ハンブルク日記(その3)

一緒に仕事をしている Stefan と一緒に夕食を食べに行く。

今宿泊しているホテルでは3日間の市内交通フリーチケットがもらえるという話をしたら、じゃあバスと鉄道でハンブルク市内まで帰ってみるか?という提案をされたので乗ってみる。ふだんはタクシーとか現地駐在の日本人に乗せてもらったりとかなので。 仕事先のすぐそばからバスが出ていて、15分ほどで最寄の駅へ。それから鉄道で15分ほどで中央駅へ。 結局、タクシーを使うよりも早くハンブルク中央駅近くまで帰ってくることができた。 仕事先はかなり田舎にあるので、タクシーを呼んでも来てもらうまでに結構時間がかかるのだ。

「ドイツ人は時間に正確だ」というステレオタイプとはうらはらに、ドイツの鉄道事情はけっこういいかげんらしい。 特にラッシュ時などは、同じ路線を使う特急電車のダイヤが優先されるために、通勤などに利用される近郊電車は大幅に遅れるか、最悪の場合には運休することがあるらしい。日本では電車が遅れることもなかなかないのに、電車が一本まるまるなくなってしまうのである。 なので、通勤時は特に所要時間が読めないのだそうだ。

こんなこともあってか、電車に持ち込む自転車にも料金がかかるようになった。 以前は無料だったので、Stefan は駅まで自転車で行き、自転車を電車に持ち込み、降りた駅から仕事場までまた自転車で行く、という手段を使っていたらしい。自転車を積むと当たり前だが乗 れる乗客が減り、満員電車状態が慢性化する。それを解決するために自転車持ち込みが有料化されたのだそうだ。なので、持ち込むのをやめて地下鉄→鉄道→バ スを乗り継ぐことにしたのだそうだ。

夕食はポルトガル料理/イタリア料理のお店。 英語メニューはないということなので、いくつか Stefan に通訳してもらう。 典型的なポルトガル料理らしいということで、鶏肉のトマト煮込みを食べる。 鶏を縦半分に切って、ジャガイモ、ブロッコリーなどの野菜と一緒にトマトで煮込む。 注文のときに「骨がたくさんあるけどいいか?」と聞かれたらしい(もちろんドイツ語で)のだが、確かに多い。 黙々と解体処理を進める。(会話できないよ、こんなの食べていたら。)

昨日コンサートに行ったという話から、会話の話題は音楽へ。 昨日のコンサート会場(ムジークハレ(ミュージックホール)あるいはライスハレと呼ばれている)は年に1、2回は行くのだが、現代音楽の演奏会は少ないので ….. みたいな話をしていた。 相変わらず、ルイジ・ノーノとかルチアーノ・ベリオが好きだとか言っている(笑)。

そういえば、すっかり忘れていたのだが、インゴ・メッツマッハーがジルベスターコンサートで20世紀に書かれた作品ばかりを集めた「20 世紀音楽なんか怖くない(Who is afraid of 20th Century Music?)」シリーズはハンブルクフィル(ハンブルク交響楽団というのもある)とのコンビで開催されていたのだった。

(現代音楽の流れから「そういえば …..」ということで Stefan が話を出してきたので思い出した。) このシリーズを含めて積極的に現代作品を取り上げていたメッツマッハーであるが、やはり動員につながらなかったのか、数年後にはハンブルクを去ることにな る。Stefan は「ハンブルクでクラシックコンサートに行くような人々にとって、やっぱり20世紀音楽は怖かったんじゃないの?」と言っていた。「やっぱりクラシックの コンサートに行くのは(会員になるのは)ステータスみたいなところもあるからね」とも。

ホテルに帰ってからちょっと調べてみたが、メッツマッハーがやっていたオペラのシリーズなどもかなり刺激的だった。 ううん、5年前に出張に来たかった(笑)。

泥のように眠るとはこのことか。極めて爆睡。 ロシアの辺境に連れて行かれて、人間魚雷のような一人乗りロケットに乗せられて帰国する夢を見た。 「飛行機なら10時間かかるけどこれなら4時間だぜ」と(何語かわからないけど)言われて。

何の暗示なんでしょう(笑)?

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