暑い。静岡県内では最高気温が30度を超えたところもあるらしい。
近所の某高校に音出し用の楽譜を借りに行く。この学校には古くからの楽譜が「管理された状態」(これが重要!)で揃っていて、かなり利用させていただいている。例えば、かなり昔の課題曲《南極点への序曲》(岩河三郎)や、ジェイガーの《交響曲第1番》がちゃんとした体裁で揃っているのって信じられます?
ということで、フルセットをお借りしてきて、バンドの練習では《メキシコの祭》の音出し。第3楽章の中間部から後半についてはテンポについていけなかったり、フレージングが難しくて指が回らなかったりリズムが取れなかったりして少々てこずったが、何とか最初から最後まで音にすることができた。比較的いい手ごたえだった。第2楽章なんかは初見にもかかわらず概ねいい感じで音楽が作れていたように思う。
全般的な印象としては「オーケストレーションがうまいなあ」ということ。ホルン奏者は「4番ホルンがおいしい」という感想を言っていたが、オーケストレーションについての視点が吹奏楽というよりオーケストラのそれに近いのではないかと感じた。例えば、必要以上に音を重ねずに各楽器のソノリティを大切にしているということ。ホルンとサックスを重ねたりするとサウンドは厚くなるが色彩感が失われてしまう。この作品では、ちゃんと「ホルンはホルン」「サックスはサックス」という使い方をしている。それから、例えばクラリネットではトゥッティで演奏すべき部分と、オケのクラリネットのようにソロあるいはデュオで演奏すべき部分をちゃんと分けて考えていること。などなど。
このようなオーケストレーション、4月12日の日記でも書いたような「交響曲」的なモチーフの展開の仕方、メキシコ民謡のフレージングなど学ぶべき課題はたくさんある。今まであまり注目していなかったが(反省)、確かにいい作品である。
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1964年にアメリカ初上陸を果たしたビートルズのドキュメンタリー。移動中の列車や自動車の中での様子や滞在先のホテルでの様子などのオフステージ・ショットと、テレビ番組「エド・サリヴァン・ショー」での演奏シーンやライヴ映像を交えた構成。すっかりライヴに嫌気がさしていて気が抜けたステージだった日本公演(1966年)などに比べると、まだ生演奏には意欲があって見ていても楽しい。プライヴェートショットでは、そろそろマスコミやファンの攻勢にうんざりしている感じも見受けられるが。