演奏会」カテゴリーアーカイブ

浜北吹奏楽団演奏会

時間の都合で第1部しか聞けなかったが、浜北吹奏楽団の定期演奏会を聞きに行った。浜北市文化センター中ホールは500人に満たないキャパだと思うが、満員で立ち見が出るくらいのお客さん、そのほとんどはご年配の方のようであった。

第1部は全日本吹奏楽コンクールの課題曲を集めたプログラムで、《音楽祭のプレリュード》(リード)、《ディスコ・キッド》(東海林修)、《風 紋》(保科洋)、《そよ風のマーチ》(松尾善雄)、《行進曲「SLが行く」》(若杉海一)が演奏された。曲自体は課題曲の中でも人気がある曲だし、選ばれ た曲の作風もおおむねバラエティに富んでいてプログラミングとしては悪くないと思う。しかし「全日本吹奏楽コンクールの課題曲」という括りを訴求すること は、あまり意味がないのでは、とふと思った。特にお客さんで吹奏楽経験者も少なかったようだし。

演奏については、ただ漫然と音楽が流れて行っているだけ ….. という印象を持った。技術的にどうこうという問題の前に、演奏する曲に対してバンドなり演奏者なりの意味付けが行なわれていないのではないかと思うのであ る。自分自身と自分が振っているバンドへの戒めも込めて。

タイガー大越クリニック&コンサート

ジャズトランペット奏者のタイガー大越さんのレクチャー&コンサートを聴きに行く。

前半が受講者を対象にしたクリニック、後半がミニコンサートのはずだったが、リラックスした(というかルーズというか)進行でかなり適当だったような気もする(笑)。

受講者であるトランペット奏者もかなりの腕前だったし、あまり専門的なことを指導されても聞いている方がついていけないと困るなあ、と思っていたの であるが、さすがふだんから教える立場におられる人だけあって、かなり型破りながらも非常に収穫の多いレクチャーだったと思う。

まずはフレージング。「Am – Dm – E – Am (実音じゃなくてトランペットでの)」という4つのコードがそれぞれ2小節ずつ、合計8小節のコード進行を用意する。それぞれの小節の構成音のみを使って フレーズを作るという練習である。つまり最初の2小節では(ラ−ド−ミ)、以下(レ−ファ−ラ)、(ミ−ソ#−シ)、(ラ−ド−ミ)という音だけを使って フレーズにしてみる。アドリブの練習としては単純ながら効果的な練習なのではないか。

それから呼吸法。

4拍吸って4拍吐く 8拍吸って8拍吐く 1拍吸って7拍吐く 1拍吸って1拍吐く 自分の手の甲を吸い付けるようなイメージで吸う などいろいろなパターンの呼吸法を実際にやってみた。常々、所属しているバンドが間然すべき問題の一つがブレスコントロールだと感じていたので今度試してみよう。

オンド・マルトノ・レクチャーコンサート

前回のテルミンに引き続き、オンド・マルトノのレクチャーコンサートを聞きに浜松市楽器博物館へ。

講師兼演奏者は日本のみならず世界を代表するオンド・マルトノ奏者である原田節(ハラダタカシ)さんである。オンド・マルトノが使われている曲で 真っ先に思い出すのはメシアンの《トゥランガリラ交響曲》である。この作品ではピアノとともにソリスト的な役割が与えられている。原田さんとオンド・マル トノとの出会いもこの曲であったらしいし、原田さんはシャイー/コンセルトヘボウの録音でソリストを務めている(この録音は残念ながら未聴)。

オンド・マルトノという楽器に対する私の印象は、この作品での使われ方のようにポルタメントが多用された(リボンコントローラーによって音の間を滑 らかに移動できる)甘美な旋律を受け持つ単旋律(同時に一つの音しか出せない)の楽器というものだった。この既成概念を完全に払拭したのが、トリスタン・ ミュライユが作曲した2台のオンド・マルトノのため《マッハ2.5》という作品である。2台のオンド・マルトノで微妙に異なる音程(微分音)を演奏するこ とによって生じるうねりや、「メタリック」と呼ばれるスピーカー(詳細は省略しますがオンド・マルトノは最終的に出力するスピーカーを演奏者が選択するこ とができます。それによって残響の音色もコントロールすることができるわけです。「メタリック」と呼ばれるスピーカーは銅鑼の真後ろにスピーカーを設置し たもので、当然金属的な残響を生み出します。)から出力される音は、もはや「ノイズ」とか「音響系」とか呼ばれるジャンルに近い。クセナキスやシュトック ハウゼンの電子音楽に興味を持っている人ならきっと愉しめるのではないかと思う。

これはサイン目当てに会場で購入したCD「In The Garnet Garden」にも収録されていた。

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その帰り、タワーレコードでピーター&ゴードンの紙ジャケ「ピーター・アンド・ゴードン・プラス」を購入。

ピーター・アンド・ゴードン・プラス(紙ジャケット仕様)

ちなみにピーター(ピーター・アッシャー)というのは往時ポール・マッカートニーと付き合っていたジェーン・アッシャーのお兄さんらしい。かのビー トルズ・ナンバー《抱きしめたい》はジェーン・アッシャーの家の屋根裏部屋で書かれたというのがビートルズ・マニアの間では定説になっている。そんな人間関係もあってか、レノン=マッカートニー作品(実際にはポールだけが書いたんだろうけど)が何曲か収録されている。ビートルズ初期のコーラス・ワークに似 た、いかにも「イギリス」という感じのグループである。

ジャケットには二人が写っているのだが、どちらがピーターでどちらがゴードンか知らない(^_^;)。その程度の認識しかない私がこのCDを買った のは、《アイ・ゴー・トゥー・ピーセズ》という曲を聞きたかったから。もはや曲の断片すら記憶になかったのであるが、中学生くらいの時に聞いていた深夜放送(時代を感じますね)で偶然かかったこの曲の持つ雰囲気がえらく気に入ってしまったということだけはずっと覚えていたのである。中学生の英語力ではピーセズを「peaces」だと思い込んでいて「私は平和になるんだ」みたいな意味だと勝手に思い込んでいた。

それから数年後、この曲が村上春樹の最高傑作(だと私は思っている)「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の中に登場することを知っ た。そして、決して「私は平和になるんだ」という意味ではなく「私はばらばらになる(I go to pieces)」という意味だと知った時には、その世界観の逆転に呆然としたものである(歌詞自体は全然深刻なものではないんですけどね)。この本の中で は多くの洋楽作品が登場するのであるが、《アイ・ゴー・トゥー・ピーセズ》は極めて象徴的に重要な形で使われているのでお楽しみに。

浜松交響吹奏楽団定期演奏会

30周年記念委嘱作品ということで鈴木英史さんの《Life Variations》、天野正道さんのSuite Symphonique《Gaia》の第3楽章が初演された。

作品によるものなのか、サウンドの作り方によるものなのかよくわからないが、強奏での色彩感が飽和しているように感じるのが気になる。どちらの曲も 浜響吹のシンフォニックなサウンドを念頭に作曲されたのであろうが、ある程度以上のボリュームを持ったサウンドが単色に聞こえてしまう。ポップスなどが中 心となる第2部ステージでは、団員アレンジャーの遠藤さんによる編曲がそれぞれのパートの持ち味を引き出していたのとは対照的に思える。

《Life Variations》は第2部に当たる部分が面白いと思った。原始主義的な作風が《春の祭典》に近い雰囲気があるなあと思ったら、テーマは「法悦の詩」 だそうで、何となく納得。《Gaia》は残念ながら第3楽章のみの演奏。おそらく4楽章構成の第3楽章ではないかと思うのでまだ評価は保留。天野さんは 「この曲を聴いて怒る人がいるかも知れませんが …..」と書かれていたが、個人的には《おほなゐ》を聞いたときほど心が動かなかった。

浜松南高校第10回定期演奏会

基本的に高校の吹奏楽部の定演というのは見に行かないのであるが、いろいろ事情があって見に行った。(武道館で行なわれる方の?)マーチング大会では過去に何回も全国大会に出場しているので、その筋ではいくらか知名度があるのではないだろうか。

第1部「クラシック・ステージ」第2部「ドリル・ステージ」第3部「企画ステージ」第4部「ポピュラー・ステージ」というてんこもりの構成。マーチングの方で鍛えているだけあって、音の立ち上がりのよさや開放的な明るいサウンドは魅力的である。クラシック・ステージでは時として荒く聞こえたりバランスが悪くなったりすることもあるが、そのへんをうまくまとめてやればもっといい演奏ができるバンドだと思う。また、多くのメンバーがそこそこのソロが取れるというのもいい。いかにも「譜面を間違えないように吹いてみました」というソロではなく、自分なりに消化していることがわかるソロである。最初にも書いたように昨今の高校吹奏楽部の様子はよくわからないのであるが、これだけ強烈なヴァイタリティを表現できたら、演奏の良し悪しに関係なく聴衆を動かすことはできると思う。ブラヴォー。

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中古DVDショップを物色。

散り行く花 (トールケース) [DVD]

映画創成期の巨匠グリフィスの作品。1919年制作。グリフィス作品には欠かせない名女優リリアン・ギッシュも出演している。「ゴダールの映画史」にも引用されている。ここで見つけたのもシンクロニシティか?いつ見るかはわからない(だいたい数年前に買ったグリフィス作品「国民の創生」「イントレランス」もまだちゃんと見ていない)が、とりあえずライブラリとして持っていたい。

バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー・ボックスセット [DVD]

リリースされた直後から買おうかどうしようか迷っていたボックスセットであるが、中古で値段も手頃、状態もかなりよかったので購入することにする。LDでは全部持っているんだけど。

モンスターズ・インク [DVD]

これもライブラリに加えておきたかった作品。

Wingspan: Hits and History

輸入CDバーゲンで。数年前にリリースされたポール・マッカートニーの2枚組ベストアルバム。どちらかというと「ジョン派」なのであるし、ジョン以外のソロ・ビートルにはあまり興味はないのだが、ポールのソロ作でも何曲か気に入っているものはあるので買っておく。

Last Smile

I will be with you

ラヴ・サイケデリコのシングルは、タイトル・チューン以外の曲がアルバムに収録されないことが多いので、シングルはレンタル落ちを安く買っている。

テルミン・レクチャー・コンサート

日本のテルミン演奏の第一人者である竹内正実さんのレクチャー・コンサートが浜松市楽器博物館の主催で開催された。

スライドやビデオを使いながらテルミンの生涯を簡単にたどり、その合間にクラシックの小品を演奏するといった構成。そういえば、ちゃんと演奏されたテルミンの音色を生で聞くのは初めてかも知れない。以前、展示会で展示されていたテルミンを少し演奏させてもらったことがあるのだが、(当たり前のことではあるが)音階すらまともに弾けなかった。

しかし、人(私も含めて)はテルミンの何に惹かれるのだろう?楽器に全く触れずに、空中で動かす手で演奏を制御するという多少オカルト的なにおいのする怪しさか?ヴォカリーズにも似た響きと、電子楽器にはそぐわないある種の不安定さを含んだ音色か?

テルミンで和音を出そうと試みた「ポリフォニック・テルミン」のテルミン博士自身によるプレゼンテーション(レクチャー終了後に竹内さんにうかがったのであるが、この音源は世に出ていない模様。テルミンに関する資料は娘さんがかなり厳しく管理されているそうだ。)や、アンコールに使われたマトリョミン(ロシア名物マトリョーシカ人形にテルミンを組み込んだもの)が興味深かった。

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ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2003(CCCD)

去年も書いたような気がするが、一応バンドの選曲資料のために毎年購入はしている。

が … ううん、こういう曲やこういうアレンジを求めている現場はそんなに多いのだろうか?

対象としては、おそらく中・高校生バンドが多いのだろう。しかし、今 J-POP のヒットチャートの上位にいる曲をかっこいいと思って聴いている吹奏楽部員たちが、こういう曲やこういうアレンジを「吹奏楽界でかっこいいとされているスタイル」だと思い、そのギャップに無自覚でいることは、とても不幸なことなのではないかと思う。

少なくとも私は供給する側の目指している「かっこよさ」と、それを受容する側の「かっこよさ」のどうしようもない乖離を感じている。

浜松交響楽団第53回定期演奏会

プログラムはリヒャルト・シュトラウスの《ドン・ファン》とブルッフのヴァイオリン協奏曲とホルストの《惑星》。《ドン・ファン》はやはり弦が大変そう。 もうちょっと余裕がないと匂い立つような響きが出てこないのではないだろうか。一生懸命演奏しているという感じの方が先に出てしまっている。ブルッフは ….. うぅん、初めて聞いたけどこういう曲はちょっと苦手。《惑星》はかなり表現がダイナミックでわかりやすかった。特に「土星」あたりはCDで聞いていると必 ず眠くなってしまうのだが(笑)、この演奏で面白さを再確認できた。全曲を通してフルートパートのアンサンブルの確かさが目立っていたように思える。アン コールの《スター・ウォーズ》にはびっくり。

浜松ウィンドオーケストラ第2回定期演奏会

都合により第3部の《青銅の騎士》(グリエール)しか聞けなかった。ううん、全体的に未整理という感じ。特にバレエ音楽は短い曲で構成されているか ら、各曲の音楽的なストーリー(バレエの筋という意味ではなく音楽的な起伏という意味で)を考えないとただ曲を並べただけになってしまう。

サウンドとしてはクラリネットとサクソフォンのアンサンブルによるバランスがよい。ここが中心になった時には充実した響きがする。サポートスタッフとして協力していますし、お互い切磋琢磨してがんばりましょう。

SKETCH SHOW

SHIBUYA-AX で行われた「SKETCH SHOW」のライブを見に行く。 CD では電子音主体の音作りが目立っていたのであるが、ライブではやはりアコースティックな面が強調される。サポートメンバーとして参加している小山田圭吾の ギターの存在感は決して小さくない。終電に間に合うように残念ながら途中で帰ってしまったのであるが、特に前半のルーツ・ミュージックっぽいまったりとし た雰囲気がいい意味で期待を裏切ってくれた。まさかユーフォニアム(とコルネット持ち替え)が編成に含まれているとは。