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ブレーメンへ行ってみました

最近では珍しく、朝からいい天気。ちょっと遠出しようと思い立つ。

特に理由はないけど、ふとブレーメンに行ってみることにした。出発は10時30分。ブレーメンまでは100kmちょっとだからお昼過ぎくらいには到着できるかな … と思ったのであるが …

ブレーメンまではアウトバーンの1号線にのればいいはずなのだが、カーナビくんが「本当かよ?」と突っ込みを入れたくなるようなルートを選択したおかげでなかなか1号線にのることができない。そんなに裏道好きですか?結局1号線に乗るまでに30分以上かかってしまった。加えて、1号線はかなり大規模な工事中。断続的に片側車線を完全に作り直しているような感じである。つまり、ところどころ片方向の車線がすっぽりなくなっているので、残っている2車線+路肩の幅の道路に車線を引き直して4車線(往復2車線ずつ)分の車を通行させているのである。必然的にスピードは出せなくなり、渋滞になってしまう。結局、ブレーメンに着いたのは午後1時過ぎ。2時間半くらいかかってしまった。

後日、会社でこの話をしたら「バケーションシーズンの週末なんだから車が混むのは当たり前」とか「ブレーメンは鉃道で行くもんだ」とか言われてしまった …

ちょっと町外れに車を停め、自転車を引っ張り出して、それに乗って町中に向かう。観光客らしい人もかなり自転車に乗っているようなので、そういう手段を取っている人は多いのかも知れない。

持って行ったガイドブックの地図は縮尺が大雑把すぎて、なかなか目指すところへたどり着けない。結局、自転車で街の中を当てもなくグルグルまわることになってしまった。

街の中心は、世界遺産にも指定されている市庁舎(左)と、2つの尖塔が特徴的な聖ペトリ教会(右)に囲まれている市庁舎広場。残念ながら聖ペトリ教会は片方の尖塔が修復中でした。

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この市庁舎と教会の間を進んで行くと、有名な「ブレーメンの音楽隊」の像があります。

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また、街の中でも、いろいろなところに音楽隊にちなんだモチーフが置かれています。

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それから有名なのは、この市庁舎広場から少し離れたところにある風車。

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ちなみに昼食は(やっぱり食いもんかよ)市庁舎広場に面しているホテルのレストランでとりました。やはり、ブレーメンに来たからにはブレーメン産のビールであるBECKS(ただしアルコールフライ)と、トマトリゾットにチキンソテーの薄切りとルッコラを揚げたやつをのせたもの。見た目は非常にきれいですがリゾットは炊き具合がいまいちでした。

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リューベック

休日2日目。時々小雨がぱらつくようなはっきりしない天気である。

いろいろ考えた末、車でリューベック(Lübeck)へ行ってみることにした。ハンブルクからは50kmくらい離れている町で、余裕を持って日帰りできる距離なので、観光の手始めにはちょうどいい。鉃道で行く場合には、いったんハンブルク中央駅まで戻る形になるし、切符の買い方もよくわからない。車だったらすぐにアウトバーンに乗れるので時間も節約できるし、運転の練習にもなるし、ということで車で行ってみることにした。リューベックで簡単に車を停められるかどうか心配だったであるが、これは行ってみないとわからないので、とりあえず行ってみることに。

車で40分程度で到着。駐車スペースは全然問題なかった。

このリューベックは旧市街の町並み全体が世界遺産に登録されている。古くからの美しい町並みが保存されているのである。まずは有名なホルステン門から。

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この門をくぐると、その先が旧市街になる。まずは聖ペトリ教会へ向かう。上の画像の右手奥にある高い尖塔の建物である。この尖塔の中はエレベーターになっていて、登ると旧市街を見渡すことができる。「世界遺産」としてのリューベックを訪れたのならここに登らないと意味がないくらい、美しい風景を見ることができる。素直に感動しました。

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次は2つの尖塔を持つ聖マリエン教会へ。ここにはバッハが愛したというパイプオルガンがある。パイプオルガンは2カ所にあったんだけどどっちなのかなあ?ひょっとして祭壇横のが演奏席で後方のはパイプだけ?中に入ったのがちょうど12時頃だったからかどうかわからないが、5分くらいオルガンの演奏を聴くことができました。

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あと、面白そうだったのが天文時計。ちゃんと6月21日を指していました。

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最近どう考えても過食気味なので昼食はごく簡単に取ろうと思い、聖マリエン教会近くの市庁舎広場にあるカフェに入ることにした。下の画像の左が聖マリエン教会、右が市庁舎です。

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入ったのは、リューベックでは有名らしい菓子店「ニーダーエッガー」のカフェ。(そういえば以前ハンブルク出張でお土産に買ったバウムクーヘンもニーダーエッガーのものだった。)チェリータルトとカプチーノ。タルトは甘さすっきりで普通においしい。海外でお菓子の類いを食べると甘さや香辛料の香りが強烈で口に合わないこともあるのだが、これは日本人の味覚に合っているのかも。

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今日いちばんよく使ったフレーズは「Kann Sie sprechen Englisch?(Can you speak English?)」なのだが、帰ってきてから調べたら、単に「Sprechen Sie Englisch?」の方が適切らしい。その昔、ドイツ語の授業で習ったような気もするなあ。徐々にドイツ語会話のボキャブラリーを増やそうとしているのだが、とっかかりでドイツ語を使うとドイツ語で返されて何もわからない ….. という状況になってしまうのは改善しないと。

3時頃にホテルに戻ってきて昼寝。昨日も今日もほとんど旅行者のノリでせわしなく観光地を回っていたので、かなりバテている。明日から仕事(あくまでもそちらが本業(笑))なので少し体を休めることにする。

そのあと夕食へ。日曜日はほとんどのお店が閉まってしまうので、ホテルのレストランで食べることにした。

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まずは、そろそろ旬が終わりそうなシュパーゲル(白アスパラガス)のクリームスープ。2年前にドレスデンで食して以来である。クリームの甘さとシュパーゲルのほろ苦さの対照が絶妙である。メインは「今日のおすすめ」ということでスズキの一種のオリーブオイル焼き。ジャーマンポテトとトマトサラダは付け合わせです。あ、ワインは銘柄を失念してしまいましたが、ドイツのドライな白ワインを合わせました。ドライといっても、例えばシャルドネと一般的に比較してもフルーティな甘さがある。ま、おいしいですが。

ということで、合い言葉は「また、食べ過ぎてしまった …..」。宿泊しているホテルで食べているので、最悪の場合、這ってでも部屋に帰ることができる。胃酸過多で苦しむよりは酩酊の方がいいと思い、消化を助けるために食後酒を注文する。ドイツの食後酒といえば蒸留酒のシュナップス。ハンブルクの「ファイナー・クンメル(feiner kümmel)」というお酒をいただく。かなりベロベロになるが、お腹の方は落ち着く感じがする。ところで給仕をしてくれたウェイターは昔船員だったとかで、30年くらい前に神戸や長崎を訪れたことがあるらしい。

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部屋に戻ってテレビをつけたら、ベルリンフィルのヴァルトビューネ(毎年6月に開催される野外コンサート)を生放送していた。指揮はもちろんサイモン・ラトル。イェフィム・ブロンフマンのピアノによるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、ストラヴィンスキーの《春の祭典》などをやっている。(私がテレビをつける前はハチャトゥリアンの《ガイーヌ》をやっていたらしい。)

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《春の祭典》。リズミカルな部分(第1部と第2部の後半など)は少し速めのテンポでドライブしていくのが心地よい。逆に第2部の前半などはかなり濃密。こういう野外コンサート(しかも途中でどしゃ降り)では音楽自体が開放的になりがちな気がするのだが、細かいところもきちっとまとまって統制のとれた演奏だった。

アンコールはチャイコフスキーの《くるみ割り人形》の《パ・ドゥ・ドゥ》と、毎年おなじみ《ベルリンの風》。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートにおける《ラデツキー行進曲》のようにヴァルトビューネでは「お約束」のアンコール曲である。これらの曲は《春の祭典》とは対照的にリラックスした雰囲気になる。

今年はぜひ、ベルリンフィルを生で聴いてみたいものだ。

2009年カーブ・ドッチ

はい。(基本的に)年の二度のイベント。ワイナリー「カーブ・ドッチ」詣でである。息子も最近は心得ているようで、「カーブ・ドッチのネコちゃんに会いたい。」と言う。(カーブ・ドッチではたくさんのネコが飼われていて、敷地内を闊歩しているのである)

さすがに冬の日本海(「海雪」ですよ!)の寒風はしんどいようで、ネコはほとんど外に出ていない。かろうじて一匹見つけて挨拶したのだが、すぐに建設中の温泉施設の工事現場にもぐりこんでしまった。(あっちは暖かいのかなあ?)

で、一応買ったもののメモ(次回行く時のダブリ防止のため)。当初はドイツ種が多かったんだけど、最近はいろいろ作っていますね。

  • 2000年のセミヨン
  • 2004年のシャルドネ
  • 2007年のサンジョベーゼ

大阪「さらば0系」日記(その3)

最終日。

梅田界隈で買い物をしてから帰るという計画だったのだが、息子の体調があまりよくなかったので、チェックアウトギリギリまでホテルでうだうだして、そのまま新大阪駅から帰ることにした。

泊まったホテルは新大阪駅の徒歩圏内。朝早い「0系こだま」に乗るためにできるだけ新大阪駅に近いホテルを取った。そして、このホテルの近くに、新大阪駅を発着するJR線を一望できる跨線橋がある。オーシャンアロー、関空特急「はるか」、サンダーバード、雷鳥、北近畿、(そして意外に息子が気に入っている)JR京都線の普通/快速/新快速などを見ることができる。新幹線ホームもちょっとだけ見えるし、遠くには地下鉄御堂筋線もかすかに見える。今回の旅行中、何度かここを通る機会があったのだが、息子は電車が通るたびに跨線橋を全速力で往復していた。(ひょっとして息子が体調を崩したのは、ここでテンション上げすぎたせいか?)

駅構内では、ここでしか買えない(らしい)N700系のTシャツも買った。(アンディ・ウォーホールっぽい「世界のナベアツ」Tシャツも素敵だったのであるが、着るTPOを想像することができなかったので諦めた(笑))

次の行き先は四国らしい。

大阪「さらば0系」日記(その2)

そういうわけで、0系である。

新大阪発着の0系は朝早くか夜遅くしかないので、午前7時59分発博多行きを予約した。少し早めにホームに出るが、やはりカメラを抱えた人が大勢いて、写真を撮っている。

横一列3人がけを予約しようと思ったのだが、取れなくて前後の席になってしまった。よく見ると0系は一列2+2の4人がけなので、横一列3人がけを取れるわけがないのである。(にわか鉄ちゃんなのでこういうところは疎い)結局、自由席がガラガラだったので、自由席で座席を回転させてゆったり座ることにした。

「どこかへ行くこと」が目的なのではなく「0系に乗る」ことが目的なので、隣の新神戸で降りる。他にも同じように新神戸で降りる鉄ちゃんファミリーがいた。この日のために息子に着せた0系Tシャツに気付いたようで「どこで買ったんですか?」と尋ねられた。フフフ、これは浜松工場の「新幹線なるほど発見デー」でしか買えないんですよ。狙い通りのリアクションしてくれた人がいたことがうれしいのと、やはりわかる人はわかるのだ、ということで少し感服。

神戸ではおいしいパンの朝食と、おいしい香港麺の昼食を食す。どちらも大満足。あ、そうだ、その間、新神戸から三宮までは神戸市営地下鉄で移動、ポートライナーに乗ってみた後、阪神で元町まで移動しました。

息子と妻がお土産購入もかねたスイーツめぐりをしている間、お父さんは中古レコード屋を物色。収穫は以下。

  • 高橋幸宏/タイム・アンド・プレイス(カラーレコード)
  • THE BEATNIKS/ANOTHER HIGH EXIT
  • 高橋幸宏+椎名誠/しずかなあやしい午後に
  • 坂本龍一/DERRIDA/アレクセイと泉

夕食はお好み焼き+ビール。

大阪「さらば0系」日記(その1)

最後の0系新幹線に乗るために連休を利用して大阪へ遊びに行く。

土曜日、息子のレッスンが終わってから出かける。あ、こんなものも引き取りました。

前作「DENIM」では初回限定盤を入手するのにえらく苦労したので、今回はちゃんと予約しましたとさ。

まだN700系新幹線に乗ったことのない息子のために、浜松→名古屋は300系に乗り、名古屋でN700系のぞみに乗り換えて京都に向かう。京都では、いつもの料理屋さんにお弁当を予約して、それを取りに行った。京都から新大阪までは「東海道山陽本線新快速」(でいいのか?)で行く。

とりあえず、この日はホテルで夕飯を食べておしまい。

ハンブルク日記(その6)

そういうわけで、無事日程どおりに帰国することができそうである。

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空港でチェックインすると「スタンバイ」だとのこと。 (だって、もうリコンファメーションって要らないんでしょ?) 対応してくれたおばちゃんが上の人と相談してきたみたいで、無事ビジネスクラスにアップグレード。最後の最後にプレミアエグゼクティブが威力を発揮したのか、一応いい仕事をしたつもりの私への神様からのご褒美なのか?

ルフトハンザのビジネスクラスは初めてなのであるが、シートがフルフラットに近くなるのでかなり寝心地がいい点と、ビデオプログラムが充実している点がポイントかな。

ちなみに、フィンランド航空のパーソナルビデオシステムは linux で動いていたが(なるほど)、ルフトハンザのシステムは Windows CE だった。

食事はエコノミーとの差がそれほど大きくないので印象に残らない。 ルフトハンザのエコノミーがかなりいいということの裏返しなのか。

映画は、往路で読んだ「ハイ・フィデリティ」がプログラムに入っていたのだが、さすがに字幕がないとしんどいのでパス。ちらっと見たらやはりジャック・ブラックはジャック・ブラックだった。 「レミーのおいしいレストラン」があるのに気付いたのは着陸直前。見られなかった …..

短時間熟睡したらそのあとはあまり眠くなかったので、音楽プログラムばかり見ていた。 クイーンのライブ・イン・モントリオール、ドアーズの1968年(だったかな?)のヨーロッパ公演、ストラヴィンスキーのバレエ《プルチネルラ》、そして最後はカラヤン/ベルリン・フィルの1977年のジルベスターコンサートのベートーヴェンの第9。

手ごたえのあった出張の最後を第9のフィナーレで華々しく飾るのもいいと思い(笑)、着陸直前に終わるように時間を逆算して見始めた(カラヤンの第 9はちょうどCD一枚分)のだが、考えてみれば着陸直前はいろいろアナウンスが入ってしょっちゅう中断されるのである。これだけブツブツ切られると感動も 何もないのだが、最後には珍しくカラヤンも満足げな表情を浮かべていたので、まあ、そういうことで(笑)。

ハンブルク日記(その5)

つつがなく業務が終わり、Stefan、Thorsten、Frank、Georg と夕食を食べに行く。

オフィス街の中にある、「ショーペンハウアー」という伝統的ドイツ料理のお店に連れて行ってもらった。何でも400年近く前に建てられた建物をその まま使っているのだそうだ。当然、テーブルや椅子などは新しいものが使われているのだが、柱などは確かにかなりの年代を感じるものである。

ハンブルク名物の「パンフィッシュ」なるものを食す。 フライパンの中にジャガイモ、ベーコン、タマネギを炒めたもの(これがいわゆるジャーマンポテトか?)を敷き、その上に3種類くらいの魚の切り身が乗っている。これにマスタードベースのソースをかけて食べるのである。素朴で(比較的)さっぱりしていてなかなかおいしい。

そういえば、ドイツにもシュナップスなる食後酒があることを教えてもらった。 興味があるのでこれも注文するが、みんな一気飲みしていた。 かなりアルコール度数は高いような気がするんだけどな …..

ちょっと音楽の話をする。 いちばん若い Georg に、今のドイツではどんな音楽が流行っているのか聞いてみると、意外にもヒップホップが流行っているのだそうだ。 「ドイツといえば、エレクトロニックミュージックとかダンスミュージックだと思っていたよ」と言ったら「数年前まではそうだったんだけどね。」というお答え。 そういえば、MTV を見ていたら BUSHIDO(武士道?)なるラッパーが出ていたのを思い出した。

食事の後、地下鉄に乗る3人とはここで別れて、Georg にホテルまで車で送ってもらう。 いくつかの教会がライトアップされていて、とても美しい。こういうのを見るとやはりヨーロッパの町であることを実感する。 ホテルの部屋からはハンブルク中央駅しか見えないし(何せ通りをはさんだ向かい側)、ホテルから仕事先までの道のりにはそういう歴史的な建物はあまりないし。 (もちろんアルスター湖畔の風景はとても美しいのであるが …..)

ハンブルク日記(その4)

夕食はホテルのドイツ料理屋に入ってみる。南ドイツ料理っぽい。 ドイツ語のメニューを真剣に見ていたら「英語のメニューいる?」と言われたので助かった。

注文したのは、カボチャのスープとプレッツェルとシュバイネハクセ。それとデュンケル。

パンと一緒に怪しげなスプレッドが出てきたのでたずねてみると、豚の脂肪なのだそうだ。 それに揚げたタマネギを細かく砕いたものがまぶしてある。 パンにつけて食べるらしい。

どんぶりのような器に入ったカボチャスープ(でも美味)と、正しいプレッツェル(これも美味)を食べた時点で、日本での普段の生活の「夕食後」くらいの腹具合である。 そこにシュバイネハクセが入るわけがない。 胃に血流が行き過ぎて、途中で貧血気味になる。

まだまだ修行が足りません。生半可な心構えで注文してすみませんでした。

ハンブルク日記(その3)

一緒に仕事をしている Stefan と一緒に夕食を食べに行く。

今宿泊しているホテルでは3日間の市内交通フリーチケットがもらえるという話をしたら、じゃあバスと鉄道でハンブルク市内まで帰ってみるか?という提案をされたので乗ってみる。ふだんはタクシーとか現地駐在の日本人に乗せてもらったりとかなので。 仕事先のすぐそばからバスが出ていて、15分ほどで最寄の駅へ。それから鉄道で15分ほどで中央駅へ。 結局、タクシーを使うよりも早くハンブルク中央駅近くまで帰ってくることができた。 仕事先はかなり田舎にあるので、タクシーを呼んでも来てもらうまでに結構時間がかかるのだ。

「ドイツ人は時間に正確だ」というステレオタイプとはうらはらに、ドイツの鉄道事情はけっこういいかげんらしい。 特にラッシュ時などは、同じ路線を使う特急電車のダイヤが優先されるために、通勤などに利用される近郊電車は大幅に遅れるか、最悪の場合には運休することがあるらしい。日本では電車が遅れることもなかなかないのに、電車が一本まるまるなくなってしまうのである。 なので、通勤時は特に所要時間が読めないのだそうだ。

こんなこともあってか、電車に持ち込む自転車にも料金がかかるようになった。 以前は無料だったので、Stefan は駅まで自転車で行き、自転車を電車に持ち込み、降りた駅から仕事場までまた自転車で行く、という手段を使っていたらしい。自転車を積むと当たり前だが乗 れる乗客が減り、満員電車状態が慢性化する。それを解決するために自転車持ち込みが有料化されたのだそうだ。なので、持ち込むのをやめて地下鉄→鉄道→バ スを乗り継ぐことにしたのだそうだ。

夕食はポルトガル料理/イタリア料理のお店。 英語メニューはないということなので、いくつか Stefan に通訳してもらう。 典型的なポルトガル料理らしいということで、鶏肉のトマト煮込みを食べる。 鶏を縦半分に切って、ジャガイモ、ブロッコリーなどの野菜と一緒にトマトで煮込む。 注文のときに「骨がたくさんあるけどいいか?」と聞かれたらしい(もちろんドイツ語で)のだが、確かに多い。 黙々と解体処理を進める。(会話できないよ、こんなの食べていたら。)

昨日コンサートに行ったという話から、会話の話題は音楽へ。 昨日のコンサート会場(ムジークハレ(ミュージックホール)あるいはライスハレと呼ばれている)は年に1、2回は行くのだが、現代音楽の演奏会は少ないので ….. みたいな話をしていた。 相変わらず、ルイジ・ノーノとかルチアーノ・ベリオが好きだとか言っている(笑)。

そういえば、すっかり忘れていたのだが、インゴ・メッツマッハーがジルベスターコンサートで20世紀に書かれた作品ばかりを集めた「20 世紀音楽なんか怖くない(Who is afraid of 20th Century Music?)」シリーズはハンブルクフィル(ハンブルク交響楽団というのもある)とのコンビで開催されていたのだった。

(現代音楽の流れから「そういえば …..」ということで Stefan が話を出してきたので思い出した。) このシリーズを含めて積極的に現代作品を取り上げていたメッツマッハーであるが、やはり動員につながらなかったのか、数年後にはハンブルクを去ることにな る。Stefan は「ハンブルクでクラシックコンサートに行くような人々にとって、やっぱり20世紀音楽は怖かったんじゃないの?」と言っていた。「やっぱりクラシックの コンサートに行くのは(会員になるのは)ステータスみたいなところもあるからね」とも。

ホテルに帰ってからちょっと調べてみたが、メッツマッハーがやっていたオペラのシリーズなどもかなり刺激的だった。 ううん、5年前に出張に来たかった(笑)。

泥のように眠るとはこのことか。極めて爆睡。 ロシアの辺境に連れて行かれて、人間魚雷のような一人乗りロケットに乗せられて帰国する夢を見た。 「飛行機なら10時間かかるけどこれなら4時間だぜ」と(何語かわからないけど)言われて。

何の暗示なんでしょう(笑)?