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航空自衛隊中部音楽隊第28回定期演奏会

航空自衛隊中部音楽隊第28回定期演奏会を見に行った。

2005年3月11日(金) PM7:00 アクトシティ浜松大ホール

第1部

  • アーロン・コープランド/エンブレムス
  • 渡部哲哉/行進曲「風の音に乗って」
  • 高橋伸哉/ライト・フライヤー(中部航空音楽隊委嘱作品 本邦初演)
  • I will…/清水大輔(中部航空音楽隊委嘱作品 本邦初演)
  • ロン・ネルソン/ロッキー・ポイント・ホリデー

第2部

  • ジョン・フィリップ・スーザ(日下部徳一郎)/士官候補生
  • ホセ・ラカーリェ(中村春彦)/アマポーラ
  • スティーブン・フォスター(前田憲男)/草競馬
  • 大野雄二(三浦秀秋)/ルパン三世
  • 清水大輔/ネクスト・エンジェルス(吹奏楽版 本邦初演)
  • (渡部哲哉)/エルヴィス・ライブス

アンコール

  • 矢部政男/航空自衛隊行進曲《空の精鋭》

私には演奏会をコープランドの《エンブレムス》で始める勇気はない。 あの有名な《アメイジング・グレース》が引用されているとはいえかなり晦渋な作品だし、情け容赦なく不協和音が続く。聞き手を惹き付けるのは難しい曲である。 しかし、鳴りのよいサウンドで聞かせたという感じ。

ネルソンの《ロッキー・ポイント・ホリデイ》もメカニカルで難しい曲である。 かなり速めのテンポでもしっかり曲になっていた。サウンドはちょっと荒くなってしまった気がしたが、勢いのある曲なのであのくらいでもいいのかも知れない。 マレット・パーカッションが密かに超絶技巧。

第2部は特に後半でピッチの乱れが気になった。各曲のリズムもちょっとタメがなくて流れてしまっているように思えた。

個人的には清水大輔さんの2曲を聞けたのが収穫。

東京佼成ウィンドオーケストラ第83回定期演奏会

最初は聞きに行こうかどうしようか迷っていたのだが、応募したチケットプレゼントに当選したので行くことにした。 プログラムは以下の通り。

第一部

  • フランシス・プーランク/フランス組曲
  • オリヴィエ・メシアン/異国の鳥たち
  • 武満徹/ガーデン・レイン
  • 武満徹/室内協奏曲

第二部

  • イーゴリ・ストラヴィンスキー/エボニー・コンチェルト
  • ドミトリ・ショスタコーヴィチ/ジャズ組曲第1番
  • クルト・ヴァイル/小さな三文音楽

アンコール

  • クルト・ヴァイル/小さな三文音楽より「マック・ザ・ナイフ」

よくよく考えると、かなり贅沢な演奏会である。 ほとんど編成の異なる20世紀に書かれた管楽アンサンブルの重要作品を一つの演奏会で聞けるのだから。

第一部はかなり多様な作品が集められたが、第二部はジャズ的な雰囲気を持った作品で統一されている。 第一部が演奏者にも聴衆にも緊張感を強いる作品が多かった(例えば《異国の鳥たち》の変拍子とか、《ガーデン・レイン》の金管楽器の超弱音の持続とか)が、その反面、第二部には演奏者も聴衆もリラックスできる作品が多かった。 そのせいか演奏会が進むにつれ演奏者がだんだんなごんでくるのがわかる。 《ジャズ組曲第1番》《小さな三文音楽》あたりでは、かなり乗った演奏が楽しめた。

演奏会前から「こんな特殊な編成ばかりの演奏会でアンコールに使える曲があるのだろうか?」と要らぬ心配をしていたのだが、《小さな三文音楽》の第2曲、ジャズのレパートリーとしてもよく知られている《マック・ザ・ナイフ》が再び取り上げられた。

佼成のメールマガジンによると、WOWOW のビデオ収録が入っていたらしい。放送されるのかな?

アンケートにも書いたが、また似たような企画で演奏会を開いてほしいものである。 (どんな作品があるかなあ ….. 武満徹の《シグナルズ・フロム・ヘヴン》を第一部と第二部の前に演奏して、クセナキスの《アクラタ》とか、ヴァイルの《ヴァイオリン協奏曲》とか(あれ、 佼成は最近やったっけ?)、ヒンデミットの《演奏会用音楽》あたりはギリギリでOKか?)

岩城宏之さんのサイン入りCDはしっかりゲットしました。

浜松ウインドオーケストラ第4回定期演奏会

オープニングで演奏されたチェザリーニの《アルピナ・ファンファーレ》を聞いた時点で、最後に《第六の幸福をもたらす宿》を持ってきた理由がわかったような気がした。ホルンがかなり強力である。

その《第六の幸福をもたらす宿》であるが第1楽章はかなり充実した響きだった。おそらく他の曲と比較してかなり時間をかけたであろう掘り下げが感じられる。以前このバンドを聞いた時の印象と大きくは変わっていないのであるが、サクソフォンやホルンの充実した響きがこのバンドの支柱になっているのだと思う。これらのパートが中心となった時には本当によいサウンドがする。

あえて注文をつけさせていただくと、もう少し大きな視点で音楽の起伏を考えるといいのではないかと思う。音楽のいろいろな要素(例えば楽章とか楽想とかメロディとか)には始まりと終わりがあって、その始まりと終わりの間にはどこかに重心(例えばもっともテンポが遅くなるところとかもっとも音量が大きくなるところとか)があるのである。その重心に向かう力あるいはその重心から離れていく力を考えた音楽作りをすれば大きな流れができ、それによって音楽はもっと雄弁になると思う。

… など、自分自身への注文とも言えることをいろいろ考えたわけだ。

最後にスタッフとして働いた我が団のみなさま、お疲れ様でした。

ファイヤーマンズアクトコンサート

「第5回全国消防音楽隊フェスティバル ファイヤーマンズアクトコンサート」を聞きにアクトシティ浜松大ホールへ。

全国の消防音楽隊が集まるフェスティバルのコンサートの一つ。他にも「浜名湖花博」会場でのコンサートとパレード、浜松市内の秋祭りイベントと連動してのパレード、浜松アリーナでのマーチングコンサートなど多彩なイベントが計画されている。

「ファイヤーマンズアクトコンサート」は演奏会形式のコンサート。浜松市消防音楽隊、さいたま市消防音楽隊、名古屋市消防音楽隊、大阪市消防音楽隊、神戸市消防音楽隊(出演順)が出演した。(実際には浜松市内をパレードする予定だった音楽隊も急遽参加したのであるが団体名を失念(_0_))期待以上にクオリティの高い演奏を楽しめた。

特に名古屋市消防音楽隊と大阪市消防音楽隊はかなり完成度が高い。

名古屋市消防音楽隊の《君の瞳に恋してる》(真島俊夫編曲)はフルート・ソロを全面的にフィーチャーした編曲なのであるが、このソロが凄い。淀みなく細かいパッセージを吹いているだけでも凄いのであるが、アドリブのフレーズの緩急のつけ方やクライマックスへの持って行き方なども堂に入っている。全体的な演奏も落ち着いていて、最小限のパワーで最大限の演奏効果を発揮しているように思える。

大阪市消防音楽隊はそれとは対照的にかなりパワフル。《サンバ・デ・アイーダ》《あの日聞いた歌》《USJメドレー》(全て真島俊夫編曲)というきついプログラムだが、全て豪快に鳴らしまくっていた。

いろいろな制約(よくわかりませんが)があるためか、どの消防音楽隊も必要最低限の演奏者しかいない。例えばフルートは2人で1人はピッコロ持ち替え、クラリネットはBb管が5〜6人でEbもバスクラもいない、サックスは2+1+1、ホルンは4人いるバンドは少なくて2〜3人、トランペットも通常は4人くらい、トロンボーンも3〜4人、ユーフォニアムはもちろん1人、テューバは1人ないし2人でエレキベースで補強、打楽器は3〜4人くらい、といったところであろうか。

当然ごまかしが効かず、一人一人の技術力がそのまま演奏として表われてしまうシビアな編成である。神戸市消防音楽隊は25人という、おそらくこの日の最少人数のバンドだったのであるが、非常に充実した演奏であった。

ミスター・シンデレラ(ビョークとケヴィン・エアーズ)

伊藤康英さんのオペラ《ミスター・シンデレラ》の東京初演を見に新国立劇場へ。鹿児島での初演と翌日の再演を見ているので、このオペラを生で見るのは3回目ということになる。

ホールのせいかソリストのせいかわからないが全体的に歌がはっきり聞こえる。鹿児島で見た時は歌がオーケストラに負けてしまって歌詞がよく聞き取れなかったのであるが、今回は歌詞がはっきり聞こえるということで、かなり内容に没頭することができた。

ついでにタワーレコード新宿店で買ったもの。

メダラ

アテネオリンピックの開会式でも歌っていたビョークの最新アルバム。(この時に歌われた《オーシャニア》も収録されている。)帰ってから地元のCDショップで買えば割引価格で買えるのであるが、試聴したところ一刻も早く聞いてみたかったのでその場で買ってしまった。

リリース前から話題になっていたように、バックトラックも含めて基本的に人間の声(もちろん加工はされているが)だけで構成されている。日本からもDOKAKAが参加しているし、ロバート・ワイアットなども参加しているようだ。

個人的にはここ数年でいちばんのインパクトを受けたアルバムである。 amazon.co.jp のレビューを見ると、ビョークを知らない人は聞かない方がいいとある。私が初めてビョークのフルアルバムを聞いたのは前作「ヴェスパタイン」だったのだが、緻密な構成に多少の息苦しさも感じた。「メダラ」はそれに比べるといい意味でラフに作られているように思える。特に3曲目の《Where Is The Line》がお気に入りなのだが、この突き抜けたサウンド・プロダクションはほとんど狂気ともいえる。

ビョークが私より年上(1965年生まれ)だったのはかなりびっくり。

Didn’t Feel Lonely Till I Thought of You: The Island Albums

ケヴィン・エアーズ(元ソフト・マシーン)とジョン・ケイル(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)とブライアン・イーノ(元ロキシー・ミュージック)とニコ(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)が共演したライヴがあるということで探していたのであるが、今回見つかったのはこの2枚組。

ケヴィン・エアーズがアイランド・レコードに所属していた頃のソロ・アルバム「夢博士の告白」「スウィート・ディシーヴァ−」と、上記のライヴ・アルバム「1974年6月1日」をカップリングした 3 in 2(とでも言うのだろうか?)である。

以前の日記に書いた、ニコによる《ジ・エンド》のカバーもこのライヴでの演奏のようだ。イーノによるシンセサイザーの伴奏のみによるかなり不気味な演奏。

ヤマハ吹奏楽団第39回定期演奏会

2004年5月30日(日) アクトシティ浜松大ホール

ヤマハ吹奏楽団の定期演奏会を聞きに行く。プログラムは以下の通り。

  • P.I.チャイコフスキー/イタリア奇想曲
  • 菊池幸夫/摩天
  • J.イベール/「寄港地」より
  • F.チェザリーニ/アルプスの詩

アンコール

  • P.マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
  • J.フチーク/フローレンティナー・マーチ

最近の演奏会では tutti のバランスの悪さが気になっていたが、今回はよかった。全体にこじんまりとしてしまったのだが、バランスの改善によって聞きやすくなったメリットの方が大 きいと思う。(恐れていたように《アルプスの詩》ではやはり部分的に寝てしまったが …..)

委嘱作品である「摩天」は一種のオルガン協奏曲とでも言える作品。オルガンとバンドが拮抗しながら高みに向かう ….. という作曲者のプログラムノートそのままのようなイメージ。(ということで、今年のコンクールの自由曲にはならないような気がする。)最近の「長生四部作」はかなりロマンティックな作風であったが、この作品でまた「硬派な」ヤマハ委嘱作品の作風が戻ってきたように思える。

演奏会行脚

この日、浜松は管楽器関係のコンサートだらけ。昼間は浜松交響吹奏楽団とマーチングバンドの浜松ワイルドウィンズの定期演奏会がバッティング、夕方から夜にかけてはビッグバンドのリハーサル・ジャズ・オーケストラと浜松南高等学校吹奏楽部の定期演奏会がバッティングしていた。

私は浜松交響吹奏楽団と浜松南高等学校吹奏楽部の演奏会をはしごしたのであるが、この二つの演奏会の所要時間を合計すると5時間30分であった。演奏者のみなさんには「おつかれさま」と言いたいが、私も疲れた(笑)。

浜松交響吹奏楽団定期演奏会

プログラムの前に、昨年逝去された初代常任指揮者の松下功一さんを追悼するためにドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」から第2楽章が演奏された。

第1部の課題曲(《鳥たちの神話》)をのぞく3曲は、3月に行なわれた「響宴」でも取り上げられた作品。基本的な感想は「響宴」の時に感じたものと同様。どの曲も確かに「鳴る」のであるが、音楽的に面白いかというと私の耳には面白くない。単に趣味の問題なのかも知れないが。

どうも最近の邦人作品のトレンドが耳に合わないのでそれを合理的に説明する術を考えているのだが、なかなかいい言葉が見つからない。一つは「推進力の欠如」なのかなと思う。その場その場では綺麗な旋律、あるいは綺麗な響きができているのだが「ただそれだけ」という気がする。その音楽がどこに向かって進もうとしているのかが見えてこないのである。例えば、推進力の拠り所というのは作品の構成であったりソノリティ(音色)の選択であったりするのであろうが、「綺麗な旋律の連続」や「鳴るソノリティの追求」がそういった推進力を失う原因になっているのではないだろうか。

「だから西洋音楽は偉い」というつもりはないが、例えばソナタ形式で主題が再現された時やパッサカリアで主題が再現された時の「クライマックス感」がある限り、西洋音楽が長い時間をかけて培ってきた(また試行錯誤の中でそれを解体しようとした)楽曲構成にはそれなりの必然性があると思うわけである。

というわけで、このバンドはポピュラー・ステージの方が肩の力が抜けていて楽しめる。女子十二楽坊のメドレーは圧巻。木管セクションの各演奏者の技術の高さをアピールするような編曲。

静岡県立浜松南高等学校第11回定期演奏会

昨年に引き続いて聞きに行った。印象は昨年と大きく変わらない。昨年よりは「鳴り」がいいかな?マーチングが得意なためか開放的なサウンドが魅力的である。弱音のコントロールや柔らかい音色をうまく表現できるようになれば、もっといい演奏ができるだろう。

  • 大栗裕/仮面幻想
  • アラム・ハチャトゥリアン(林紀人編曲)/バレエ組曲「ガイーヌ」より
  • 天野正道/「GR」よりシンフォニック・セレクション

《GR》はそこそこ仕上がっているが他の2曲はかなり厳しい。特に《ガイーヌ》は技術的にかなり難易度が高い。最低限でも細かい音符が吹けていないと聞いていてかなり辛い。

第2部はドリル・ステージ。ここ数年マーチングの全国大会に出場している団体だけに安心して見られる。今回は「スペイン」がテーマ。

第3部はコント(^_^;)。さすがに部外者がこれを見続けるのは辛いので中抜けして買い物に行った。 30分ほど経って帰って来たらまだやっていた(^_^;)。「学校での一日」をテーマにしていたらしく、いろいろな小物(例えば本とかバスケットボールとかデッキブラシとかポリバケツとか)でパーカッション・パフォーマンスをやっていたらしい。ということで、ラストは《学園天国》(なるほどね)。

第4部はポピュラーステージ。ニューサウンズの《マイ・フェイヴァリット・シングス》は、やはりジャズ・ワルツのリズム感を出すのが難しそう。《パイレーツ・オブ・カリビアン》は2年生の学生指揮者が振ったのだが、この指揮がとてもうまい。振り方から見て取れる「指揮者が作ろうとしている音楽」と、結果として「バンドから出てくる音楽」が一致しているのである。指揮者が音楽的に進むべき道筋をちゃんと提示して、演奏者が集中力を持ってそれについていくという形。音楽的な完成度から言えば、この演奏会のベストだろう。また、この演奏会をもって3年生が引退するということで涙なくしては見れないいろいろな趣向があるのだが、団長の挨拶は決め台詞を決めておいた方がかっこよく締め括れると思うよ。

*****

そういうわけで、コントの合間に買ってきたもの。

エレクトロニック・メディテイション(紙ジャケット仕様)

アルファ・ケンタウリ~ケンタウロス座のアルファ星+Ultima thule(紙ジャケット仕様)

ツァイト

アテム

ジャーマン・エレクトロ・ロックの祖とも言える存在。これも紙ジャケ/リマスターでリリースされたので買ってみることにした。

とりあえずランダムに手に取った「ツァイト(Zeit: 英語にすると time)」から聞いてみた。あまり電子音を駆使したという感じはない。 1曲目は複数台のチェロが絡み合う音楽から始まり、徐々に電子音が主導権を握っていくような感じ。インターネットで検索すると「このアルバムは難解だ」という人が多いようだが、私は結構好きである。例えば、冒頭のチェロは西村朗さんの管弦楽作品にみられるようなアジア音楽のドローンを模した低音弦楽器の音響に通じるところもあるし、後半のシンセサイザーの持続音が続くところなどはアルヴォ・ペルトの作品の静謐感を思わせる。

「アルファ・ケンタウリ」にはアルバム未収録だったシングル曲を収録した8cmCDシングルがついているのであるが(しかし、ここまでするか(笑)?)、実はこのシングル曲がいちばん聞きやすいのではないか。

夏頃には Virgin レーベルに移籍してからの「フェードラ」「ルビコン」も再発予定。こちらの方が一般大衆向けの曲想らしいので楽しみである。

バグズ・ライフ [DVD]

「ファインディング・ニモ」のDVD発売にあわせて、ピクサー制作のアニメーション映画が廉価版になった。劇場公開映画では「バグズ・ライフ」だけ見ていなかったので購入。

「スペース・レンジャー バズ・ライトイヤー」も見ていないのであるが、「ニモ」購入後に「もう一枚キャンペーン」でもらう予定。そういえば、数年前に見かけた七夕の短冊に「バズ・ライトイヤーになりたい」という願い事があったのを思い出した。宇宙の平和のためにがんばってほしい(笑)。

ヴォア・ヴェール演奏会

友人が所属する合唱団「ヴォア・ヴェール」の演奏会を聞きに浜松市福祉交流センターへ行く。ここはもともと福祉文化会館と呼ばれていた施設で、かつては私が所属する吹奏楽団のホームグランドであった。演奏者としてステージに乗ったのも数年前のことだし、聞く側の人間として最後に訪れたのは十年近く前ではないか。やはり吹奏楽をやるにはかなり小さいと思う。

プログラムは以下の通り。

  • ホルスト/《5つのパートソング》より
  • ラクール/《3つのモテット1982》
  • 千原英喜/《おらしょ》 カクレキリシタン3つの歌
  • 長谷部雅彦/詩集「食卓一期一会」より(初演)

《おらしょ》がかなり充実している演奏だと思ったが、ホームページの演奏履歴を見てみると1年ほど前から演奏しているようで、なるほどこなれているわけだ。

タイトルが示すように、長崎県の隠れ切支丹に歌い継がれた歌をモチーフにしている。伊藤康英さんの吹奏楽のための交響詩《ぐるりよざ》同様、皆川達夫さんによる研究の成果を拠り所にしているのだと思う。第2楽章ではおらしょ《ぐるりよざ》の原曲(伊藤さんの作品の第1楽章で歌われるアレ)、第3楽章では《さんじゅあん様の歌》(伊藤さんの作品の第2楽章で竜笛で演奏されるアレ)が使われている。千原さんの作品では、これらの旋律の他にもいくつかの民謡やグレゴリオ聖歌も使われており、日本的な和音が聞こえる部分もあれば、中世ヨーロッパ的な雰囲気を伝えるところもある。

《食卓一期一会》が、その友人の作品。永田弘さんの詩集から3編を選んだもので、それぞれ「絶望のスパゲッティ」「ブドー酒の日々」「ユッケジャンの食べ方」という詩に基づいている。(レシピに曲をつけてしまうというアイデアは伊藤康英さんの「あんこまパン」に似ていなくもない。)合唱の世界はあまり詳しくないのであるが、それぞれの曲が確固としたわかりやすさを持っていて、聞いていて非常に楽しめた。

アンコールの《奴らの足音のバラード》は、かつてのテレビアニメ「はじめ人間ギャートルズ」のエンディングテーマ。ムッシュかまやつが歌うこの曲は歌詞もメロディも素晴らしい名曲だと思っている。演奏してもらえてうれしかった。

*****

予約していたものたちがたまっていたので取りに行く。

とりあえず、これで打ち止めになるクイーンの紙ジャケ。(でも、まだ「ライヴ・キラーズ」が出ていないなあ …..)フレディ・マーキュリーの死後にリリースされたもの。

はっぴいえんどBOX (CD-EXTRA仕様)

はっぴいえんどの全オフィシャル音源を集めたCDボックス。とりあえず、「ゆでめん」と「風街ろまん」しか聞いたことがないので。

THE BAND OF 20TH CENTURY : PIZZICATO FIVE THE SIX DVD SET

後半は閉塞感が見えつつあって、だんだん聞かなくなってしまったピチカート・ファイヴ。かなり突然解散したような記憶があるのだが、「まあ、しょうがないかな。」と思ったことも事実。

今回、久しぶりに聞き直して(見直して)みて、やはり黄金期(「小西+高浪+野宮」の時代から「小西+野宮」の時代になってちょっと経ったくらいまで)はいい。過剰なメディア戦略はファン以外が見るとちょっと引いてしまうものだが、ピチカートの場合は、その過剰さに有無を言わせぬ説得力と自信があったように思われる。

RIOT IN LAGOS・WAR HEAD・LEXINGTON QUEEN / 坂本龍一

YMO 人気絶頂期に発表されたソロアルバム「B2-UNIT」からの 12inch シングル。海外盤。「RIOT IN LAGOS」はアルバムとは別テイクのロング・バージョンで、日本国内では未発表のバージョンである。「WAR HEAD」と「LEXINGTON QUEEN」はアルバムに先行してリリースされたシングル盤からの収録。このシングルは紫色のカラーレコードでジャケットを広げると化粧バリバリの教授のポスターというかなり豪華なアイテムだった。音の方は「B2-UNIT」の過激さとYMOのポップさがいいバランスで同居していて個人的に好きな曲。

「LEXINGON QUEEN」も超レアアイテムで別バージョンがあるんだよな ….. 聞いてみたい。

響宴

「響宴」を聞きに東京へ。

まずはメトロポリタンプラザの中で昼食を取ったついでにHMVをのぞく。NAXOSのシチェドリン/「カルメン組曲」を見つけたので買っておくことにする。昨年行った演奏会で初めて聞いて面白いと思ったのでじっくり聞いてみたかったのである。このCDのカップリングはアメリカ空軍バンドの自主制作盤にも収録されていた「お茶目なチャストゥーシュカ」 である。

好評につき売切れです

せっかく池袋に行くことだし、演奏会前に「ミッテンヴァルト」に行こうと思っていたので行ってみる。久しぶりに行くと土地勘が鈍っていてなかなかたどり着けない。たまたま携帯のメモに住所が残っていたので助かった。お目当てはこのショップの自主制作盤である「オーケストラ・ニッポニカ」の2枚のライヴ盤である。戦前から戦中にかけて作曲された日本人作曲家による作品が収められている興味深いCD。

さて「響宴」。まずは会場内で昨年の「響宴のビデオ」やら、ノーステキサスの《カルミナ・ブラーナ》のDVDやらを購入する。ビムス・エディションズのブースでは、近々CDがリリースされるということを聞き、さっそく予約した。

演奏会の内容について。どのバンドも全日本吹奏楽コンクールかと思うくらい鳴らしまくる。少々げんなり。あれだけ鳴らしてしまうと音色が飽和してしまい、同じような響きしかしないような気がするのだが。

後藤洋氏が作品に寄せたメッセージの中で「マニアックなものに走らず広く演奏される作品を紹介して云々」という文言があった。しかし「吹奏楽も含めた全ての音楽」という視点に立てば、特に問題意識もメッセージも持たずに大同小異の曲を生産し続けるコミュニティの閉鎖性も問題にされるべきなのではないかと思う。アンケートにも書かせていただいたが、「難解な作品」と「広く演奏されるべき作品」は対立する概念ではないはずだと信じている。

浜松交響楽団演奏会など

浜松交響楽団の定期演奏会を聞きに行く。

前日の早起きがたたって、午後2時30分開演なのに起きたのは午後1時30分(^_^;)。何とかギリギリのタイミングでたどり着くことができた。プログラムは以下の通り。

  • J.S.バッハ(シェーンベルク編)/前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552
  • パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 op.6
  • ブラームス/交響曲第1番 ハ短調 op.68

吹奏楽的ネタについて触れておくと、オープニングのバッハは通称「聖アン」、田村文生さんが《バッハナール》なるタイトルで吹奏楽編成のために編曲している。このシェーンベルクの編曲は管楽器が活躍する硬質なオーケストレーションが特徴的である。アンサンブルが難しいからか、かなり慎重というか小さくまとまってしまった演奏だった。最後の和音にたどりついてやっと一安心という感じ。

ブラームスは演奏者の熱気が伝わってくる好演だった。アマオケ事情はよく知らないのであるが、きっと演奏者の誰もが演奏したことのあるレパートリーだと思われるし、演奏していてきっと楽しいのだと思う。

*****

ジョージ・ハリソンのボックス「Dark Horse Years」を買う。ジョージ自身が立ち上げたレーベル「ダーク・ホース」からリリースされたアルバム6タイトル(7枚)と、特典DVDがセットになったボックスである。2枚組CD「Live In Japan」は、おそらくビートルズ関係初のSACDでのリリースとなる。

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  • 日本盤:CCCDの分売のみ。ボックスの発売はなし。
  • US盤:非CCCD。レーベルはキャピトル。DVDはオールリージョンのNTSC。日本語字幕つき?日本への入荷量が極端に少ないらしい。日本語版解説が付くの付かないのという話の顛末は 2ch の「ビートルズ・オールディーズ」板に詳しい。
  • EU盤:CCCD。
  • UK盤:非CCCD。レーベルはダークホース。DVDはPAL。

ということで、いろいろ迷ったあげくにUK盤を買うことにした。私の環境だとDVDのフォーマットは問題にならないし、出遅れた今となってはUK盤がおそらくもっとも早く入手できるのだろう。(もちろんCCCDは論外)

「ジョージ好きだったっけ?」という妻の突っ込みもあったが、少なくともポールよりは好きな気がする(笑)。

このレーベルからの第1弾である「33&1/3」は、LPレコードの1分間の回転数と当時のジョージの年齢をひっかけたもの。中学生くらいの時に近所のレコード屋で新品が1000円で叩き売られていたのを買った。当時の私はビートルズ(正確に言うとジョン・レノンとその周辺)を聞き始めた頃で、例えばジョンの「マザー」とかに比べるとえらくあっさりしたアルバムという印象があった。まあ、当時はテクノポップ全盛期だったし、Up-to-date な音楽は過激な音作りをしていたように思えるから、ジョージのようなアコースティック主体の音楽はかなり風通しのいい音楽に聞こえたのだろう。

時代はめぐって、最近はアコースティックな音楽が割とメインストリームであるし、このアルバムもリマスターされていたりして、とてもみずみずしく感じる。この手の音楽を聞いてほっとするのは、やはり年をとったせい?