので、個人的には一区切りということでとらえている。他にも優れた中学校・高校のバンドが出演するので、興味のある方はぜひご来場を。
  • 某社から依頼された吹奏楽 CD のレビュー依頼の小さいけれどしっかりした山が目の前に立ちはだかっている …..

会社で友人に帰省のみやげ物を配っていたときに借りたシガー・ロスの新譜。(これも聞きたいと思っていたのだ。素晴らしき音楽班に感謝。)

何の先入観もなしに聞き始めた。何かに似ているなあ、と思ったら、XTC からマニエリズムを取り去って、もう少し開放的にしたようなサウンド。アメリカやヨーロッパの南の方ではこういうサウンドは生まれ得ないのだろうな。(ちなみに彼らはアイスランド出身)

ライナーノーツによると前作「Takk …」からはかなり作風が変わっているとのこと。こちらも聞いてみることにする。

演奏会後

打ち上げ。

浜松(のみならず日本)の吹奏楽界の重鎮である遠山詠一先生にも来ていただいた打ち上げ。私のような立場の人間は先生の対応の張り付きっぱなし。 まあ、そのおかげでいろいろな興味深いお話(たぶんオフレコの方がいいんだろうなあ)を聞けたのは収穫。

ということで、一次会では全く団員と語る機会がなかったので、当然のごとく二次会へ。 まずは、まとめてアンケートを読ませていただく。 本当にうちの演奏会はアンケートを出していただいているお客さんが多くてうれしい。 また、「よかった曲」にまんべんなく○がついているのが、実はうれしかったりする。 演奏のみならず、選曲についての感想であると認識しているからだ。

泡盛のロックを飲むが全然酔えない ….. と思っていたのが危険の兆候。

翌日は大変なことになりましたとさ。

積志ウィンドアンサンブル第27回定期演奏会

積志ウィンドアンサンブル第27回定期演奏会

第1部

  • フィリップ・スパーク/バンドワゴン
  • ヤン・ヴァン=デル=ロースト/プスタ
  • ジェームズ・バーンズ/詩的間奏曲
  • フランク・ティケリ/ヴェスヴィアス

第2部

  • ピーター・メニン/カンツォーナ
  • フェリックス・メンデルスゾーン/管楽合奏のための序曲作品24
  • ハワード・ハンソン/ディエス・ナタリス

アンコール

  • 吉俣良(後藤洋)/NHK大河ドラマ「篤姫」メインテーマ
  • バリー・グレイ(森田一浩)/サンダーバード

生涯でいちばん大変だった演奏会かも知れないなあ …..

まず、選曲の時点でわれわれの実力に対してかなりハードルの高いプログラムになることは明確に自覚していた。それは、ここ数年何となく(少なくとも私は)感じていた停滞感に対する一つの回答だったのである。

その停滞感を打破するために(たぶん私以上に)努力してくれた演奏者たちがいた。 そんな人たちの手によってわずかではあるが殻は破れ、そこから新しい光が差し込むことを感じることができた演奏会であった。

しかし、殻の外が見えている人は全てではない。 全ての殻が破れるまで、もう数年は必要かも知れない。 それがクリアされたころには、おそらく別のバンドになることができているだろう。


本当は「2~3回通せば仕上がる」つもりでいた、バーンズの《詩的間奏曲》をまとめる難しさが今回最大の誤算であったが、ソリストたちもあれだけ吹 ければ上出来だし、合奏ではなかなか感じられなかった一体感(そう、今年のテーマは「oneness」ですよ)がいちばん感じられた演奏だったし、司会を 担当していただいた方からも「いちばんよかった」というコメントをいただいた。

《プスタ》の第2楽章は直前に副指揮者くんと打ち合わせたことを踏まえて、練習とはぜんぜん違う振り方をしてしまった(のは気付かれていた?)のだ が、意図通りの音楽(つまり合奏の成果ではなく、その指揮の成果)が出てわりと満足。細かいミスがあったが全体的な流れはあれでいいでしょう。

《ヴェスヴィアス》の変拍子のリズム感はアルトサックスが最初に演奏するテーマで決まり、そのテンポ感は序奏のテンポがいかに安定するかで決まる。 序奏はティンパニやマリンバの8分音符のパルスを大きめに出すことで安定したし、アルトサックスのソロもその後の音楽の原型としては申し分のない安定性 だった。結果、だれることなく全曲が流れたのはかなりうまくいった証拠なのではないかな。「ノリ」がよくなったせいで音が暴れて少々荒くなったきらいはあ るが、まあ曲の持つ雰囲気から考えれば問題ない。

《カンツォーナ》は、フレージングの課題が克服できなかったのがちょっと残念。 まあ、この曲を「聞かせる」のはものすごく大変。 こういう希少な曲を演奏できただけでもありがたいと思わないと。

メンデルスゾーンの《序曲》は、やはり他の吹奏楽曲と違い、雰囲気を作るのが難しい。汐澤先生のレッスンでかなりいいところまでいったので、(私も含めて)安心してしまったのか、ちょっと詰めが甘かったかも。 ここまでハードな曲である必要はないが、古典的な曲を取り上げるのも新鮮な発見があるのでこれからも続けたい。

《ディエス・ナタリス》も、練習回数が多かっただけに(しかも体力的にきついために)ちょっとモチベーションのピークが過ぎてしまっていたのか、「ある程度」のところで留まってしまった感のある演奏。そういう意味でも難しいのかも。

バンドジャーナル7月号

バンドジャーナル2008年7月号が届く。

演奏会告知に積志ウィンドアンサンブルの定期演奏会の案内が無事掲載されていたのでほっとしているのであるが、普通に依頼すると演奏曲順で掲載できるところまで掲載されてしまうのだなあ。そうすると、いわゆる「目玉」が掲載されなくなってしまうのだなあ。

ということで、あらためてご案内。

【積志ウィンドアンサンブル第27回定期演奏会】

開催日:2008年7月6日(日)
時間: 13:30開場 14:00開演
会場: 浜松市教育文化会館
入場料:500円(全席自由)
曲目: バンドワゴン(フィリップ・スパーク)
プスタ(ヤン・ヴァン=デル=ロースト)
詩的間奏曲(ジェームズ・バーンズ)
ヴェスヴィアス(フランク・ティケリ)
カンツォーナ(ピーター・メニン)
管楽合奏のための序曲作品24(フェリックス・メンデルスゾーン)
ディエス・ナタリス(ハワード・ハンソン)

第1部は比較的新しい年代の吹奏楽作品を(今回はあえて脱アルフレッド・リードで)、 第2部は古典的なレパートリーとして、200年ほど前に書かれたメンデルスゾーンの作品と、アメリカで書かれた優れた作品2つという構成になっています。

「吹奏楽の演奏会」という意味で、世界中のどこに出しても恥ずかしくないプログラムだと自負しています。特にハンソンの代表作ともいえる大曲《ディエス・ナタリス》や、隠れた名曲《カンツォーナ》はなかなか生で聞く機会は少ないのではないかと …..

演奏はいっぱいいっぱいですが(苦笑)、がんばっていますので、ぜひお誘いあわせの上、ご来場をお待ちしています。


気の早い話であるが、8月号の付録楽譜はシベリウスの《アンダンテ・フェスティーヴォ》だそうで。 シベリウスらしい雄大な雰囲気を持つ小品。原曲は弦楽合奏にティンパニが加えられている。

大学時代に先輩が木管・金管10重奏(いわゆる木管五重奏+金管五重奏)のために編曲したものを演奏した。 (ピンとくる人はピンとくると思うが、アルフレッド・リードにも同編成のアンサンブル作品がある。この作品を取り上げたときに抱き合わせたレパートリーである。)

その後もこの作品を演奏してみたくて原曲のスコアを買ってみたりしたのだが、編曲が大変で挫折していたのである。ぜひ取り上げてみたいなあ。

私が持っているのは BIS レーベルのヤルヴィ/エーテボリ交響楽団の演奏。交響曲第5番とのカップリングである。

プロムナードコンサート

毎年恒例のプロムナードコンサート。 ずっと浜松駅前で行われているのであるが、昨年からは政令指定都市への移行で旧浜北市の遠州鉄道「浜北駅」前でも開催されている。 私の所属する積志ウィンドアンサンブルは昨年から、この浜北駅前でのコンサートに出演している。

  • ビリク/ブロックM
  • ちびまる子ちゃんメドレー(Winds Score 版)
  • NHK大河ドラマ「篤姫」メインテーマ(バンドジャーナル付録版)
  • ムーンライトセレナーデ(ソニックアーツ版)
  • ジャパニーズグラフィティーV
  • アフリカン・シンフォニー
  • What a Wonderful World(Winds Score 版)
  • サンダーバード

ステージは浜北駅前広場の片隅に設置されていた。 背面と上手側に建物があるような位置である。 指揮者の位置で聞いていると、普段は聞こえにくいホルン(下手側ひな壇)や中低音(上手側)がかなりクリアにバランスよく聞こえていたのだが、客席で聞いていた人によるとクラリネットやトランペットなどがかなり消されてしまっていたということだった。 まあ、初めての場所は難しい。

手馴れた曲、イメージがつかみやすい曲が多かったので、演奏には概ね満足。 ただ、こういうポップス系の曲が続く中で「篤姫」のようなしっとりした曲をいかに聞かせるかが課題である。 (これは今度の定期演奏会のプログラムの流れでも言えることなのであるが …)

コンサートの日程が妻の仕事と重なってしまって子守ができないので、おばあちゃんに来てもらって息子の面倒を見てもらった。 ふだん何かにつけて叱っているお父さんお母さんと違って、おばあちゃんは絶対に怒らないので息子もかなり甘え放題である。 (戦略に長けているのか、本やジュースやアイスクリームもしっかりゲットしていた …)

ちなみに息子の感想は「ちびまる子ちゃん、うるさかった。」 (そういうお前が演奏中に「あ、電車!」と叫んだのをお父さんは聞いていたぞ)

今日の積志ウィンドアンサンブル

後半が団員総会なので、一曲だけ音出しをする。 予想以上に「ちゃんと」音出しできたのが収穫。 しかし、こういう対位的な曲は声部間のバランスをちゃんととらないといかんなあ。 団員が「RVW の《トッカータ・マルツィアーレ》みたい。」と言ったのは言いえて妙かも。

今年の定期演奏会用の曲を編曲中。 楽譜を取り寄せて音出ししてみたものの、かなり厚ぼったくなってしまうので原曲通りの(あるいは原曲に近い)編成でやってみようと思い立ったわけである。 そういうわけで、編曲といっても transcription ではなく adaptation とでもいった方がいい。

案の定、コンサートマスターからは完成をせかされる。 やっぱりクラリネットパートから手をつけておいてよかったなあ(笑)。

結婚披露宴

所属する吹奏楽団の団員同士の結婚披露宴での演奏。

  • バッハ/主よ、人の望みの喜びよ
  • Mr. Children/君が好き
  • 服部隆之/HERO – Main Title –
  • ヘンリー・マンシーニ/ムーン・リヴァー
  • マスカーニ/歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》より間奏曲
  • アラン・メンケン/ホール・ニュー・ワールド

バッハとかマスカーニとかはこういう場で演奏するにはかなり神経を使う曲だと思うのだが、演奏は概ね満足。

出のタイミングを間違えそうになったりとか、終わる予定ではないところで自然にフェードアウトした(アクシデントとは思えないほど自然だったけど)とか、本番にはありがちのアクシデントはあったけど、こういうのは不可避なので臨機応変に対応できるといいですね。

新年会などなど

「レコード・コレクターズ」2008年2月号は2007年のリイシュー・ベスト10特集。

記事を見ていたら、雪村いづみさんの「スーパー・ジェネレイション」が昨年リマスタリングされてリリースされていたことに気付く。 ちょうど外出する用事があったので、タワーレコードに寄ってみる。

昭和アーカイブス スーパー・ジェネレイション

服部良一の作品を、雪村いづみが歌い、キャラメル・ママが歌うという好企画盤。 とりあえず知っているところで《銀座カンカン娘》を聞いてみるが、伴奏はもろにリトル・フィートを髣髴とさせる。

アワー・コネクション

上記の「スーパー・ジェネレーション」と同じシリーズで再発。 こちらはキャラメル・ママがいしだあゆみのバックを務めている。

ヨシュア・トゥリー~スーパー・デラックス・エディション(初回限定盤)(DVD付)

U2 の名盤「ヨシュア・トゥリー」のデラックス・エディション。 当初は迷っていたのだが、先日のベスト盤(というか付録のライヴ DVD)に打たれた私としては買わざるを得ない。

このアルバムに収録されている《With or without you》は 1980 年代を代表する名曲だと思う。

*****

夜は、所属する積志ウィンドアンサンブルの新年会。

毎年この場で「今年のテーマ」を発表しているのだが、何か最近形骸化しているような気もするなあ。団員一人一人に毎年のテーマに対する回答を出して欲しいんだけどなあ。

とはいえ、毎年楽しみにしている(?)団員もいるらしいので、発表させていただいた。今年のテーマは「oneness」。一つであること。下手に説明するよりは各自で咀嚼して欲しいなあ。

で、この新年会のあとの深夜12時を選曲会議の決定最終期限に設定しておいたので(笑)、必然的にその手の会話が多くなる。メールでの議論もいいけ どフェイス・トゥ・フェイスの議論も大事だね、というか酒が入ったところでこういう議論をすると本音が出ていいかもね。とりあえずは無事に決まったと言っ ていいのではないかな。プログラム的にはここ数年の演奏会の中では非常に満足している。「吹奏楽の優れたオリジナル作品を演奏する」ことを活動目的にして いる我々としてはどこに出しても胸を張れるプログラムだと思う。あとはどこまで完成度を上げられるか、である。

あまりいい酔い方ができなかったので、いろいろ思い返すと少々自己嫌悪。

今日の積志ウィンドアンサンブル

今年最後の合奏。

とりあえず、突破口は「伸ばしている音でもビートを感じる」「音の立ち上がりの形を合わせる」だろうか。これができればかなり聞き映えが変わると思うのだが。

定期演奏会まであと半年でどのくらい向上するかわからないが、さしあたっての目標である。

練習後、定期演奏会に向けた選曲会議。 「今日で全部決める」という目標は達成できなかったものの、大筋の流れはまとまる。 笑ってしまうような流れであるが、それでもちゃんと流れはある。

吹奏楽は演奏時間が短い曲が多いので、その並べ方でお客さんが受ける印象も変わる(言葉は悪いかも知れないが、別の言い方をすればコントロールできる)のではないかというのが私の持論である。

そういうことで、各ステージの最後の曲へ向かう流れを大事にして曲を配置して行っているつもりである。

適切な曲を配置するに当たって、事前に考えた自案が却下されるとなかなか進展せず(さすがに案を複数練っている時間はないので …..)煮詰まってしまうのであるが、今年は新入団員の M 君という強力な助っ人が現れた。

彼は、私(あるいは私を含めたおじさんたち)が持っている引き出しとは全然別の引き出しを持っている。我々が煮詰まっても別の曲が出てくると助かるのである。

ということで、私の引き出しと彼の引き出しから出された曲がうまい具合に絡みそうである。おそらく、いつもとは多少違う味付けのメニューになると思うので乞うご期待。

(誰が期待しているんだ?)