やはり体内時計は正確です。サマータイムが終了したので今日から時間がずれたのですが、午前7時30分(昨日までの午前8時30分)に目が覚めました。ちなみに部屋の中にあるパソコン、テレビのチューナーは自動的に補正されました。炊飯器が補正しないのは当たり前なのですが、iPhone は逆に時計が1時間進んでしまいました。標準時の設定が間違っているのかなあ?
昼食はご飯を炊いて、昨日買ってきた材料でチリ・コン・カルネを作りました。「作った」とは言っても、挽き肉を炒めて水とソースの素を入れて、缶詰のキドニービーンズを混ぜて煮込むだけなので包丁すら使いませんでした。IH 調理器の火加減(IH 加減?)もだんだんわかってきました。ガスに比べて暖まるまでにかなり時間がかかって、一定の温度になってからは安定しているような気がします。
チリ・コン・カルネは想像よりスパイシー。ドイツは日本と比較して辛さが控えめなので、辛くなかった場合に備えてチリパウダーを買ってみたのですが必要なかったようです。(しかし、香辛料だけが充実していっているような気がするなあ …)
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さて、今さらですがおさらいを。ハンブルクには3つの主要なオーケストラがあります。「主要な」というのは、ハンブルク随一のコンサートホールであるライスハレで定期演奏会を開催している、という意味です。
一つはハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団(Philharmoniker Hamburg)。ハンブルク歌劇場やハンブルク・バレエでの演奏も担っています。常任指揮者はシモーネ・ヤング。
それから北ドイツ放送交響楽団(NDR Sinfonieorchester)。北ドイツ放送(NDR)が運営するオーケストラで、通常の定期演奏会の他に、ジャズバンドの形態での演奏会、現代作品をとりあげる演奏会(NDR das neue werk シリーズ、先日のグバイドゥーリナの作品展もこのシリーズです)など多彩な活動を行っています。常任指揮者はクリストフ・フォン・ドホナーニ。
もう一つがハンブルク交響楽団(Hamburger Symphoniker)。活動の規模は上記2つのオーケストラに比べると小さいですが、独自のプログラムで定期演奏会を開催しています。常任指揮者はイギリス人のジェフリー・テイト。
というわけで、今日は初めてこのハンブルク交響楽団の演奏会を聞きに行きました。
Sonntag, 25. Oktober 2009
2. Symphoniekonzert 19.00 Laeiszhalle, Großer Saal
Dirigent: Dmitri Jurowski
Andreas Brantelid, Violoncello
Stephen Beus, Klavier
Trompetenklasse Matthias Höfs
Die jungen Wilden
Janáček / Sinfonietta für grosses Orchester
Dvořák / Violoncellokonzert h-moll
Janáček / Concertino
Dvořák / Scherzo capriccioso
「Die jungen Wilden (若き蛮勇)」と題された演奏会。ヤナーチェク、ドヴォルザークというチェコ生まれの作曲家の作品を集めています。地下鉄の構内に貼られていたポスターには「1人の指揮者、2人のソリスト、14人のトランペット」と書かれていました。なかなか秀逸なコピーだと思います。まあ、やはりこの演奏会に行きたいと思ったのは11本のトランペット(うち2本はバストランペット)で演奏されるヤナーチェクの《シンフォニエッタ》の第1楽章と第5楽章を生で聞いてみたかったからなので(オケの編成に含まれる3本のトランペットは第1楽章では演奏しません)。ドヴォルザークのチェロ協奏曲ではもちろんチェロが、それからヤナーチェクのコンチェルティーノではピアノがソリストとして活躍します。
指揮者のドミトリ・ユロフスキはロシア生まれです。全般的にどっしりとした、いい意味で洗練されていない音楽を作り出します。ヤナーチェクやドヴォルザークの音楽には合っているのかなと思いました。《シンフォニエッタ》は少し傷はありましたが、今までに聞いた演奏の中でいちばん濃密だったように思います。第5楽章の後半、一発のシンバルをきっかけに別働隊のトランペットがユニゾンで登場するところは、やはりゾクゾクします。下にも書いていますが、CD ではなかなか感じることができなかったヤナーチェクのオーケストレーションの、ある種の歪さを生演奏から感じることができたのが収穫でした。
ドヴォルザークの《チェロ協奏曲》は、オケの濃密さと、ソリストであるアンドレアス・ブランテリードのすっきりとした演奏がミスマッチかなと思いましたが、楽章が進むにつれ、オケに引っ張られて(?)ソロがどんどん奔放になっている印象を持ちました。アンコールはバッハの無伴奏チェロ組曲(何番だろ?)のサラバンドでした。
休憩後はヤナーチェクのコンチェルティーノ。ピアノ、2本のヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ファゴット、ホルンという編成で、指揮者はいませんでした。《シンフォニエッタ》でも感じましたが、ヤナーチェクのオーケストレーションは相当変です。例えば、あくまでも従的なパッセージに演奏しにくい音域を当てるとか、目立たないところで執拗にモチーフを繰り返させるとか、どう考えても噛み合わない楽器を組み合わせるとか。それが作曲家としての独自性を際立たせているのだと思いますが。
ドヴォルザークの《スケルツォ・カプリツィオーソ》はそれほど有名な作品ではないと思いますが、代表作である《スラヴ舞曲集》に雰囲気が似ています。スラヴ舞曲集第1集の第1番や第8番に見られるフリアントのリズムをはじめとするボヘミア地方の舞曲スタイルをベースにした音楽です。
演奏会のテーマと指揮者のスタイルが同じ方向を向いていて、非常に楽しめる演奏会でした。今回もまた全然違う席で聞いたので単純比較はできませんが(ちなみにこんな席でした。↓)、このオケ、音がでかいです。特に木管楽器の存在感の大きさが記憶に残りました。
ライスハレの最寄り駅は Gänsemarkt なのですが、今日は少し時間に余裕があるのと、乗り換えが面倒臭かったので、Jungfernstieg から歩いていくことにしました。その結果、こちらのブログで紹介されていて気になっていた、ケルンのビールが飲めるというお店を見つけることができました。明日行ってみようかな。
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今日のハンブルガー SV。シャルケ相手に常に先行していたにもかかわらず、最後に追いつかれて結局 3-3 の引き分けでした。得失点差はかなり詰めたのですが、依然としてバイエル・レバークーゼンに次いで2位です。
ヤナーチェクのシンフォニエッタ
ミーハーなもんで、1Q84なんぞ読
んだんで(笑)
あ、それだけです。。。
レルラ島さま:
「1Q84」、BOOK 1 と BOOK 2 の前半は日本で読み、BOOK 2 の後半はハンブルクの仮住まいのホテルで読んだことを思い出しました。なので、手元には BOOK 2 しかありません。読み返そうにも …..
ちなみに吹奏楽部的には第1楽章をコンクールで取り上げるのは現実的にあり得ないと思います。
今度こちらに来られる時は、ぜひ「ノルウェーの森」を機内で読んでくることをおすすめします。
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