Dienstag, 13. Oktober 2009, 19:30 Uhr
Deutsches Symphonie-Orchester Berlin
Ingo Metzmacher, Dirigent
David Fray, Klavier
Ligeti: Lontano
Beethoven: 3. Klavierkonzert op. 37 c-Moll
Bartók: Konzert für Orchester Sz. 116
指揮者のインゴ・メッツマッハーは2004/2005 年シーズンまでハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者とハンブルク歌劇場音楽監督を兼任していました。特に20世紀音楽については定評があります。ハンブルク・フィルのジルヴェスター・コンサートで企画していた「20世紀音楽なんか怖くない」シリーズとか、カール・アマデウス・ハルトマンの交響曲全集とか、ベルクの《ヴォツェック》やノーノの《プロメテオ》などの現代オペラとか、アンサンブル・モデルンとの諸作品とか。一度生で聴いて(見て)みたかった指揮者です。
ピアニストのダヴィッド・フレイは1981年フランス生まれのピアニスト。第5回(2003年)浜松ピアノコンクールで奨励賞を受賞しています。バッハとブーレーズを組み合わせたアルバムを出していたりします。
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いつものように早めに退社→着替え→電車(Sバーン)で Jungfernstieg まで→そこからライスハレまで徒歩というパターンです。夕食は、最近ほとんどライスハレとペアになっている「EDEL CURRY」のカリーブルストを食べました。
(飲みかけで見苦しくて申し訳ありませんが …)ビールはシェーファーホッファー(Schöfferhofer)のヴァイツェン。これもヴァイツェンの中では好きな銘柄です。Franziskaner 同様、ヴァイツェン特有の濁り感がおいしいのです。
ライスハレまでの歩きながら気がついたのですが、時間に余裕があるときはライスハレの近くにある日本料理屋の「小紋」で夕食を食べるという手もありました。今度からそうしようと思います。
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この演奏会は、ハンブルクを本拠地とする楽団の自主公演ではなく、ProAlte というプロモーターが招聘している演奏会です。そのせいなのかどうかわかりませんが、プログラムが無料で、クロークも無料でした。まあ、どうでもいい話ですが …
《ロンターノ》は「明るい部屋から真っ暗な部屋に入った時、最初は何も見えないが目が慣れてくると少しずつモノが見えてくる」というイメージの曲ら しいのですが、ピアニシモの堆積のような作品です。デュナーミクとか音色とかも含めて緊張感とのせめぎあいがキモだと思うのですが、緊張感を持続させるだ けの緻密さが感じられませんでした。オープニングには適さない曲じゃないかなあ …
レパートリーから想像するに、メッツマッハーは端正な指揮をするのかと思っていたのですが、かなり踊ります(笑)。ちなみに指揮棒は持っていませんでした。現代モノではおそらくそんなに目 立たないのだと思いますが、これまた意外に表現の彫りが深いです。ベートーヴェンのピアノ協奏曲のフレーズのアーティキュレーションとか、アゴーギクと か、「そこまでしなくてもいいだろう」というくらい濃密です。こういうアプローチは聴き手の好みとあった場合には効果的なのでしょうが、どうも私には合わなかったようで、フレイのピアノも相まって全体的に違和感ばかりを感じていました。前日リファレンスとして聞 いていたエマールとアーノンクールの演奏が非常にすっきりしていたせいもあるかも知れませんが。第2楽章はよかったと思います。
予想通りというか期待通りというか、やはりバルトークの《管弦楽のための協奏曲》が楽しめました。ベートーヴェンで感じた違和感もこの曲ではいい方に作用したのだと思います。全曲を聴くのはえらく久しぶりのような気がするのですが(そういえば浜松交響楽団の演奏会は予定が合わなくていけなかったんだなあ …)、久しぶりに聴くと新鮮ですね。この曲は、なぜか生涯2冊目に購入したフルスコアで(1冊目はもちろん《春の祭典》)、その昔、スコアを見ながらショルティ/シカゴ響の演奏を一所懸命聴いていました。
メッツマッハー自身も、そして聴きに来ているお客さんもメッツマッハーの「凱旋」であることは意識していたようで、拍手の大きさからもそういう雰囲気が感じられました。アンコールで行進曲を1曲(曲目不明、何だろう?)やったのですが、もうほとんどサービスのような感じでギミックだらけでした(笑)。
ほぼ毎回聴いている席が違うので、席が原因なのか、オケが原因なのかよくわかりませんが、今日の席(フロア席のほぼ中央)ではバランス的に弦がかなり聞こえていて、管楽器があまり飛んできませんでした。やはり、2階以上の席の方がいいのかなあ?