月別アーカイブ: 2005年8月

教授ライブ@ICC

ICCで行なわれる教授のコンサートを見に東京へ。

新宿でお昼を食べるときはよくアルタ地下の「ハイチ」を使っていたのであるが、なくなってしまったようなので新宿センタービルにあるお店の方へ行 く。もちろん注文するのはドライカレーとコーヒーのセット。わりと広いのだがお客さんの喫煙率が高いのがちょっと難。それからコーヒーが普通のコーヒー カップに入ってくるのもちょっと興ざめ。アルタ地下のお店はもうちょっとこだわりのあるカップだったのだが ….. とはいえ、いくつかあるお店の中では新宿駅からいちばん近そうなので、とりあえずはここを使うことになるのだろう。

そのあとは、まずディスクユニオンの各店をのぞく。Yellow Dog から出ているビートルズのレット・イット・ビー・セッションのCDが組物で安くなっているやつ(もちろんブートレッグ)とか、晩年のフランク・ザッパがア ンサンブル・モデルンを指揮した「イエロー・シャーク」の映像盤(もちろんブートレッグ)とかに心惹かれる。しばし逡巡するが、前者は買ってもまず聞かな い気がするし、後者も公式に出ている「イエロー・シャーク」や「グレッガリー・ペッカリー」をまず聞けっちゅう話だよなあ ….. と思い、結局買うのをやめた。

その後は例によってタワーレコードの新宿店へ。 いちばん欲しかったのは先日職場の後輩から聞かせてもらって激しく感動したフェネスの「ライブ・イン・ジャパン」だったのだが、残念ながらこれはなかった。

ということで、当てもなく買ったのが以下の3枚。

The Wire 20 years 1982-2002

「WIRE」という雑誌の創刊20周年を記念して2002年に作成された3枚組のコンピレーション。フリーとかアヴァンギャルドとかアンダーグラウンドとかエクスペリメンタルとかといった言葉でくくれそうなアーティストの名前が並んでいて面白そうだった。

エンニオ・モリコーネ(あの「ニュー・シネマ・パラダイス」からは絶対想像できない音楽!)とか、フェネスとか、アインシュトゥルツェンデ・ノイバウテンとか、大友良英とか、ジョン・ケージとか、ビョークとか。

John Zorn: Rituals

ジョン・ゾーンが作曲したオペラ(と言っていいのかなあ?)。1人の歌い手と10人の演奏者のためのモノドラマ。楽器編成はフルート(ピッコロ、アルトフルート持ち替え、以下同)、クラリネット(バスクラリネット、Ebクラリネット)、バスーン(コントラバスーン)、トロンボーン、2人の奏者による各種打楽器、ピアノ(ハープシコード、チェレスタ、オルガン)、ヴァイオリン、チェロ、コントラバス。

5楽章からなり、計30分ほどの演奏時間である。演奏者もいろいろな動作を要求されているシアトリカルな作品らしい。1998年にバイロイト・オペラ・フェスティバルで上演された際には賛否両論だったらしいが、音を聞く限りそんなに絶賛するべきものでも拒否反応を示すべきものでもないように思える。ジョン・ゾーンの作品を聞くのだったら「マサダ」とか「ネイキッド・シティ」の方が面白い。

ローリー・アンダーソン―時間の記録

CDサイズの書籍にCDが付録としてついているもの。 上記の教授のライブは、そもそもICCで開催されているローリー・アンダーソンの回顧展「時間の記録」の一環として行なわれるイベントなのである。この本はその展覧会のプログラムのような位置付けになろうか。

どうもパフォーマンス・アートというと眉に唾をつけながら見てしまうのだが、ローリー・アンダーソンの場合はテクノロジーを使って、それをわかりやすく示しているのが受けているのかなあ?

*****

そんなこんなで教授のライブである。 矢坂健司さんのブログで 見たように、基本的にラップトップを使っての即興演奏。ステージは左からスクーリ(基本的にベース+ギター?)、ジャンセン(ラップトップ)、教授(ラッ プトップ)、フェネス(ギター+ラップトップ)、小山田(エフェクター+ギター)。約3O分遅れの開演で、1時間ほどのノンストップの即興演奏。これは穏 やかな部分が多くて正直ときどきウトウト。それもなかなか心地よい。アンコールはかなり激しかった。

まさか《BEHIND THE MASK》や《TONG POO》などを期待してきた人もきっといないと思うし、こういう肩の力を抜いたライブ(リハはなく、ほとんどぶっつけ本番だったらしい)は「その場にいる」ということが大事なのだと思う。

広島

朝起きて、昨夜録画しておいた「NEWS 23」を見る。

坂本龍一と元ちとせが原爆ドームの前で《死んだ女の子》を演奏したのである。元ちとせのメリスマの効いた節回しと、教授のバックトラックの「噛み合わなさ」が不思議な印象を残す。

この詩はトルコの詩人ナジム・ヒクメットが書いたもので、日本では反戦歌として歌われていたらしい。旋律の節回しもそちらっぽい独特のものを感じたのであるが、調べてみると外山雄三が作曲したものらしい。もちろん、反戦歌として歌われていたのは別の曲なんだろうなあ。

なお、この曲は mora などで期間限定でダウンロードできる。(もちろん有料だけど)

この曲は番組の最後に演奏されたので、録画したビデオをたらたら早送りしながら見ていたら8時15分にサイレンが鳴った。60年前、広島に原爆が投下された時刻。まさか浜松でもサイレンが鳴らされるとは思わなかった。

今日の積志ウィンドアンサンブル

昼間は近くの夏祭りでの演奏。

準備のための時間がなかなか作れなかったので、《サンダーバード》《オレンジレンジ・メドレー》《ムーン・リバー》《時代劇絵巻》《マツケンサンバII》と今年用意しているレパートリーからの選曲。

参加できる人数が少なかったが、なかなかいい演奏ができたと思う。もちろん課題はたくさんあるのだが、今までうるさく指摘してきたことが少しずつ改善されてきているのは収穫である。野外でまわりに反響するものがないと、音が散ってしまうのはしょうがないけど。

そのあと、ほとんど「引き続き」という形で定期演奏会のための合奏練習。先日、汐澤先生にご指導いただいてから初めて《リンカンシャーの花束》を通したのであるが、演奏者以上に指揮をしている自分が迷っているのが分かってしまった。

いかんなあ。ちょっと仕切り直ししないと。

教授強化月間

Switch (Vol.20No.12)

Switch (Vol.22No.1(2004January))

雑誌「SWITCH」で教授が表紙になっている2冊(正確に言うと以下の理由で3冊)を購入。

特に2002年12月号(Vol.20 No.12)の方は、その頃に発売された究極のベスト盤3枚を収納できる紙ケースがついている。当然、使用版と保存版の2冊を買いましたとさ。

XTC

久しぶりにXTC のホームページをのぞいてみたら、XTC の関連書籍のバーゲンをやっているそうで、それらを買うとアンディ・パートリッジとコリン・モールディングの直筆サインがついてくるらしい。

ということで買ってみた。

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こちらは各アルバムの各曲にメンバーがコメントをつけたもの。かなり曲を聞きこんでからでないと、読んでも面白くないかもしれない。邦訳あり。

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こちらはXTCのバイオグラフィらしい。こちらも邦訳あり。

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まあ、ついでなのでCDも買ってみた。メンバーが「デュークス・オブ・ストラトスフィア」と変名でリリースしたミニアルバムとフルアルバムをまとめたもの。

I won’t be disappointed (坂本龍一ライブ@ZEPP名古屋)

というわけで、久しぶりに教授のツアーに行った。

最前列しかも教授のほぼ真正面という席である。 もう二度とこんないい席で見ることはないんじゃないだろうか。

セットリストはいろいろなブログに書かれているので省略。 アンコールではちゃんと《東風》までやってもらえた。

「CHASM」に収録されている曲以外はかなりオールドファンを意識した選曲なのか?

オールドファンは、オープニングの《BEHIND THE MASK》でプロフェット5とVP-330を弾く教授に涙し、比較的オリジナルに近い《RIOT IN LAGOS》に涙し、ウィンターライブを思わせる映像のもとで演奏される《HAPPY END》に涙し、そして、まさかこんな曲で終わらないだろうという《THE END OF EUROPE》で涙し、そのあとのアンコールでデヴィッド・シルヴィアンのヴォーカル(さすがに本人は来ていなかった)でスティーヴ・ジャンセンがドラム を叩く《WORLD CITIZEN》でも涙するのである。

《戦メリ》や《HAPPY END》では、教授が弾くピアノのバックでオリジナルの旋律がうっすらと重ねられている。これらの曲を初めて聞いたときのことを思い出して、(一時期は懐疑的なこともあったが)ずっと教授のファンでいてよかったと思った。

何よりも教授が本当にうれしそうな顔でピアノを弾いているのを見ることができたし、(癒し系やゆるみ系だけでない)ノイズぐりぐりの攻撃的な音楽をやってくれたのもうれしかった。

やっぱり、ずっとついて行くことにしよう。


そうそう、昼食を取りながら「今日の一曲目は何だろうね?」という話をしていたのであるが、私の頭の中ではずっと《RAIN》が鳴っていた。期待通 りに演奏してもらえたわけだが、これはかなり原曲とアレンジが変わっていた。もっとも原曲(「ラスト・エンペラー」のサントラ)はオーケストラなのでアレ ンジせざるを得ないわけだが、ソリッドなエイトビートもなかなかよい。