月別アーカイブ: 2006年9月

浜松市バンドクリニック(汐澤先生合奏)

浜松市主催のバンドクリックということで汐澤先生をお呼びしての合奏。 汐澤先生の意向で、クラリネットセクションをフィーチャーしたリムスキー=コルサコフの《熊蜂の飛行》と、ハワード・ハンソンの《ディエス・ナタリス》を取り上げる。

クラリネット・セクションの皆さんがどう思っているかまだ聞いていないが、《熊蜂の飛行》はなかなか団員の評判がよい。 かなり小さい編成で書かれた伴奏であるが、聞かせどころのある面白い編曲になっている。 近々どこかで取り上げてみたいものだ。

演奏機会が立て込んでいて今回のバンドクリニックは参加者が少し寂しい状態だった。 この編成だと《ディエス・ナタリス》はなかなか体力的に厳しい。 汐澤先生の指示もパワー配分でどこに重きを置くかという点に注意が払われていたように思える。 もう何年も汐澤先生に合奏指導をお願いしているので、指示を聞いていると「やはり、汐澤先生はこういうところをこういう風に直すんだなあ …..」というところがだんだんわかってくる。自分でスコアを開いた時にそういう考え方ができるようになるといいな。

夕食は、私の提案によりNIKKEIプラス1連載の「かんたん美味」に載っていたラムチョップのカレー風味焼き(でいいのか?)。 カレーパウダーを揉み込んだラムチョップをヨーグルトに漬けておいて、それをグリルで焼いてレモンを絞っていただくというモノ。 いわば、タンドリーチキンの羊版のようなもの。簡単に作れる(と言っても私が作ったわけではないが …..)わりにおいしい。 カーヴ・ドッチ(新潟県にあるワイナリー)の2002年のカベルネ・ソヴィニオンを合わせる。

感動したので備忘録ということで。

フリッパーズ・ギター

フリッパーズ・ギターのファーストとセカンドが紙ジャケ再発売されたので聞いてみた。

THREE CHEERS FOR OUR SIDE

CAMERA TALK

1989年と1990年リリースだそうで。

その頃ってほとんどリアルタイムの音楽を聞いていなかったような気がする ….. と思って購入 CD データベースを見返してみると、クラシックばっかり聞いていた頃で、リアルタイムで買ったJ-POP(って当時はそんな言葉はなかったような気がしますが)は教授とサザンと「たま」ぐらいだったようだ。

そう考えるとフリッパーズ・ギターの音楽は当時かなり斬新だったのだろう。 もちろんピチカート・ファイヴやオリジナル・ラヴ(いわゆる渋谷系)に通じる部分もあるのだが、この過剰なギミックにまみれた極上のポップソングは XTC あたりに近いものも感じる。

今聞いてもとても楽しいのだが、リアルタイムで聞いておきたかったような気もする。

サードにして最終アルバム「ヘッド博士の世界塔」は紙ジャケで出す意味はほとんどないので、ぜひ初回盤 3D ジャケットで復刻を!

ラトルの惑星

タイミングがいいんだか悪いんだか …..

ホルストが作曲した《惑星》にコリン・マシューズが作曲した《冥王星》を追加、さらに CD の 2 枚目に星にちなんだ現代作品を集めたラトル/ベルリン・フィルの新盤。

近所のタワーレコードで輸入盤が安くなっていたので買ってしまった。

ちなみに、このコリン・マシューズはホルストの吹奏楽のための 2 つの組曲の校訂でも知られる。wikipedia で調べてわかったのだが、デリック・クックを中心に行なわれたマーラーの交響曲第10番の復元版の作成にも噛んでいたらしい。

ホルスト:惑星(冥王星付き)

ライヴ・レコーディングということで多少ラフなところも聞かれるが、全体的にはかなり優等生的な演奏。個人的に鬼門の第5曲「土星」(だいたいこのへんで眠くなる)はデュナーミクやテンポに起伏があって楽しめた。

さて、コリン・マシューズの《冥王星》は今回初めて聞いた。完全に宇宙の果てに連れて行かれるようなエンディングになっているホルストの「海王星」のあとにどんな音楽を持ってきたのだろう、と思ったら、混沌とした印象の曲だった。

「海王星」以上の静けさを作ろうとするのは誰でも思いつくだろうし、単にホルストの後追いになるだけなので、こういうアプローチ/アイデアはありだと思う。曲としては平凡だと思うけれど。

国際天文学連合の決定が覆らない限り、今後この《冥王星》がホルストの《惑星》にカップリングされることはないんだろうなあ ….. 《冥王星》の運命やいかに。

N響のアルメニアン・ダンス

今日の「N響アワー」は最近の演奏会からということで、8月6日の演奏会から山下一史さんの指揮による《アルメニアン・ダンス・パートI》が放送された。

N響が吹奏楽作品を演奏するのは初めてだそうである。 サクソフォンには須川展也さん(サクソフォン・セクションはトルヴェール・カルテットという噂も聞いたのだがそうではなかったようだ)、ユーフォニアムには外囿祥一郎さんなどが加わっている。

やはり、少人数でもそれぞれの音が立っている。厚みがありながら同時に透明感もある。かなりリラックスした雰囲気はあるのだが、決めるところは決める。とても贅沢なものを聞いたような気がする。

9月8日には NHK-BS2 でこのコンサート全体が放送されるらしい。 ティケリの《アメリカン・エレジー》にも期待したい。