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めまい(京都・大阪編その1)

仕事が嫌になったので(笑)休暇を取って旅行へ … というのは嘘で …

私の勤務先では、有給休暇とは別に毎年2日連続の休暇を取得することができる。毎年3月になってから「スケジュール的に絶対休めないじゃん …」ということで取得できないことが多かったので、今年は少し早めに確実に取らせてもらった。

最初は京都でゆっくり … と考えていたのだが、京都だとなかなか1歳の息子が遊べるような場所がないので、大阪まで足を延ばすことにした …

なのだが、まずは京都に立ち寄って行きつけの料理屋さんに顔を出す。こちらのお店には毎年一回くらいのペースで夕食を食べに来ていたのだが、息子が生まれたことでしばらく来れなかった。息子が生まれたときにお祝いをいただいたので、そのお礼もあったし、このお店が昨年末に移転したのでご挨拶にも伺いたかったし、まだ息子が小さいので食事というわけにもいかないので、せめてお昼のお弁当を買ってホテルに着いてから食べようということで、お弁当を予約して取りに行ったのである。

いろいろ話を聞くと、座敷ではけっこう小さい子供を連れてくるお客さんもいるらしい。(そういえば、今までカウンターでしか食事したことなかったからなあ …)次回はぜひ座敷で味わいたいものだ。

ということで、夕方大阪のホテルへ到着。妻と息子はさっそく寝に入ったので、一人で街中をブラブラする。

大阪に行くと梅田にある大阪駅前ビルの地下街へ行きたくなる。ほとんど迷路のような通りに沿って小さなお店がひしめきあっているところである。この中には何件か中古レコード/CD屋がある。特定のジャンルに強いというわけではないのだが、そこそこのレア盤はよく見かける。
以前来たときには教授の「Sweet Revenge」のクリスマス限定パッケージをかなり安価で買った記憶がある。通常のジャケットは青のバックに黄色のフェイクファーをまとった教授が写っているのだが、この限定版は赤のバックに緑のフェイクファーである。

今回はあまり買いたいモノがなかったのでそのまま帰ろうとしたのであるが、ちょっと奥に古本屋があって「サブカルチャーモノがどうのこうの」という宣伝文句が書かれていたのでちょっとのぞいてみることにした。

めまいがした。

夢の中では時々こういう状況が出てくるのだが、現実にこういう状況に遭遇するとは思わなかった。「まさか店頭にあるわけがないアイテムが」「まさかこれだけ揃っていることはないだろうという数で」「まさかこんな安いわけがないだろうという価格で」売られているというシチュエーションである。あわてて握りしめた。

  • 坂本龍一 1994 年 Sweet Revenge ツアーパンフレット
  • 坂本龍一 1995 年 D&L ツアーパンフレット

このあたり教授のコンサート見に行っていなかったんだよなあ …

  • 高橋幸宏 1986 年コンサートパンフレット

ポスターを折り畳んだ形の変形版。ソノシートつき。

  • YEN レーベルの LP ジャケットサイズ会報(?)
  • 音楽専科「YMO 特集号」

他にも YMO の再生コンサートパンフレットとか YMO の散開記念コンサートパンフレットとかもあったのだが持っているので買わなかった。

Tribute to N.J.P.

ナム・ジュン・パイク(白南準)が亡くなったそうだ。

一時期、教授にも影響を与えたビデオ・アーティストだ。アルバム「音楽図鑑」に《Tribute to N.J.P.》という曲が収録されている。

音楽図鑑完璧盤

先日、ビデオを整理していたら(相変わらず粛々と DVD 化を進めています)「ナム・ジュン・パイクの TV オリンピック」という番組を録画したテープが出てきた。浅田彰が進行役で、マーク・カニングハムやラララ・ヒューマン・ステップスが踊り、教授が《ちんさぐの花》を演奏するという、いかにも80年代のネオ・アカデミズムな雰囲気満載の番組であった。

さて、ここで問題です。《Tribute to N.J.P.》と同じく「音楽図鑑」に収録されている《M.A.Y. in the Backyard》の M.A.Y. は何の略でしょう?

相変わらずDVD化

時間を見つけてちまちまとビデオテープをDVDに焼いている。

いろいろ悩んだり調べたりした結果、なるべく長く保存しておきたいモノは DVD-RAM に、消えてしまってもしょうがないかなと思えるものは DVD-R に焼いておくことにした。半永久とか言わなくてもいいから、せめて私が死ぬまでに移し替えが必要なことにはならないで欲しいのだが ….. 無理かな?

VHS の方はそれほど問題なくダビングできているのだが、8mm ビデオの方は録画した時期によってトラッキングが不安定なことが気になる。 トラッキング調整できない 8mm の宿命なのだが、テープの途中で明らかにトラッキングがずれてきてしまうのは何とかならないのか。

重要なテープに限ってちゃんと再生できないのが歯がゆい。 例えば、YMO のロサンゼルスからの衛星生中継(フジテレビで放送)とか、東京ドームでの再生コンサート(NHKで放送。BSと総合では内容が違っていた)とか、教授の「OPERA」(テレビ朝日放送。VHSではリリースされているが未DVD化)とか。

ちょっと調べてみると、デジタル 8 方式のビデオでアナログ 8mm ビデオテープを再生すると比較的綺麗に再生してくれるということと、ソニーがまだデジタル 8 のビデオウォークマンを販売していることがわかった。

これはちょっと惹かれるなあ …..

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そんなこんなで「題名のない音楽会」を何本か録画したテープを発見。 最初に収録されているのは「坂本龍一 その音楽世界」(1993年6月27日放送分)。 教授がこの番組に出演するのは「作曲家 坂本龍一について」(1984年8月26日放送分)に次いでこれが2回目である。初めての出演のときはピアノ曲《分散・境界・砂》(演奏は高橋アキさん)や、芸大の卒業作品であ る《反復と旋》、当時はまだタイトルがなかった《Replica》(「音楽図鑑」所収)のオーケストラ・バージョンなどが演奏された。この回は話題の中心が映画音楽だったせい か《戦メリ》《ラスト・エンペラー》《シェルタリング・スカイ》、それからバルセロナ五輪の開会式のために作曲された《El Mar Mediterrani》(番組では《バルセロナ・オリンピックス》と表記)が演奏された。

それから「譚盾 その音楽世界」(1997年1月19日放送分)。

そして最後に収録されていたのは「黛敏郎を悼む」(1997年4月13日放送分)。 それまでの「題名のない音楽会」の名場面集といった構成で、岩城宏之さん、永六輔さん、番組プロデューサーの藤田敏雄さんが、そこに現われる黛さんを茶化しながら在りし日を振り返る。追悼番組にしては和んだ雰囲気である。

中でも、美空ひばりさんに歌わせたという「トスカ」の《歌に生き、恋に生き》は、この曲を選んだという黛さんのアイデアといい、それを独自の世界で表現した美空さんといい、まさに名場面である。

また、番組中一本もCMを流さず、最後に黛さんに対する追悼のテロップを流した出光もすごい。いろいろな意味で豊かな番組だったんだと思う。

教授DVD化計画

物置にあるビデオテープのDVD化計画。

VHSのテープを処分した方が物置のスペースに余裕ができるのだが、ある時期のものはほとんど 8mm ビデオに録画しているので、こちらはハードウェアがやばくなる前にDVDにダビングしておかないといけない。

HEART BEAT TOUR 1992

タイトル通り、教授のアルバム「HEART BEAT」のリリースにあわせて行なわれたツアーの映像。パッケージソフト化されておらず、WOWOW だけで放送されたものである。

圧巻は富家哲(サトシ・トミイエ)との連弾による《Tong Poo》。 かなりのアップテンポで、途中で左右の立ち位置を入れ替えたり、鍵盤を肘打ちしたりとアグレッシヴな演奏。

ここでもクレジットにgrokさんのお名前を発見。 (あけましておめでとうございます。また一緒にお仕事したいですね。)

“f” PLAYING THE ORCHESTRA 1997

こちらは佐渡裕さん率いるオーケストラとの共演。 当時はあまり面白くなかった気がするのだが、見直してみるとなかなか面白い。 「普通でないもの」を求め過ぎていたのかも知れない。

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします。

浜松は風も弱く陽射しも暖かい。年賀状の追加分の投函や近くの神社へのお参りのために散歩する。なんたって今年の目標は「身も心もダイエット」ですから。

散歩から帰ってきたところ、BSフジでラトル/ベルリン・フィルの昨年の来日公演が放送されていた。リヒャルト・シュトラウスの《英雄の生涯》の途中から見たのであるが、ベルリン・フィルならではの芳醇な響きがなかなかよかった。全部見てみたいな。再放送しないかな。

今年のCD聞き初めは年末に買ったマイルス・デイヴィスの「セラー・ドア・セッション」の disc 5。このディスクの《ホワット・アイ・セイ》が「ライヴ・イヴル」にも収録されている。リマスタリングされているせいか、演奏がかなりすっきりしているような気がする。「ライヴ・イヴル」はもうちょっと音像がぐちゃっと固まっていたような気がするのだが ….. 今度比較して聞いてみよう。

明日、NHK-FMで放送される「坂本龍一ニューイヤースペシャル」を聞くためにチューナーにアンテナをセットする。去年も同じようなプログラムをやっていたそうなのだが、全然気がつかなかった。

坂本龍一コンサート@愛知県芸術劇場大ホール

坂本龍一さんのピアノソロコンサートを聞くために雪の名古屋へ。 ライトアップされたテレビ塔がなかなか綺麗である。

以下セットリスト。今回はツアーパンフがなかったので閉演後にロビーに張り出されていた。

  • Asience
  • Amore
  • Seven Samurai
  • Undercooled
  • Fountain
  • Chanson
  • Bibo no Aozora
  • Energy Flow
  • Shining Boy & Little Randy
  • A Flower is not a Flower
  • Merry Christmas Mr.Lawrence
  • The Last Emperor
  • Tibetan Dance
  • Riot in Lagos
  • +33
  • Happy End
  • Thousand Knives
  • Aqua

正直、教授のピアノソロということで一抹の不安がないわけではなかったのだが、漏れ聞く話によるとかなり弾き込んでいたそうである。でも、やっぱり 生はよい。夏のバンドでのツアーや、最近のアルバム「/04」や「/05」に比べるとはるかに繊細なニュアンス。PA の感じもとてもよかった。夏のバンドツアーと同じ女性のエンジニアだったらしい。

前半はわりとおとなしい曲が続く。オリジナルでは韓国人ラッパーをフィーチャーしていた《Undercooled》もピアノソロになるとかなり趣きが違う。《ラスト・エンペラー》が前半のハイライトか。かなり熱のこもった演奏だった。

それ以降はあらかじめ録音した自分の演奏との「一人デュエット」。 (でも、もう一台のピアノは2〜3人分くらいを担当していたような …..) このあたりはテンポも速いしリズムもある曲なのでガツンと来る。

多重録音の極みとも言えるミニマルな《+33》(8台のピアノを想定して書いたとか。ルイ・ヴィトンの100周年のために書いた曲です。)も生だと音圧がよい。

《Happy End》と《Thousand Knives》はアンコール。夏に行ったバンドでのツアーライブを思い出して何かジーンと来てしまった。

最後はそのままの勢いで来るかと思ったら、しんみりと《Aqua》で。 コンサート前に食事をしながら「今日、教授が《Aqua》を演奏したら泣くからね。」と言っていたのだが、まさかオーラスでやるとは。

CINEMAGE

Cinemage

海外でのみ発売された教授のアルバム「CINEMAGE」のプロモーション盤。

左が一般発売盤で右が今回入手したプロモ盤である。

内容は大ざっぱに言うと映画音楽「など」のオーケストラ版。「など」と書いたのは、「音楽図鑑」に収録されている《Replica》や、バルセロナオリンピックの開会式のために書かれた《El Mar Mediterrani(地中海)》も収録されているから。

過去の音源からの編集盤であることは間違いないのだが「あれ?こんな音源今までに出ていたっけ?」と思わせる音源が多い。調べてみたら映像作品「PLAYING THE ORCHESTRA 1997 “f”」からの音源借用らしい。《戦メリ(というか Forbidden Colours)》はオーケストラ演奏にデヴィッド・シルヴィアンのヴォーカルをオーバーダブしたものと思われる。(だって、こんなのやったことないはず。)

教授の映画音楽はとても久しぶりに聞いたのだが、《戦メリ》→《ラスト・エンペラー》→《リトル・ブッダ》→《嵐ヶ丘》という流れはやはりよい。メロディといいオーケストレーションといい、いかにも映画音楽というゴージャスさがある。これで《シェルタリング・スカイ》も入っていると個人的には申し分なかったのだが。

今日届いたもの

CHASM(坂本龍一)

アメリカのプロモーション盤(非売品)。収録曲はアメリカ盤に準じているので、日本盤とは微妙に異なる。

実はこのアルバム、あまり聞き込んでいないのでちゃんと比較できていないのだが、少なくとも《LAND SONG》は収録されていない。あと《20 msec.》《Song》《Word》という3曲が日本盤未収録なのだが、どなたか詳しい方、素性を教えてください。

ジャケットは全面プラスチックのデジパックでまったくの別デザイン。

教授ライブ@ICC

ICCで行なわれる教授のコンサートを見に東京へ。

新宿でお昼を食べるときはよくアルタ地下の「ハイチ」を使っていたのであるが、なくなってしまったようなので新宿センタービルにあるお店の方へ行 く。もちろん注文するのはドライカレーとコーヒーのセット。わりと広いのだがお客さんの喫煙率が高いのがちょっと難。それからコーヒーが普通のコーヒー カップに入ってくるのもちょっと興ざめ。アルタ地下のお店はもうちょっとこだわりのあるカップだったのだが ….. とはいえ、いくつかあるお店の中では新宿駅からいちばん近そうなので、とりあえずはここを使うことになるのだろう。

そのあとは、まずディスクユニオンの各店をのぞく。Yellow Dog から出ているビートルズのレット・イット・ビー・セッションのCDが組物で安くなっているやつ(もちろんブートレッグ)とか、晩年のフランク・ザッパがア ンサンブル・モデルンを指揮した「イエロー・シャーク」の映像盤(もちろんブートレッグ)とかに心惹かれる。しばし逡巡するが、前者は買ってもまず聞かな い気がするし、後者も公式に出ている「イエロー・シャーク」や「グレッガリー・ペッカリー」をまず聞けっちゅう話だよなあ ….. と思い、結局買うのをやめた。

その後は例によってタワーレコードの新宿店へ。 いちばん欲しかったのは先日職場の後輩から聞かせてもらって激しく感動したフェネスの「ライブ・イン・ジャパン」だったのだが、残念ながらこれはなかった。

ということで、当てもなく買ったのが以下の3枚。

The Wire 20 years 1982-2002

「WIRE」という雑誌の創刊20周年を記念して2002年に作成された3枚組のコンピレーション。フリーとかアヴァンギャルドとかアンダーグラウンドとかエクスペリメンタルとかといった言葉でくくれそうなアーティストの名前が並んでいて面白そうだった。

エンニオ・モリコーネ(あの「ニュー・シネマ・パラダイス」からは絶対想像できない音楽!)とか、フェネスとか、アインシュトゥルツェンデ・ノイバウテンとか、大友良英とか、ジョン・ケージとか、ビョークとか。

John Zorn: Rituals

ジョン・ゾーンが作曲したオペラ(と言っていいのかなあ?)。1人の歌い手と10人の演奏者のためのモノドラマ。楽器編成はフルート(ピッコロ、アルトフルート持ち替え、以下同)、クラリネット(バスクラリネット、Ebクラリネット)、バスーン(コントラバスーン)、トロンボーン、2人の奏者による各種打楽器、ピアノ(ハープシコード、チェレスタ、オルガン)、ヴァイオリン、チェロ、コントラバス。

5楽章からなり、計30分ほどの演奏時間である。演奏者もいろいろな動作を要求されているシアトリカルな作品らしい。1998年にバイロイト・オペラ・フェスティバルで上演された際には賛否両論だったらしいが、音を聞く限りそんなに絶賛するべきものでも拒否反応を示すべきものでもないように思える。ジョン・ゾーンの作品を聞くのだったら「マサダ」とか「ネイキッド・シティ」の方が面白い。

ローリー・アンダーソン―時間の記録

CDサイズの書籍にCDが付録としてついているもの。 上記の教授のライブは、そもそもICCで開催されているローリー・アンダーソンの回顧展「時間の記録」の一環として行なわれるイベントなのである。この本はその展覧会のプログラムのような位置付けになろうか。

どうもパフォーマンス・アートというと眉に唾をつけながら見てしまうのだが、ローリー・アンダーソンの場合はテクノロジーを使って、それをわかりやすく示しているのが受けているのかなあ?

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そんなこんなで教授のライブである。 矢坂健司さんのブログで 見たように、基本的にラップトップを使っての即興演奏。ステージは左からスクーリ(基本的にベース+ギター?)、ジャンセン(ラップトップ)、教授(ラッ プトップ)、フェネス(ギター+ラップトップ)、小山田(エフェクター+ギター)。約3O分遅れの開演で、1時間ほどのノンストップの即興演奏。これは穏 やかな部分が多くて正直ときどきウトウト。それもなかなか心地よい。アンコールはかなり激しかった。

まさか《BEHIND THE MASK》や《TONG POO》などを期待してきた人もきっといないと思うし、こういう肩の力を抜いたライブ(リハはなく、ほとんどぶっつけ本番だったらしい)は「その場にいる」ということが大事なのだと思う。