投稿者「musicabella」のアーカイブ

ホームページリニューアル

妻も息子も風邪のひきかけで体調が悪かったので、基本的に家の中でゴロゴロ。

昼過ぎに裏のガブリエルくんも遊びに来てくれたのだが、さすがに今日は息子が外遊びするのは無理そうなので「来週遊んでね」ということで遠慮してもらった。

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さて、見た目は全くと言っていいほど変わっていませんが、吹奏楽のページをリニューアルしました。データ構造の変更中なのですが、いろいろ提供していただいているデータを早く公開した方がいいと思ったので、折衷的な処理にして何とか動く程度まで作って公開してみました。主な変更点は、

  • 使っているフレームワーク(cakePHP)のバージョンアップ。実は1.2から1.3に移行するために少なからず変更が必要な箇所があるのです。
  • 内部的なデータベース構造の変更。データ量が多くなって来たため、手元のPCからサーバーへアップロードする際の容量制限に引っかかりそうです。そのためデータベースを分離(いわゆる正規化)して全体のサイズを減らせるようにしました。処理速度も少しは早くなっているんじゃないかなあ?
  • データベース構造の変更に伴って、各データについてのURLが変更されています。また今後も変更される可能性があります。大雑把に言うと、いままでテキストで処理していた曲名、作曲家名、団体名などをIDで処理しようとしています。

一部まだ動かない機能があると思いますが、日曜プログラマーゆえ、温かく見守っていただけるとありがたく思います。

今後ともよろしくお願いします。

アクサントゥス4枚組

アクサンチュス・スペシャル・ボックス (Transcriptions 1 & 2: Requiem Sacred Night) (4CD box) [Import from France]

古楽器関連のトピックをつらつらウェブを眺めていたら面白そうなCDボックスを見つけたので、ついポチッと。

フランスで活動している合唱団「アクサントゥス」の4枚のアルバムを集めたボックスである。それぞれに興味ある内容であるし、4枚で20ユーロという価格は万が一気に入らなかった場合にも諦めがつくレベルである。

まず1枚目。クラシックの名曲を無伴奏合唱に編曲したレパートリーである。

目玉はバーバーの《弦楽のためのアダージョ》を作曲者自身が無伴奏合唱に編曲した《アニュス・デイ》と、おそらくはマーラーの全作品の中でもっともロマンティックであろうマーラーの交響曲第5番の第4楽章(原曲はハープと弦楽合奏のみで演奏される)だろう。

前者は原曲も好きだし、この編曲版の存在も知っていたし、以前からちゃんとした演奏を聴いてみたかった作品である。実は吹奏楽選抜大会@浜松で聞いたことがあったのだが、あまり安定しない歌唱だったので …

上のアルバムのコンセプトを引き継いでいる第2弾。

多少はこちらの方が耳にしたことがある曲が多いのかな?いや、そんなことはないか …

バッハの曲に詩篇の言葉を載せるというのが興味深い。

フォーレの《レクイエム》。

レビューを見てみると、このアクサントゥスというグループの声は透明感があるとのことなので、そういった合唱でこの《レクイエム》を聞いてみたかった。伴奏も規模の小さい室内オーケストラ編成ということだし。

DG箱に入っているジュリーニ/フィルハーモニア管の演奏は、オケも合唱も重過ぎるし、独唱のキャサリーン・バトルがいかにもオペラチックで大仰に歌っているので、あまり好きではないのである。

これが古楽器演奏グループ「コンチェルト・ケルン」と共演しているクリスマス・アルバム。

パッヘルベルの《カノン》、バッハの《主よ、人の望みの喜びよ》、グノーの《アヴェ・マリア》、ヘンデルの《ハレルヤ・コーラス》、それから《きよしこの夜》など、いかにもクリスマスらしい作品が収録されている。

全般的には、解釈という名の表現付けは極力避けて、とにかくハーモニーの美しさを追求しようとしているように思える。(例外もある。《アヴェ・マリア》などは表現過多でちょっと聞いていて恥ずかしい)聞きようによっては物足りないのかも知れないが、個人的には音を磨き上げれば磨き上げるほど、音そのものが説得力を持ってくるのだと思う。

だから、これでいいのだ。

ひさびさのだめ

夜中というか明け方というか、そのへんの微妙な時間に目が覚めてしまい、なかなか寝付けなかったので独りでリビングに下りていってゴソゴソ。今さらながらに劇場版「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」の DVD を見ることにした。

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]

これは「テレビドラマ(全11回)」→スペシャルドラマ「のだめカンタービレ 新春スペシャル in ヨーロッパ(全2回)」の続編ということでいいのか?そういえば「新春スペシャル」はちゃんと見ていないような気がする。前編は帰省のために予約録画ができずに後で友人に借りてダビング、後編は「前編を見てから …」ということで先送りになっていた。

テレビドラマ版は、全11回枠に収めるためか、原作と違う部分がかなりあって楽しめたのだが、この映画版は良くも悪くも原作通り。もちろん細部は省略があったり、多少の改変があったりするのだろうが(原作は日本に置いてきたので忘却の彼方)、大きな展開はほとんど先読み可能。原作を読んでいる私にとっては、登場する主人公が動いて、実際にパリやウィーンが舞台になっていて、実際に音が出てくる、つまり原作が多少リアルになったというだけの印象である。「メディアとしての映画」としてどうか?と言われると、正直映画館まで足を運ぶ気にはなれない。本質的にはコミック→映画とメディアを変えた意味がないと思う。

というわけで本筋とはあまり関係のない印象を。演技とはいえムジークフェラインザールで実際にオーケストラを振るのは気持ちいいだろうな。それからテレビドラマの頃に比べるとかなり指揮はうまくなっていると思う。3拍子の3拍目、あるいは4拍子の4拍目で、体で右腕を引っ張るようなクセ(つまり「指揮者の筋肉」での右上腕部の引き上げが弱いので体を使って引き上げているのかなあ)がちょっと気になりましたが。

使われている音楽について。エルガーの《NIMROD》(エニグマ変奏曲より)は個人的に涙腺が自動的に緩んでしまう曲なので、ああいう場面で使われるとちょっと弱い。それから、後半でドイツ国歌が弦楽で演奏されているのを耳にした。よくよく調べてみるとこのメロディーはハイドンが作曲した弦楽四重奏曲第77番《皇帝》の第2楽章の冒頭のものらしい。この発見が、このDVDを見てのいちばんの収穫かも知れない。

あ、当然のことながら上野樹里の演技力は素晴らしいと思います。

提灯行列

11月11日の聖マルティン祭の前後に行われる提灯行列(ラテルネンツーク)に参加。正確に言うと、隣町クルプンダーのビックバルゲン幼稚園の主催で行われる提灯行列に混ぜてもらうという形になる。この幼稚園と日本人学校の幼稚部は交流があって、お互いに遊びに行き来している。

今日は自宅から車でビックバルゲン幼稚園まで来て、近くに車を停めたのであるが、そういえば以前日本人学校の幼稚園の子供たちはここまで歩いてきたことがあるのだった。すごいなあ。

開始は午後6時。まずは広場のようなところで鼓笛隊の演奏が行われる。確か、ハルステンベックの秋祭りにも参加していた団体で、打楽器とフルート(ピッコロ)が主体の編成である。

その後、この鼓笛隊の先導で行列が行われる。子供たちは幼稚園で作った提灯(とはいっても光源は豆電球)を持って歩く。ドイツの道路は街灯が少ないので道中はかなり暗い。息子は途中で幼稚園の友達を見つけると、その子のところに向かって走り出すのだが、人はかなり多いし、一度見失うと確実に迷子になりそうだ。もっとも、行列のコースを知らないし(とにかく前を歩いている人についていくだけ)土地勘もないので、はぐれたら絶対開始地点に戻れないのは我々も同じなのだが。

そういうわけで、いつ終わるかわからない行列が開始地点に戻ってきたのはおよそ30分くらい経ってからか。いい運動になりました。

マイコーの Behind the Mask

(あ、すでにいろいろなところで公開されていますね …)

アメリカのYMOメーリングリストからの情報。マイケル・ジャクソンのニュー・アルバムに長い間お蔵入りだった《Behind the Mask》が収録される模様。

http://www.cnn.com/2010/SHOWBIZ/Music/11/12/michael.jackson.album/index.html?hpt=Sbin

聖マルティン祭

(やっとブログがまともに動作するようになったか? …)

体調が悪くて会社をお休み。昨日の朝、シャワーをしてからすぐに出社したのが原因かと。

今日が「聖マルティン祭」であるということを息子から教えてもらった。由来は調べていないが、この時期にガチョウを食べたり、例の提灯行列を行ったりするらしい。

ということで、明日は隣町クルプンダーの幼稚園と共同での提灯行列があるのだが、行けるかなあ?

カンブルラン/春の祭典

ときどき書いていることであるが、基本的にいわゆる「同曲異演」、つまりある曲をいろいろな指揮者/演奏者で聞き比べるという趣味はない。

「基本的に」なので、好きな曲で、なおかつ決定的な演奏が見つからない場合には、理想的な演奏を求めて、あるいは自分が理想しているアプローチとは別の可能性を求めて、いろいろな音源に手を出してみる。吹奏楽だとホルストの《第一組曲》やグレインジャーの《リンカンシャーの花束》は30種類くらいの音源を持っているはずだ。

吹奏楽以外のクラシック音楽についてはそれほどパースペクティヴが広がっているわけではないので、同曲異演を聞くよりはいろいろな作品を聞いて見識を広げたいと思っているのであるが、ストラヴィンスキーの《春の祭典》に関しては、「好きな作品であるが決定的な演奏に巡り合っていない」という意味で、興味がある盤があればちょっと聞いてみようという気になる。

今回買ってみたのは、シルヴァン・カンブルラン指揮南西ドイツ放送交響楽団による演奏。

  • HMVのオンラインショップでなかなか評判がよい
  • バレエ・リュス(ロシアバレエ団)の委嘱によって書かれた作品を集めてシリーズ、ということで気になった。

のだが、付随的かつ実利的な理由として、

  • ドイツのオンラインショップjpc.deから、誕生月ということで5ユーロのクーポンが送られてきた。
  • しかも、同時にjpc.deが送料無料キャンペーンをやっていた。

というのもある(笑)。ちなみにカンブルランは読売日本交響楽団の常任指揮者に就任しているらしい。

Les Ballets Russes 1

収録曲は、その《春の祭典》、ドビュッシーの《遊戯》、デュカスの《ペリ》。《ペリ》は比較的珍しい舞踏詩本編と、比較的ポピュラーなファンファーレである。

《春の祭典》は冷静さと凶暴さが共存した演奏とでもいえようか、とてもダイナミクスの広い演奏。(だから車の中で聞くのにはちょっと向かない)各楽器の音色を生かしたアンサンブルの妙とか、重めのテンポでありながら鋭いリズムなどが聞ける。

惜しむらくは、この曲のキモであろう複合拍子の部分、具体的には第2部の《生贄への賛美》と《生贄の踊り》がリズム的に著しく不安定に聞こえるのである。複合拍子なので感じ方に個人差があるのだと思うが、私としてはかなり崩壊して聞こえてしまう。拍子の頭を打つべき低音や打楽器が前に行こうとしてタイミング的に少しフライングしているように感じる。

《遊戯》や《ペリ》は上に書いたような弱点が目立たず、長所が活きるような曲想なので面白く聞けた。

ということで、手放しで絶賛するには若干不安要素はあるが、もう少し他の曲も聞いてみたい、という微妙な評価になってしまった。

この指揮者は現代音楽も得意にしているらしく、メシアンのボックスもあるし、リームの管弦楽作品もまとめて録音しているようだ。とりあえず《トゥランガリラ交響曲》あたりを聞いてみたいのだが、そのために8枚組ボックスを買うのもリスキーだし …

機会があれば実演を聞けるといいのだが、その名の通りこのオーケストラはドイツの南西部にあるバーデン=バーデンやフライブルクを本拠地にしており、ハンブルクからは約700km …

ハンブルガーSV対ホッフェンハイム

今シーズン2度目のサッカー観戦。相手はホッフェンハイム。名前も聞いたことないし、有名選手もいないようだし楽勝だろう … と思っていたのだが、対戦時点でブンデスリーガ1部第3位。かたやハンブルガーSVはファンニステルローイやヤンセンを怪我で欠く、という少々苦しい展望だった。

前回はメインスタンドの後ろの方で見たのだが、今回は「別の席で見てみよう」ということでアウェイ側ゴール裏の真ん中くらいの席で見た。アウェイ側といってもアウェイの応援席はかなり限られた区画しかないので、ほとんどがHSVの応援席である。メインスタンドの上の方の席よりも熱狂的なファンが多くて、ピンチ/チャンスに対するリアクションも大きいので観戦していても面白い。

開始早々ゴールエリア内でのファールにペナルティキックの判定を受けてホッフェンハイムが先制。前回アリーナで見た試合と同じようにいきなり追う展開になってしまった。相変わらず連携が悪くてボールの支配率が高いにも関わらずなかなか決定的なチャンスが作れない。後半の途中から少しずつ噛み合いだして面白い展開になってきたかな、という感じ。

結局、後半間際に追いつき、後半の追加点で 2-1 で勝利。前回のカイザースラウテルン戦よりはほんのちょっと安心してみることができた展開かな。というわけで、次回も楽に勝てそうなシュトゥットガルト戦を見に行くことにしたのでした。

誕生日プレゼント (for me)

自分への誕生日プレゼントは(なぜか)クリストファー・ホグウッド/アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックによるモーツァルト交響曲全集にした。(ウェブでいろいろ探すと物欲が刺激されてしまうのだなあ、これが …)概ね100ユーロないしは10000円くらいで売られているのだが、amazon.de を見てみるとおよそ50ユーロで売られていたので買ってみた。DHL で今日到着。

Mozart : The Symphonies

やはり、何となくピリオドアプローチの演奏に心が傾いてしまう。そういえば、ベートーヴェンの交響曲全集もガーディナー/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク(長い名前(笑))を買ってしまったし、最初に聞いたバッハのブランデンブルグ協奏曲もピノック/イングリッシュ・コンソートの演奏だった。

もともと吹奏楽から入ってクラシックを聞き始めたわけなのでフルオーケストラの音色(特に古典派~ロマン派と言われている音楽のそれ)にはあまり耐性がない。また、ここ5年から10年くらいは「吹奏楽」というよりも「ウィンド・アンサンブル」をそれなりに一所懸命考えていたわけで、ウィンド・アンサンブルという演奏形態でのアプローチはある意味ピリオドアプローチの演奏形態に通じるものがあるのでは?と思ったしだい。

ドイツへ来る少し前に買って、未だに持てあましているドラティ/フィルハーモニア・フンガリカのハイドン交響曲全集(これはいわゆるモダンアプローチです)をなかなか楽しめないのもそういった理由があるのかな?

とりあえず、よく知っている第25番や第40番あたりから聞き始めるが、予想通りノンビブラートのすっきりとした音と快活なテンポが気持ちよい。また、弦楽器の人数が少ないとか、弦のテンションが今より低いために音量が出ないとか、といった理由で管楽器の存在感が大きい。古い管楽器が混じった時の音色は独特である。

バーンスタイン/マーラー《巨人》

せっかく買ったので、ドイツ・グラモフォンの111周年記念ボックス第2弾からひとつまみ。バーンスタインによるマーラーの交響曲第1番《巨人》である。ちょうど自宅から会社までの所要時間がこの交響曲の長さと同じくらい(笑)。

1980年代(だからバーンスタインの晩年と言っていい)にニューヨーク・フィル、コンセルトヘボウ、ウィーンフィルという3つのオケを振り分けて録音されたバーンスタインにとって2回目のマーラーの交響曲全集の一つ。(正確に言うと交響曲第8番《千人の交響曲》はこの全集としては録音されずに1970年代に録画された全集の音源を借用しているのだが …)

この《巨人》はコンセルトヘボウによる演奏。この全集の第9番(オケは同じコンセルトヘボウ)がリリースされた時にそれを買った友人が狂喜していたので私も借りて聞いてみたのだが、あまりピンと来なかった記憶がある。まあ当時は(今もそうだが)同曲異演にのめり込むよりは未知の曲をたくさん聞きたいと思っていたので、演奏そのものにはあまり注目していなかったのかも知れない。

それ以降も「晩年のバーンスタインはくどい」という耳年増的先入観があったので、この全集には興味があったものの積極的には聞こうと思っていなかった。ありがたいことにボックスの中に収録されていたのでちょっと聞いてみようと思ったしだい。

おそらくスコアを見ながら聞けばテンポの揺れとかダイナミクスの処理とかがわかるのだろうけど、ざっと聞いてみたところそんなに違和感はない。「表現が濃い」という風評からさぞかし感情的な演奏だろうと想像していたのだが、雑ということはなく細かいところまで注意がいきとどいている用に思える。長年リファレンスとして聞いてきたインバル/フランクフルト放送響の淡白な演奏よりむしろ楽しめる。

確固たるヴィジョンがあるから大胆な解釈があっても不自然さを感じないのだろう。以前、指揮者の汐澤安彦さんに指導いただいた時にスコアを深く読んだ上で大胆なダイナミクスの変更をされたことを思い出す。

《巨人》はマーラーの交響曲の中でも淡白な方だと思うので、もっと濃厚な交響曲でバーンスタインの「濃さ」がどのくらい表出されているのか聞いてみたい気もする。《復活》とか第5番とか。

(まあ、先日買った新ウィーン楽派録音集成が面白かったので、シノーポリが振ったマーラーもさぞ面白かろうと思っていたところなのですが …)