冬休みの読書その2(やっと終わりました)

映画化が決まったということなので冬休みから読んでいた山崎豊子の「沈まぬ太陽」。やっと読み終わった。

細かい内容はウィキペディアででも読んでいただくとして … 文庫本で全5冊。「アフリカ篇」が2冊、「御巣鷹山篇」、「会長室篇」が2冊という構成である。「事実に基づき小説的に再構築したもの」ということなので、ほとんどの登場人物にはモデルとなった実在の人物がいる。小説の内容のどこまでが事実でどこまでが創作なのか、ということはそれほど重要なことではないと思う。(小説の中の人物が、そのモデルとなった人物とは反する行動を取ったということを理由に、この小説を批判する文章もあるが、それはおかしいと思う。)とはいえ、日航機墜落事故を描いた御巣鷹山篇はほとんどノンフィクションといえそうなリアリティがある。もちろん細部はフィクションであるが、受ける印象は吉岡忍のノンフィクション「墜落の夏」と変わらない。

3部構成の体裁を取っているが、それぞれの関連は小さい。もともと雑誌連載だったので、ところどころで登場人物のそれまでの行動を要約する記述もある。別々に読んでもまったく差し支えないと思う。逆に5冊を通して読んだときの充実感もそんなに大きくない。いろいろな登場人物の私利私欲がうごめく最後の「会長室篇」が典型的なビジネス小説なのだろうが、私はそういう分野に疎いし、登場人物が多くなるとそれらの人間関係と行動を整理するのがわずらわしくなる。ということで最後はかなり流し読んでしまった。

しかし、これをどう映画にまとめるのだろう?(3部作?)

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