吹奏楽」カテゴリーアーカイブ

笑ってコラえて

締め切り直前の逃避行動 …..

「笑ってコラえて秋の音楽祭“吹奏楽の旅”これが俺のコンクールバンドだ!!スペシャル」(正式タイトルはこれでいいのか?)を見た。

ううん、去年のより面白くなかったなあ …

二年目ともなると、「部活動としての吹奏楽」という世界からは、同じような風景しか切り出すことができないのか ….. というのが正直な感想。どこの学校も同じように歯を食いしばってがんばり、同じように先生が怒って出て行ってしまい、同じように生徒が団結してまたがんばる、という構図なのである。

そこに「音楽」はあるのかい?

結婚披露宴依頼演奏

うちの吹奏楽団の団長の従兄弟(でしたっけ?)の結婚披露宴での演奏。

  • メンデルスゾーン/結婚行進曲
  • ワーグナー/結婚行進曲(婚礼の合唱)
  • イン・ザ・ムード
  • サンダーバード
  • アメイジング・グレイス
  • ムーン・リバー
  • レット・イット・ビー
  • オブラディ・オブラダ

編成に若干の偏りがあったり、練習時間が少なかったり、いろいろ演奏者は大変だったと思うが、演奏はかなり安定していた。概ね満足。

課題は歌モノのメロディのフレージング。シラブルを考えたタンギングのバリエーションを増やして欲しいものである。

例えば、4分音符一つと8分音符二つが並んでいるような音形の場合、「タン・タ・タ」と演奏するのか「ター・タ・タ」なのか「タッ・タ・タ」なのか「ター・ラ・タ」なのか「ター・ラ・ラ」なのか … というように、各音のアタックをどうするべきか、音の長さをどうするべきか、次の音とのつながりをどうするべきか、などで多くの可能性があるのである。

原曲を知っている人は原曲の歌詞や歌っている人の歌い方を参考にするもよし、とにかくパートの中で統一するもよし、もっと考えて欲しい。

少なくとも、同じような音量で同じような音形で演奏してしまえば、それはメロディではなくなり、それは聞いている人にとってただの音の羅列でしかなくなってしまうのである。

シエナのDVD(祝当選)

帰宅すると avex から荷物が届いていた。

シエナのCDとDVDを両方買って応募すると抽選でもらえる特典DVDが当たったようだ。

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内容は、

1. 佐渡裕&丸谷先生 スペシャル・トーク・ライヴ

会場に来ていた淀川工業の丸谷先生が突然舞台上に呼び出されて、いきなり佐渡さんとのトーク。たぶん本当にぶっつけ本番なのだろうけど、さすがお二人とも関西人。なかなか息が合っている。エピソードとしては、ふだんは優しいんだけどちょっと怒ったところがテレビで放送されてしまったので「すごく怖い先生」だと思われてるけど違うよ(本当かなあ)という話とか、大阪人にとって「アホ」は句読点なので、「わかったか。」というのと同じ感覚で「わかったか、アホ。」という言い方をしている(本当かなあ)というのが面白かった。

2. 吹奏楽のための第1組曲 変ホ長調:マーチ(ホルスト)

演奏会のアンコール。かなり抑制された振り方がかっこいい。

3. 終演後

終演後の舞台裏の様子。佐渡さんと演奏者の「お疲れ様」の様子とか、本番直後の佐渡さんへのインタビュー(本番直後でテンションが上がっているから本音が聞ける)とか。

正味13分ということで少々物足りない気もするが、まあ非売品だし。

この調子のプラスチックスの非売品DVDの抽選のほうもお願いします。>> 運の神様

 

ジョン・ケージの吹奏楽曲

John Cage: Fifty-Eight

ジョン・ケージの最晩年の作品。 すでに廃盤になっているらしく、なかなか見つからなかったのだが、アメリカの中古ショップで見つけた。

58人の管楽器奏者のために書かれている。 編成はピッコロ(3)、フルート(4)、アルト・フルート(3)、オーボエ(4)、コール・アングレ(3)、Bb クラリネット(4)、バス・クラリネット(3)、バスーン(4)、コントラバスーン(3)、ソプラノ・サクソフォン(3)、アルト・サクソフォン(3)、 テナー・サクソフォン(3)、バリトン・サクソフォン(3)、ホルン(4)、トランペット(4)、トロンボーン(4)、テューバ(3)。

「fifty-eight (58)」という数字は、この作品を委嘱した吹奏楽団があるオーストリアのグラーツにある州庁舎のアーチの数に由来しているらしい。 このCDには初演の様子が収められているのだが、ライナーノートに載っている写真を見ると、それぞれのアーチの下に管楽器奏者が陣取って、聴衆を取り囲む ような形で演奏したようだ。そういうわけで聴衆のヒソヒソ話や子供の声、いろいろな日常音も収録されている。(まあ、ケージの作品なのだからそれでいいの だろう。)

いわゆる「偶然性の音楽」の範疇に入るのであろう。奏者がそれぞれ任意の長さで演奏する持続音が折り重なって予期しない和音が響くのを楽しむのがいいのだろう。

特にクライマックスがあるわけでもなく、終わりだからといってマッシブに響いたりするわけでもなく、淡々と持続音が交歓されるような音楽である。さすがに総演奏時間45分(それも基本的には任意なのだろうけど)はちょっと冗長。

(後日付記)ケージには「Quartet for Concert Band and Amplified Voices」という1976年に書かれた吹奏楽曲もあるそうです。NAPP さんに教えていただきました。

吹奏楽フェスティバル

アクトシティ浜松大ホールで行なわれた「第3回浜松市民文化フェスティバル/吹奏楽フェスティバル」に出演。

  • 上岡洋一/秋空に
  • ジョセフ・オリヴァドーティ/序曲「バラの謝肉祭」
  • フランク・ティケリ/アメリカン・エレジー

定期演奏会から2週間という短い時間ではあるが、定期演奏会でやった曲をそのまま持ってくるのも緊張感がないので、以前汐澤先生にご指導いただいたことのある《バラの謝肉祭》を取り上げることにした。

前日の合奏はかなりいい感じで手応えを感じていたのであるが、やはり慣れないホールでやると勝手が違う。アクトシティの大ホールはちょっと音を飛ば してやるといい感じで響くのであるが、音の立ち上がりが弱いとステージ上でモコモコになって客席まで飛んでいかないようである。

全体的に演奏自体は悪くなかったのだが、おそらく客席では違う響き方をしていたのではないかと思う。《秋空に》を振っていて、曲の最後の音がワンテンポ遅れて背中から(つまり客席側から)響いてくるのにはびっくりした。

《アメリカン・エレジー》のオフステージ・トランペットはお客さんを入れていなかった4階席でのびのび吹いてもらった。音をちょっと壁にぶつけるとくぐもった感じになって、まさに天からのメッセージとなる。これは気持ちよかった。

たまには、こういう「出稽古」も勉強になっていいな。

イーストマン/ハンスバーガーの名盤

ついにこんな盤が CD 化されるのか!

ハンスバーガー/イーストマン・ウィンド・アンサンブルのコンビがドイツ・グラモフォンに残した貴重な録音が初 CD 化。

なかでもジョン・ウィリアムズの《シンフォニエッタ》は貴重な音源。ジョン・ウィリアムズも吹奏楽オリジナル作品、しかもかなりシリアスな作風なモノを書いていたのである。

(後日付記:今では普通に手に入りますが、当時はタワーレコードの独自企画での発売でした。2012/8/30)

アルフレッド・リード死去

夕食を終えてメールを開いてみると、アルフレッド・リードが亡くなったというメールが飛び込んで来た。

http://www.api-inc.co.jp/

つい先週、定期演奏会で《春の猟犬》を指揮したばかりである。

リードの音楽はどんな編成でどのように演奏してもとりあえずは「鳴ってくれる」。私の所属する吹奏楽団のように、なかなかまとまった練習時間が確保できないバンドでは重宝していたレパートリーで、ほぼ毎年取り上げていた。

「とりあえず鳴ってくれる」というのは裏を返せば個性を出しにくいということでもあるのだが、そこが指揮者として克服すべき課題だと思う。

また、リードがバッハを編曲したシリーズも個人的にはかなり気に入っていて、何回かプログラムに載せたこともある。

率直に言って1990年以降の作品についてはちょっと乱造気味の感じがしてあまり評価していないのだが、近作の《十二夜》や《アーデンの森のロザリンド》あたりからは以前の作風が感じられていた。この路線でまた傑作を書いてくれることを期待していたのだが残念である。

《アルメニアン・ダンス》《ハムレット》《オセロ》などの代表作は今後も演奏されていくのだろうが、自分の中では、いくつかの交響曲で示されたもう少し純音楽的な面にも光を当てていきたいと思う。

Viva Musica! Farewell to the Music Maker.

全日本吹奏楽コンクール課題曲

来年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲が決定したようですね。情報を書き込んで下さった方、ありがとうございます。

まあ、来年も課題曲を演奏する機会はきっとないと思うので、別にどうでもいいといえばどうでもいいのだが、木下牧子さんが久しぶりに吹奏楽曲を書いたのがちょっと気になる。

木下牧子さんの《序奏とアレグロ》といえば、初めて女性が書いた課題曲であるし、個人的に初めてコンクールの場で演奏した課題曲でもある。

私は 3rd Trumpet だったので「序奏」部分はほとんど休みだったのだが、冒頭で 1st Trumpet の先輩がミュートをつけていきなり変なソロを吹き始めたのにびっくりした覚えがあるし、5/8 とか 7/8 という拍子を見たのも初めてだったなあ …..

わりと無機的な旋律ばかりなのだが、しっかりとした構成感でコンパクトにまとまっている曲である。

演奏会その後

一日お休みを取っていたので演奏会後の初出勤。

私からチケットを買って、演奏会に来てくれた人たちの感想を聞かせていただく。

実はアンコールの2曲目が終わったあとに演奏者を立たせようとしたら、演奏者から拍手(というか足ドンドンですね)をもらい、不覚にも「うるっ」ときてしまったのだった。人前で指揮をするのも、かれこれ10年以上になるが一度もそういう経験がなかったもので …..

案の定、打ち上げの席でも「あの時、うるっと来てたでしょう?」と突っ込まれるし、社内の知人の間ではどんどん話が大きくなっていって、いきなり「演奏会で号泣したんだって(笑)?」と話しかけられもした。

受けを狙ったアンケート(というか、他の団員はきっと意味不明)ありがとう。残念ながらまだ読んでません。(打ち上げの席でかなりたくさん読んだ気だったのだが、まだ全部じゃなかったのね。)

積志ウィンドアンサンブル第24回定期演奏会

第1部

  • 上岡洋一/秋空に
  • アルフレッド・リード/春の猟犬
  • 保科洋/パストラーレ
  • フランク・ティケリ/アメリカン・エレジー

第2部

  • 小長谷宗一/子供の街
  • J.S.バッハ(パーシー・グレインジャー編曲)/おお汝、その罪深きを悔い改めよ
  • パーシー・グレインジャー/リンカンシャーの花束

アンコール

  • ボズ・スキャッグス/ウィー・アー・オール・アローン
  • バリー・グレイ/サンダーバード

というわけで、今年の積志ウィンドアンサンブルの定期演奏会が無事終了した。

《春の猟犬》がかなりいい雰囲気で演奏できたので、そのいい雰囲気が演奏会の最後まで持続していたのではないかと思う。全体の充実感という意味ではここ数年の演奏会の中でいちばんよかったかも知れない。

個人的には、必ずしも「練習の中で積み上げてきた音楽」ではなかった部分もあるのだが、ステージの上での「一回限りの演奏」を楽しむことができた。 今まで練習してきたものを機械的に再現するのではなく、その場その場で音楽が新しく生まれてくる ….. というような感覚を持った今回の演奏会であった。

毎年司会をお願いしている方が地元のFM局で番組を持っていて、前日に団長が出演して演奏会の紹介をした。その甲斐あってか、例年に比べて当日券が多く売れ、実際にラジオを聞いて来てくださったお客さんもいらっしゃったようだ。

今年は、例年以上に聞きに来ていただいたお客さんの拍手を暖かく感じることができた。ご来場いただきありがとうございました。


なお、9/25(日) の午後からアクトシティ大ホールで開催される「第3回浜松市民文化フェスティバル/吹奏楽フェスティバル」にも出演しますので、「残念ながら定期演奏会を聞き逃したぁーーーーーっ」という方は、こちらにお出かけください。

  • 上岡洋一/秋空に
  • ジョセフ・オリヴァドーティ/序曲「バラの謝肉祭」
  • フランク・ティケリ/アメリカン・エレジー

を演奏する予定です。

出演順は(東海大会銀賞受賞の)浜松市立高校の次で(全国大会出場の)浜松交響吹奏楽団の前です。(ぉぃぉぃ ….)

出演順は浜松市立高校の前になりました。出演時間は午後2時30分前後になる予定です。