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東京出張

出張。新宿アルタ地下の「ハイチ」がなくなっていて残念。ここのドライカレーとコーヒーはなかなかのお気に入りで、出張ででかけた時の昼食としてよく利用していたのであるが …

タワーレコード新宿店にて、アルソ出版の雑誌「Wind-i」を見ていたら、伊藤康英さんの《木星のファンタジー》の吹奏楽版が掲載されているのを発見。この作品は平原綾香さんの《JUPITER》が流行るずっと前から(笑)作られていたのである。

《木星のファンタジー》には(例によって)さまざまな編成による版があるのだが、この吹奏楽版はマジカル・サウンズのために書かれた《木星のファンタジー 2001》(編成は Fl. Cl. Sax. Hrn. Trp. Trb. Tub. Perc.)をもとにしている。木管を主体とした抒情的な部分に、デキシーのようなテンポアップした中間部が挿入されるような構成になっている。この中間部がかなり難易度が高いことは康英さんも心得ているようで(笑)、ばっさりカットするという案も書かれている。

先月も来たばかりなので、特に欲しいものもない。今月はブライアン・イーノやマイク・オールドフィールドやタンジェリン・ドリームのリイシュー発売が控えているので、とりあえずタワーレコードでなければ買えないものを買うことにする。

Simple Gifts: The Music of Frank Ticheli, Vol. 2

フランク・ティケリの作品集第2弾。9月の定期演奏会でティケリの《シンプル・ギフト》を取り上げることになっている。(ひょっとして日本初演(笑)?)今までは出版社の味も素っ気もない参考演奏だけだったので、他の演奏を聞くために買ってみた。

TAD Wind Symphony

元福岡工業大学附属高等学校吹奏楽部(現:城東高等学校)の指揮者であった TAD こと鈴木孝佳さんの CD。氏ゆかりのいろいろな団体(尚美ウィンドシンフォニーとか UNLV ウィンドオーケストラとか TAD ウィンドシンフォニーとか)による演奏が収められている。

偶然、上記の「Wind-i」にも鈴木孝佳さんと鋒山亘さんのインタビューが載っていた。

Kings of the Blues

上記の CD を買おうと思ってキャッシャーに持って行ったら、カウンターにこの CD が置いてあった。 620円。とりあえず買ってみることにした。 エリック・クラプトンやローリング・ストーンズに敬愛されるブルースの教祖。ほぼギター一本で奏でられる音楽は、先日購入したライトニン・ホプキンスよりも土臭い。 演奏していた酒場で主人の奥さんに迫り、嫉妬したその主人に毒入りのウイスキーを飲まされたのが原因でわずか 27 歳でこの世を去ったらしい。

*****

出張先が新宿オペラシティだったので新国立劇場の下見に(笑)。 8月に東京初演が行なわれる伊藤康英さんのオペラ《ミスター・シンデレラ》を見に行く予定なのである。せっかく下見に行ったので、ショップで過去の公演のプログラムを買うことにした。とりあえず面白そうだったので、石井眞木さんのバレエ《梵鐘の聲》のプログラムを購入。タイトルから何となく連想できるように平家物語を題材にしたバレエだそうである。ちなみに、このオペラから再構成された交響詩《幻影と死》が遺作となったらしい。つい先日(7月4日)行なわれた「N響 Music Tomorrow 2004」でも演奏されたそうである。この演奏会では望月京さんへの委嘱作品も初演されたそうなので、放送(されるよな?)が楽しみである。

「Music Tomorrow」って毎年尾高賞受賞作品を取り上げていたような気がするのだが、ということは石井作品が尾高賞?

ポール・マッカートニーとアヴァンギャルド・ミュージック―ビートルズを進化させた実験精神

ビートルズとアヴァンギャルド・ミュージックの接点というと、ジョン・レノンの《トゥモロー・ネヴァー・ノウズ》や《レヴォリューションNo.9》が引き合いに出されて、ポールはあくまでも脳天気なポップ・ソングしか作っていなかった … というのが定説になっている。この本は、そういった定説やディスコグラフィでは見えてこないポールとアヴァンギャルド・ミュージックの接点を、ポールの長きに渡るキャリアに沿って丹念に追っている。

ポールがロンドンで行なわれたルチアーノ・ベリオの講演会を聞きに行ったとか、デヴィッド・アレンと共作することになっていたとか、コーネリアス・カーデューの弟子だった EMI のエンジニアと親交があったとか、なかなか面白そうなエピソードが載っている。

閉店セール

近所のCDショップが閉店するということで在庫品を20%引きで処分中。何枚か購入した。

コレクション

リュート奏者のつのだたかしさん率いる古楽器グループ「タブラトゥーラ」のベスト盤。ちなみにつのだたかしさん、《メリー・ジェーン》でおなじみの歌手つのだ☆ひろさん、「恐怖新聞」「うしろの百太郎」でおなじみの漫画家つのだじろうさんは兄弟である。

この「タブラトゥーラ」は古楽器による編成なので基本的なレパートリーはルネッサンス期の音楽なのであるが(金管アンサンブルではおなじみのズザートの曲なんかもやっています)、無国籍な音楽(インド風のものやジャズ的なインプロヴィゼーションが入るものまで)もやっている。耳に入ってくる音自体は「癒し系」(そろそろ死語?)なのであるが、ちゃんと聞いているとかなり刺激的な音楽をやっている。

10年くらい前に彼らのレパートリーである《カレリア》という曲を聞いて非常に感銘を受けた。ワンコード(というかモーダルと言った方がいいのか)のシンプルな曲で、ゆったりとした 5/8 拍子の古風な舞曲。フィードル(ヴァイオリンの一種)とリコーダーがソロを取り、リュートやハープが伴奏をするというアイルランドあたりにありそうな作品である。

この作品を聞いてみたかったので。

太陽さん

まだ、このアルバムは入手できるんですね。とっくに廃盤になったと思っていた … LP では持っているのだが、このピクチャーレコードのデザインは素晴らしい。

例の「DVD-R 化計画」で、10年ほど前に WOWOW で放送された「HAJIME TACHIBANA DESIGN」というビデオが出てきたので、思い出した。

最初にきいたのは大学時代だから、かれこれ20年近く前か。いい意味であまり内容のない音楽だと思うのだが、不思議と印象に残る曲が多い。

ヴィーナス・アンド・マース(紙ジャケット仕様)

ポール・マッカートニー関連の紙ジャケも出ているのだが、いまいち食指が動かない。とりあえず、一枚買ってみることにする(これで全部買うことになったアーティスト数知れず)。おなじみヒプノシスのデザインである。

コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー

著者のブルックス・ブラウンはコロンバイン高校銃撃事件の実行犯2名の友人である。日本ではあまり報道されていないが、アメリカではこの事件についてかなりマスメディアに露出していたようだ。また、マイケル・ムーアの「ボーリング・フォー・コロンバイン」でも取材され出演している。まだちゃんと確認していないのだが、未成年者に銃弾を売らないようにとマイケル・ムーアが K マートに直談判に行った場面で「コロンバイン高校の生徒」として紹介されるメンバーの一人のようだ。

小学生の頃から犯人と友人だった著者だからこそ書けるであろう、普通のいじめられっ子が学校での大量殺戮を周到に計画するにいたった過程が丁寧に冷静に語られている。また、事件後、彼にかけられた警察からの不当な嫌疑や、それと戦い最終的に潔白が証明されるまでの記録も書かれている。

タイムリーであるが、悲劇的な結末に至るまで止めることができない心理的葛藤のプロセスは、佐世保市で起こってしまった不幸な事件と符合する点が多いような気がする。

閉店セール

近所のCDショップが閉店するということで在庫品を20%引きで処分中。何枚か購入した。

コレクション

リュート奏者のつのだたかしさん率いる古楽器グループ「タブラトゥーラ」のベスト盤。ちなみにつのだたかしさん、《メリー・ジェーン》でおなじみの歌手つのだ☆ひろさん、「恐怖新聞」「うしろの百太郎」でおなじみの漫画家つのだじろうさんは兄弟である。

この「タブラトゥーラ」は古楽器による編成なので基本的なレパートリーはルネッサンス期の音楽なのであるが(金管アンサンブルではおなじみのズザートの曲なんかもやっています)、無国籍な音楽(インド風のものやジャズ的なインプロヴィゼーションが入るものまで)もやっている。耳に入ってくる音自体は「癒し系」(そろそろ死語?)なのであるが、ちゃんと聞いているとかなり刺激的な音楽をやっている。

10年くらい前に彼らのレパートリーである《カレリア》という曲を聞いて非常に感銘を受けた。ワンコード(というかモーダルと言った方がいいのか)のシンプルな曲で、ゆったりとした 5/8 拍子の古風な舞曲。フィードル(ヴァイオリンの一種)とリコーダーがソロを取り、リュートやハープが伴奏をするというアイルランドあたりにありそうな作品である。

この作品を聞いてみたかったので。

太陽さん

まだ、このアルバムは入手できるんですね。とっくに廃盤になったと思っていた … LP では持っているのだが、このピクチャーレコードのデザインは素晴らしい。

例の「DVD-R 化計画」で、10年ほど前に WOWOW で放送された「HAJIME TACHIBANA DESIGN」というビデオが出てきたので、思い出した。

最初にきいたのは大学時代だから、かれこれ20年近く前か。いい意味であまり内容のない音楽だと思うのだが、不思議と印象に残る曲が多い。

ヴィーナス・アンド・マース(紙ジャケット仕様)

ポール・マッカートニー関連の紙ジャケも出ているのだが、いまいち食指が動かない。とりあえず、一枚買ってみることにする(これで全部買うことになったアーティスト数知れず)。おなじみヒプノシスのデザインである。

コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー

著者のブルックス・ブラウンはコロンバイン高校銃撃事件の実行犯2名の友人である。日本ではあまり報道されていないが、アメリカではこの事件についてかなりマスメディアに露出していたようだ。また、マイケル・ムーアの「ボーリング・フォー・コロンバイン」でも取材され出演している。まだちゃんと確認していないのだが、未成年者に銃弾を売らないようにとマイケル・ムーアが K マートに直談判に行った場面で「コロンバイン高校の生徒」として紹介されるメンバーの一人のようだ。

小学生の頃から犯人と友人だった著者だからこそ書けるであろう、普通のいじめられっ子が学校での大量殺戮を周到に計画するにいたった過程が丁寧に冷静に語られている。また、事件後、彼にかけられた警察からの不当な嫌疑や、それと戦い最終的に潔白が証明されるまでの記録も書かれている。

タイムリーであるが、悲劇的な結末に至るまで止めることができない心理的葛藤のプロセスは、佐世保市で起こってしまった不幸な事件と符合する点が多いような気がする。

広島BCL日記(その2)

広島での二日目。

宿泊したホテルが平和公園の近くだったため、朝の散歩を兼ねて原爆ドームやら平和公園を見て回る。原爆ドームから道路をはさんだすぐ向かいに広島市民球場があったのが意外といえば意外であった。

私などはこの年にして初めて広島を訪れたので、原爆ドームや平和公園や随所にある追悼のモニュメントなどを見るたびに、いちいち「ズシ」「ズシ」と 日本が歩んできた歴史というものを思い返してしまう。それにしても、依然として原爆ドームは静かに立っているわけだし、平和の灯はともされ続けているし、 観光バスは毎日やって来て団体旅行客やら修学旅行生やらは原爆死没者慰霊碑の前で手を合わせている。そういうことを「日常の隣で行なわれ続けていること」 として捉えるのはどんな気分なんだろう、とふと思う。

その後、ブレーンの営業の方がホテルに迎えに来てくれて宮島観光。当然のことながら厳島神社へも始めて行くわけだ。この営業の方は天理高校から近畿大学を経てブレーンに就職したそうで、言わば吹奏楽のエリートのような方である。コンクールや演奏旅行などで私などが得難い経験をされているわけで、道すがらそういう話をお聞きするのは非常に楽しい。

午後1時30分頃に録音会場である廿日市市文化センターに到着。ちょうど《呪文と踊り》(チャンス)のレコーディングが始まるところであった。結局、夕方まで《ノヴェナ》(スウェアリンジェン)と《ジュビラント序曲》(アルフレッド・リード)の録音を聞かせていただく。

ホールは1階席と2階席の間の間仕切りを閉めていたようなので1階席のみで800席ほどのスペース。吹奏楽を演奏するには少しライヴ過ぎる響きかなとも思うが、床や壁には木が多く使われているし、天井も高いので柔らかい残響が残る。

(以下、素直な感想なので提灯記事だと思わないでね …..)

録音に立ち会いながら、このシリーズを聞いて感じていたことをスタッフの方々といろいろ話していたのだが、私と同じような考えを持っている方が多かったことに今さらながら驚いた。「新鮮な発見がある」ということである。このバンド・クラシックス・ライブラリー・シリーズの一連の演奏を聞いていると、自分の頭の中にイメージとしてある演奏との違いに「はっ」とする瞬 間がある。例えばテンポ設定だとか各パートのバランスについてである。そこで、その部分をフルスコアで確認してみると、確かにスコアにはそう書かれている のである。(非常に具体的な例で恐縮であるが、《呪文と踊り》は4年ほど前に指揮したことがある。今回の録音にもその時に使ったフルスコアを持って行ったのであるが、それでも録音を聞きながらスコアを追っているといくつかの新しい発見があった。)

木村吉宏先生がおっしゃるには「彼ら(広島ウィンドオーケストラ)にとって、ほとんどの曲が新曲なんですよ。」ということらしい。実際、ほとんどのメンバーはかなりお若い。固定観念がない分、純粋に楽譜に向き合えるのではないかという気がする。

あ、そうだ。ラインナップはこんな感じです。

  • 序奏とファンタジア(レックス・ミッチェル)
  • 呪文と踊り(ジョン・バーンズ・チャンス)
  • マスク(フランシス・マクベス)
  • チェスター序曲(ウィリアム・シューマン)
  • 狂詩曲「ノヴェナ」(ジェイムズ・スウェアリンジェン)
  • ウェールズの歌(アルバート・オリヴァー・デイヴィス)
  • ジュビラント序曲(アルフレット・リード)
  • コラールとカプリチオ(シーザー・ジョヴァンニーニ)
  • 序奏とカプリス(チャールズ・カーター)

*****

で、帰りの新幹線の中で読んだ本。ふと KIOSK で見つけたので買ってみた。

東大生はバカになったか (文春文庫)

なんか、立花隆さんの文章を読むのも久しぶりだ。自分の知識欲を刺激するという意味で、立花さんの旺盛な知識欲とそれをどんどん突き詰めていくプロセスを読むのは非常に楽しい。

基本的には、文部省による教育システムの失敗についての指摘と、高等教育を受けるものが習得しなければいけない「教養」とは何かという話題が主である。これらの具体的な事例を示すキーワードとして「東大生はバカになったか」という題名がつけられている。

漠然と大学進学を考えている高校生あたりが読むと面白い内容なのではないかと思う。

*****

帰宅したら amazon.co.uk から以下の CD/DVD が届いていた。 DVD は国内未発売のタイトル、CD は全て日本国内では CCCD でリリースされているタイトルである。(こういうタイトルを輸入禁止にするのは止めて下さいね。)

歌劇「兵士たち」

ちょっと前にベルント・アロイス・ツィマーマンが作曲した管楽アンサンブル曲《ユビュ王の晩餐のための音楽》について調査していたところ、同じ作曲者のこのオペラが目に止まったので買ってみた。本命の《ユビュ王》よりも先に届いてしまったのであるが。

こういう作品が存在すること自体は知っていた。 LD で国内盤が発売されていた(廃盤。しかも未 DVD 化)頃にはかなりの反響があったように記憶しているし、ゴールデンウィークに《ユビュ王》のCDを探した時も、このオペラのCDは見つけることができた。

錻力の太鼓 (CCCD)

ジャパンの最終作にして最高傑作と言われている作品。以前、CDで聞いたときにはあまりいい印象を持たなかったのであるが、リマスタリングされた音源はかなりいい感じである。

YMO(特に坂本龍一)の影響が色濃く出たサウンド・プロダクション。いかにも80年代を思わせるパーカッシヴな音で構成されたバックトラックは、 ビートが埋め尽くされていながら同時にスカスカな印象も与える。ヴォーカルのデヴィッド・シルヴィアンの歌い方も高橋幸宏に似ている。どちらがどちらに影 響を与えているのかわからないが。

例えば冒頭の《The Art of Parties》あたりを YMO が作ったりするともっとうまく作れるのだろうけど、かなり息苦しくなってしまうのかも。少し稚拙で不安定なバックトラックとぬめぬめしたシルヴィアンの ヴォーカルの絶妙なミスマッチさがいいのかも知れない。

Tour De France 03 (X4)

Aerodynamik

悪くはないんだが、ちょっと進歩なさすぎ。

広島BCL日記(その1)

ブレーン株式会社から発売予定の「バンド・クラシックス・ライブラリー3」の録音のため広島へ。せっかくお誘いいただいたことだし、貴重な機会でもあるので遠路はるばる出かけることにした。レコーディングは18日からなのであるが、担当の方々と親睦を深めるため(わかりやすく言うと「飲み」(笑))前日から広島入りする。

世界の中心で、愛をさけぶ

ふだんはなかなか本を読むための時間を取れないので、新幹線の中で読む本を探した。なんでも村上春樹さんの「ノルウェイの森」より売れたらしいので読んでみた。あえてネタばれにならないような記述にするが …..

まず思ったのは、誰にでも演繹可能なストーリー展開だなということ。つまり、ああいう状況に置かれれば、きっと誰でもああいう考え方をして、ああいう行動に走りたくなるのではないか。そのことが「誰でも感情移入できる」という意味で、多くの共感を得、その結果ベストセラーになったのであろう。しかし、ああいう状況というのはそうそう身近に起こることでもないと思うし、それを単に「お涙ちょうだい」とか「純愛」とかのシチュエーションとして選んだの だとしたら、ものすごく表層的だと思う。

まあ、お手軽なカタルシスというところか。結局、このタイトルはどこから来たのだ?

カレル・フサの本

とりあえず無事帰宅。郵便局に留め置きにしていた郵便物を取りに行ったら、年賀状などと一緒にカレル・フサの伝記が届いていた。

Karel Husa: A Bio-Bibliography (Susan Hayes Hitchens / Greenwood)

という本である。伝記とは言っても短めのバイオグラフィが載っているだけで、内容の多くは参考文献、作品リスト、演奏記録などに費やされている。研究のとっかかりに便利なリファレンスといったところだろうか。

放送禁止歌

放送禁止歌 (知恵の森文庫)

たまたま書店で見つけて面白そうだったので買ってみた。ちょうどハードカバーから文庫化されたばかりのようである。

このタイトルを見た限りでは、単に「放送禁止歌」(この本を読めばわかるが「放送禁止歌」というものはそもそも存在しないのである。)を紹介した雑 学的な本だと思っていた。前半は確かにそれに近い内容なのであるが、読み進むにつれ、どんどん横道に逸れていくというか、どんどん深い方へ進んでいくので ある。

詰まるところ、それは岡林信康の《手紙》や赤い鳥の《竹田の子守唄》が(いわゆる)「放送禁止歌」となった根拠にもあげられる部落問題にいきつくの である。この本は「放送禁止」に代表され、いろいろなシチュエーションに演繹可能なタブーについて、極めて誠実に分け入ったルポルタージュである。読み始 めたら途中で止めることができなくなり、最後まで一気に読んでしまった。

幸か不幸か、私は自分の人生の中で直接的にも間接的にも、いわゆる「部落問題」に関わったことがない。責められるかもしれないが、それについて私は いかなる意見も表明することができない。しかし、ソクラテスではないが、自分が何も知らないということを自覚することは必要なのだと思う。

この本を読みながら、インターネットの黎明期にある方が発言された文言を思い出した。私はこの主張に100%賛同している。

「差別用語などというものは存在しない。存在するのは、ある用語を差別的に使う人です。」

ロンドンBBCポップスオーケストラ

そういうわけで、「コンプリート・モントルー」を買って以来、少しマイルスにはまっています。マイルス・デイヴィス本人あるいは共演者など周辺にいた人へ のインタビューを通してマイルスの生涯を追うという本。クインシー・トループの「自伝」より本当のことが書かれているかも知れないという罠(笑)。

マイルス・デイヴィスの真実

ロンドンBBCポップスオーケストラを聴きに行く。全く聴きに行くつもりはなかったのだが、妻の知人が急遽行けなくなったということでチケットを譲ってもらった次第。席はバラバラだったのだが、私の隣に座ったのは同じ吹奏楽団の団員だった(笑)。

第1部はジョン・ウィリアムズの作品を中心とした映画音楽(《利家とまつ》も)、第2部はプロムスの再現ということで、ウォルトン、エルガー、RVWからビートルズまでイギリスの作曲家を中心としたプログラム。

率直に言って期待していた以上に楽しめた。よくよく考えてみると、オーケストラの演奏会でよく取り上げられる古典的なレパートリーに比べれば、映画 音楽などの方が遥かに管楽器が活躍するのである。弦楽器奏者も少ないので(例えば第1ヴァイオリンは8人だったので通常編成の半分?)、それぞれの管楽器 の音色を楽しむことができた。金管の強奏はかなり鳴らしていたのであるが、決してうるさくなく包み込むようなやわらかい響きだったのはイギリスならではの 鳴らし方だったのかな?木管は3管、金管はそれぞれトップにアシをつけていたようだ。木管はアルト・フルートやコントラ・バスーンがかなり活躍し、木管だ けのアンサンブルの部分でも充実した響きがあった。

吹奏楽的にはウォルトンの戴冠式行進曲《王冠》や、RVWの行進曲《海の歌》を聴けたのが収穫。このあたりの曲や《威風堂々第1番》などはもっと厳かに演奏されるのかと思ったら、行進曲っぽい拍子感を大事にし、あっさりとしたフレーズの歌わせ方だった。

あと、日本(というか浜松かな?)では、こういうセミ・クラシック的なコンサートに対して聴衆がどう振舞えばいいのか戸惑いがあるように思える。コ ンサートの後半では演奏者もリラックスしてきて(トロンボーン奏者は小さなユニオン・ジャックを振りながらスライドを動かして演奏していたし(笑))手拍 子なんかも自然に起こってきたのであるが、それまでは「一緒に演奏を楽しむべきか」「神妙に演奏を聞くべきか」という葛藤に多少居心地の悪さを感じた。日 本人の司会者を立てるだけで、このへんはかなり楽しいステージになると思うのだが。

5年くらい前にロンドンでロンドン交響楽団のニュー・イヤー・コンサートを聞いたことがあるのだが、指揮者はいろいろなおしゃべりをするし、子供は指揮台にあがるし、聴衆は歌を歌わせられるしで、演奏者と聴衆が一体になっていたということを思い出した。

今日買ったもの(ショスタコーヴィチ/クセナキスなど)

久々に上京したので買出し。

ショスタコーヴィチ:交響曲全集(11枚組)

ショスタコーヴィチの交響曲全曲(全11枚)が国内盤1枚ほどの価格で買える。(新宿TOWERでの購入価格は2850円) まだ 1、2、5 しか聞いていないが概ねよい。全体的な楽器バランスを考えると木管楽器(特に高音)がかなり大きめなのだが、金管も出るところは出ているし大きな問題ではない。端正にまとめられているので「圧倒的な音量感」を期待すると少し物足りないかもしれないが、しっかり作品に向かい合っているという意味では好感が持てる。とりあえずショスタコーヴィチの交響曲を全部聞いてみたいという人には投資するだけの価値があるコストパフォーマンスだと思う。

Xenakis: Metastasis; Pithoprakta; Eonta

いわゆる「ユージエオンタ」の再発盤。ちょっと前にYahoo!オークションで出品されていたが落札しなくてよかった(笑)。(新宿TOWERでの購入価格1190円だったかな?) 金管五重奏とピアノのための「エオンタ」が収録されている。クセナキスの弟子でもある高橋悠治はこの曲の初演者でもある。

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御茶ノ水オーディオユニオンでレイカのレコードクリーナーお試しセットを購入。「高い」という人はいるが「効果がない」という人はいない優れもののレコードクリーナーらしい。とりあえず藁にもすがる思いで買ってみる。これで中古レコードの音がよくなればよいのだけれど。

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銀座・山野楽器で今はなき Rene Gailly の吹奏楽CDを4枚購入。全部で何枚あるのかな?

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ヤマハ銀座店では、地元ではなかなか見つからない「ブラスバンドの社会史」を購入。ヴァン=デル=ローストの「シンフォニア・ハンガリカ」のミニチュア・スコアが意外な安値で売っていたのでこれも購入。たまたま外囿祥一郎さんのインストアライブがあったのでのぞいてみる。

ブラスバンドの社会史―軍楽隊から歌伴へ (青弓社ライブラリー)