月別アーカイブ: 2007年6月

打ち上げの打ち上げ

「定期演奏会の打ち上げ」の打ち上げということで、吹奏楽団の面子でビアガーデンへ。

外メシが好きで、しかも久しぶりにお姉さんたちにかまってもらった息子は明らかにハイになる。ポテトや枝豆をボリボリ食べて夜中は大変なことになりましたとさ …..

昼間買った CD たちなど。

オン・ザ・ショア(紙ジャケット仕様)

GOLDEN GRAPEFRUIT(初回限定盤)(DVD付)

日本の吹奏楽の祭典「吹楽IV」

パ-カッション アンサンブル 邦人作品集

ピアノの森 14 (モーニングKC)

UA も回帰か

かしくんに聞かせてもらった UA の新譜。

気に入ったので買ってしまった。

Golden green

こちらもビョークの新譜「ヴォルタ」のように、以前の作風に戻った感じ。 最近のアルバムではかなり先鋭的になっていて息苦しい雰囲気を感じていたのであるが、わりと素直に歌が前面に出ている。

多彩さという点では以前のアルバム「アメトラ」の方が勝っているような気もするが、今回は全体的に穏やかな雰囲気が漂っている。

積志ウィンドアンサンブル第26回定期演奏会

第1部

  • ジャック・スタンプ/ガヴォーナ・ファンファーレ
  • デヴィッド・ギリングハム/フォスターズ・アメリカ
  • ヴァーツラフ・ネリベル/フェスティーヴォ
  • グスターヴ・ホルスト/第二組曲

第2部

  • レックス・ミッチェル/大草原の歌
  • エリック・ウィテカー/オクトーバー
  • アルフレッド・リード/オセロ

アンコール

  • リロイ・アンダーソン/シンコペーテッド・クロック
  • バリー・グレイ/サンダーバード

演奏会直後に「よくも悪くも練習通り」とコメントしたら、昨年の演奏会でも同じことを書いていた …..


えっと、今だから話せる話。

今年は珍しく暗譜でいけそうだったので、最初から指揮者用の譜面台を出さないことにした。(ひょっとして副指揮者くんには密かにプレッシャーをかけたことになっていないかちょっと心配)

まさか《オクトーバー》を暗譜で振れるようになるとは思っていなかったのだが、曲の構成というか流れが頭に入ると意外と問題なく振れるものだ。この曲は全体にいい感じの流れができたのではないかな。演奏者のお子さんがこの演奏を聞いて涙を流したと聞かされてすごく感動。

実は《大草原の歌》のように拍子もテンポも一緒で曲想がいきなりコロコロ変わる曲の方が暗譜しにくいのではないかと思っていた。これは次の曲想の兆 しとなるモチーフをちゃんと目立たせることによって次の展開への準備とした。テンポの速い部分では、テンポが定まったらそのまま突き進めるように音楽を大 きく取って(基本的には叩き止め+撥ね上げか大きな2拍子)音楽の流れを邪魔しないようにした。 (この日は全体的に少しテンポが前のめりになる傾向があったので、アレグロになった直後はテンポを抑えなければならなかったけど)

《ガヴォーナ・ファンファーレ》は、もうオープニングに置いただけで成功である。 この曲で演奏会を始めることによって、聞いている方々に大きなインパクトを与えることができる。演奏は(やはり)中間部のフーガでテンポがばらついてしまった。

《オセロ》。1楽章と2楽章はなかなかいい出来だったが、だんだん演奏者がばててきているのがわかった。第1楽章で「入れ込み」過ぎたかなあ?後半 楽章はやはりテンポが前のめり気味で少し淡白になってしまったか。汐澤先生の言葉を借りるならば「音楽が熟する前に動いてしまった」ような。

《第二組曲》は、演奏者との「対話」が楽しめた。こういう雰囲気は初めて感じたかも知れない。第4楽章はユーフォニアムのソロとテューバのソロを経 て、テューバとピッコロの掛け合いで終わるのであるが、テューバのソロを振っている間、早く曲が終わって欲しいような、終わって欲しくないような不思議な 高揚感があった。 (実は、あと1秒拍手が長く続いていたらもう一度ステージに戻るつもりだった。拍手が終わったあとにステージに出て行くのも間抜けなので止めてしまったん だけど。)

….. といったあたりが今思い返してみての感想。


終了後、いろいろな人と話をしたが、すっきりした顔の人が多かった。 それなりにうまくいったのかなあ? 誰も泣かなかった演奏会というのは久しぶりではなかろうか(笑)。

それはそれとして、演奏面は依然克服すべき課題がたくさんある。 それを聞きに来てくださった方にズバリと指摘されてしまうのはどうかと思うが、逆に考えると演奏者としての我々が捉えている問題が正しいということも言えるのか。

まあ、また来年がんばりましょう。

huey くんはじめ、聞きに来てくれた(そして、アンケート用紙において打ち上げでの格好のつるし上げネタを提供してくれた(笑))友人たち、本当にありがとう。

そして、朝7時からの町内会の草刈りに私の代わりに行ってくれ、私が家に置き忘れた白シャツを本番前に届けてくれた妻にも感謝。

演奏会直前だってのに …..

演奏会直前だってのに、仕事は佳境だわ、息子は突発性発疹になるわ、風邪をうつされたみたいだわ、どうなるんだろう …..

ところで、演奏会の直前になるといつも頭に浮かぶ曲がある。LOVE PSYCHEDELICO の《裸の王様》という曲(「LOVE PSYCHEDELICO III」所収)である。 表現者としてステージの上にいる自分とそれを見ている聴衆とのズレ、伝えたいことが伝わらないもどかしさについて歌っている曲なのだと思う。(確か、この時期に活動停止を考えたことがあるというインタビューを見たような覚えがある。)

どんなに一所懸命でも伝えようとしていることが100%伝わらないことがわかっているから、彼らは「私達何か叫び足りないの」と歌うのであるが、そ の一方で時にはちょっとしたことで奇跡がもたらされることを知っているから「私達何か取り憑かれたいの」と歌うのである。このアンビバレントな思いは、と てもわかるような気がする。

6/24 には甘美な奇跡が訪れますように …..

ヒカシュー

「父の日」だというのに、お父さんはひとりでライヴに出かけてしまうのでした。

浜松・天神蔵ギャラリーでのヒカシュー・ライヴ。かれこれ四半世紀くらいヒカシューを聞き続けているのだが、生で見るのはもちろん初めて。

新曲何曲かも含めて最近のアルバム(「転々」とか「入念」とか)からのレパートリーが多かったが、懐かしの曲も何曲かあった。

ラストの曲は《パイク》(2nd アルバム「夏」収録)。そしてアンコール1曲目は印象的な5拍子のベースのリフから始まる《プヨプヨ》(1st アルバム「ヒカシュー」収録)。このあたりは感動して涙が出そうになった。

OMEGA POINT

そういえば、OMEGA POINT からリリースされている「日本の電子音楽」シリーズがそろそろ入手しにくくなっているなあ、と思ったのでまとめて買っておくことにした。

  • Vol.1 湯浅譲二/葵の上
  • Vol.2 湯浅譲二・秋山邦晴/ひとみ座人形劇の音楽
  • Vol.3 諸井誠・安部公房/音楽詩劇《赤い繭》
  • Vol.4 湯浅譲二/舞踊劇のための音楽
  • Vol.5 一柳慧/ミュージック・フォー・ティンゲリー

Vol.1 は発売当時購入していたので、今回は残りをまとめて購入しようと思ったのだが、Vol.2 だけは未だに入手できず。これだけが支持される理由があるのか知らん。

ということで、Vol.3 から聞いてみる。

《赤い繭》は安部公房の短編小説をもとに NHK のラジオドラマのために作られた音楽劇。公開演奏も想定して作曲していたということで、放送後にパントマイムも加えて再演されたらしい。帰る家(=休める 場所)を探している男が最終的に繭になり、やっと休める場所ができた、という、なかなか不条理なストーリー。

電子音だけでなく、室内楽やオンド・マルトノ、合唱もあわせて使われており、ナレーションによってストーリーが進んでいくので、聞いていてもなかなか面白い。

こういう時代(《赤い繭》は1960年作曲)の電子音楽は、今の耳で聞くと「不器用」あるいは「不便」に聞こえる。そういう不器用さや不便さの中に、逆に作曲者の野心のようなものがはっきり感じ取れるのである。

いわゆる「電子音楽」が電子楽器の急速な発達と相反するように廃れていってしまったのは、本来「音声合成器」であるはずのシンセサイザーが「楽器」としてあまりにも便利になり過ぎたからではないだろうか。

方法論における理論武装の有無はさておき、かつてアカデミックだった「電子音楽」の野心の後継者はエレクトロニカと呼ばれる分野の中にあるのではないかと思うのである。


今月の「レコード・コレクターズ」誌は、いよいよ80年代ロック・アルバム・ベスト100。60年代のビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」、70年代のセックス・ピストルズ「勝手にしやがれ」は「なるほどね」という感じだったのだが、80年代は全く予想がつかなかった。

なんと、トーキング・ヘッズの「リメイン・イン・ライト」。 例えて言うなら、全く期待していなかった息子が運動会のかけっこで一等賞を取ったような気分である。 このアルバム冒頭の《ヒート・ゴーズ・オン(ボーン・アンダー・パンチズ) 》は私の iPod で最多プレイ回数を誇る。

尾道三部作(じゃないよ)

やっと出た、トラヴェリング・ウィルベリーズのボックス。 Vol.1 と Vol.3 に特典 DVD を加えた3枚組。

トラヴェリング・ウィルベリーズ・コレクション

ジョージ・ハリソン、ジェフ・リン、ボブ・ディラン、トム・ペティに(《プリティ・ウーマン》でお馴染みの)ロイ・オービソンが加わった超豪華グ ループである。これだけのビッグネームばっかりだと権利関係のクリアも大変だったと想像される(しかもジョージとロイ・オービソンは物故している)。長い 間廃盤だった ….. と言っても、私はリアルタイムでは全然興味がなかった …..

なぜトラヴェリング・ウィルベリーズのアルバムには Vol.2 がないかというと、Vol.1 でのロイ・オービソンとの共演に気をよくしたジェフ・リンが、今度は《悲しき街角》でおなじみのデル・シャノンと組んで Vol.2 を作ろうとしたのである。ところが、この Vol.2 の完成前にデル・シャノンが亡くなってしまったので、Vol.2 は永久欠番とし、4人だけで Vol.3 を作ったというわけなのである。

輸入盤の豪華ブックレット付きボックスを予約したあとで日本盤(おそらく通常の3枚組だろう)の発売が決まったりして、キャンセルしようかどうしようか悩んでいたのだが、すでに予約を締め切ったストアも多いということを聞いたのでそのまま購入することにした。

幸い、輸入盤でも DVD はオール・リージョン、しかも日本語字幕入りだったので、これで日本盤は買わなくても大丈夫なはず。

先日のミカバンドの再結成でも感じたのであるが、非凡な人たちが集まるとシンプルでありながら他には真似が出来ないワン・アンド・オンリーなものができあがってしまうのが、やはり凄いのである。

Vol.3 のソリッドなまとまりよりも、Vol.1 のリラックスしたラフさ加減と唯一無二のロイ・オービソンのヴォーカルを取りたい。

….. で、「尾道三部作」の件ですが …..「レコスケくん」をお読み下さい。

京都へ

友人が来日中なので、会うために休暇を取って京都へ出かける。

前回会ったのは確か5年ほど前だったと思うし、前回来日したときにはスパムメールにまぎれてメールを読み飛ばしてしまい、コンタクトを取ることすらできなかった。

京都駅で落ち合うが全然変わっていない。

傍から見ていると完全に「日米吹奏楽ヲタクの会話」なんだろうなあ ….. (彼のガールフレンドも私の妻を全く口を挟まない(苦笑))と思いつつも、久しぶりに情報交換をする。

彼の興味は「日本における吹奏楽」なのだが、その範囲は本当に多岐に渡っている。だから、そのあたりの研究成果についての出版計画があるのだが、ど ういう分野の研究成果として出版するかの判断が難しいためになかなか進展していないのだそうだ。「日本の音楽についての研究」なのか「日本の教育について の研究」なのか …..

今回の来日でも積極的に取材活動を行っているようだ。大阪市音楽団の定期演奏会を聞きに行ってヨハン・デ=メエイや同団の関係者に会ったと言ってい たし、天野正道さんや真島俊夫さんや松下功さんにインタビューしたと言っていた。私が「松下さんは日本の吹奏楽界での捉えられ方が天野さんや真島さんとは 異なっている」というコメントをすると「わかっている」と言っていたので、まあ、わかっているのだろう。

前回会ったときには彼が気に入っているというCDをもらった。今回は私もプログラムノートを書いた「BCL7 メトセラII」を渡そうと思って持って行ったのだが、彼もやはり、また CD をプレゼントしてくれた。

ユナイテッド・ウィ・スイング

今までサルサの CD は買ったことなかったのでいいかも。