メキシコの青い空

いよいよワールドカップ。

過去の大会を振り返る番組を見たり、関連するウェブを眺めたりしている。

で、見つけたのが「サッカー名言集(http://www.kojya.com/txt_a.html)」。 なかなかウィットに富んだ発言が多くて面白い。

そんな中で光るのが、やはり NHK の山本浩アナウンサーの名実況である。

1997年11月16日にジョホールバルで行なわれたフランス大会のアジア地区第3代表決定戦、私と妻は妻の友人宅でしこたま酒を飲みながらこの試合を見ていた。 前半はその友人宅で見、急いで帰れば自宅で結末を見れるのではないかと思い、ハーフタイムでタクシーに乗って帰ったのを覚えている。

このセリフ、今思い返してもジーンと来る。

このピッチの上、円陣を組んで、今、散っていった日本代表は、私たちにとって「彼ら」ではありません。
これは、私たちそのものです。

さあ、盛り上げていきましょう。

ヤマハ吹奏楽団第41回定期演奏会

逃避逃避 …..

2006年6月4日(日) PM6:00 アクトシティ浜松大ホール

第1部

  • ジェームズ・スウェアリンジェン/ディープ・リヴァー
  • アルフレッド・リード/アルメニアン・ダンス・パートI
  • カール・マリア・フォン・ウェーバー/クラリネットのためのコンチェルティーノ

第2部

  • 樽屋雅徳/ヘスペリデスの黄金の林檎
  • 八木澤教司/神秘の花
  • 清水大輔/すべての答え

第3部

  • レナード・バーンスタイン/キャンディード序曲
  • レナード・バーンスタイン/キャンディード組曲

アンコール

  • ジャコモ・プッチーニ/歌劇《トゥーランドット》より「誰も寝てはならぬ」
  • アルフレッド・リード/《第1組曲》より「ギャロップ」

よく言えば「多彩」、悪く言えば「ごった煮」なプログラム。

第1部はクラリネット独奏に赤坂達三さんとフィーチャー、第2部は数年ぶりに複数の委嘱作品のお披露目、第3部は歌手を交えての歌劇《キャンディード》組曲。

冒頭は意外なほど鳴らない。特にトロンボーンとトランペットの列。 八木澤作品あたりからやっと輝いてきたが、和音が打楽器に頭打ちにされる「ぐしゃー感」は最後まで拭えなかった。

お目当ては、浜松では3月から7月まで毎月のように取り上げられている《アルメニアン・ダンス・パートI》。(ちなみにうちの団が7月にやりま す。)「普通に演奏するとこうなるよなあ」という感じの演奏。汐澤先生の指揮で演奏すると、もう普通の演奏では物足りなくなってしまうのかも …..

第2部は想像通りの雰囲気。 やはり予想していた通り、個人的には清水大輔さんの作品が気に入った。

私のまわりでは第1部や第2部で帰った人もいたが、第3部もなかなか面白かった。ちょっと地味かなと思われる「組曲」(クレア・グランドマン編曲だと思う)も、歌が入ると色彩感が豊かになる。進行役のセリフが聞き取りにくかったのは PA のせいだろう。

アンコールはテナー・ソロによる「誰も寝てはならぬ」。 まさか、こういう演奏会で生で聞けるとは思わなかったのでうれしい誤算。


で、最後に苦言。

今回作品を委嘱されたお三方の作品にケチをつけるつもりは毛頭ないが、やはりヤマハ吹奏楽団はこういった作曲家に作品を委嘱してはいけないと思う。 他の社会人バンドがやっていることの後塵を拝してはいけないと思う。それは30年以上連綿と背負ってきた「使命」の放棄である。その「使命」の重みを考えているんだろうか?

下振りは難しい

所属する吹奏楽団の合奏。

汐澤先生に客演指揮をお願いする《バラの謝肉祭》(オリヴァドーティ)と《アルメニアン・ダンス・パートI》(アルフレッド・リード)を振る。

前回来ていただいた時の指摘内容の確認と、そのときにいただいた宿題の片づけが主な目的である。

やはり他人の解釈やテンポで振るのは難しい。

下振りの役割は、大まかなテンポ設定を真似て、そのテンポで演奏者が心地よく演奏できることを確認することなのかなあ、と思ったりもした。
でも、やっぱり私が意図しないところで汐澤先生と根本的に違う部分も出てくるらしい。例えば、汐澤先生がインテンポでいっている部分において、私がインテンポだと思って振っていても微妙に遅くなっていたりするらしい。

… んんん、難しい。

《ロシアン・ダンス組曲》。ちょっと表現の掘りを深くしようと思うとテンポが不安定になるなあ。最後の曲はアルメニアン・ダンスと同じように勢いで熱狂的に持っていきたい。

指揮者をやって20年近くになるが、初めて「指揮棒で左手の手の平を突き刺す」ということをやってしまった。怖いっすねえ。痛いっすねえ …

沖縄料理

いつもの人たちで飲み会。

おいしい沖縄料理屋があるというので連れて行ってもらった。 なんせ、沖縄の出身の人が「沖縄本島で食べるよりうまい」と言っていたくらい(らしい)。 とはいえ、私以外の面子はついこの間食べに行ったばっかりなのでは?

確かに、行く前に聞かされていたように、庶民的というか、飾らないほっとした味。 各種チャンプルーやらラフテーやらソーキそばやらアイスクリームやら、おいしい泡盛を飲みながらバカバカ食べてしまう。

私が行きつけなのは、浜松市内ではこの店と並ぶといわれているもう一つの方のお店。 今度はこっち行きましょうね。

今日届いたCDたち

ううん、聞く時間がないよう …

田村文生編曲作品集「TRANSFORM」

スタジオ・シンフォニカが制作した田村文生さんによる吹奏楽編曲作品集。

チラシは以下の URL で。
http://www.sinfonica.co.jp/con_produce/pdf/200604_flyer_transform_web.pdf

ご注文は以下の URL で。
http://www.sinfonica.co.jp/

私はまだ《バッハナール》(原曲はJ.S.バッハの《聖アン》)や《海の微風 春の再来》(同じくドビュッシーの弦楽四重奏曲の第4楽章)あたりしか聞いたことがないのであるが、単なるトランスクリプションに留まらない様々なアイデアがちりばめられている。
特にヤマハ吹奏楽団の定期演奏会で《バッハナール》を初めて聞いたときなんか本当にぶったまげた。

演奏はわたけんさん率いる北海道教育大学函館校吹奏楽団。

*****

それから、今回もライナーノートを書かせていただくことになっている某CDのラフミックスのCDも送っていただき、今日到着した。

実はいろいろな原稿の締め切りが立て込んでいてけっこう大変だったりするのである …

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あと、マトモスのCDの件でコメントをくれた “かしくん” からマシュー・ハーバートの「Plat du Jour」(日本語にすると「今日の一皿」?)を聞かせてもらう。

マトモスのように現実音をサンプリングしているのだが、かなり明確な意図を持って素材を選んでいる。このアルバムもタイトルから何となく想像がつくようにジャンク・フードの危険性を訴える意図をもって人間の口に入るいろいろなモノを素材にしているらしい。

ご丁寧にアルバムの意図を説明したウェブページも用意してある。ちゃんと日本語で書かれているのでご心配なく。

仕事中に聞き流していたのだが、5曲目《CELEBRITY》でデヴィッドだの、ヴィクトリアだの、ビヨンセだのが歌われているのを聞いておかしくなってきた。やはり怒りにはウィットが必要である。

閑話休題。マイケル・ムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン」が面白くて「華氏911」がそれほど面白くなかったのはこのウィットの差なのではないか。

マシュー・ハーバートはビッグバンドも録音しているらしい。どんなんだろう?

見る前に焼け!

というわけで、「DVDレコーダーで録画 → そのまま DVD-R へ」という未視聴の DVD-R がどんどん溜まっているわけですが …..

昨日録画したNHK スペシャル「ドイツW杯 魔術師 ロナウジーニョ」を見る。裏で「BS永遠の音楽 アニメ主題歌大全集」をやっていたものでリアルタイムでは見なかったのである。妙技のてんこ盛りでお腹いっぱいという感じ。

個人的にはワールドカップは「決勝でブラジルと戦わせたいチームはどこ?」みたいな楽しみ方をしようと思っている。そういった意味でオランダとポルトガルに注目したい。

会社で「LIVE UNDER THE SKY」の1984年と1985年の映像をいただく。1984年にはギル・エヴァンス・オーケストラとジャコ・パストリアスの共演が入っている。ギル・エヴァンスがキーボードを弾く《チキン》!ハービー・ハンコックの「ROCK IT BAND」も懐かしい。

1985年ではやっぱりマイルス・デイヴィス・グループが見たかった(まだ見てないけど)。この年は筑波万博が開催された年で、マイルスのグループは筑波万博の会場内でも演奏した。私は整理券を入手できなかったので、場外で演奏を聞いていた。一瞬フェンスの間から見えたマイルスが私の唯一の生マイルス体験だった。

ちなみに、武満徹さんのブラスアンサンブル作品《デイ・シグナル(シグナルズ・フロム・ヘヴンI)》は、LIVE UNDER THE SKY の10周年を記念して書かれた。(まさか、テレビ放送はされなかったよなあ。されていたら見てみたい。)

エクスポージャー

ま、いろいろ買ったわけなのですが …

エクスポージャー(完全版)(紙ジャケット仕様)

キング・クリムゾン教の教祖様であらせられるロバート・フリップ御大が1979年に発表したソロアルバムのリマスタリングリリース。当時は不本意な形で発表されたので今回「完全版」としてリリースしたのだそうだ。

ピーター・ガブリエル、ブライアン・イーノらの共演陣に興味を持ったので購入。

ロバート・フリップがダリル・ホール(ホール&オーツの片方ね)のヴォーカルに魅せられて多くの曲でヴォーカルを取ってもらっていたのだが、ホール&オーツ側のレコード会社がそれを嫌って多くの共作がお蔵入りになっていたとのこと。

1970年代後半というと、ロバート・フリップはキング・クリムゾンを解散していた時期だし、ホール&オーツはブレーク直前でまだまだという時期だったと思う。そんな時期にこの二人の接点があったというのがかなり意外だった。

サウンド的には、その後復活することになる「80年代クリムゾン」との共通点が多い。私は70年代のプログレの範疇にいるクリムゾンよりも、タイトなビートの80年代クリムゾンが好きなのでかなりいい感じで聞けた。

マトモじゃないマトモス

ザ・ローズ・ハズ・ティース・イン・ザ・マウス・オブ・ア・ビースト

ビョークのアルバム参加やツアーメンバーとしてすっかり有名になったエレクトロニカ・デュオであるマトモスのニューアルバム。ビョークの素晴らしいライブDVD「ロイヤル・オペラ・ハウス」でも、そのマッド・サイエンティスト風の奇妙な演奏を見ることができる。

現実音をサンプリングして曲を作るあたりは「ミュジーク・コンクレート」とも言えるかも知れない。

このアルバムでも牛の臓器だとか精液だとか自分の体にタバコの火を押しつける音とかをサンプリングしているらしい。彼らのホームページに写真入りの解説があるが、あまり詳しく見たくない。

そういうゲテモノ的なサンプリング素材を使っても音楽の方はかなりポップ。

ピアノの森

職場の知人から借りていたにも関わらず、ずっと時間が取れなかったのであるが「そろそろ返さないといけないしなあ …」と思って読み始めた。

ストーリーや絵柄はかなりベタなのであるが、読み始めると止まらない。借りていた8巻までを一気に読んでしまった。

舞台はリアリズムに即しているものの実際にはまずあり得ない非現実感。私は中途半端なリアリズムやフィクションよりは徹底的な非現実感が好きなので、この非現実感が心地よい。

あとは、ストーリーの中で演奏されている音楽(作品の中では「完璧を超えた音楽」とも言われている)のイメージを喚起させる語り口のうまさ。これを読んだあとには耳で聞くことができる全ての音楽が空々しく感じてしまった。その一方で全ての音楽が誰かに向けて発せられているのであれば、どんな音楽でもいとおしく感じられてしまう。

また音楽を演奏する上での大事なことを示唆されたように思える。

読んでみて下さい。

日本代表

約14時間後にワールドカップ日本代表が発表される。

とりあえず予想メンバーを挙げてみよう。あとで自己評価します。

GK    川口 楢崎 土肥
DF    宮本 中澤 サントス 田中 加地 駒野 中田(浩) 坪井
MF    中田(英) 中村 小野 福西 稲本 小笠原 遠藤
FW    柳沢 高原 久保 玉田 大黒

(思いついた順)

というわけでニアピン賞。実は「柳沢を登録しておいて、間に合わなかったら巻に交代」というシナリオを考えていた。「玉田か?巻か?」という究極の選択を、久保をはずすことによって解決したジーコ。少し信用度が上がったかも(笑)。

個人的には、中田(浩)や坪井よりも松井に出て欲しかったのだが、ジーコが言うところの「代表での実績」がちょっと足りなかったか?