吹奏楽」カテゴリーアーカイブ

クリスマス・イヴだというのに …

所属する吹奏楽団の練習納め。

来年の定期演奏会のための候補曲の音出し。12/24 の夜の練習なんてちゃんと成立するわけがないと思っていたら、意外にもたくさんの団員が出席。

合奏したジェイガーの《吹奏楽のための交響曲》の第2楽章は再現部で主題が突然半音高く転調する。最近、そういう曲を聞いたなあ ….. と思っていたのだが、なかなか思い出せなかった。(ショスタコーヴィチの交響曲第5番の第2楽章(スケルツォ)はそうなんですけどね。)

やっと思い出した。教授の《aqua》だ。確か、G dur から As dur に転調するんだった。

帰宅後、録画しておいたフィギュアスケート全日本選手権の女子ショートプログラムを見る。まれに見る熱戦。素晴らしかった。

ブレーンのCDを何枚か

ブレーンのCDを何枚か。

四季連祷~長生淳作品集

待望の「長生四部作」収録盤。新録音である。

最近は(現実離れした)かなり解像度のよい録音が流行りのような気がするが、この録音はかなりくぐもった感じ。ホールのせいか録音エンジニアの意図かはよくわからないが。

クライマックスなどで少し音色がヒステリックになるところが気になるが、全般的には表現の起伏の大きい演奏である。このあたりは指揮が河原さんから堺さんに代わったことによる要素が大きいのかも知れない。

バンドのための民話 バンド・クラシックス・ライブラリー5

いつまで続くのか(笑)バンド・クラシックス・ライブラリー・シリーズの最新作。なんか、前作「ランドマーク バンド・クラシックス・ライブラリー4」はレコード芸術で特選盤に選ばれていたらしい。

そういうわけで、今回も解説を書かせていただいた。

コーディルの《バンドのための民話》は満を持して … という感じだが、個人的にはラ=ガッシーの名曲《海の肖像》が収録されたのがうれしい。いわゆる「教育的作品」の中に埋もれさせるにはおしい作品です。ぜひ聞いてみて下さい。

KLAVIERの新譜

会社へ行こうとしたら、ちょうど注文していたKLAVIERの新譜(+その他)が届いたので、会社へ持って行って聞くことにした。

Passions

コーポロンのシリーズにしては親しみやすい曲が多い盤である。グレインジャーの《子供のマーチ》《コロニアル・ソング》、定番中の定番と言えるホルストの《第二組曲》、ウィテカーの抒情的な作品《オクトバー》など。

しかし、やっぱり目玉はシュワントナーの最新作《リコイル》の初録音。それから、伊藤康英さんの《ぐるりよざ》に続く日本人作品として、真島俊夫さんの《三つのジャポニスム》が取り上げられている。

予想していたことではあるが《三つのジャポニスム》は特に第1楽章が少々乾いた演奏。軽やかさよりも、もう少し土着的というか湿った感じの音色の方がこの曲には合っていると思うんだけどな。第2楽章のソプラノ・サクソフォン・ソロは途中でオクターブ下げて演奏している。サックス奏者に聞いたら、このソロは音域外の音があるのでフラジオを使わないと吹けないんだとか。第3楽章は第1楽章とは逆に軽やかさがプラスに作用している。

グレインジャーの作品はどちらも作曲者の個性の一つである「えげつなさ」がよく出ている。民謡風の人懐っこい旋律の裏で伴奏がものすごいことをやっていたりするのだが、それが強調されていて面白い。また、この作曲者特有のソノリティの変化の面白さも楽しめる。ただ、《コロニアル・ソング》は作曲者指定のテンポよりかなり早め。ものすごく繊細で微妙なテンポ設定はきっちり守って欲しかった。そうすることによって出てくる面白さもあるのに。

などなど、少し気にかかる部分もあるのだが全体的には大満足のCDである。何といっても録音がよい。バランス的にはかなりいじっているような気がする(こんなに木管は聞こえないと思う)のだが、出てくる音響それ自体に浸れることができる。

それから注目していた《リコイル》の出来が期待以上に素晴らしかった。最初から最後まで緊張感に満ちた素晴らしい演奏。以前の日記でも書いたが、主部の 7/8 拍子のリズム・オスティナートと中間部の女性ヴォカリーズが印象的。

最近面白い吹奏楽 CD に出会えていなかったが、これは久々のヒット。買って損はしません。

今日はこの一枚でお腹いっぱい。ということで同時購入の以下の3枚のレビューはまた今度。

Poetics

ニュー・コンサート・ピース2005 アルフレッド・リード「アーデンの森のロザリンド」

ウィリアム・シューマン作品集 (K 11155)

積志公民館こども講座

積志公民館で開催されている「こども講座」の一つに出演する。 日頃の練習で使わせてもらっている公民館からの依頼である。

子供たちに吹奏楽に触れてもらうのがねらいで、パートごとに楽器を紹介したりだとか、指揮者体験をしてもらうだとか、実際に楽器を演奏してみるだとか、いろいろな趣向が用意されている。

今回でこのような企画は2回目(前回は今年の3月)なのだが、基本的なパターンは前回を踏襲すればいいので気持ち的にはかなり楽だった。

指揮者体験はスーザの行進曲《美中の美》の冒頭を取り出して、希望者に実際に指揮をしてもらうという企画である。前回は確か一人しか希望者がいなかったのだが、今回は公民館の方の巧みな話術でかなり多くの方(大人も子供も)に参加していただいた。

最初はみんなかなり緊張しているようだったのだが、振り終わると「気持ちよかった」という感想を述べる子供が多かった。私も気持ちよく振ってみたいものだ(苦笑)。

最後は我々と参加者が同じ合奏隊形の中でエルガーの《威風堂々第1番》を演奏して終わるのだが、これはかなり気持ちがいい。若干遠慮がちにハーモニ カを吹いたり打楽器を叩いたりしている子供たちを見ながら「この子たちは楽しんでくれたのだろうか?」「この子たちは今後も音楽をやっていくのだろう か?」などと考えながら指揮をしていると、まさに音楽は一期一会なのだという気がする。

彼らと一緒に演奏することはきっともうないと思うのだが、少なくとも彼らは私に対して今までとは違う経験を与えてくれたのである。私も彼らに対して何らかの刺激を与えられたのならすごくうれしい。

帰り際、何人かの子供が声をかけてくれた。ありがとう。

定期演奏会以降の怒涛の演奏機会も今年はこれで終了。 団員の皆さん、本当にお疲れ様でした。 来年になったら、あっという間に次の定期演奏会になってしまうので、またがんばりましょう。

来年の定期演奏会の選曲

来年の定期演奏会に向けての選曲作業が始まっている。

(ちなみに積志ウィンドアンサンブルの第25回記念定期演奏会は2006年7月16日(日)に浜松市教育文化会館で開催します。)

次回は25回記念ということなので、ある企画を用意しているのだが、それを考慮に入れたプログラムを作らないといけない。例年より「縛り」が多い分だけ苦労している。

演奏会全体を見通したプログラミングでいちばん大事なのは「バランス」だと思っている。特にうちの定期演奏会はいわゆる「ポップス」を取り上げないのでなおさらである。

古典的な作品(といっても吹奏楽では50年も遡れば十分に古典である)もやりたいが、新しい作品も取り上げないわけにはいかない。お客さんにとってわかりやすい曲想も大事だが、抽象的な作品を取り上げることにも意味はある。といった感じで考えている。

それから、いわゆる「積志らしい選曲」と言われて評価されている(と思っていいのかな?)曲たちもある。これらは「取り上げられる機会は少ないが、初めて聞く人(もちろん普段吹奏楽を聴かないような人たち)にも興味を持ってもらえそうな曲」という観点で選んでいる。

とはいえ、こういう曲ばっかり取り上げていると「マニアックな選曲」とか言われてしまうので、この枠は一回の演奏会で一曲くらいでいいのかなという気がしている。最近取り上げた曲では《「ルーブル」からの場面》(デロ=ジョイオ、第18回(1999年))、《ウィンド・バンドのためのフローリッシュ》(ヴォーン=ウィリアムズ、第19回(2000年))、《吹奏楽のためのディヴェルティメント》(ハーシェン、第21回(2002年))、《落葉(らくよう)》(ベンソン、第23回(2004年))あたりがこの枠だろうか。

取りとめもなく書いているが、何となくネタが続きそうな気配。お楽しみに。

金賞団体の競演

最近の吹奏楽コンクールの金賞団体を集めたお得なCDセットが発売されるそうなので、全日本吹奏楽コンクールのデータベースに登録しました。

積志公民館まつり

日頃練習で使わせていただいている積志公民館主催の「公民館まつり」での演奏。

  • スーザ/美中の美
  • 海沼実(森田一浩編曲)里の秋
  • 箱根八里の半次郎〜きよしのズンドコ節

ちょっと前からいわゆる「ポップス演奏」が少しずつよくなってきている。今回も前日練習からなかなかいい雰囲気だったので、本番もその雰囲気のまま楽しく演奏できたのではないだろうか。もっと「えげつなく」演奏してもいいんだけどな。

披露宴での演奏

うちの吹奏楽団の団員同士の結婚披露宴というかパーティーでの演奏。

  • サンダーバード
  • ムーン・リバー
  • ホール・ニュー・ワールド
  • ウィー・アー・オール・アローン
  • オーメンズ・オブ・ラブ

今回も練習時間が少なかったわりには、ひとまず合格点という感じの演奏。

さすがにこれだけ立て続けに演奏機会があると、要領がよくなるというか、演奏におけるツボがわかってきて、少ない練習なりの演奏表現ができるように なってきているように思える。これでシーズンオフ(とはいっても来年になるとすぐに次回の定期演奏会の準備が始まるのでごく短いシーズンオフではあるが) になると、もとに戻ってしまわないかちょっと心配なのではあるが。

夜は通常練習。 演奏機会はまだまだ続く。次の本番は11月19日の「積志公民館まつり」である。

氷川きよしの《きよしのズンドコ節》を合奏で取り上げた。 吹き方が上品過ぎるので「もっと汚い音を出してください」という指示を出したら、わりとイメージに近い音が出てきた。一皮剥けつつあるのかな?

吹奏楽やクラシックの演奏の仕方と、ジャズやロックや歌謡曲での演奏の仕方は基本的にはまったく別物であると考えた方がいい。(あ、別に二元論に限定 して語ろうとしているわけではないので …..)時には一方でタブーとされている演奏法が他方では定石となっている場合もあるのだ。

例えば、吹奏楽やクラシックでは音の最後に響きを残すことが当たり前と思われているところがあるが、ポップスなどでこれをやるとかっこ悪い場合もある。ゲートエコーみたいにむりやり残響を叩き切るような吹き方が必要な場合もあるのだ。

あとは、これを全体で統一する必要がある。あるパート(演奏者)が適切な演奏法を取っていても別の奏者が別の奏法を取っていると全く意味がなくなってくるのである。

というわけで、うちのバンドがポップスが苦手だと言われているのは、こういうドグマのせいかも知れないなあ …..

練習からの帰り。カーラジオで「ようこそ夢街名曲堂へ!」を聞く。 以前、ティファナ・ブラスを特集していたときにも偶然聞いていたのであるが、なかなか渋いところを突いた視点がよい番組である。

今日のテーマは「ビートルズ・カヴァー特集」。聞いていたところでちょうどかかったのがニルソンの《You Can’t Do That》。これ、凄いわ。曲の枠組は確かに《You Can’t Do That》なのだが、そこに他のビートルズ・ナンバーが散りばめられている。これが1967年に発表されているというのは信じ難い。だって、引用されてい る《Strawberry Fields Forever》はその年に発表されているんだもの。

フォー・キング・カズンズの《Good Day Sunshine》もオリジナルよりコーラスワークが面白い。

積志ふれあいコンサート

浜松市積志地区の小・中・高校を集めての合同演奏会が積志公民館の体育館で行なわれた。今年で11年目、今年から浜松日体中・高校の70名も参加したということで一気に規模の大きい催し物となった。

  • スーザ/美中の美
  • 黒人霊歌(渡部哲哉編曲)/アメイジング・グレース
  • 氷川きよしメドレー
  • ボズ・スキャッグス/ウィー・アー・オール・アローン

浜松日体中・高校はもちろん充実した演奏を聞かせてくれたし、中学校も年々レベルが上がっている。

われわれ積志ウィンドアンサンブルはというと、少ない練習でもある程度の水準の演奏はできるようになってきた。それはそれで進歩だとは思うのだが、でもやっぱり聞いている人を楽しませる演奏という点ではもっと勉強しなければいけないと思う。

トーキング・ヘッズとかイーストマン・ウィンド・アンサンブルとか

東京出張。例によってタワーレコード新宿店へ。

あまり欲しいものもないなあ ….. と思っていたら、以前の日記(2005-09-18)で紹介したイーストマンの CD が出ていた。これは「TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION」と題された再発シリーズの中の一枚らしい。他にも面白そうなものがあったので買っておくことに。一枚1000円という安さだし。

ウインド・アンサンブルのための作品集

アート・オブ・トイ・ピアノ

いわゆる「おもちゃのピアノ」による作品集。現代作曲家によって書かれたトイ・ピアノのための作品も入っているし、かと思えばベートーヴェンの《月光》やサティの《ジムノペディ》やビートルズの《エリナー・リグビー》なども入っている。

ヘンツェ:ナターシャ・ウンゲホイエルの家へのけわしい道のり

もちろん聞いたことはない作品である(笑)。編成が奇天烈だったので面白そうだと思い購入。バリトン(もちろん楽器ではなく男声ソロ)、ピアノ四重奏団、金管五重奏団(フィリップ・ジョーンズ!)、フリー・ジャズ・アンサンブル、ハモンド・オルガン、打楽器(ツトム・ヤマシタ!)という編成。面白そうでしょ?

解説(片山杜秀氏!)にも書かれているが、ヘンツェによる《月に憑かれたピエロ》なのかなあ?

*****

今日はこのくらいでいいかな、と思っていたら以下のボックスを見つけてしまったので、ちょっと迷った末に衝動買いしてしまった。(冷静に考えたら amazon で買う方がずっと安いじゃん …..)

[tmkm-amazon]B000B5XSK8[/tmkm-amazon]

トーキング・ヘッズの(ライブ盤を除く)スタジオ録音盤8枚をリマスターしたボックスセット。

デュアルディスクというものの存在を初めて知ったのだが、CD と DVD を両面張り合わせたものらしい。何でわざわざこんなものを作るのかよくわからないが ….. というわけでこのボックスセットは実際には16枚分のディスクがある。

CD 面はメンバーであるジェリー・ハリソンによるリマスター音源。(リマスターの出来はまだちゃんとした環境で聞いていないので保留)DVD 面にはそれらの 5.1 サラウンド・ミックスとドルビー・ステレオ・ミックス、それにライブ映像や静止画によるフォト・ギャラリーがボーナス・トラックとして収録されている。

文句ばっかりになってしまうが、5.1 サラウンド・ミックスはそれなりの意味があると思うが、DVD のドルビー・ステレオ・ミックスを聴く人がいるんだろうか?ドルビー・ステレオはいらないからその分ボーナス映像を増やすとか SACD にするとか、商品構成としてもうちょっと考えてもよかったのではないだろうか?(それとも今後そういうのが出るの?)

とはいえ、真っ白なボックスにたくさんの文字が浮き出ているボックスのデザインはなかなかいいし、ブックレットも充実している。

トーキング・ヘッズは以下のような秀逸なボックス(というかブック?)もあるので、なおさら微妙な位置付けの商品である。

[tmkm-amazon]B0000DII8Q[/tmkm-amazon]

*****

[tmkm-amazon]4334783767[/tmkm-amazon]

こちらはタワーレコードの書籍コーナーで見つけた。あまり目にすることのない出版社なので見つけたときに買っておこうと思い購入。内容もなかなか面白く、帰りの新幹線の中で読了してしまった。

30年ほど前に書かれたものなのだが、内容は全然古びていない。「岩城音楽教室」というタイトル自体が挑発的というか皮肉になっていて、教養主義とか権威主義に走っている音楽教育への警鐘を、子供を音楽家にしたがっている「ママゴン」(という表現にはさすがに時代を感じるが …..)への提言という形で書いている。

とはいえ、基本的には「音楽は内面から自発的に楽しむべき」という思想で書かれているので、音楽に携わっている人全てに対する教訓とも言えるだろう。

カラヤンのリハーサルの様子も紹介されているが、「独裁者」というカラヤンのイメージからは意外とも思える演奏者への細やかな気配りがあって面白かった。指揮者と演奏者の関係というあたりでも参考になることがたくさん書かれている。

….. ということで次回の合奏で私は変わるかも知れません(笑)。