アルゲリッチ第3の箱

マルタ・アルゲリッチのボックスが着々とリリースされています。第1弾がソロ作品、第2弾が協奏曲だったのですが、第3弾の室内楽ボックスが届きました。

で、まず聞き始めたのがこれ。バルトークの《2台のピアノと打楽器のためのソナタ》、ラヴェルの《マ・メール・ロワ》と《スペイン狂詩曲》というカップリングです。

ちなみにラヴェルの作品はバルトーク同様、2台のピアノと2人の打楽器奏者のために編曲されています。

期待通り《マ・メール・ロワ》がいちばん楽しめました。アルゲリッチがソロで弾いたシューマン作品集の《子供の情景》でも感じたのですが、個人的にはちょっと力を抜いて幻想的な曲想を弾いた時のアルゲリッチが肌に合うような気がします。この《マ・メール・ロワ》のすっきりしたオーケストレーション、金属打楽器とピアノの余韻などが心地よいです。

バルトークは予想通りというか、かなり大仰な音楽になってしまっています。エモーショナルです。ただ、エモーショナルということは弛緩⇔緊張という、いわば「波」を繰り返すことによって曲を構成するということなのだと思いますが、こういう「波」はバルトークの音楽には不要なのではないかと思います。ぴんと一本通った緊張感がないとどうしてもリズムやフレーズが甘くなってしまうのではないでしょうか。どっかんどっかんやられてもちょっとな … という感じです。

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