日別アーカイブ: 2004 年 7 月 15 日

東京出張

出張。新宿アルタ地下の「ハイチ」がなくなっていて残念。ここのドライカレーとコーヒーはなかなかのお気に入りで、出張ででかけた時の昼食としてよく利用していたのであるが …

タワーレコード新宿店にて、アルソ出版の雑誌「Wind-i」を見ていたら、伊藤康英さんの《木星のファンタジー》の吹奏楽版が掲載されているのを発見。この作品は平原綾香さんの《JUPITER》が流行るずっと前から(笑)作られていたのである。

《木星のファンタジー》には(例によって)さまざまな編成による版があるのだが、この吹奏楽版はマジカル・サウンズのために書かれた《木星のファンタジー 2001》(編成は Fl. Cl. Sax. Hrn. Trp. Trb. Tub. Perc.)をもとにしている。木管を主体とした抒情的な部分に、デキシーのようなテンポアップした中間部が挿入されるような構成になっている。この中間部がかなり難易度が高いことは康英さんも心得ているようで(笑)、ばっさりカットするという案も書かれている。

先月も来たばかりなので、特に欲しいものもない。今月はブライアン・イーノやマイク・オールドフィールドやタンジェリン・ドリームのリイシュー発売が控えているので、とりあえずタワーレコードでなければ買えないものを買うことにする。

Simple Gifts: The Music of Frank Ticheli, Vol. 2

フランク・ティケリの作品集第2弾。9月の定期演奏会でティケリの《シンプル・ギフト》を取り上げることになっている。(ひょっとして日本初演(笑)?)今までは出版社の味も素っ気もない参考演奏だけだったので、他の演奏を聞くために買ってみた。

TAD Wind Symphony

元福岡工業大学附属高等学校吹奏楽部(現:城東高等学校)の指揮者であった TAD こと鈴木孝佳さんの CD。氏ゆかりのいろいろな団体(尚美ウィンドシンフォニーとか UNLV ウィンドオーケストラとか TAD ウィンドシンフォニーとか)による演奏が収められている。

偶然、上記の「Wind-i」にも鈴木孝佳さんと鋒山亘さんのインタビューが載っていた。

Kings of the Blues

上記の CD を買おうと思ってキャッシャーに持って行ったら、カウンターにこの CD が置いてあった。 620円。とりあえず買ってみることにした。 エリック・クラプトンやローリング・ストーンズに敬愛されるブルースの教祖。ほぼギター一本で奏でられる音楽は、先日購入したライトニン・ホプキンスよりも土臭い。 演奏していた酒場で主人の奥さんに迫り、嫉妬したその主人に毒入りのウイスキーを飲まされたのが原因でわずか 27 歳でこの世を去ったらしい。

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出張先が新宿オペラシティだったので新国立劇場の下見に(笑)。 8月に東京初演が行なわれる伊藤康英さんのオペラ《ミスター・シンデレラ》を見に行く予定なのである。せっかく下見に行ったので、ショップで過去の公演のプログラムを買うことにした。とりあえず面白そうだったので、石井眞木さんのバレエ《梵鐘の聲》のプログラムを購入。タイトルから何となく連想できるように平家物語を題材にしたバレエだそうである。ちなみに、このオペラから再構成された交響詩《幻影と死》が遺作となったらしい。つい先日(7月4日)行なわれた「N響 Music Tomorrow 2004」でも演奏されたそうである。この演奏会では望月京さんへの委嘱作品も初演されたそうなので、放送(されるよな?)が楽しみである。

「Music Tomorrow」って毎年尾高賞受賞作品を取り上げていたような気がするのだが、ということは石井作品が尾高賞?

ポール・マッカートニーとアヴァンギャルド・ミュージック―ビートルズを進化させた実験精神

ビートルズとアヴァンギャルド・ミュージックの接点というと、ジョン・レノンの《トゥモロー・ネヴァー・ノウズ》や《レヴォリューションNo.9》が引き合いに出されて、ポールはあくまでも脳天気なポップ・ソングしか作っていなかった … というのが定説になっている。この本は、そういった定説やディスコグラフィでは見えてこないポールとアヴァンギャルド・ミュージックの接点を、ポールの長きに渡るキャリアに沿って丹念に追っている。

ポールがロンドンで行なわれたルチアーノ・ベリオの講演会を聞きに行ったとか、デヴィッド・アレンと共作することになっていたとか、コーネリアス・カーデューの弟子だった EMI のエンジニアと親交があったとか、なかなか面白そうなエピソードが載っている。