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浜松市バンドクリニック(汐澤先生合奏)

浜松市主催のバンドクリックということで汐澤先生をお呼びしての合奏。 汐澤先生の意向で、クラリネットセクションをフィーチャーしたリムスキー=コルサコフの《熊蜂の飛行》と、ハワード・ハンソンの《ディエス・ナタリス》を取り上げる。

クラリネット・セクションの皆さんがどう思っているかまだ聞いていないが、《熊蜂の飛行》はなかなか団員の評判がよい。 かなり小さい編成で書かれた伴奏であるが、聞かせどころのある面白い編曲になっている。 近々どこかで取り上げてみたいものだ。

演奏機会が立て込んでいて今回のバンドクリニックは参加者が少し寂しい状態だった。 この編成だと《ディエス・ナタリス》はなかなか体力的に厳しい。 汐澤先生の指示もパワー配分でどこに重きを置くかという点に注意が払われていたように思える。 もう何年も汐澤先生に合奏指導をお願いしているので、指示を聞いていると「やはり、汐澤先生はこういうところをこういう風に直すんだなあ …..」というところがだんだんわかってくる。自分でスコアを開いた時にそういう考え方ができるようになるといいな。

夕食は、私の提案によりNIKKEIプラス1連載の「かんたん美味」に載っていたラムチョップのカレー風味焼き(でいいのか?)。 カレーパウダーを揉み込んだラムチョップをヨーグルトに漬けておいて、それをグリルで焼いてレモンを絞っていただくというモノ。 いわば、タンドリーチキンの羊版のようなもの。簡単に作れる(と言っても私が作ったわけではないが …..)わりにおいしい。 カーヴ・ドッチ(新潟県にあるワイナリー)の2002年のカベルネ・ソヴィニオンを合わせる。

感動したので備忘録ということで。

N響のアルメニアン・ダンス

今日の「N響アワー」は最近の演奏会からということで、8月6日の演奏会から山下一史さんの指揮による《アルメニアン・ダンス・パートI》が放送された。

N響が吹奏楽作品を演奏するのは初めてだそうである。 サクソフォンには須川展也さん(サクソフォン・セクションはトルヴェール・カルテットという噂も聞いたのだがそうではなかったようだ)、ユーフォニアムには外囿祥一郎さんなどが加わっている。

やはり、少人数でもそれぞれの音が立っている。厚みがありながら同時に透明感もある。かなりリラックスした雰囲気はあるのだが、決めるところは決める。とても贅沢なものを聞いたような気がする。

9月8日には NHK-BS2 でこのコンサート全体が放送されるらしい。 ティケリの《アメリカン・エレジー》にも期待したい。

河口湖音楽祭2006

吹奏楽団の友人たちと河口湖で行なわれている河口湖音楽祭2006へ。 目当ては最終日のシエナ・ウインド・オーケストラの演奏会。

西富士道路から河口湖へ向かうルートだったので、途中で「まかいの牧場」によって昼食。バイキングは少し割高だけど、牛乳やアイスクリームやチーズなどが食べ放題/飲み放題であることを考えると、意外とお得なのかも。 味も想像以上によかったです。

というわけで、ステラシアターへ。 あまり席もよくなかったし、一触即発の息子を連れて行ったりもしていたので、ちゃんと音楽を聞くというよりは会場の雰囲気を楽しみに行った。 幸い、会場全体がそんなリラックスした雰囲気だった。

第1部

  • 20 世紀 FOX ファンファーレ
  • 高度な技術への指標
  • ツィゴイネルワイゼン
  • リバーダンス

《ツィゴイネルワイゼン》と《リバーダンス》はパーカッショニストの池上英樹さんのソロをフィーチャー。

第2部

  • 音楽のおもちゃ箱〜佐渡裕のトークと音楽
    • ウィリアム・テル序曲
    • 宇宙戦艦ヤマト
    • 歌劇《トゥーランドット》より 誰も寝てはならぬ
  • 《ウェスト・サイド・ストーリー》よりシンフォニック・ダンス

アンコール

  • 今日の日はさようなら 〜 (不明、なんだろこの曲)
  • 星条旗よ永遠なれ

グールドのゴルトベルク(1955年版)などなど

息子が「手足口病」なる病気にかかってしまった。 この病気は手足に口ができてしまう恐ろしい病気 ….. のわけがなくて、手や足や口の中に発疹ができてしまう病気らしい。(というわりにはいちばん発疹ができているのはお尻のまわりだったりするのだが。)

昨日は少し熱があったのでぐったりしていたのだが、今日は「病気だ」と言っても誰にも信じてもらえないくらい元気で食欲もあった。 お医者さんによると体がウィルスと戦っている時は人間もハイになるらしいのだが ….. 本当かなあ?

夕方からの合奏で使用する楽譜を引き取りにヤマハミュージック浜松店へ。 暑かったので「涼しくなる音楽を」ということで車のBGMは「スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト」。誰もが聞いたことがある(はずの)気だるい女声ヴォーカルで歌われる《イパネマの娘》が収録されているのはこのCDである。

ゲッツ/ジルベルト

というわけで本日買ったCD。

1955年のゴールドベルク変奏曲~伝説の誕生

(やはり Goldberg は「ゴールドベルク」ではなく「ゴルトベルク」と読むべきだと思うので、そういう表記にしています。)

グレン・グールドの最初の《ゴルトベルク変奏曲》の録音・発売50周年を記念した豪華版。1955年版の録音にいくつかのアウトテイクを収録して、豪華ブックレットをつけたもの ….. なのだが、なかなか微妙な内容。

おそらく1955年版のオリジナル・バージョンは2002年にリリースされたメモリアル・エディションと同じリマスターだし、いくつかのアウトテイクもこのメモリアル・エディションに収録されているものと同じもの。しかもメモリアル・エディションではテイクごとにトラック分割されていた各変奏も、今 回はまとめて1トラックになっている。そのため、このアウトテイクの白眉であろうアメリカ国歌とイギリス国歌のクオドリべット(第30変奏の説明で弾いて いる)が聞きにくくなっている。

快速に飛ばす1955年版も面白いのだが、後半のクライマックスである第28変奏以降の前向きな演奏が 1981年版に慣れた耳にはどうしても物足りなく感じてしまう。 曲が終わったときに空中に放り出されたまま着地できないような気分になってしまうのである。で、最後に深遠なところに導いてくれる1981年版をやはり聞 き直してしまうのである。

価格差を考えると、1955年版も(今のところCDではもっとも音がいい)1981年版も一緒に収録されているメモリアル・エディションを買った方がいいのではないかと。

バッハ:ゴールドベルク変奏曲-メモリアル・エディション-

*****

夜は(定期演奏会が終わったばかりにも関わらず)吹奏楽団の練習。

再来週の土曜日に予定されている夏祭りへの依頼演奏の練習である。 本番は私が振るわけではないのであるが、本番を振る副指揮者の予定が合わなかったので私が代振りをすることになった。 参加人数がかなり少なく、編成も偏っているのであるが、とりあえずは何とかなりそうかな?(分厚く書かれているミュージックエイトはこういう時に重宝する)

前にも書いたのだが、いわゆるポップスを演奏する上で重要なのは音の形。 バンド全体で音の形を合わせないと輪郭がぼやけてしまうのである。 頭を切り替えましょう。

BCL6

最近、ふと気がつくと家の中でCDや本が増殖している気がする …..

ライナーノートを書かせていただいているバンド・クラシックス・ライブラリーの第6弾「音楽祭のプレリュード」がプレスされたということでサンプル盤を送っていただく。

あわせてブレーンから最近リリースされた作品も送っていただく。

積志ウィンドアンサンブル第25回定期演奏会

第1部

  • 伊藤康英/オン・ザ・マーチ
  • 真島俊夫/波の見える風景(改定新版)
    • (指揮:寺田光太郎)
  • ジョセフ・オリヴァドーティ/序曲《バラの謝肉祭》
  • アルフレッド・リード/アルメニアン・ダンス・パートI
    • (指揮:汐澤安彦)

第2部

  • 小長谷宗一/グランド・マーチ
    • (指揮:氏原竜也)
  • ケース・フラク/ロシアン・ダンス組曲
  • ロバート・ジェイガー/吹奏楽のための交響曲(第1番)
    • (指揮:阿部達利)

アンコール

  • ジェリー・ビリク/ブロックM
    • (指揮:汐澤安彦)
  • 中田喜直(藤田玄播)/夏の思い出
  • バリー・グレイ(森田一浩)/サンダーバード
    • (指揮:阿部達利)

汐澤安彦先生を客演指揮にお迎えしての第25回定期演奏会。

良くも悪くも練習通りの本番だったのではないかと思う。 いわゆる「ピーキング」、練習〜本番を通してどこに頂点を持っていくかの難しさを感じた。

直前までうまくまとまらなかった曲、いわば発展途上の曲が本番でがっちり決まってベストの演奏ができるというのはよくある話である。 また、練習である程度できあがっている曲は、そこそこの本番が迎えられる代わりに本番での「奇跡」を期待できないような気もしている。

そういった意味でなかなか自己評価しにくい演奏会であった。 《ロシアン・ダンス》はリラックスしたいい演奏だった。 (そりゃそうだ。汐澤先生の2曲と、団長の「涙の指揮」(笑)という2大イベントを終えたのだから。) 《ジェイガー》はもう少しいい演奏が出来たのではないかと思うのだが「奇跡」を期待してはいけない。直前の演奏でなかなかうまくいっていなかった第1楽章が期待以上の出来だったのでよしとしよう。

よいところはどんどん伸びている反面、改善すべきところもどんどん露呈している。 それは、バンドとして成長段階にあるということなのだろう。 やらなければいけないことはまだたくさんある。

前日、汐澤先生や遠山詠一先生と夕食をご一緒したのだが、その時遠山先生がおっしゃったのが「指揮者も演奏者も暗譜するくらいでないとダメだ。演奏者は指揮者を見て演奏しなければいけないし、指揮者も演奏者を見て指揮しなければいけない。」ということだった。

そう言われたからというわけではないのだが、今年は全て暗譜で振った。 (念のため指揮台の上にスコアは用意していたのだが、結局一度も見なかった。)

演奏会後のレセプションで再び遠山先生とお話ししたのだが「今日は暗譜で振ったね。非常によかった。」というコメントをいただいた。 そこまで見ていただいていたのかと思い、感服するとともにちょっと恐縮。

突然の手紙

突然、吹奏楽界の大御所である秋山紀夫さんから手紙が届く。

全然心当たりがなかったのでとてもびっくりしたのであるが、WASBE(世界吹奏楽協会)の日本人会員に向けてのお願いであった。

  • 現在 WASBE に登録されている日本人は12名。
  • その多くが会費を滞納している。

という事実に驚いてしまった。現在12名しか登録されていないのも、会費を滞納していたために登録を抹消された会員が多いからとのこと。

私はちゃんとオンラインで毎年更新しているんだけどな。

今日の積志ウィンドアンサンブル(&今日買ったもの)

Aha!(All We Want)(初回限定盤)

最近、DVD 付きの便乗商法が多い CD であるが、これは初回限定ピンボールつき。 ケータイの CM で使われているタイトル曲はデリコにしたら「まあまあ」というレベルなのであるが、NHK「英語でしゃべらナイト」で使われているビートルズの《HELP》はグッド。

以前からデリコで60〜70年代カバーアルバムを作ったら売れると思っているんだけど、いかがでしょうか?

ウクレレ栗コーダー

最近、栗コーダーがお気に入り。「ウクレレ」シリーズに収録された曲に、新録音を加えたベスト盤。例の(やる気のない)《ダース・ベイダーのテーマ》も収録されている。ディープ・パープルの《ハイウェイ・スター》も面白い。

ソウルトレーン

紙ジャケも再発されて安くなるのだ。ビクターの大英断に感謝。 まだ普通だった時代のコルトレーン。

Yumi Arai 1972-1976

魔が差したというか、目の前にディスプレイされていたので … ユーミンが聞きたかったというわけではなく(おいおい)、バックを務めているティンパン・アレーが聞きたかったので。

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来週はホールでの前日リハになるので、ちゃんと通せる練習はこれで最後。

私は「アマチュアの音楽活動=ドミノ倒し」という持論を持っている。 ドミノは並べたとおりにしか倒れない。 本番は最初のドミノを倒したら、あとは並べたとおりに倒れるのを見守るしかないのである。

そういう意味で、本番の一つ前の演奏がいいものであったなら、それで「練習の積み重ね」としては価値があるのだと思う。

今まで積み重ねた練習量に比べたら、本番の2時間なんてあっという間である。 2時間で、今まで並べてきた全てのドミノが倒れますように。

NAXOSの吹奏楽作品集(買いました)

公私ともにやることが多過ぎて日記を書く気力がない …..

NAXOS から出始めた吹奏楽作品集を購入。

Redline Tango

ジャンニーニ:交響曲第3番

とりあえず、ジャンニーニの《交響曲第3番》を聞いてみる。

古典的な交響曲の構成に基づいた作品。 あまりにも生真面目過ぎて聞き栄えがしないのかも知れない。 何度か所属する吹奏楽団の選曲候補に挙げてみたのだが、なかなか演奏者の支持が得られない。

いかにも古めかしいソナタ形式の開始を思わせる第1楽章の冒頭と、それに続く複雑なフーガ、6/8 と 3/4 が交錯するスケルツォの第3楽章あたりが好きである。

今までの愛聴盤だったフェネル/ダラス・ウィンド・シンフォニーはかなりゴージャスな響きがしていたのであるが、この演奏はそれとは対照的にかなり風通しがいい。いわゆる「ウィンド・アンサンブル」の響きのお手本のような感じである。

第1楽章や第4楽章は演奏も生真面目で面白みに欠けるのであるが、第2楽章はウィンド・アンサンブル的な響きが生み出すソノリティが効果的だし、第3楽章も乾いた響きが諧謔性を醸し出していてなかなか面白い。

他の曲や、もう一枚のCDはがんばって後日聞きます …..

今日の積志ウィンドアンサンブル

午前中、髪の毛を切りに行く。 本当に髪の毛を切ってもらっている時くらいしか本を読めない今日この頃。

村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。 (PHP新書)

三島作品はほとんど読んだことがないので、表題のような筆者の考察の妥当性は評価できないのだが、解読の手法として面白いことは面白い。さすがに全てを鵜呑みにすることはしないが「解読とこじつけは紙一重である」ということを意識させられる。

そういえば、その昔、マーラーの交響曲の系譜とショスタコーヴィチの交響曲の系譜の類似性を指摘する作曲者がいた。最初に古典的な構成を持った曲を 書いて、声楽を使って、純音楽に戻り、大規模な作品を書いて、最後はまた純音楽に戻る、という流れが似ているというのである。これはそれなりに納得すると ころがあったのだが、そのあとでマーラーの交響曲とワーグナーのオペラを比較した時には「さすがにそれは無理があるだろう」と思った。

*****

積志ウィンドアンサンブルの練習はジェイガーの《交響曲》の合奏。

部分部分をチェックして、全曲を通して終わろうと思ったら全然時間が足りない。 「漫然と通すよりは本当に集中してやった方がいい」と途中で判断して、チェックポイントのチェックだけにした。部分部分を取り出すとうまくいくのだが、20分以上音楽を積み重ねて到達した時にちゃんとベストの演奏ができるかどうかが課題である。集中力を失ったときのちょっとしたミスで流れががらっと変わってしまう危険性についてはサッカー日本代表が身を持って示してくれたし :-P。

伊藤康英さんが浜松交響楽団の創立30周年のために書いたファンファーレの楽譜と参考演奏CDを入手。