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吹奏楽・電子音楽・坂本龍一・などなど

出張。例によってTOWER新宿店へ。

Journey

グレインジャーの《リンカンシャーの花束》が入っていたので。近年の録音では珍しく第3楽章はバージョンA(ソプラノサックスではなくフリューゲルホルンがソロを吹くバージョン)だった。

マルティヌーの管楽合奏とチェロのための《コンチェルティーノ》は久しぶりに聞いたらなかなか面白かった。

Phantasticke Spirites

表題作はドナルド・グランサムの作品で、このCDの演奏が世界初演。他にもスティーヴン・シュミットの《スピン》、ラン・ゲイラーの《サマラ》も世界初演。他にもグランサムの《ケンタッキー・ハーモニー》(これは《サザン・ハーモニー》の続編のようなもの?)、ティケリの《アメリカン・エレジー》、ウィテカーの《オクトバー》など近年の注目作が多く収録されている。演奏は今一なのだが …

Dances with winds(Royal Northan College of Music Wind Orchestra)

RNCM ウィンドオーケストラのおそらく最新盤。舞曲を題材にした吹奏楽作品を幅広く集めている。近作ではともにイギリスの作曲家であるケネス・ヘスケスの《ダンスリーズ》、アダム・ゴーブの《イディッシュ・ダンス》(この作品だけ「初録音」と銘打たれているのがちょっと違和感あるが …)、他にはギリシャの作曲家ニコス・スカルコッタスの《9つのギリシャ舞曲》とアメリカの作曲家ジョン・コリリアーノの《ガゼボ・ダンス》が収録されている。

スカルコッタスのギリシャ舞曲はもともと管弦楽のために書かれた36曲の中から作曲者自身がギリシャの軍楽隊のために編曲したものなのであるが、これこそ全曲録音されるのは初めてなんじゃないのかなあ?ちなみに管弦楽版全曲は BIS から出ている模様。これも聞いてみたい。

French Ballet Music of the 1920’s

1920年代にフランスの作曲家の合作で作られた2つのバレエ音楽《ジャンヌの扇》と《エッフェル塔の花嫁花婿》が収録されている。

前者はラヴェル、フェルー、イベール、ロラン=マニュエル、ドゥラノワ、ルーセル、ミヨー、プーランク、オーリック、フローラン・シュミットの10人、後者はいわゆる「六人組」のオーリック、ミヨー、プーランク、タイユフェール、オネゲルの5人(デュレは「六人組」を脱退していたため参加しなかった)による合作である。

雲井雅人によるシューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」あふれる歌へのオマージュ

シューベルトの歌曲である《冬の旅》を、アルトサクソフォンとピアノと歌&ナレーションに編曲したものが収録されている。ピアノと編曲は伊藤康英さん、ナレーションのテキストはリンボウ先生こと林望さん、舞台演出は松本重孝さん。

康英さんとリンボウ先生のコラボレーションは歌曲《あんこまパン》に始まり、数々の歌曲や交響詩《時の逝く》なども生み出しているし、松本重孝さんは康英さん初のオペラ《ミスター・シンデレラ》の演出も手がけている。そういった多方面の人脈がここに結集したという感じか。ぜひ舞台で見てみたいものだ。

貴志康一 バレエ音楽「天の岩戸」

28才で夭折した作曲家・貴志康一の60分にもおよぶ大作、バレエ音楽《天の岩戸》の世界初演(2004年9月)を収めたCD。作曲されたのは1932年から1935年の間というから、およそ70年の間眠っていたわけだ。

貴志康一の名前は以前から知っていた。戦前にベルリンに留学して、25歳でベルリン・フィルの演奏で自作を指揮したらしい。どんな音楽を書いていたんだろう?

葵の上|湯浅譲二

OMEGA POINT からリリースされた湯浅譲二の電子音楽作品集。http://www.web-cri.com/ でいろいろ批評されていたので聞いてみたくなった。

Microphone

デヴィッド・チュードアが制作した電子音楽の古典的作品。TOWERによると今回なくなったら入荷未定とのことなのでとりあえず確保。ちなみにチュードアはジョン・ケージの《4分33秒》の初演者(笑)である。

Moog

シンセサイザーの生みの親であるロバート・モーグ博士のドキュメンタリー映画「MOOG」のサントラ盤。1枚目の方のメンツは STEREOLAB くらいしか知らないのだが、MOOG の旗の下に集まってきた人たちなのだから、きっと面白いのだろう。「CLASSIC TRACKS」と題されたボーナス・ディスクでは ELP とか、DEVO とか YES とかが並んでいる。

Replay Debussy

ドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》を材料にしたリミックスのコンピレーション・アルバム。CCCD だったのだが涙を呑んで購入した。

坂本龍一やピエール・アンリなども参加。

物語のようにふるさとは遠い

まだ芸大大学院在学中だった教授(作曲・編曲)と、現代詩人である富岡多恵子(唄・作詞)のコラボレーションの初CD化。バックを務めているのは吉田健とか斉藤伸雄(って斉藤ノブ?)とか茂木由多加といった実力派。

 

Astor Piazzolla 10 CD-Set [Box Set]

得体が知れないブツだが、ピアソラのCDが10枚で1460円だったので思わず買ってしまった。クラシックの演奏家が演奏するピアソラとか、ムード音楽みたいなバッハとか、変に別のジャンルに持って行かれてソフィスティケイトされた音楽はあまり好きではない。とりあえずはオリジナルに当たらないと。

WHO IS AFRAID OF 20TH CENTURY MUSIC? (Complete Edition + Bonus CD)

指揮者インゴ・メッツマッハーがハンブルク国立フィルと組んで毎年大晦日のジルベスターで行っていた「20世紀音楽は怖くない」が、全部まとめて、ぐっと安くなって、ボーナス・ディスクもついて再発売された。

ボーナス・ディスクはメッツマッハーのインタビューと、コンサートでの演奏前の曲目紹介などが収録されている。当然どちらもドイツ語である。曲目紹介のあとに拍手があって曲が始まるのだが、ほとんどがフェードアウトしてしまう ….. というかなり微妙なボーナスである。パッケージからはボーナス・ディスクの内容がわからないので、半分ギャンブルのつもりで買ったのであるが、すでに持っている人は注意すべし。
まだ1枚も持っていない人は、過去のCDは入手しにくくなっているし、値段もかなり安くなっているのでチャンスかなと。

 

吹奏楽コンクールのDVDなどなど

某ショップの改装在庫処分セール。在庫 DVD が全品半額ということなので開店時間を狙って行き、物色する。

第52回全日本吹奏楽コンクールライヴDVD Japan’s Best for 2004 (中学校編)

第52回全日本吹奏楽コンクールライヴDVD Japan’s Best for 2004 (高校編)

第52回全日本吹奏楽コンクールライヴDVD Japan’s Best for 2004 (大学職場一般編)

大学・職場・一般編は邦人作品が多く収められているし(本当に多くなりましたね、最近)、高校編ではバルトークのオケコンの終楽章が収められているというし、2枚買うんだったら中学編も買っておかなきゃ … ということで、悩んだ末に結局全部買ってしまった。

下手にこねくり回した解釈よりもストレートな演奏の方が楽しめるという意味で、大阪市立市岡中学校吹奏楽部の《呪文と踊り》(チャンス)は面白かった。

埼玉県立伊奈学園総合高等学校吹奏楽部の《管弦楽のための協奏曲》の終曲(バルトーク)は確かに超絶技巧を披露するにはもってこいの曲なのだろうが、編曲すると「ただそれだけ」という感じになってしまう。原曲の持つきらびやかさが薄れてしまってうまくアピールできなかったのではないかという気がする。

土気シビックウィンドオーケストラは、そのゴージャスな音色が他の団体とは一線を画しているように思う。どうしてもこじんまりした感じやチマチマした感じが拭えない編曲作品よりも、シンプルにソノリティをアピールすることができるオリジナル作品の方がこの団体には向いているのだろう。

ライブ2004 [DVD]
須川展也さんと東京佼成ウィンドオーケストラのライヴ盤。買おうかどうしようか迷っていたところ、この半額セールになったので自信を持って買ったしだい。うちの団員によると須川ファンでなくても楽しめるとのこと。

モントルー・ザ・ムービー 91/92 [DVD]

1991年と1992年のモントルー・ジャズ・フェスティバルを収録したDVD。

1991年には亡くなる直前のマイルス・デイヴィスが出演しており、クインシー・ジョーンズが指揮するビッグ・バンドを従えて、「マイルス・アヘッド」などの再演を行った。

1992年には、その亡くなったマイルスを追悼するトリビュートバンドが出演している。いわゆる「黄金のクインテット」のメンバーであるウェイン・ショーター(サックス)、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)、トニー・ウィリアムス(ドラムス)に、トランペットのウォレス・ルーニーを加えたもの。このメンバーは同じ年に来日しており、読売ランドや万博公園で行われたジャズ・フェスティバルに出演した。(私は東京も大阪も見に行きました。)

レイ・チャールズやデヴィッド・サンボーンも登場するらしい。

JリーグオフィシャルDVD ジュビロ磐田2003シーズンレビュー 第38回天皇杯カップ・ウィナーズへの軌跡

ジュビロ磐田の2003年シーズンのハイライト。およそ1年前、最後に天皇杯を制してとりあえずタイトルを確保したものの、昨シーズンはついにタイトルなし … 今年こそ頼みますよ。

… こんなんも買ったんだった …

ルグラン・ジャズ

ちょっと前にわりとブレークしていた《キャラヴァンの到着》の作曲者であるミシェル・ルグランが豪華ミュージシャンを集めて作ったアレンジ作品集。

当時のマイルス・デイヴィスとその周辺のミュージシャン(例えばコルトレーンとかビル・エヴァンスとか)が参加しているセッションが興味深い。これより先にレギュラー・クインテットで発表されている《ラウンド・ミッドナイト》(同名アルバム収録)も違う編成で録音されているのだが、ヴィブラフォン、フルート、ハープなどが加わった少しゴージャスなアレンジになっている。

あと、ニューサウンズ・イン・ブラスの《チュニジアの夜》(真島俊夫編曲)はこのアルバムに収録されているアレンジが元ネタ。もともとのアフロ・キューバンではなく、疾走感あふれるテンポ設定になっている。

ELEPHANTISM

DVD BOOK「ELEPHANTISM」のサントラ盤。買いそびれていたのだが安かったので …

今日買ったもの

CBL [ CD BABY LOVE ]
坂本龍一監修によるお母さんと赤ちゃんのための音楽集。ドビュッシーの《夢》、サティの《ジムノペディ》、フォーレの組曲《ドリー》からの《子守歌》など、曲目から見るとクラシックのそれっぽい音楽を集めたオムニバス盤だと思っていた。まあ、我が子の誕生記念にこういうのもいいかな(というか、そういう理由付けがないとたぶん買わない)と思い買ってみたのだが …..

実際には半野喜弘を中心とする hoon によるかなり斬新なアレンジがされている。「音響派」とか「エレクトロニカ」と言われるジャンルに属することになろうか、メロディが聞こえず、ほとんど原形をとどめないようなアレンジもある。

本当に赤ちゃんが気に入るかどうかはわからないが、企画盤にしては内容は面白い。

Once You’ve been in Love
以前も小曽根真のピアノとのデュオアルバムも出していた伊藤君子。このアルバムは小曽根真がプロデュースするビッグバンドとの共演。

坂本龍一とルイ・ヴィトン

+33(坂本龍一)

ルイ・ヴィトンの創業150周年を記念して坂本龍一さんが書いたピアノ曲。9月2日に晴海で行われた創業150周年パーティーで配布された1曲のみ収録のCD。

単なる連弾なのか多重録音なのかよくわからないが、ミニマルっぽく断片を積み重ねていく曲である。聞きながら立花ハジメさんのソロ・アルバム「Hm」に収録されている《ピアノ・ピローズ・ゴーイング・アブストラクト》を思い出した。確か、この曲も坂本さんの作曲だったはず。

坂本さんの最近の仕事として六本木ヒルズのオープニングのために書かれた《ランド・ソング》などもあるが、あれはちょっと売れ線狙いかなという気がする。それと比較していい意味で力が抜けていると思う。ノベルティとして書かれたがゆえの開き直りというか、潔さが、いい具合にユーモアになっている。

 

SKETCH SHOW

SHIBUYA-AX で行われた「SKETCH SHOW」のライブを見に行く。 CD では電子音主体の音作りが目立っていたのであるが、ライブではやはりアコースティックな面が強調される。サポートメンバーとして参加している小山田圭吾の ギターの存在感は決して小さくない。終電に間に合うように残念ながら途中で帰ってしまったのであるが、特に前半のルーツ・ミュージックっぽいまったりとし た雰囲気がいい意味で期待を裏切ってくれた。まさかユーフォニアム(とコルネット持ち替え)が編成に含まれているとは。

伊藤康英さん三昧

会社を休んで(^_^;)伊藤康英さん漬けの一日。

まずは午後から行われたレクチャーコンサート。平日昼間ということでなかなかシビアな観客数であったが(^_^;)、その分ざっくばらんな話が聞けた。伊藤作品からは《抒情的「祭」ファンタジー》《歌》《木星のファンタジー》《琉球幻想曲》などを披露。《木星のファンタジー》のコード進行が V6 の「Take Me Higher」から取られたという話は意外だった。ご子息が「ウルトラマン・ティガ」が好きでよく見ていたそうで(笑)。そうそう、伊藤さんのレクチャーコンサートではお馴染みになったモーツァルト風《大きな栗の木の下で》は、ついに楽譜まで作られてしまった。

夜は航空自衛隊中部音楽隊の定期演奏会。第25回定期演奏会を記念して伊藤さんに委嘱された作品が初演される。《コラール幻想曲》。グレインジャーも吹奏楽編曲しているバッハのコラール《おお汝、その罪深きを悔い改めよ》を下敷きにした作品である。

この曲を最後にしばらく吹奏楽曲を書くのを止めるそうで、高校時代の思い出でもあるこのバッハのコラールを使おうと思ったそうである。吹奏楽のための、いわば区切りの作品でこのコラールを引用するあたり、「汝」とは誰なのか?「罪」とは何なのか?を詮索するとなかなか楽しい(笑)。まあ、私の詮索はそんなにうがった見方ではないと思っているのだが … また後日うかがったのであるが、伊藤さんが大学時代に作曲したオラトリオ《第七の封印》も引用されているとのこと。こちらは聴いたことがないのでどこでどういう風に引用されているのかわからなかったが …..

内容は題名が示すようにバッハのコラールがほとんどそのままの形で引用され、それが自由に変奏されるような形式。突出した派手なクライマックスがないかわりに、(伊藤さんもおっしゃっていたように)緊張感のある音楽がずっと持続されていく。最終部では再びコラールが演奏されるが、これもバッハの音楽に対して手は加えられていないという。朗々と演奏されるコラールを聞いているうちに、伊藤さんが母校のために書いた《ジュビリー・シンフォニー》の第2楽章のタイトルである “Remembrance – Farewell” という言葉を思い出した。「回想 – 別離」。吹奏楽に対する伊藤さんの惜別の辞のように思えてならない。コラールが盛り上がったあと、金管楽器が次々とミュートをつけ、全合奏の ppp で曲を閉じるのが効果的。何ともいえない余韻を残す。

惜しむらくは、指揮者がおそらくこの作品を完全に消化していなかったと思われること。全曲の構成を考えると、もっと感動的に仕上げる余地を残していたと思う。(途中変拍子が続く部分はあるし、最後はかなり遅いテンポなので振るのは難しいそうだけどね …..)

その他の曲は樽屋雅徳《絵のない絵本》、セルジュ・ランセン《マンハッタン交響曲》、ビゼー(淀彰編曲)の《カルメン》組曲。しかし、毎回思うけど、このバンドは渋いプログラムだね(笑)。最初から最後までソロ吹きっぱなし、ハイトーン吹きっぱなしのトランペットのトップの方、ブラヴォー!

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ということで街へ出たついでに。

山下達郎 LP-BOX [12 inch Analog]

以前の日記にも書いた山下達郎の再発アルバムのアナログボックス。まずは「ぎりぎりで予約したので初回入荷できずに完売」という連絡が入った。他店で見つけたものの、この時は思いとどまって購入せず。「ま、いいか。」ということでこのために確保していた予算を別に使ってしまった。その後「入荷したのですが、どうされますか?」という連絡。以下の件でショップにご迷惑をかけてしまったのでさすがにキャンセルするわけにはいかんというわけで購入した次第。

やっぱり、CDと違ってアナログ盤には文字通りのボリューム感と「買った!」という充実感がある。おそらくCDとは異なる未収録曲が収録されたボーナスディスク以外は針を通さないと思うのだが(^_^;)。

テルミン コレクターズBOX [DVD]

すみません。コレクターズボックスが出ることを知りませんでした(_0_)。通常盤を予約しておきながら、再度コレクターズボックスを注文するというわがままなことをしてしまいました(_0_)。ごめんなさい、Mさん。

映画「テルミン」の DVD と、テルミン奏者といえばこの方たち、元女王クララ・ロックモアと現役女王リディア・カヴィナの演奏する映像を収めた DVD 「テルミン演奏のすべて」と、クララ・ロックモアの演奏を収めた CD の3枚組。かれこれ10年近く前、冨田勲さんの講演会を聴きに行った時に、若かりしクララ・ロックモアの映像を見たのがテルミンとの出会いだったと思うのだが、残念ながらこの映像は含まれていないようだ。(映画本編には使われているのかな?)

COMICA

「LIFE」の時にもやっていたけど、これはスケッチ的な位置付けなんだろうな。秋には「正真正銘の」オリジナル・ソロアルバムがリリースされるというし。(じゃあ、これは「正真正銘」ではないのか(笑)?)内容を希釈する方向でのバブリーなマーケティングに対して、まず抵抗を感じる。

全体に散漫な印象で、これで3000円はちょっとな … というのが正直な感想。ジャンルとしてはアンビエントといえるのだろうけど、ジャケットワークなども含めて何をやりたいのかよくわからない。

ナクソスの日本人作品集を聞いていたので《朱鷺に寄せる哀歌》がちょっと頭をよぎりました(笑)。