月別アーカイブ: 2004年1月

フルーツ・パフェ

フルーツ・パフェ plays フルーツ・パフェ

伊藤康英さんのフルートアンサンブル作品集。「フルーツ・パフェ」というのは演奏しているアンサンブル(みなさん東京芸術大学在学中とのこと)の名前であるとともに、伊藤さんの作品でもある。

いわゆるフルーツ・パフェ(Fruit Parfait)と、「完璧なフルートたち」という意味のフランス語(Flutes Parfait)をかけた題名。「フルーツ・パフェ」「マロン・ミロンガ」「チョコレート・ダモーレ」「ジェラート・コン・カフェ」という4楽章からなっている。サロンミュージックっぽく洒落た感じの曲である。

「ケニアン・ファンタジー」はもともとピアノ連弾のために書かれた作品であるが、いろいろな編成に編曲されている。これはケニア民謡の旋律を使っていて、構成的にも技術的にも平易に書かれている。聞いても演奏しても楽しめるのではないかと思う。

CDショップではおそらく販売されないと思うので、直接伊藤さんのホームページで問い合わせてみてください。

ウェストサイド物語

某DVDショップの金券が1000円分ほどあって、しかも有効期限が今月末。何とか消化しようとむりやり購買意欲を引き出す(^_^;)。

普段はそれほど考えずにバカバカ買っているくせに、こういう邪な購買意欲の場合はなかなか決まらない。普通に買う場合とくらべて実質的な支出が少ないにも関わらず、どうも貧乏臭く考えてしまうのである。

ウエスト・サイド物語 コレクターズ・エディション [DVD]

で、結局買ったのが「ウェストサイド物語」のコレクターズ・エディション。よくあるように2枚組仕様で、本編が一枚、特典映像が一枚である。ミュージカルである(ミュージカルのストーリーに厳密さを求めるのは野暮というものである)ということを差し引いても、この映画のストーリーにはちょっとついていけないのであるが、やはりバーンスタインの音楽は素晴らしいと思う。冒頭をちょっと見ただけであるが、期待以上に画質もよく、楽しめそうである。

ちなみにニューヨークのいろいろな町並みを俯瞰しながらのオープニングは、ヒッチコックの「サイコ」のオープニングなどでも有名なソール・バスによるものであった。そう言われればそういう匂いがするが、今まで気がつかなかったのでちょっとびっくり。「ウェストサイド物語」の内容にはそぐわないような気もするが、非常にクール。

ポスターのユートピア展〜ロシア構成主義のグラフィックデザイン〜

浜松美術館で開催されている「ポスターのユートピア展〜ロシア構成主義のグラフィックデザイン〜」を見に行く。

ロシア構成主義はYMOの中期のデザイン・コンセプトにも影響を与えているので、そういったデザインを集めた展覧会として見に行きたかった。例え ば、第二次ワールドツアーの衣装や公演ポスター、あるいはアルバム「テクノデリック」のジャケットあたりにその影響を見ることができる。中でもYMOの人 気絶頂期にリリースされた坂本龍一のソロアルバム「B-2 UNIT」は、もろにロシア構成主義の意匠そのものである。

基本的にはロシア革命前後からスターリンが実権を握るまでの期間の、社会主義政策を訴えるスローガン的なポスターが多い。そのデザインの斬新さとは 対照的に、「生産計画を進めよう」だの「何とかという雑誌を購読しよう」だの、かなり直接的なメッセージが書かれているのが面白い。こういう幾何学的な構 図はドイツを中心にほぼ同時期に興ったバウハウスとの関連があるのではないかと思っていたのであるが、展覧会の様子を見るに特に関連はなさそうであった (詳しいことはよくわからないのですが)。

こういった流れもスターリンの「社会主義リアリズム」の前にあっという間に消滅してしまった。未来への希望に満ちた力強さが放り出されたままになっている姿に惹かれるのか。

シンクロニシティ(ウォレン・ベンソン/フランク・ザッパ)

日記にも書いているように、最近ウォレン・ベンソンの《落葉》のスコアを読んだり、フランク・ザッパを聞いたりしているのだが、《落葉》のスコアに載っているウォレン・ベンソンの文章を読んでびっくり。

《落葉》には賛美歌377番「神はわが砦」が引用されているのであるが、ウォレン・ベンソンにこの賛美歌を紹介した学生が、後にフランク・ザッパのバックでマレット・パーカッションを叩くことになる、人呼んで「超絶マリンバ娘」ルース・コマノフ(バンドメンバーであったイアン・アンダーウッドと結婚していたため在籍時はルース・アンダーウッド)だったそうである。

カレル・フサの本

とりあえず無事帰宅。郵便局に留め置きにしていた郵便物を取りに行ったら、年賀状などと一緒にカレル・フサの伝記が届いていた。

Karel Husa: A Bio-Bibliography (Susan Hayes Hitchens / Greenwood)

という本である。伝記とは言っても短めのバイオグラフィが載っているだけで、内容の多くは参考文献、作品リスト、演奏記録などに費やされている。研究のとっかかりに便利なリファレンスといったところだろうか。

京都でザッパ

やっぱり京都へ行くとJoe’s Garageに寄りたくなる。銀閣寺行きバスで京大農学部前下車。

まずは久しぶりにマイルス・デイビスのブートレッグを眺める。そもそもマイルスのブートレッグを置いているような店に入るのが久しぶりだ。以前はいわゆる「黄金のクインテット」(しかし、このネーミングは何だかな)のライブを集めていたのだが、最近はいわゆる「電化マイルス」(このネーミングもちょっと変)の方に興味が移っている。

「マイルスを聴け!」やいろいろな掲示板で話題になっていた《Another Unity》を見つけたので買うことにした。1975年の東京厚生年金会館でのライブ。この年の大阪公演は《アガルタ》《パンゲア》という公式盤で発表されているが、それに勝るとも劣らない演奏らしい。この年以降マイルスは6年間の演奏活動停止に入るわけなので、「ジャズの最先端を走り続けてきた」マイルスの総決算とも言える時期の演奏なのである。(活動再開後のマイルスも嫌いではないのだが、やはりこの時期と比べると「ぬるい」。)それからワーナーから発売予定だったボックスセットに収録予定だった未発表音源集の《Black Album》も買ってみた。あったら買おうと思っていた音楽活動停止中の音源集(活動停止と言いながらスタジオでの録音は続けていたらしい。TDKのCMに出演した際の録音も含まれているらしい)は残念ながらなかったようだ。

あと最近気になっているフランク・ザッパを何枚か。ちなみに「Joe’s Garage」というお店の名前はザッパのアルバムのタイトルから取られている。前にも書いたように、お買い上げ袋はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「バナナ」(by アンディ・ウォーホール)なのであるが。

ザッパは非常に守備範囲の広いミュージシャンで、さまざまなスタイルの音楽についてのアルバムを発表している。したがって全貌というものを把握しにくいわけで、出会いとなるアルバムによってその印象がかなり異なる。私の場合、最初に買った《フィルモア・ライブ》は普通のアメリカン・ロックのようでいまいちピンと来なかったし、ピエール・プーレーズがアンサンブル・アンタルコンタンポランを率いてザッパ作品を演奏した純然たるクラシック作品集《パーフェクト・ストレンジャー》も「まあ、こんなもんかな」という感じだったし、それほど注目すべきでもないなと感じていた。そんな認識が変わり始めたのが、《ホット・ラッツ》や《ジャズ・フロム・ヘル》といった、いわゆる「ジャズ・ロック」という範疇に含まれるインストゥルメンタルものを聴いてからである。特に後者はほとんど打ち込みによる変拍子ジャズなのであるが、打ち込みゆえのクールさがとてもかっこよい。そんなわけでちょっと深く入り込んでみようと思っているしだい。(しかしアルバム全部集めると60枚くらいあるんだよな …)

あとは、なかなか地元で見つけられなかった紙ジャケを。上記ヴェルヴェッツの「バナナ」の姉妹編とも言えるニコの《チェルシー・ガール》とヒプノシスのデザインが面白いキャラヴァンの《カニング・スタンツ》。

韓国→福岡→京都

韓国から帰国。この日はとりあえず博多から京都まで移動。博多駅には精華女子高校がマーチングフェスティバルで金賞(?)を受賞したという垂れ幕がかかっていた。

博多港国際ターミナルから博多駅までの移動の途中で、博多駅近くにある「新星堂」に寄るが特に収穫はなし。(こんなギリギリのタイミングで何やってんだか …)

韓国からおめでとうございます

あけましておめでとうございます。

今年の正月は韓国の古都・慶州(キョンジュ)で迎えた。

ホテルではNHKの国際放送が見られるので「紅白歌合戦」に続けて「ゆく年来る年」という日本と変わらない年越しであった。ちなみに例の日本語解禁を受けてのTUBEのコンサートもちゃんと放送されていたし(そんなに長く見なかったけど)、別のチャンネルではK-1の昔のダイジェストも放送されていた。

韓国では中国などと同様に旧正月の方を盛大に祝う習慣があるらしく、特ににぎやかでもなく静かな新年であった。しかし、この慶州にある世界遺産の仏国寺(プルグクサ)に二年参りに行くのが流行りのようで、観光に行くのは元日の午後からの方がいいと言われた。

というわけで、今年もよろしくお願いいたします。