ポスターのユートピア展〜ロシア構成主義のグラフィックデザイン〜

浜松美術館で開催されている「ポスターのユートピア展〜ロシア構成主義のグラフィックデザイン〜」を見に行く。

ロシア構成主義はYMOの中期のデザイン・コンセプトにも影響を与えているので、そういったデザインを集めた展覧会として見に行きたかった。例え ば、第二次ワールドツアーの衣装や公演ポスター、あるいはアルバム「テクノデリック」のジャケットあたりにその影響を見ることができる。中でもYMOの人 気絶頂期にリリースされた坂本龍一のソロアルバム「B-2 UNIT」は、もろにロシア構成主義の意匠そのものである。

基本的にはロシア革命前後からスターリンが実権を握るまでの期間の、社会主義政策を訴えるスローガン的なポスターが多い。そのデザインの斬新さとは 対照的に、「生産計画を進めよう」だの「何とかという雑誌を購読しよう」だの、かなり直接的なメッセージが書かれているのが面白い。こういう幾何学的な構 図はドイツを中心にほぼ同時期に興ったバウハウスとの関連があるのではないかと思っていたのであるが、展覧会の様子を見るに特に関連はなさそうであった (詳しいことはよくわからないのですが)。

こういった流れもスターリンの「社会主義リアリズム」の前にあっという間に消滅してしまった。未来への希望に満ちた力強さが放り出されたままになっている姿に惹かれるのか。

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