月別アーカイブ: 2005年6月

失踪日記

知人から借りて読んだ。

失踪日記

(おそらく)一部では有名な吾妻ひでおの作品。漫画が書けなくていきなり失踪してしまったり(しかも二度!)、アルコール中毒で入院していた時の状況を描いたもの。

深夜に残飯やシケモクをあさりに行ったりとか、毛布やビニールシートを拾ってきて雨風をしのぐとか、作者が実際に体験したホームレス生活が描かれている。

読んでいてかなり気分が落ち込んでくるのであるが、そういう生死に関わる出来事が完全に昇華されて描かれていることに驚く。(だって、自分がホームレスであったりアルコール中毒であったことをギャグにできますか?)それだからこそ、読者はそういう極限に置かれた精神状態をリアリティをもって感じることができるのだろう。

通し練習

毎年恒例の通し練習。

本来の目標としては、各演奏者の譜読みがここまでに完了していて、そこからおよそ2ヶ月かけて最後の仕上げを行う ….. という目論見なのだが、毎年それは達成されていない。この通し練習で「やばい」と実感してやっとお尻に火がつき始めるという状態なのである。

個人的には、各曲の仕上がりは一応「想定の範囲内」だったので、ある程度ゴールが見えてはいる。

《リンカンシャーの花束》は第3楽章と第5楽章が鬼門。やはりものすごく集中力とエネルギーが必要とされる曲である。前にも書いたような気がするが、指揮をしながら常に何かしら(デュナーミクとかアゴーギクとか変拍子とか)コントロールしないといけない。演奏者の音楽に流れを委ねることができないのである。前日や当日の通し練習の前にチェックしただけあって何とかうまくいった。指揮者も含めて演奏者全体でもう少し流れを作れるといいのだが。

第3楽章のソプラノ・サックスのソロは奏者からのリクエストもあって少しテンポを早くしたら「流れ」が出てきたような気がする。最初と最後の変拍子だらけのソロは少し迷いがあってうまく合わない。楽譜が読めてきて回りを聞くようになるときっと混乱してしまうのだろう。ここはもうひとふんばり。

《春の猟犬》は前半→中間部となかなかいい出来だったのだが、後半は気を抜くととたんにアンサンブルが乱れて集中力が途切れてしまう。注意しましょう。テンポが速くなるところの金管楽器が重なっていくところとか、最後に 6/8 と中間部の主題が重なるところとか。

季節はずれのバレンタイン

というジョン・ケージのピアノ曲(正確に言うとプリペアド・ピアノ曲)があるのだが、CD 持ってたっけかな?

というわけでゴディバの「オリジンズ・オブ・ザ・ワールド」をいただく。ううん、美味。

チョコレートは脳を活性化する働きがあるらしいので仕事中に食べるのは有効かも知れない。「オリジンズ・オブ・ザ・ワールド」なら乳脂肪分や糖分も心配ないし。

ところで、このケースは CD がぴったり入りそうじゃないか?(笑)

新しいタワーレコード

浜松駅近くのアクトシティの中にあったタワーレコードが移転して、うちの近くの大規模ショッピングセンターに入ることになった。

フロアが広くなったということで行ってみた。

ほとんど国内盤だけであるがクラシックを置くようになったのは大きな進歩といえる。これから品揃えが充実すればいいのだが、私が買いたいようなモノがそんなに増える見込みはないよなあ … 現代音楽なんか両手両足で足りるくらいの枚数しかなかったし。

まあ、クラシックを置くことによって、フリーペーパーの「intoxicate」が置かれるようになったのはすごくうれしい。

その他はおしなべて3〜4割増といったところか。以前よりは行く機会が増えそうだ。

ということで買ったモノたち。

モンスター・ムーヴィー(紙ジャケット仕様)

サウンドトラックス(紙ジャケット仕様)

タゴ・マゴ(紙ジャケット仕様)

エーゲ・バミヤージ(紙ジャケット仕様)

最近リリースされた CAN の紙ジャケ。以前「タゴ・マゴ」を聞いて興味を持っていた。輸入盤で徐々にリマスター&SACD化されているので、そのうち紙ジャケ化されたら買おうと思っていた。この4枚の中では最初の2枚「モンスター・ムービー」と「サウンドトラックス」が面白い。

アポロ(紙ジャケット仕様)

サーズデイ・アフタヌーン(紙ジャケット仕様)

ミュージック・フォー・フィルムズ(紙ジャケット仕様)

モア・ミュージック・フォー・フィルムズ(紙ジャケット仕様)

そろそろ紙ジャケの呪縛から抜け出せたかなと思っていたのであるが、やはりブライアン・イーノは外せない。今回は様子見だったので予約しなかったのであるが、やはり実物を見ると「あれも聞きたい」「これも聞きたい」ということになってしまう。

今回で打ち止めらしいのでまあいいか。

PASS NO PAST~EPシングルズ

PASS レーベルのシングルを集めた2枚組 CD。教授がプロデュースしたというフリクションの「軋轢」とかは聞いてみたかったのだが、ちょっと手を出しあぐねていたのでこういうコンピレーションで確認したい。

そのフリクションよりも、そのメンバーだった恒松正敏のソロ作の方が面白かった。この作品は、PASS レコードの主催者でもある後藤美孝がプロデュースしているのであるが、この後藤美孝は教授のソロ作品「B-2 UNIT」でも共同プロデューサーとしてクレジットされている。そんなわけで恒松正敏もダブの処理の感覚が非常に「B2-UNIT」に近い。

同じく教授がプロデュースした PHEW の《終曲》《うらはら》はリアルタイム(1980年前後くらいかな?)に聞いて、そのダークさがけっこう好きだった。アルバムは全然雰囲気が違うらしいのだが、どうなのだろう?CAN のメンバーだったホルガー・シューカイなども参加しているらしい。微妙にシンクロニシティ。

PHEW や突然段ボールのアルバムはリリースされているのはずだと思って探したのだがなかった。7/2 に延期されたようですね。

Shostakovich: Jazz & Ballet Suites; Film Music

ショスタコーヴィチの2つの《ジャズ組曲》、バレエ組曲(《ボルト》、《明るい小川》、《黄金時代》)、映画音楽(《ハムレット》、《馬あぶ》)を集めた3枚組。何と言っても《祝典序曲》のオリジナル管弦楽版を聞いてみたかったのである。クチャル指揮ウクライナ国立交響楽団の演奏。

世界遺産「THE COLOR OF MEMORIES」 [DVD]

ふらっと買ってしまった。TBS の「世界遺産」の総集編という位置づけか。

disc 1 はテーマごとに編集されていて、音楽でいうところの「リミックス」のような感じ。異なる場所の同じような構図、例えば空撮であるとか、教会の中で天井を見上げるような構図であるとか、狭い路地を進んでいくような構図などを集めて編集している。ともすると1秒以下の単位で映像が切り替えられている部分もあるので、意図してダイナミックな映像を作ろうとしているのだろう。

それと比較して disc 2 は放送順に番組をダイジェストしているので、落ち着いて見ることができる。こちらは資料としての意味合いが強い。

BGV として流していてもいいし、じっくりと見入ることもできるし、いいかも。

断髪式

よくわからない飲み会。

会社の昼休みにオセロをやっていたのだが、髪の毛を賭けた(昨年の)新入社員くんが負けてしまって、飲み屋でその断髪式をやることになった。

一応、勝ち組であった私も参加。わりと疎結合な面子だったと思うのだが、それにしては盛り上がった。次回は某ビデオの鑑賞会を行なうという噂あり。

二次会では、前から行きたかったワインバーへ行ったのであるが、今から思い返してみると相当変な集団だったかも知れない。実は「出入り禁止」になっていたりしたらどうしよう …

というわけで、街へ出たついでに買ったものたち。

あしたのジョーJAZZ

「あしたのジョー」の歴代主題歌をジャズにしたもの。意外に普通だった。もうちょっと「あしたのジョー」を選んだ必然性というかこだわりみたいなものを聞きたかった。

ティーヴィー・ジャズ・セブン」のようなものを期待していたのだが … こちらは懐かしいアニメや子供番組の主題歌をジャズ編成で演奏したもので、スタイルの露骨なパクリなどもあってなかなか楽しい。ブレッカー・ブラザース風とかチック・コリア風とかキース・ジャレット風とかいろいろやっている。

OH!Mikey 7th. [DVD]

惰性で買っているような気がするのだが、やっぱり新作が出ると見たくなる。こまっしゃくれたローラや、トニーとチャールズの双子掛け合い漫才がよい。

The Model か Das Model か?

最近、クラフトワークのメーリングリストで紛糾している話題。

先日の日記でも書いたようにクラフトワークの最新ライブアルバム「Minimum-Maximum」にはドイツ語バージョンと英語バージョンが存在するのであるが、このドイツ語バージョンにも2種類あるらしいという話である。

私が amazon.de から購入したドイツ語バージョン(マトリックス:5607002 @ 5)では《Das Model》はドイツ語で歌われているのだが、日本に輸入されているドイツ語バージョン(マトリックス:5607002 @ 4)では《Das Model》は英語で歌われているらしいのだ。他にも マトリックス:5607002 @ 5 を持っているという方がいたが、この方は海外出張中にフランクフルトの空港内で購入したとのこと。

日本はドイツ語バージョンと英語バージョンが日本盤としてリリースされている(ややこしい)のだが、どうやらこの盤もマトリックス:5607002 @ 4 をベースにしているようで、東芝EMIのサイトでもこのことには言及されていない。

シエナのDVD

というわけで DVD も買ってみた。

ブラスの祭典 ライヴ 2004 [DVD]

いつも買っているショップで品切れだったらどうしようと思っていたのだが、たくさんディスプレイしていたのでかなりプッシュして売っているのかな?昨日の吹奏楽団に練習でも買ったという団員がいたし、かなりヒットしているのかも知れない。

「ブラスト」に参加している石川直さんのソロ、アンコールでの観客を交えた《星条旗よ永遠なれ》(大学の後輩が映っていてびっくりした(笑)。 pontaくん、記念に買った方がいいよ。)なども含まれており、CD よりもなお一層エンタテインメント性が強調されているように思える。

確かに佐渡/シエナのコンビには聞き手をわくわくさせる雰囲気がある。それは佐渡さんが吹奏楽という音楽をやりながら、吹奏楽という範疇を超えた視点で音楽を見つめているからなのではないかと思う。聞いている人の多くが吹奏楽関係者であっても、その視点には意味があろう。

これまでの CD ではわりとそういう「わくわく感」を訴えやすい作品が選ばれてきた。 (例えばバーンスタインの《キャンディード序曲》であったりリードの《アルメニアン・ダンス》であったり。) いわば「自分の土俵で相撲を取っていた」というメリットがあった。 今回の CD / DVD はそういう路線の総決算のような気がする。

このまま進んでしまうとマンネリ化してしまう恐れがあるので、個人的には、ちょっと方向転換をしていただいて、例えばしかめっ面をして聞きそうな作品たちを自分たちの土俵に引き込んで「シエナの音楽」にして欲しい気がする。

… と思ってホームページを見ていたら、今度はドビュッシーの《喜びの島》をやるのか … ニヤリ。

北海道教育大学函館校吹奏楽団

渡部謙一さんから北海道教育大学函館校吹奏楽団の演奏会の DVD を見せていただいた。今年の3月6日に行なわれた「吹奏楽的温故知新」と題された演奏会である。

第1部は現代の日本人作曲家による作品、第2部は渡部さん、国塩哲紀さん、伊左治直さんによるトーク、第3部はいろいろな国の行進曲という構成になっている。

第1部は国塩さんによる簡単な楽曲解説を実演を交えながら行い、そのあとで作品を演奏するというレクチャー・コンサートのような形式。例えば《プレリュード》(浦田健次郎)では、冒頭のティンパニソロを取り出し、《夕焼けリバースJB急行〜ハイドン・バリエーション・メタモルフォーゼ>伊左治直》(伊左治直)では変容された「聖アンソニーの主題」を取り出し、田村文生編曲によるドビュッシーの《海の微風、春の再来〜弦楽四重奏曲第4楽章》では原曲と聞き比べて編曲者がどのように原曲をオーケストレーションしたのかを説明している。非常に面白い試みだと思うが、ひょっとして会場で聞くと少し長すぎたのかなという危惧も感じる。

しかし、《夕焼けリバースJB急行〜ハイドン・バリエーション・メタモルフォーゼ》はすごい曲。一応、ブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》が下敷きになっているらしいのだが、ほとんど原型をとどめないくらい解体されている。かろうじて聖アンソニー・コラールのそれらしい響きは聞き取れるのであるが、中盤ではジャズっぽい曲想になりトランペットやらサックスやらがスタンドプレイを演じる。そして最後はぽんっと放り出されたように唐突に終わってしまう … もうちょっと聞いてみないとよくわからないなあ …

第2部のトークは比較的期待通りの内容であった。現代音楽と吹奏楽の両方を俯瞰している渡部さん、国塩さんに、どちらかというと現代音楽の立場からものを言っている伊左治さん。まあ、この方の場合はガチガチのクラシックではなく舞台作品やいわゆるポピュラー音楽にも足を突っ込んでいるわけだが。この3人が「現代の音楽」における吹奏楽の位置付けのようなものを語っている。このトークを聞いている人のバックグラウンド(こういう問題意識を持っていない)によっては「何を話しているか全くわからない」状況だったのかも知れない。

第3部は未見なのであるが、ロシア、フランス、日本、ドイツ、アメリカ、イギリスとそれぞれの国の代表的な行進曲が集められている。ちなみに日本からは間宮芳生の《マーチ「カタロニアの栄光」》が選ばれている。

イヤホンその後

先日購入したイヤホン(http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0828/mobile169.htm)を使っているのだが ….. 仕事中に使うのには向かないな、これ。

最近、集中して仕事をしたい時にはブライアン・イーノの「ミュージック・フォー・エアポート」とかグレン・グールドの「ゴルトベルク変奏曲」(晩年録音の方)とかを聞いているのだが、かなりのめり込んでしまう。

前にも書いたように極めて遮音性が高いので、周りの音がほとんど聞こえない。 集中できるのはいいのだが、電話や用事があったときに肩を叩かれたりするとびっくりしてしまう。そういう意味では通勤途中に自転車に乗りながら聞くのも危険かも。

あと、ふだんは iPod で聞いているのだが、圧縮された音の限界が聞こえてしまう。 大瀧詠一の「A LONG VACATION」は御大ご本人によるリマスタリングでかなり音質が向上しているのだが、1曲目《君は天然色》のサビが iPod で聞いたときに歪んでいる感じがした。家に戻って CD で聞いてみるとそんなことはなかった。

ついでにイヤホンのエージングも兼ねて何曲か聞いてみた。

  • ビョーク「ヴェスパタイン」DVDオーディオ盤。ジャケットに貼られているステッカーには96kHzフォーマットが収録されていると書かれているのだが、うちの プレーヤーでは48kHzとしか表示されない(泣)。6曲目のオルゴールのようなインストゥルメンタル《フロスティ》がとても生々しく鳴る。
  • マーラー/交響曲第9番(インバル/フランクフルト放送響)。とりあえず第1楽章の冒頭。楽器の分離がかなりよい。このイヤホンは低音が鳴らないという評価もあるが全然そんなことはない。コントラバスなどの空気感も伝わる。
  • マイルス・デイヴィス「ビッチェズ・ブリュー」。ボックスのリマスタリング盤。これも楽器は生々しく鳴るが、かなり盛大なヒスノイズがのっていることがわかった。

やっと会えたよ谷口くん

やっと「プレイボール」の続きを買った。買いそびれていた第5巻から最終巻である第11巻まで。

コンフェデ杯なんかそっちのけで読んでしまった(まだ全部読み終わっていないけど)。

小学生の頃はジャンプコミックスを買って読んでいたのだが、どうも途中までしか持っていなかったようだ。7巻の途中くらいまでは何となく話を思い出しながら読んでいたのであるが、ふと「そういえばこの試合ってどっちが勝ったんだっけ?」と思ったら全く記憶にない展開になっていた。